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庭木の消毒が必要な時期は?自分でやる方法や依頼する場合の相場も

最終更新日: 2023年07月04日

庭木を病気や害虫から守るには、定期的な消毒が不可欠です。健康的な庭木を育むのに必要な消毒について解説します。自分で消毒を行う方法に加えて、業者に依頼するメリットも解説するので、庭木の消毒を検討している人であれば参考になるでしょう。

庭木の消毒が必要な時期

庭木の消毒

庭木の健康を維持するためには、ほぼ1年を通して消毒が必要です。庭木の消毒が必要な時期と、季節ごとに異なる消毒の目的を解説します。

予防のための消毒が必要「1~2月」

病気や害虫が息をひそめるといわれる冬も、庭木の消毒は必要です。1~2月に庭木の消毒をする目的は、春に待ち受けている害虫の大繁殖を抑制することです。

庭木に付く害虫の中には、卵の状態で冬を越すものがいます。冬の間に卵を駆除しておけば、暖かくなってから起こる大繁殖を防ぐことが可能です。

1~2月に庭木の消毒をしておくと、害虫が媒介する病気を防ぐ効果も期待できます。「冬だから害虫なんていないだろう」と油断せず、しっかり消毒しておくのがおすすめです。

活動を始めた虫を退治する「3~5月」

虫にとって快適な季節である春先も、消毒が必要な季節です。3~5月に庭木の消毒をすると、暖かくなってから繁殖を始める害虫を、効率的に駆除できます。

寒い時期に消毒をしていても、100%害虫を予防するのは不可能です。春先にしっかり消毒をしておけば、庭木を害虫の被害から守れます。

3~5月にかけて行う消毒のポイントは、庭木の負担になりにくい薬剤を選ぶことです。暖かくなって芽吹く新芽は薬剤に敏感で、刺激の強すぎる薬剤を散布すると、たちまち生育不良を起こす恐れがあります。

こまめな消毒が必要「7~9月」

夏場は庭木の消毒が最も重要になってくる季節といわれています。暑くなり活動が活発になる害虫や、病気を撃退するには、7~9月の消毒が欠かせません

夏は病気や害虫の発生が最も懸念される季節とされています。消毒をしても、すぐに病気や害虫が発生するケースもあるでしょう。病気や害虫を見つけ次第、こまめに消毒を実施し、庭木の健康を守ることが重要です。

また夏場は、梅雨や台風の影響で庭木に散布した薬剤が流れ落ちる可能性もあります。そういった意味でも、夏はコンスタントに消毒をすべき季節といえるでしょう。

庭木の消毒で防げる病気

庭木の消毒で予防できる代表的な植物の病気を紹介します。紹介する症状が現れている木があるなら、早めに対処して病気の広がりを防止しましょう。

黒いカビが広がっていく「すす病」

すす病

庭木がすすをかぶったように黒くなっていたら、すす病の可能性が考えられます。すす病とは糸状菌(しじょうきん)と呼ばれる菌が原因で起こる病気です。すす病にかかった庭木は、光合成がうまくできなくなり、成長が阻害されます。

すす病は小さな害虫が付く、あらゆる樹木で発生する病気で、4~10月の暖かい時期に発生するケースが多いとされています。

すす病を発見した場合には、発生した範囲のカビを拭き取りましょう。症状が進行している場合には、発生した範囲を摘み取って処分します。

白いカビに覆われる「うどんこ病」

うどんこ病

うどん粉をかぶったように葉の表面が白くなっていたら、うどんこ病を疑いましょう。うどんこ病とは植物の葉や茎に、白いカビが発生する病気です。進行すると葉が枯れてしまうため、見つけ次第、早めに対処する必要があります。

うどんこ病は種類を問わず、さまざまな庭木に発生する病気です。暖かい時期に発生することが多く、特に梅雨の時期と秋の彼岸あたりに多く見られます。

うどんこ病は一度発生すると胞子が風に乗って運ばれ、他の庭木に伝染していきます。うどんこ病に侵されている葉や茎を見つけたら、早急に除去して繁殖を防ぎましょう。

細い枝が現れる「てんぐ巣病」

枝が細かく密集し、鳥の巣のようになっていたら、てんぐ巣病の可能性があります。てんぐ巣病とはさび病菌や、もち病菌の一種を原因とする病気です。放置すると少しずつ病巣が広がっていき、庭木をどんどん衰えさせていきます。

てんぐ巣病はサクラ・ツツジ・アスナロ・キリなどの樹木でよく見られ、真冬を除いて全ての季節で警戒が必要な病気です。特に4~8月によく発生するので、この時期は注意深く庭木を観察するようにしましょう。

庭木がてんぐ巣病にかかってしまったら、症状が現れている枝を付け根から取り除きます。

庭木の消毒で撃退できる害虫

庭木の消毒で退治できる代表的な害虫を紹介します。中には人にも被害を与える害虫もいるので、庭木に害虫がいないかチェックするときは、長袖・長ズボン・手袋をして作業しましょう。

