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綺麗なイロハモミジの育て方・剪定方法!成長や樹形に合わせた手入れをして紅葉を楽しもう!

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最終更新日: 2023年03月02日

この記事では、イロハモミジの特徴や名前の由来から、庭木として育てるときのポイントや剪定方法まで解説します。

イロハモミジとは?

イロハモミジ

基本情報

植物名 イロハモミジ(イロハカエデ)
学名 Acer palmatum
科名 / 属名 ムクロジ科 / カエデ属
原産地 東アジア
開花期 4~5月
紅葉時期 10~11月
樹高 5~7m
特性 落葉高木

栽培カレンダー

イロハモミジの栽培カレンダー

イロハモミジは新緑と紅葉が大変美しい落葉樹。一般的に「モミジ」といえばイロハモミジを指すことが多いです。

庭木として育てられているものは5m程度の高さが多いですが、自然のままに成長すると10mを超えることもあります。

葉の色は5月頃に鮮やかな新緑で、秋にさしかかると黄みがかった赤に変化し、晩秋には真っ赤に染まります。1年を通して様々な見た目を楽しめるのが良いですね。

イロハモミジは庭のシンボルツリーとして扱われることが多いですが、育て方次第では鉢植えや盆栽としても楽しむことができます。

名前の由来と漢字表記

イロハモミジは漢字で書くと「伊呂波紅葉」です。

5~7つに分かれる葉っぱの切れ込みを「いろはにほへと」と数えたことから、イロハモミジと呼ばれるようになったといわれています。

別名には「イロハカエデ」「タカオカエデ」や「コハモミジ」などがあります。

花言葉

イロハモミジの花言葉は「大切な思い出」「美しい変化」「調和」「時勢」などがあります。

秋になるとあざやかな緑色をしていた葉がいっせいに赤く染まることから、その変化の美しさになぞらえて「美しい変化」という花言葉がつけられたのでしょう。

イロハモミジの特徴【花、葉、樹形】

株立ちのイロハモミジ

10~11月が紅葉のピーク

イロハモミジといえば、秋に見られる真っ赤な紅葉を思い浮かべる方も多いでしょう。

春から夏にかけてはみずみずしい緑色をしており、秋にさしかかると段々黄味がかった赤色に変化します。その後、10月から11月にかけて深い赤色に染まり、目を楽しませてくれます。

イロハモミジは落葉樹なので、気温が低くなるとともに葉が枯れてすべて落ち、冬の間休眠したあと、また新たな葉をつけるのです。

4~5月には花を咲かせる

イロハモミジの花

秋の紅葉に比べるとあまり知られていませんが、イロハモミジは春に赤紫色の小さな花を咲かせます。

枝から垂れ下がるようにつぼみをつけ、4~5月に開花したあとの姿は線香花火を思わせる可憐なおもむきです。

開花期が新緑の季節と重なるので、やわらかい緑色の葉と奥ゆかしい赤紫色の花のコントラストが春の訪れを感じさせてくれます。

「株立ち」と「単幹」

庭木として育てられるイロハモミジの樹形には「株立ち」と「単幹」の2種類があります。

それぞれの特徴は以下の通りです。

株立ちのイロハモミジ 株立ち

根元から細い幹が複数本に分かれて生えている樹形。

それぞれの幹が根元から外に向かって広がっていることが多い。

ボリューム感があり、ナチュラルな雰囲気を演出するので、現代風の住宅においても庭木として人気がある。

単幹と比べて成長が遅め。

単幹のイロハモミジ 単幹

山に自生している木や、昔ながらの庭園に植えられた木でよく見られる樹形。

幹の株は枝が少なく、ある程度の高さから枝分かれして葉をつけるものが多い。

純和風で重厚な印象を与える。

イロハモミジの育て方【水やり、肥料、植え付け】

イロハモミジ

イロハモミジの栽培に適した環境は?

イロハモミジは暑さ・寒さに強いため、北海道から九州までどこでも栽培可能です。日当たりの良い場所を好みますが、日陰でも割と元気に育ちます。ただし西日は嫌いで葉焼けを起こすことがあるため、できるだけ西日が当たらない場所を選びましょう。

