ロウバイは日本の冬を彩る美しい花木として知られ、庭園や公園で人気の植物です。
ロウバイの樹形を保ち、キレイな花を咲かせるためにも剪定は必要不可欠。
本記事では、ロウバイの剪定方法や時期などのポイントをお伝えします。
ロウバイの剪定時期は2~3月と11~12月
ロウバイの剪定は年に2回行うのをおすすめしています。
最低でも年に1回は剪定を行う必要があり、剪定時期は下記の通りです。
必ず剪定すべき時期は花後の2月下旬~3月頃
年に1回しか剪定ができない場合、花が咲き終わった後の2月下旬~3月に剪定を行いましょう。
ロウバイは12〜2月にかけて開花し、6~7月ごとに花芽を付けます。
花芽を付ける前までに余分な枝を切っておく必要があります。
余分な枝を切ることで風通しや日当たりを良くし、花つきが良くなります。
時期が遅くなると花芽を傷つける可能性があるため、花が咲き終わってすぐに剪定しておくのがおすすめですよ。
より多くの花を咲かせたいなら落葉後の11~12月頃も
より多くの花を咲かせたい場合は落葉後の11~12月にも剪定しましょう。
葉が落ちて枝の広がり方がはっきりと見える時期なので大胆な剪定ができます。
不要な枝を取り除いておくことで、日当たりがよくなって花付きがよくなるので、キレイな花を楽しめます。
5月中旬に剪定するのもおすすめ
枝葉が混み合っていたら、軽く間引いてあげるのがおすすめ。
5月頃は枝葉の生長が少し落ち着く時期なので、樹形を整える良いタイミングです。
また、剪定を行うことで梅雨時期に蒸れにくくなるため病害虫も発生しにくくなります。
ロウバイの剪定に必要な道具
ロウバイの剪定に必要な道具をそれぞれ紹介します。
剪定用手袋
剪定用の手袋を準備しておきましょう。
普通の軍手ですと剪定中にトゲやささくれが刺さってケガをする場合があります。
手のひら側が樹脂コーティングになっているものがおすすめです。
剪定バサミ
剪定バサミは枝や植物の枝を切断するための専用ハサミです。
片刃が鋭利な刃物、もう片方の刃は平らな受け刃になっているため、植物の枝を傷つけることなく、きれいに切断することができます。
高炭素鋼やステンレス鋼などで作られているので長期間、切れ味を保つことができます。
植木バサミ
普通のハサミと同じような形をしています。
刃先が細く、小回りが利くため、込み入ったところにも入りやすいです。
細かい枝や最後の仕上げに使用します。
剪定バサミでは切れないような枝を切るのに使います。
通常の木工用ノコギリとは異なり、刃が引く方向にのみ鋭利に切れる一方向切断刃が特徴です。
脚立
脚立は背の高いロウバイを剪定するときに使用します。
剪定では幹や枝の隙間に足をねじ込んで脚立を立てることが多いので、三脚が使われます。
脚立を使う際には、以下の注意点を守って使用してください。
- 登る前に調節器具がロックされていることを確認する
- 一番上の段に載って作業しない
- 上を向いて作業しない
- 悪天候下では使わない
癒合剤
太い枝を剪定した後は、切り口の治りが遅く傷口から病気が入りやすくなっているので、癒合剤があると良いです。
癒合剤は清潔なハケ等で塗りましょう。
ロウバイの剪定方法
ロウバイの剪定は、時期や目的によって方法が異なります。それぞれのポイントをしっかり意識して剪定しましょう。
花後の剪定方法
花後の剪定手順は以下の通りです。不要な枝を見極めて切り落としましょう。
手順1:根元から出たひこばえを2~3本残して切る
手順2:枯れた枝や弱った枝を最初に除去する
手順3:混み合っている枝の間引きをする
手順4:樹形を整えるための主要な枝の調整をする
剪定後は切り口に癒合剤を塗りましょう。塗ることで乾燥や雑菌、害虫などから保護してくれます。
また、一度花が咲いた枝は今後花芽を付けにくいので切り戻しをし、他の枝は花芽を傷つけないように注意してください。
花芽を傷つけてしまうと、次のシーズンに花を咲かせることができなくなります。
落葉後の剪定方法
落葉後の剪定手順は以下の通りです。
手順1:大きな枯れ枝や弱った枝の除去をする
手順2:混み合っている枝の間引きをする
手順3:主要な枝の方向性の調整をする
落葉後の剪定の目的は、風通しを良くして花つきを良くするためです。
混み合っている枝の間引きと共に病気や害虫の痕跡がある枝も除去してしまいましょう。
ロウバイを剪定するときの注意点