庭木の生育を妨げる「アブラムシ」

アブラムシとはカメムシの仲間に属する虫です。植物の葉や茎などに針状の口を刺し、樹液を吸います。樹液を吸われた植物は、新芽が縮れたりすす病を発生させたりする恐れがあるため、アブラムシは見つけ次第、撃退する必要があります

アブラムシはほとんど全ての樹木に発生する虫です。春から秋まで長期間の警戒が必要で、特に梅雨に入る前の4~6月頃と、残暑が厳しい9~11月頃によく発生しやすくなります。

アブラムシは数が少ない段階なら、集まっている部分を除去することで撃退できます。また増えてしまったアブラムシを撃退するには、薬剤を散布しましょう。

関連記事:アブラムシの発生原因と駆除方法、予防方法を解説【無農薬でも対策できる】|ミツモア

病気を媒介する「カイガラムシ」

カイガラムシとは貝殻のような硬い皮をかぶった虫です。樹液を吸って植物を枯らしてしまうばかりか、すす病やこうやく病などの病気を誘発させる、厄介な害虫として知られています

カイガラムシはソヨゴ・ミカン・アカシア・マツなどの庭木で発生しやすいといわれています。1年を通して発生が懸念される害虫ですが、特に5~8月頃の暖かい時期に大繁殖するため、この時期には警戒が必要です。

カイガラムシは薬剤が効きにくい害虫といわれているため、物理的に除去するのが確実な撃退方法です。発生範囲を剪定したり、歯ブラシやヘラで、こそげ落としたりするとよいでしょう。

人にも被害を及ぼす「ケムシ」

ケムシとは体に細かな毛が生えているイモムシ全般を指します。チョウやガの幼虫であるケースが多く、6~10月の暑い時期に発生します。ほとんど全ての庭木で見られる害虫です。

ケムシの危険性は毒性にあります。ケムシに触れると、皮膚に炎症やかゆみが現れたり、場合によってはアナフィラキシーショックを引き起こす恐れもあります。

全てのケムシが毒性を持ち合わせているわけではありませんが、見た目で毒の有無を判断するのは難しいので、見つけた場合には注意が必要です。

ケムシを発見したら、被害に遭っている葉や枝ごと取り除くか、割り箸を使って1匹ずつ除去しましょう。

庭木の消毒を自分でやる方法

庭木の消毒をする女性

庭木の消毒は必要な道具を準備して、重要なポイントをしっかり押さえれば、プロの手を煩わせることなく自分でも実施できます。自力で庭木を消毒する際のポイントを解説します。

必要な道具や服装を準備する

庭木の消毒を自分で行う際には、まず必要な道具を準備しましょう。消毒にマストなアイテムは噴射機です

噴射機には手動で圧力をかけて薬剤を噴射する「蓄圧式噴射機」と、電気の力で薬剤を噴射する「電池式噴射機」があります。消毒を行う範囲の広さに合わせてタイプを選びます。背の高い樹木がある場合には、ノズルが伸びるタイプを選ぶ方が利便性も高いでしょう。

薬剤を散布する際には、身を守るためにも、以下のような装備を整えて作業するのがおすすめです。

  • 長袖長ズボン
  • ゴーグル
  • マスク
  • 手袋
  • 帽子
  • 長靴

マスクは農業用がおすすめです。値段は一般的な不織布マスクよりも高いものの、薬剤の吸入をしっかり防いでくれます。

薬剤を庭木にまんべんなく噴射する

薬剤を散布するときは、庭に植わっている樹木の全てに薬剤が行き渡るようにしましょう。一部の庭木にしか散布できていない場合、十分な消毒効果が得られない可能性があります。

病気や害虫が発生していないように見える庭木でも、症状が出ている樹木が近くにあれば、被害が広がっている可能性は十分に考えられます。

目に見えて被害が出ている庭木だけを消毒しても、消毒していない別の木に病気や害虫が移っていれば、やがてその木を中心に病気や害虫が繁殖して、庭全体に被害が及んでしまうかもしれません。

ポイントは全ての病気や害虫を根絶やしにすることです。庭に植わっている樹木の全てをしっかり消毒し、病気や害虫に付け入る隙を与えないことが重要です。

庭木の消毒を自分でやる際の注意点

庭木の消毒を自分で行うときは、薬剤の注意書きをしっかり確認しましょう。

薬剤は正しい使い方をしないと、目的とする効果が得られないばかりか、樹木や人体に悪影響を及ぼす可能性があります。注意書きの隅々まで目を通し、正しい方法で薬剤を使用するのが大切です。

