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ゼニゴケを駆除する方法とは?使用する道具や予防方法も紹介

最終更新日: 2021年06月21日

ガーデニングを楽しんでいる人で、ゼニゴケの繁殖に悩む人は多いものです。

放置しておくと景観を損ねてしまうばかりでなく、大切な樹木や花に悪影響を与えかねません。

繁殖する原因を理解するとともに、効果的な駆除方法を知っておきましょう。

ニゴケが大量発生する問題

水やりをしているときに、外壁や塀に苔(コケ)の発生を見つけることがあります。ゼニゴケであれば、早めに処理することが大切です。

生命力の強いことでも知られるゼニゴケは、どのような環境で広がってしまうのでしょうか。繁殖しやすい理由について探ります。

ゼニゴケが大量に増えて困っている

気づくと大量に発生している場合がありますが、気を抜いて放っておき処理が遅れると、二次的な被害が生じる可能性があります。

その一つが、害虫を引き寄せてしまうことです。ゼニゴケを好み寄生する虫の種類は多いので、それらがたかって活動の拠点となってしまいます。ゼニゴケに棲みついた害虫が大切に育てている樹木の幹や葉を食い荒らしたり、病気をもたらしたりするケースも少なくありません。

ゼニゴケは湿気を好むので、繁殖した周辺の土壌はジメジメとした状態が続きます。そこで活動する害虫が、植物を腐らせてしまうこともあるでしょう。

また、ゼニゴケが壁や塀に広がると、景観を害し、住宅のイメージを低下させてしまいます。多様な悪影響を及ぼさないようにするためにも、適切な処理が求められます。

ゼニゴケが繁殖しやすい理由

ゼニゴケには、雌株と雄株があります。雄株は傘に似た形をしていて、雌株は小さい手をパッと開いたような形状です。

雨が降ったり湿度が高くなったりすると、ゼニゴケの活動は活発化します。水に濡れると、雌株と雄株は一気に有性生殖を始めます。それぞれが胞子を飛ばして、周辺に繁殖させるのです。

ゼニゴケの繁殖力の強さは、雌株だけで自己増殖が可能な点にあります。雄株は雌株よりも弱く、特に都市部では雄株の個体数は少なくなります。雄株が近くにいない環境でも、雌株は自己増殖によって生殖範囲を広げていくのです。

胞子を飛ばす能力が高いことも、広範囲にわたって増殖する理由といえます。胞子のうから次々と胞子を飛散させ、生殖範囲を広げていきます。

ゼニゴケが繁殖しやすい環境

ゼニゴケに適切に対処するには、こまめなチェックが欠かせません。見落とさないようにするためにも、好む環境を把握しておくとよいでしょう。ゼニゴケが繁殖しやすい環境について解説します。

暑すぎない日陰の場所を好む

高温となる場所は、あまり好みません。日光にさらされず湿気が高いジメジメとした場所が、活発な活動に最も適した環境です。

実験材料として培養されているゼニゴケは、22度前後の環境で育てられています。30度を超えると育成力が弱まることからも、真夏の明るい場所を嫌うことが想像できるでしょう。

「日陰」「湿気」という条件さえそろっていれば、あらゆる場所で繁殖する性質があります。自宅の庭はもちろん外壁や塀にも生殖しますし、公園、道路の側溝、街中のビルにも生えるのです。

タンポポのように胞子を飛ばして増殖を続けるため、瞬く間に生育場所を広げていきます。

湿度の高い場所

ゼニゴケは、水のある環境や湿度の高い場所が大好きです。雨が降ると繁殖力はとても強くなります。それゆえ、梅雨の時期や雨が続いたときは、増殖に警戒が必要です。

苔の中でも背丈の高いゼニゴケが湿気の多い場所に繁殖すると、同じく湿度を好むミミズやナメクジなどを寄生させてしまいます。

一方で、高温に弱い性質で、気温が高い場所だとたとえ多湿であっても繁殖力は弱まります。高温多湿が特徴的な日本の夏は、ゼニゴケにとっては苦手な環境といえるでしょう。

湿度を好む一方で、乾燥や低い気温に強い傾向もあります。冬になっても枯れることなく、しぶとく年を越す生命力があるため、警戒を緩めることは禁物です。

土壌環境によっても繁殖しやすい

酸性の土壌も、ゼニゴケが繁殖するには絶好の条件です。湿気を好むゼニゴケですが、雨には土壌を酸性にする作用があり、より生殖に適した環境を生むことにつながります。

国内の一般的な土壌は、pH(ペーハー)が4.5~5.5の弱酸性で、水分量の範囲は5~35%とされています。苔類が好む生育環境を見ると、土壌pHが4.5~7.0、土壌の水分量が5~35%です。

この数値を見ると、いかに日本の土壌がゼニゴケの繁殖にぴったりかが分かるでしょう。世界の中でも、日本が苔植物の種類が多い国として知られていることにも納得できます。

ゼニゴケが繁殖している場所をチェック

ゼニゴケを駆除する場合、その方法は一つではありません。生えている場所ごとに、対処の仕方が変わります。

庭をよく見てみましょう。日陰で湿気を帯びそうな場所はたくさんあります。土の上、建物、ほかの植物など、あらゆる場所に生える可能性があるのです。

生殖した場所ごとに正しく処理するためには、それぞれに適した駆除方法を知っておきましょう。

場所によって駆除方法が異なる

庭に芝を敷き、芝生を育成している人は多いものです。ゼニゴケは、芝に生殖する場合もあるので気を付けましょう。デリケートな芝には専用の駆除剤を使い、丁寧に作業することが求められます。