水やり

苗木を植え付けてから根付いて成長するまでは、乾燥しすぎるとしおれてしまうことがあります。土の様子を見て、乾いたら水やりをしましょう。

しっかり根付いて成長したあとは毎日水をやる必要はなく、基本的には自然に降る雨で十分です。

鉢植えで育てている場合には、土表面が乾いたらたっぷりと水を与えてください。鉢の下から水が流れ出す程度が目安です。

また、イロハモミジに水をやるときは葉にも水をかけるようにしましょう。モミジの葉は乾燥しやすく、乾くとチリチリにしおれてしまいます。

一度乾いてしおれた葉は元に戻りませんので、日当たりの良い場所で育てている場合には特に注意が必要です。

肥料

イロハモミジは基本的にあまり肥料を必要としません。肥料を与えるタイミングは、植え付け・植え替え時と、葉が落ちたあとの冬期です。

植え付け時は堆肥を周囲に混ぜこみましょう。落葉後には、油かすと骨粉を混ぜた有機肥料か、緩効性肥料を株元に与えます。

肥料を与えすぎると葉の色が変わらないケースもあるため、春から秋の間は施肥をしないでください。

植え付けと植え替え

イロハモミジを健康な木に育てるコツは、植え付ける時に堆肥をたっぷりと混ぜることです。そして鉢植えの場合は植え替えも必要になります。

地植えの場合

まず苗木の2倍程度の穴を掘りましょう。堆肥や腐葉土を3割程度混ぜた土を少し穴に入れ、苗木を植えつけます。そして残りの土を、隙間を埋めるように入れていきましょう。苗木で購入したままの状態(布が巻いてある状態)で土の中に入れてOK。明らかに自然に還らないビニールなどであれば、外して植え付けます。

地植えであれば、植え替えの必要はありません。最初にしっかりと植え付ける場所を選ぶようにしましょう。

鉢植えの場合

鉢植えへ植え付けるには、鉢底にネットをして水はけをよくする石を敷いてから苗木を入れましょう。地植えと同じく、隙間を埋めるように土を入れ込んでいきます。土は赤玉土・腐葉土・少量の黒土を混ぜたものを用意するのがおすすめです。

鉢のサイズは比較的自由。基本は苗木の根の高さより少々大きい鉢を選びますが、木を大きくしたくない方や室内で育てたい方は、小さい鉢でも大丈夫ですよ。

また鉢植えの場合には、数年に1回程度の植え替えが必要です。今の鉢より一回り大きいものに植え替えましょう。植え替えの時期や手順は植え付けと同じですが、作業をする前に剪定しておくと株への負担が減ります。今のサイズを守りたい時には、伸びた根を切って整え、土を新しくして植え替えます。

イロハモミジの増やし方

イロハモミジは「挿し木」か「種まき」で増やせます。ただしどちらも根付きがあまりよくないため、初めて行う時には「うまくいけばラッキー」程度の認識で行ってください。

挿し木

挿し木は剪定した枝を使います。適期は3月から4月。枝を10㎝程度に切り、小さなポットに赤玉土を入れて挿します。日陰におき、根が出るまで2週間程度毎日水やりをしましょう。

種まき

花の後につく種を秋に採取します。種は湿らせた砂に埋めて(もしくは新聞紙などに包んで冷蔵庫で)春まで保存しておきます。3月になったら保存していた砂を掘り返し、まずは種を殻から取り出しましょう。水に1~2日ほどつけておき、種まき用土を入れたポットに埋め込んでください。しばらくは明るい日陰におき、水やりを毎日行います。

イロハモミジの剪定方法と適切な剪定時期

剪定道具

イロハモミジは自然樹形が美しい樹木で、剪定をしなくてもある程度形を保って大きく成長します。

ただし放っておくとかなりの高さに成長してしまうので、庭で育てる場合は定期的に高さや樹形を整える剪定を行った方がよいでしょう。

剪定に適した時期

イロハモミジを剪定するのに最も適した時期は、落葉後の休眠期間である11~2月です。

この時期の剪定は紅葉への影響もなく、葉が落ちているので枝の生え具合がよくわかり、切るべき枝を見きわめやすいです。

夏場に剪定をすると、新芽が日光に当たって日焼けしてしまい、紅葉の見栄えに影響を及ぼしたり、イロハモミジに負担がかかったりという心配があります。

剪定方法

剪定の際は、枝分かれした部分で切り落とすことを心掛けてください。枝の途中で切り落とすと、そこから細かい枝が伸び、形が崩れやすくなってしまいます。

新緑がたくさん込み合っている部分を透かすようにカットする、「透かし剪定」で枝をカットしていきます。葉が込み合っている所や、上へひょろりと伸びた枝などを切っていきましょう。

剪定で切り過ぎたり多くの枝を傷つけたりすると、イロハモミジが枯れてしまうこともあります。特に強剪定は難易度が高いので、自分でやるのはあまりおすすめしません。

全体のバランスがよく分からない・モミジの剪定方法が分からなくて不安という方は、プロに任せるという方法もあります。

剪定をプロに依頼する

切り口の保護

太い枝を剪定したときは、大きな切り口がむき出しの状態になります。そのままにしておくと雑菌が入って木にダメージを与えてしまう可能性があるので、癒合材などを塗って保護しましょう。

イロハモミジが枯れる原因と対処法【剪定、病害虫】

イロハモミジ

「育てているイロハモミジの調子がどうも良くない」ということもありますよね。たとえば、気温も下がってきたのに葉が赤くならなかったり、枯れ始めていたりする場合です。

葉の色に関しては、日当たりや肥料の量なども大きく影響します。赤くなる場合でも葉一枚一枚個性があり、すべて同じ色にはなりません。色が変化しないだけであれば、病気との断定は困難。鉢植えであれば日当たりの良い場所に移動させ、しばらく様子を見てみましょう。春から夏にかけて肥料を与えてしまった場合には、色が変化しないこともあります。残念ですが、元気そうであれば今年は様子見をして、翌年に期待してくださいね。