また作業を行う日は、風の強い日を選ばないようにしましょう。風が強い日に消毒を行うと、風に乗って薬剤が流れ、隣家の庭木や人に降りかかってしまう危険性があります。

庭木の消毒に必要な薬剤の選び方

害虫駆除

庭木の消毒に使う薬剤には、殺虫剤・殺菌剤・殺虫殺菌剤の3種類があります。自分で消毒をするなら、植わっている樹木や周囲の環境に配慮した薬剤選びが重要です。薬剤を選ぶときのポイントを解説します。

庭木の特性を理解した上で選ぶ

薬剤を選ぶ際には、植わっている庭木の特性に合った薬剤を選ぶのが大切です。樹木の特徴を無視して薬剤を散布しても、期待した効果は得られません。

庭木に使用できる薬剤には多種多様なタイプがあり、薬剤ごとに効果のある病気や害虫は異なります。また庭木には、それぞれ発生しやすい病気や害虫があり、何に警戒すべきかは樹木の種類によって変わります。

使用する薬剤を選ぶときには、植わっている庭木が何で、どんな病気に弱いのか、どんな虫が付きやすいのかを理解した上で、目的に合った薬剤を選ぶことが大切です。

周囲の環境を考慮して選ぶ

庭木の消毒を実践する際には、どのような環境下にある樹木に利用するのかを考えた上で、薬剤を選択しましょう。消毒に使う薬剤は、使い方によっては毒になり得るので、環境に配慮して選ばないと、思わぬトラブルに発展する可能性があります。

注意すべき環境の代表例が、隣家の存在です。消毒する樹木の近くに隣家の庭木がある場合、流れていった薬剤によって影響が出る恐れがあります。

隣家の庭木が近くにある環境では、広範囲に薬剤を散布するエアゾールタイプではなく、ピンポイントで薬剤を散布できるスプレータイプか、粒剤を選ぶのが賢明といえるでしょう。

庭木の消毒を業者に頼むメリット

庭木の消毒を自力で行うには、道具をそろえたり、適切な薬剤を選んだりする必要があるため、手間と時間がかかります。素早く済ませたい人は、消毒を業者に依頼しましょう。庭木の消毒をプロに依頼するメリットを紹介します。

確実に病気や害虫を退治できる

業者に依頼するメリットとして、まず挙げられるのが、確実性の高さです。素人による消毒だと作業にむらが出て、薬剤の効果を最大限に引き出せない可能性があります。

素人仕事で起こりがちなのが、薬剤の濃度を間違えてしまうことです。庭木の消毒に使う薬剤は、希釈して使用するものが一般的です。

薬剤を薄めすぎれば期待した効果は得られにくく、反対に濃く作りすぎると、薬害が起こって庭木に悪影響を与える可能性があります。

その点業者に消毒を依頼すれば、プロによる確かな仕事が期待できます。しっかり病気や害虫の対処をしてくれるので、たとえ費用がかかっても、総合的にはコストパフォーマンスが高いといえるでしょう。

安全性も担保しつつ環境にも配慮してくれる

庭木の消毒は、さまざまなリスクも伴う難しい作業のため、安全性を担保した方法で消毒を行ってくれるのも、業者に依頼するメリットです

庭木の消毒に使う薬剤には、人体に影響を及ぼす危険性が懸念されるものもあります。正しく使用しなければ、薬剤を散布した人はもちろん、同居している家族や隣人にまで影響が出てしまうかもしれません。

庭木のプロである業者に消毒を依頼すれば、樹木・住人・隣人にも配慮した方法で消毒を実施してくれます。環境に配慮した消毒を自分で行うのが難しいと判断した場合には、プロの手を借りるのが賢明です。

庭木の消毒を依頼するときの相場

庭木の消毒を業者に依頼するなら、どのくらいの費用がかかるのか、相場を知っておくとよいでしょう。プロに依頼した場合にかかる費用について解説します。

値段は庭木の高さで決まるのが一般的

庭木の消毒にかかる費用は、消毒する木の高さによって決まります。一般的な価格は以下の通りです。

  • 低木(0~3m):約1,800円~
  • 中木(3~5m):約3,800円~
  • 高木(5~7m):約8,000円~

庭木の消毒は、庭木の剪定オプションとして追加できます。剪定後のオプションとして消毒を行う場合の料金の相場は、1,000~3,000円程度です。

庭木は適度に剪定しておくと、風通しがよくなり、病気の発生を抑えられます。剪定と消毒を同時に行えば、庭木の健康状態を維持できるでしょう。

関連記事:庭木の剪定料金の相場と安く抑えるコツ!業者選びのポイントも解説|ミツモア

適切に庭木の消毒をして豊かな緑を育もう

庭木の健康を保つには、定期的な消毒が欠かせません。適切な薬剤を選び、正しい方法で消毒を行えば、病気や害虫に負けない健やかな庭木が育てられます

効果的かつ、安全に庭木の消毒をしたいなら、ミツモアで見積もりを取り、庭木をしっかり消毒してくれるプロを探しましょう。ミツモアなら剪定とセットで消毒をしてくれる業者が見付かるので、庭木の健康を総合的に向上できます。

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