庭の土壌や壁・塀の場合、寄生している範囲によって対処方法が異なります。狭い範囲であれば、駆除剤などを使わなくても対応できる場合もあるでしょう。

広範囲にわたっていると、厄介な部分が出てきます。薬剤を使用したり駆除用の道具を用いたりする必要が出てくるのです。

庭木をはじめ、ほかの植物の根の付近に生えている場合は、土壌の入れ替えが効果的です。駆除剤を併用することで、効果も上がるでしょう。

ゼニゴケの駆除方法

ゼニゴケの駆除方法
ゼニゴケを駆除する

場所ごとに対処方法が異なるように、駆除する方法にもいくつかあります。薬剤を使用するやり方や家庭にあるものを活用する方法、あるいは手作業のみで対応する方法などさまざまです。

自宅の庭に生えてしまったゼニゴケに合ったやり方を見つけるために、主な駆除方法について紹介します。

ゼニゴケ専用の駆除剤を利用する

効果的な方法に、専用の駆除剤を利用することがあげられます。苔のことを広い意味で草と考える人もいますが、除草剤では効果は得られません。

駆除剤の種類には液体を薄めて使用するものや粒状のもの、スプレー式などいろいろなタイプがあります。

即効性を期待するなら液状のタイプがおすすめです。早期に効き目が実感できるでしょう。ただし、効果が持続するのは短期間なので、処理回数は多くなります。

効果が最も持続するのは粒状のものです。一方で、粒が浸透するまで効果は出にくく、駆除までに時間がかかる傾向があります。

スプレー式の利点は、すぐに使える簡易性の高さと、比較的早く効果があらわれる点です。持続性は低いので、繰り返しの使用が必要になります。

お酢を利用する

お酢が持っている殺菌作用は、ゼニゴケの駆除にも効果を発揮します。使用するのは、穀物酢など家庭にある一般的なものでかまいません。

お酢をスプレー容器に入れて繁殖している部分に噴きかけるか、そのまま直接振りかけます。その際、薄めずに、原液のまま使用することがポイントです。薄めると効果は一気に低下してしまいます。

注意すべき点は、臭いです。強い臭気を発するため、集合住宅のバルコニーなどでの使用には近隣への配慮が必要になります。

消石灰を利用する

水酸化カルシウム、いわゆる消石灰もゼニゴケを駆除する威力があります。石灰石に水を混ぜて作る白い粉で、土の中和や消毒にも使用されるため、園芸ファンには馴染み深いアイテムです。

消石灰を繁殖しているゼニゴケに撒くと、3日ほどで枯れていきます。ただし、周囲の植物にかからないように注意が必要です。

使用時には、体への負担を抑えるために、肌の露出を少なくします。長袖長ズボンを着用し、マスクや手袋も忘れずに身に着けましょう。

物理的に直接剥がして駆除

薬剤や食品を使わずに、物理的に直接剥がす対処法もあります。専用の駆除剤だと、ほかの植物への影響が気になるという場合に向いている方法です。

やり方はいたってシンプルで、スコップなどでゼニゴケが生えている部分を削るように駆除していきます。

直接剥がす作業をしなければならないので、手間はかかるやり方です。しかし、環境に変化を与えない点で、ほかの植物にとっては最も安心できる方法といえます。

ゼニゴケを繁殖させないための予防方法

ゼニゴケの繫殖を予防する
ゼニゴケが生えないよう予防しよう

生命力の強いゼニゴケが寄生してしまうと、完全に取り除くには苦労がともないます。それだけに、できるだけ発生させないようにすることが大切です。

繁殖させないための、効果的な予防法について解説します。

日当たりをよくする

ゼニゴケは、日陰を好む性質があります。それは、日光を嫌うということでもあるのです。日当たりをよくすることで、繁殖を抑えられるのです。

ゼニゴケが生えている場所を改めて見てみると、庭の隅や草木が密生しているところ、鉢植えであれば隙間なく並んでいる場所に生殖していることが分かります。

不要な枝や葉を剪定して日光を通す、日射しを遮るものを取り除く、鉢どうしの間隔を空けるなどして、日当たりをよくするように心がけましょう。

水はけをよくして乾燥

日陰を好むと同時に、水気・湿気のある場所もゼニゴケにとっては好都合な生殖場所です。そのため、水はけのよい状態にして乾燥させておくことが予防として有効といえます。

風通しをよくしておくことも大切です。土が常に新鮮な空気に触れていると、不必要な湿気をなくせます。

水はけのよくない場所の土は、過度の湿気を帯びています。そこにゼニゴケが繁殖すると、害虫も引き寄せられてくるでしょう。ぬかるんだ土と害虫の仕業で、植物の根や幹を腐らせてしまうケースもあるのです。

土壌環境を改善させる

土壌が酸性になると、ゼニゴケにとっては絶好の環境になってしまいます。特に雨の後など水分を多く蓄えた土は、より酸性に傾いていくのです。

そこで有効な方法に、土壌環境の改善があります。盛り土をして水を多く含む土壌の質を変える、砂利を敷いて水はけをよくする、といった方法で繁殖しにくい環境を作っていくのです。

ゼニゴケ対策はこまめな管理を

ゼニゴケは、湿気が多い時期に病害虫を招き寄せ、大切に育てている植物に悪影響を及ぼす可能性があります。

多湿な気候や酸性の土壌など、日本はゼニゴケの活動に適した環境にあるといえ、常に繁殖する可能性があるのです。

特に梅雨時は警戒が求められますが、一年を通してチェックする必要があります。こまめな管理を心がけ、大切な植物を守りましょう。

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