「葉が枯れていた」という場合、考えられる原因は以下の2つです。

  • 剪定時期を間違えて株が弱った
  • 病害虫による被害

正しく剪定しないと枯れてしまう

前述しましたが、イロハモミジは基本的には剪定しなくても大丈夫な木です。そのため、枝をどんどん切る強剪定を冬以外の時期に行うと、株が弱って病気を発生しやすくなり、枯れてしまうことも。特に春先の成長が始まった時に太い枝を切り落とすと、切り口から水分が出てしまって枯れやすくなります。

剪定はできるだけ冬のみ行うようにし、伸びすぎた枝や挿し木が目的の場合のみ、春の弱剪定を行ってください。

イロハモミジの育成で注意したい病害虫

以下はイロハモミジで気を付けたい病害虫の種類、症状と対応策です。

種類 症状 対策
害虫 テッポウムシ 幹を食べて成長を阻害する 穴を探し、穴にむけて殺虫剤を噴射
アブラムシ ・葉や茎から吸汁をする

・すす病を誘発する

テープなどにくっつけて取り除く
ゴマダラカミキリ 幹を食べて成長を阻害する ・成虫を捕獲してつぶす

・株元から50cm程度までテープで巻いておく

病気 うどん粉病 葉の表面に白い粉のようなものがつく 白くなった部分を切り落とし、剪定をして風通しを良くする

テッポウムシは、土表面におがくずが落ちていることで発見されることが多いでしょう。水やりのときなどに土表面を見て、木くずのようなものが落ちていたらテッポウムシを疑いましょう。幹に穴が開いていないか確認してくださいね。

どの病害虫も初期段階で発見できれば、大ごとには至りません。市販の殺虫剤などを用意しておきましょう。

イロハモミジの樹形の選び方!単幹か株立ちどちらが良い?

鮮やか金色イロハモミジ

イロハモミジを育てようと決めて購入する時には、1本立てにするか株立てにするかで悩みますよね。シンボルツリーにするなら1本立て・地植えにするなら株立てがおすすめです。

シンボルツリーにするなら1本立て

1本立てとは、幹が分かれず1本だけ立っている状態のものです。ある程度高く育ち、すっきりと綺麗な樹形を保つ1本立ては、シンボルツリーとして使うのにおすすめ。

1本立てのモミジは下枝が少なめです。すぐそばにアプローチを作ったり、他の低木を使って寄せ植えをしたりすることもできますよ。玄関前に1本・坪庭に1本と、非常に絵になります。

地植えにするなら株立て

株立ては複数の幹で構成される状態のことで、大小違いのある幹で自然な美しさを楽しめます。人為的に幹をつなげて作る寄せ株と、天然で幹分かれをしている本株物があります。緩やかに放射線状に枝が広がるので、紅葉した時の美しさも評判ですね。

株立ちは1本立てに比べると成長がやや遅くはありますが、地植えにして放置していると数年で15mほど伸びてしまうことも。剪定をして樹形を整えるのがおすすめです。

イロハモミジと間違えやすい植物との見分け方

紅葉したモミジ

イロハモミジは他にも外見上の特徴がよく似た植物があります。名前が異なるけれどモミジとよく似た「カエデ」との違い、そして同じモミジである「ヤマモミジ」との違いについて解説します。

モミジとカエデの違い

モミジもカエデも、分類は同じムクロジ科カエデ属で、秋には赤や黄色に色づきます。

両者の違いは「葉の見た目」です。葉の切れ込みが深く、5つ以上に分かれている種類を「モミジ」、切れ込みが浅い種類を「カエデ」と呼び分けているのです。

ちなみに「モミジ」は紅葉するさまをあらわす古語「もみず」から、「カエデ」はカエルの手をあらわす「蛙手(かえるで)」から転じてその名が付いたといわれています。

ヤマモミジ

ヤマモミジ

ヤマモミジはイロハモミジとよく間違えられる品種です。葉の形もよく似ていますが、いくつか見分けるポイントがあるのでご紹介します。

見分け方 特徴
葉の大きさ イロハモミジの葉は5cm前後、ヤマモミジの葉は8cm前後とヤマモミジのほうが大きい
紅葉時の色づき方 イロハモミジは真っ赤に染まり、ヤマモミジは黄色や橙色が混ざった色になる
翼果(実)の形 イロハモミジは竹とんぼのような形、ヤマモミジはブーメラン型

ヤマモミジの特徴や育て方については以下の記事も参考にしてみてください。

関連記事:ヤマモミジの育て方と注意点。紅葉だけでなく、花や新緑も楽しめる|ミツモア

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