ロウバイは日本の冬を彩る美しい花木として知られ、庭園や公園で人気の植物です。


ロウバイの樹形を保ち、キレイな花を咲かせるためにも剪定は必要不可欠です。
本記事では、ロウバイの剪定方法や時期などのポイントをお伝えします。
ロウバイの剪定時期は3~4月上旬と11月
ロウバイの剪定は花が咲き終わった後の3月~4月上旬に行います。
基本的に落葉樹は、木が休眠する冬期に剪定を行うのが適切ですが、ロウバイは真冬の1~2月に花を咲かせるので、この時期の剪定は避けます。開花期が終わってから気温が高くなってくる前の時期に剪定しましょう。
ただし寒くなって葉が落ちてから花を咲かせるまでの11月ごろなら、不要な枝を除く程度の軽い剪定をしても構いません。このとき、花芽がついている短い枝を切らないようにしましょう。
ロウバイの花後剪定の方法(3~4月)
花後のロウバイを剪定する流れは以下の通りです。
①樹冠からはみ出た枝を切り戻す
樹形を整えるために、樹冠からはみ出した枝を目の上で切り戻します。
②不要な枝や立ち枝を切り取る
逆さ枝や徒長枝、他の枝に絡む立ち枝や交差している枝を切り取ります。徒長枝は芽の上で切りましょう。
切り落とす枝の見分け方は以下の通りです。
不要枝の種類 | 不要枝の特徴 |
---|---|
ふところ枝 | 樹冠の内部で生えた細かく小さな枝。 |
かんぬき枝 | 左右の枝が主幹を貫いて一直線になるように生えたもの。 |
逆さ枝 | 幹に向かって伸びた枝。 |
立ち枝 | 真上に向かって伸びた枝。 |
下り枝 | 下に向かって伸びた枝。 |
絡み枝 | まっすぐ伸びず、他の枝に絡むように伸びた枝。 |
徒長枝 | 極端に勢いよく伸びた枝。上に向かって伸びることが多く、ほとんど花芽をつけない。 |
車枝 | 幹の同じ高さから4本以上の枝が水平に伸びたもの。 |
平行枝 | 同じ方向に伸びる上下2本の枝。 |
胴吹き枝 | 幹から新たに直接伸び出した枝。 |
ひこばえ | 地際から主幹の隣に新しく伸びてくる枝。 |
不要枝の中での剪定の優先順位は以下の通りです。
- 逆さ枝・立ち枝・下り枝・絡み枝・徒長枝・車枝
- 樹形を乱す可能性が高いので、優先して切り落とす
- 平行枝・胴吹き枝
- 樹形を乱す可能性が比較的低いので、他の枝とのバランスを見て切るか決める
- ひこばえ
- 株立ちの幹を更新する場合は残し、それ以外の場合は地際で切り取る
③ひこばえを切り取り主幹を太らせる
ロウバイは株立ちで芽吹きやすい種類の庭木です。主幹にするのは3~4本程度までにして、残りは地際から切り取りましょう。こうすると主幹をしっかり太らせて、よく花をつけるようになります。
④古い枝をつけ根で切って更新する(4~5年に1回)
強剪定の際は花をたくさん咲かせた枝をつけ根の近くで切りましょう。この作業は毎年行う必要はなく、4~5年に1回程度が目安です。
この作業を行うと新しい枝が生えて長く楽しめます。
ロウバイの落葉後の剪定方法(11月)
落葉後のロウバイを剪定する流れは以下の通りです。
①対生の枝の片側を切り取る
バランスを見ながら、まずは対生の枝の片方を切ります。1箇所から2本ずつ生えるので、互い違いになるように意識しながら剪定しましょう。
②不要な枝を切る
花後と同様に、逆さ枝や交差枝、徒長枝などの不要な枝を切ります。木の内部まで光が差すようにしつつ、ひこばえも切りましょう。
ロウバイの剪定に必要な道具
自分で庭木を剪定するときは、最低限以下の道具を用意しておきましょう。
道具 | 用途 |
---|---|
剪定バサミ![]()
|
枝を切るときにメインで使用する(直径1.5cm程度までの枝が目安) |
植木バサミ |
特に細かい枝の切断に使用する |
剪定ノコギリ![]() |
剪定バサミでは切りづらい太い枝の切断に使用する |
園芸用の脚立![]() |
高い位置の枝を切るときに使用する 屋外の凸凹がある地面でも安定する三脚のものを選ぶ |
園芸用の手袋![]() |
作業中の手を守る 軍手だと枝やトゲが貫通するので、樹脂コーティングされたものがおすすめ |
癒合剤![]() |
剪定後の切り口の回復を促し、病原菌の侵入を防ぐために塗る |
他にも、切った枝を集める熊手やホウキがあると便利です。
ロウバイを剪定するときの注意点
ロウバイの剪定時には注意しないといけないポイントが2つあります。
花芽を切り落とさないようにする
剪定の際に最も注意しなければならないのが花芽を誤って切り落とさないことです。