ロウバイの剪定時には注意しないといけないポイントが2つあります。
花芽を切り落とさないようにする
剪定の際に最も注意しなければならないのが花芽を誤って切り落とさないことです。
基本的に花芽は前年の枝に形成されます。
剪定する際は、花芽がついている枝を慎重に観察し、可能な限り花芽を残すように心がけましょう。
特に2月から3月の花後の剪定では、新しい花芽の形成位置を十分に確認しながら作業を進めてください。
ひこばえは2~3本のこして切り落とす
ひこばえとは、樹木の根元や地面近くから勢いよく伸びる新しい芽のことです。
ひこばえは樹木の栄養を奪い、樹形を乱す可能性があるため、2〜3本を残して除去しましょう。
残ったひこばえは、将来的に樹木の補強に役立ちます。
ロウバイのお手入れ方法
ロウバイは丈夫な植物ですが、適切な管理や季節に応じて水やりの量などを変えないと健康的に育つことができません。
下記のポイントに注意してお手入れしてください。
間引き剪定をすると花つきが良くなる
間引き剪定は、ロウバイの花つきを向上させるために重要な手入れです。
枝が密集している部分を適切に間引くことで、樹木全体の通気性と日光の取り込みが改善されます。
不要な枝や弱った枝をしっかりと取り除くことで、樹木に十分な栄養と光が行き渡るようになりますよ。
夏を超すための注意点
ロウバイは夏の高温多湿な環境に弱い植物なので、夏越しのケアは健康を維持する上で非常に重要です。以下の点に注意してあげましょう。
- 水やり管理
- 根元を中心に十分な水分を与える
- 朝夕の涼しい時間帯に水やりをする
- 土壌の乾燥には注意する
- 日光対策
- 直射日光を避ける
- 必要に応じて遮光ネットを使用する
- 肥料管理
- 控えめにする
- 高温期は有機質肥料を使用する
- 根を傷めない程度の栄養補給をする
冬を越すための注意点
冬の時期は以下の点に注意してあげましょう。
- 霜害対策
- 根元は堆肥や落ち葉で保温する
- 必要に応じて不織布などで覆ってあげる
- 水やり管理
- 冬季は水やりを控えめにする
- 土壌の乾燥具合を確認する
- 根の凍結には注意する
ロウバイの害虫対策
ロウバイは比較的丈夫な植物で、害虫も付きにくいです。
それでも以下の3種類の害虫には注意してください。
アブラムシ
アブラムシは、ロウバイの新芽や若い枝に特に多く発生する微小な害虫で、早期発見が大事です。
非常に小さくて見えづらいですが、植物の樹液を吸い取ってロウバイを弱らせます。
水で洗い流したり天然の殺虫剤などで撃退できます。
カイガラムシ
カイガラムシは枝や幹に付着して植物の栄養を吸収する厄介な害虫です。
剪定時に感染部位を除去することで対策できます。
ハダニ
ハダニは、葉の裏側に生息する非常に小さくて肉眼では見えづらいクモ状の害虫です。
乾燥した場所を好むので湿度管理をしてあげることが予防に繋がります。
どの害虫に対してもそうですが、定期的な観察と通気性を確保することで防ぐことができますよ。
自身だけでのロウバイの管理が不安な場合は業者に依頼するのもおすすめです。
業者にロウバイの剪定を依頼する場合の費用相場
ロウバイの剪定を業者に依頼する場合、費用の算出方法は主に2つのパターンがあります。
庭木の状態や規模、地域によって大きく異なるため、事前に複数の業者から見積もりを取ることをおすすめします。
樹木のサイズによる料金
樹木の大きさを基準に費用が決定されます。
一般的には樹高や枝の広がり、幹の太さなどが考慮されます。
ロウバイの平均樹高は2~4mです。
剪定金額の目安は、高さが3m未満の場合3000円~5000円、高さが3m~5m未満の場合:5000円~15000円です。
作業時間による料金
剪定に要する時間を基準に費用が決定されます。
作業時間別の目安料金
30分未満:5,000円〜8,000円
1時間程度:8,000円〜15,000円
半日(4時間):15,000円〜30,000円
剪定料金の詳細はこちらの記事を参考にしてください。
ロウバイの剪定に困ったらプロに依頼を
「初めて剪定するから不安」「ロウバイが弱っているけど剪定して大丈夫なのかわからない」「ロウバイが大きくなりすぎた」といった場合はプロに任せて剪定してもらうのがオススメです。
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