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ジューンベリーを剪定しよう!剪定時期と切る枝の見分け方を解説

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最終更新日: 2023年03月31日

近年人気の「ジューンベリー」は日本の風土と相性のよい庭木です。樹形を整えるために剪定は必要ですが、深く切る必要はありません。

剪定に適した時期や間引く枝の見極め方を紹介します。おすすめの樹形・剪定のコツも押さえておきましょう。

ジューンベリーとは

ジューンベリー

ジューンベリーが海外や日本で人気を集める主な理由は、四季ごとに変わる趣や実の用途の幅広さです。主な特徴や実の用途を知るとジューンベリーの魅力がよく分かるでしょう。

四季折々の趣が人気の果樹

ジューンベリーは北米が原産で、バラ科ザイフリボク属の果樹です。北アメリカやヨーロッパ・アジアを中心に10種類ほど分布しています。

ジューンベリーは美しい樹形だけでなく、花や実・紅葉が1年を通じてさまざまな表情を見せ人々を楽しませる樹木です。英語で「Juneberry」と書くように、6月に小さな赤い果実を実らせます。

季節の移り変わりに合わせて趣が変わっていくジューンベリーは、四季がある日本の風土にもマッチするでしょう。自然に育てると樹高が3〜5mほどになりますが、高さを抑える剪定をすれば玄関先でも楽しめます。

実はジャムやトッピング、果実酒にも

まだ熟れきっていないジューンベリーの実は固めで、噛んだときのほどよい酸味と後から口に広がる甘みが魅力です。色づいて間もない頃の赤いジューンベリーは、そのまま生食で食べるか素材の味を活かしたコンポートとして楽しみましょう。

摘みたてのジューンベリーとは違い、熟して濃い赤紫に色づいたジューンベリーは甘さが強くジャムに適しています。砂糖とレモンを加えて煮詰めたジューンベリージャムは、スイーツやパンの付け合わせにぴったりです。

他には氷砂糖とホワイトリカーで果実酒にする楽しみ方もあります。作ってから半年ほどたったタイミングが飲み頃です。ジューンベリー特有の甘酸っぱさがなくなり、柔らかく爽やかな味を堪能できます。

ジューンベリーの四季

ジューンベリーの花

ジューンベリーは季節ごとにどのような表情を見せるのでしょうか?花の時期・結実・紅葉と、1年の流れに沿ってジューンベリーの四季を見ていきましょう。剪定の時期を考えるうえでも、時期別の状態は大切です。

4月から5月が花の見頃

ジューンベリーが花を咲かせるのは4〜5月中旬頃です。暖かい地域では3月下旬あたりから咲き始める場合もあります。桜を連想させるともいわれるジューンベリーの木は、冬を越して葉が芽吹く前に花を咲かせるのが特徴です。

白く細かな花は桜に似て5枚の花びらを付けます。1箇所にいくつも密集して咲くため、開花した風景は見応え抜群です。

開花してから葉が芽吹き、1週間ほどで花は散ります。花が終わりに近づくにつれて葉が茂ってくる様も、桜に似た風情を感じる理由の一つです。

5月に実を付け6月は食べ頃に

ジューンベリーが実を付けるのは花が散った5月の中〜下旬です。徐々に色づき6月頃には食べ頃になります。

色づき始めた頃の実はあざやかな赤色をしていますが、次第に熟し濃い赤紫に変わっていくのが特徴です。ジューンベリーは食べ頃になると手で軽く触るだけでもポロッと落ちるため、簡単に収穫できます。

ジューンベリーは庭木として日本でも徐々に人気が出てきましたが、果実はほとんど流通していません。実を食べられるのは自宅で育てている人の特権ともいえます。

秋が深まるにつれ紅葉していく

実の収穫時期が終わって夏が過ぎると、紅葉の季節です。ジューンベリーの木は他の木々と紅葉の仕方が異なります。この変わった紅葉の仕方も魅力の一つです。

紅葉を楽しむ庭木は一般的に、緑の葉からオレンジになり、冬が近づくにつれて赤く染まっていきます。ジューンベリーは緑の葉から急に赤色に染まる場合が多いのが特徴です。

赤く染まり始めるのが早いこともあり、季節が進むにつれて赤色は深みを増します。庭木では珍しい深紅の紅葉は、庭の景色を鮮やかに彩るでしょう。

ジューンベリーを剪定する時期と基本の方法

日光の中のジューンベリー

おいしい実や美しい花・紅葉が人気のジューンベリーは、正しく剪定をしないと健やかに育ちません。目指す樹形ごとに細かい剪定の仕方は変わりますが、枝を切るのに適した時期や基本の剪定方法は共通しています。

剪定時期は落葉期の11月から3月

ジューンベリーの剪定に適している時期は、枝の成長が止まる11月から翌年3月の間です。この時期は「落葉期」といわれており葉を落とした後に木全体が休眠しています。

落葉期は枝を切っても木へのダメージを抑えられる時期です。ジューンベリーを弱らせないためにも剪定は11〜3月の間に済ませましょう。

ただ寒さの厳しい地域の場合、1〜2月は避けた方が無難です。ジューンベリーは寒さに強い果樹ではありますが、あまりに温度が低い時期に枝を切ると休眠中でも大きな負担がかかってしまいます。

樹形を見ながら残す枝を決める

一般的な果樹の場合3年ほど実を付けた枝は、翌年から実や花の付きが悪くなるといわれています。

ジューンベリーも同様で前の年に実を付けていた枝は年々実付きが悪くなり、翌年の花や実に悪影響を及ぼしてしまうのです。実を付けた枝は切り取ってしまっても生育に問題ありません。