基本的に花芽は前年の枝に形成されます。
剪定する際は、花芽がついている枝を慎重に観察し、可能な限り花芽を残すように心がけましょう。
特に2月から3月の花後の剪定では、新しい花芽の形成位置を十分に確認しながら作業を進めてください。
ひこばえは2~3本のこして切り落とす
ひこばえとは、樹木の根元や地面近くから勢いよく伸びる新しい芽のことです。
ひこばえは樹木の栄養を奪い、樹形を乱す可能性があるため、2〜3本を残して除去しましょう。
残ったひこばえは、将来的に樹木の補強に役立ちます。
ロウバイの日ごろのお手入れ方法
ロウバイは丈夫な植物ですが、適切な管理や季節に応じて水やりの量などを変えないと健康的に育つことができません。
下記のポイントに注意してお手入れしてください。
間引き剪定をすると花つきが良くなる
間引き剪定は、ロウバイの花つきを向上させるために重要な手入れです。
枝が密集している部分を適切に間引くことで、樹木全体の通気性と日光の取り込みが改善されます。
不要な枝や弱った枝をしっかりと取り除くことで、樹木に十分な栄養と光が行き渡るようになりますよ。
夏を超すための注意点
ロウバイは夏の高温多湿な環境に弱い植物なので、夏越しのケアは健康を維持する上で非常に重要です。以下の点に注意してあげましょう。
- 水やり管理
- 根元を中心に十分な水分を与える
- 朝夕の涼しい時間帯に水やりをする
- 土壌の乾燥には注意する
- 日光対策
- 直射日光を避ける
- 必要に応じて遮光ネットを使用する
- 肥料管理
- 控えめにする
- 高温期は有機質肥料を使用する
- 根を傷めない程度の栄養補給をする
冬を越すための注意点
冬の時期は以下の点に注意してあげましょう。
- 霜害対策
- 根元は堆肥や落ち葉で保温する
- 必要に応じて不織布などで覆ってあげる
- 水やり管理
- 冬季は水やりを控えめにする
- 土壌の乾燥具合を確認する
- 根の凍結には注意する
ロウバイの害虫対策
ロウバイは比較的丈夫な植物で、害虫も付きにくいです。
それでも以下の3種類の害虫には注意してください。
アブラムシ
アブラムシは、ロウバイの新芽や若い枝に特に多く発生する微小な害虫で、早期発見が大事です。
非常に小さくて見えづらいですが、植物の樹液を吸い取ってロウバイを弱らせます。
水で洗い流したり天然の殺虫剤などで撃退できます。
カイガラムシ
カイガラムシは枝や幹に付着して植物の栄養を吸収する厄介な害虫です。
剪定時に感染部位を除去することで対策できます。
ハダニ
ハダニは、葉の裏側に生息する非常に小さくて肉眼では見えづらいクモ状の害虫です。
乾燥した場所を好むので湿度管理をしてあげることが予防に繋がります。
どの害虫に対してもそうですが、定期的な観察と通気性を確保することで防ぐことができますよ。
自身だけでのロウバイの管理が不安な場合は業者に依頼するのもおすすめです。
ロウバイの剪定はプロに依頼するのもおすすめ
「自分でうまく剪定する自信がない」「忙しくて定期的に剪定する時間がとれない」という方は、植木屋や庭師と呼ばれる剪定のプロに依頼するのもおすすめです。
庭木の剪定料金相場
単価制で依頼した場合、一般的な庭木の剪定料金の相場は以下の通りです。
庭木の高さ | 1本あたりの料金相場 | 剪定ゴミの回収料金 |
---|---|---|
1m以下 | 950~1,200円 | 950~1,200円 |
1~2m以下 | 1,900~2,400円 | 950~1,200円 |
2~3m以下 | 2,900~3,600円 | 950~1,200円 |
3~4m以下 | 4,200~5,400円 | 1,400~1,800円 |
4~5m以下 | 5,700~7,200円 | 1,900~2,400円 |
5~6m以下 | 8,600~10,800円 | 2,900~3,600円 |
6~7m以下 | 12,400~15,600円 | 3,800~4,800円 |
7~8m以下 | 16,200~20,400円 | 5,000~6,000円 |
※ミツモアの過去3年間(2022年1月1日~2024年12月31日)の見積もり依頼データから算出
庭木の剪定をプロに依頼する流れ
庭木の剪定をプロに依頼するには、まず自宅に訪問してくれる近くの庭師を探す必要があります。
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