他に切り落とす枝と残す枝を決めるときは、樹形全体を見渡して日当たりや風通しも計算しましょう。古くなった枝や不要な枝を残すと、開花や結実に必要な養分を取ってしまうだけでなく樹形も乱します。

新しく生えた枝が成長しやすいように剪定するのも、基本のポイントです。バランスよく若い枝を残すと翌年多くの実を付けるようになります。

剪定する枝の選び方

剪定すべき忌み枝のイラスト

ジューンベリーを剪定するときは、まず切り落とす枝を選びます。優先して切り落としたいのは次のような枝です。

  • 徒長枝
  • ひこばえ
  • 胴吹き枝
  • 絡み枝

徒長枝とは真上に向かってまっすぐ伸びている枝です。実を付けにくいため切ってしまっても問題ありません。ひこばえは株元から生えてくる若い枝で、メインの幹を1本にする場合は樹形を乱すため根元から切りましょう。

胴吹き枝は幹や枝の途中から生えてきた枝です。放っておくと太く成長し、樹形が変化してしまいます。絡み枝は名前の通り他の枝と交わる枝です。日当たりや風通しを悪くして実や花に悪影響を及ぼしますので、根元から切り詰めます。

ジューンベリーにおすすめの樹形

実ったジューンベリー

ジューンベリーは育てたい樹形によって、仕立て方が違ってきます。どのような用途で植えたいかを考えて樹形を選びましょう。ジューンベリーの木におすすめの樹形を二つ紹介します。

高く育てたいなら「主幹仕立て」

「主幹仕立て」は1本の幹を高く伸ばして、シンボルツリーとして育てたいときに適した樹形です。主幹仕立てにすると枝も左右へ伸び、全体的に卵形に仕上がります。主幹仕立てのメリットは手入れの楽さです。植え付けからの経過年数に合わせて整えておくだけで、その後は自然とキレイな形に育っていきます。植え付け年数ごとに樹形を整える方法は以下の通りです。

  • 1年目:苗を60cmほどの高さに切って幹だけにする
  • 2年目:伸ばしたい枝を1本だけ残し、他は根元から切り取る
  • 3年目:残った枝から伸びた細い枝を適度な長さに切り、不要な枝を剪定する
  • 4年目以降:過剰に伸びた枝や実を付けたことのある枝を剪定する

3年目にひこばえが生えていた場合は根元から切り落としましょう。残す枝を中心として形を整えていくイメージです。

樹高を抑えたいなら「株立ち」

「株立ち」とは主幹の根元から生えているひこばえを残して、一緒に育てていく樹形です。太めでしっかりとしたひこばえを数本選び、残りは切り落とします。玄関先に植える場合などで高さを抑えたいなら、主幹仕立てよりも株立ちが向いているでしょう。

残したひこばえと主幹の高さをそろえ、2/3ほどを目安に切ります。そのまま2〜3年は自然に成長させましょう。

株立ちの樹形は全体的にひし形です。主幹仕立てと違って横に広がった樹形を楽しめます。垣根として植える場合も目隠し効果を期待できる株立ちがおすすめです。

ジューンベリーをうまく剪定するコツ

ジューンベリーを触る人

ジューンベリーは剪定の仕上がりによって、樹形だけでなく花や実の付きも変わってきます。剪定後も病気にかからないようにケアをしなければなりません。コツを押さえるのが難しそうだと感じるなら、プロに任せるのも選択肢の一つです。

間引き剪定が基本!強剪定は控える

ジューンベリーは伸びてきた枝を切り落とす程度の「間引き剪定」が基本です。若い内から頻繁に強剪定をしてしまうと成長が遅れて、いつまでも実を付けないという事態にもなりかねません。

成長速度が遅く花や実を付けるまでに時間がかかります。苗木からだと実るまで約8年の年月が必要ともいわれているため、長い目で見守る姿勢が大切です。

太い枝を切る頻度が多いと傷口から細菌が入るリスクが上がり、病気にもかかりやすくなります。

太い切り口には癒合剤を塗る

果樹は枝を切り落とした切り口から菌が侵入すると病気になり、木全体が枯れてしまう可能性があります。ジューンベリーの太い枝を剪定した後は、切り口に癒合剤(ゆごうざい)の塗布が必要です。

癒合剤は切り口から雑菌が侵入するのを防ぐだけでなく、傷口を早く治す「カルス」の形成を手助けする役割も担います。

不要なひこばえや細い枝であれば癒合剤を塗る必要はありませんが、株立ちに仕立てるときのひこばえや太い枝の切り口には忘れずに塗っておきましょう。

確かな腕を持つプロに依頼する

ジューンベリーは比較的育てやすい果樹です。水や肥料も多くを必要としないため手間もかかりません。しかし適切に剪定できていないと実を付けにくくなります。

日当たりや風通しを計算して万全な剪定を行うには、技術と経験が必要です。剪定に自信がない・失敗したくないという人は、剪定業者に依頼した方がよいでしょう。

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ジューンベリーを好みの樹形に剪定しよう

晴天のジューンベリー

ジューンベリーの木は日本の庭先でも育ちやすく、年々人気が増している果樹です。手間もかからずおいしい実が取れ、鑑賞用の木としても楽しめます。

暮らしている住宅の雰囲気に合わせた樹形に剪定しやすいため、家庭のシンボルツリーとしても植えられる樹木です。11〜3月の寒い時期に剪定を行うことで、翌年の花付きや実付きをよくできます。

高く育てたいなら主幹仕立て・低めに仕上げたいなら株立ちというように、目指す樹形に合わせて剪定しましょう。

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