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【自動車税・軽自動車税】税額一覧と納付方法、減税と13年後の重税について

最終更新日: 2024年06月28日

自動車税、軽自動車税は自動車、軽自動車の所有者にかかる税金です。ただし金額は一律ではなく要件によって異なります。

この記事では自動車税の税額一覧、納付方法、自動車税の特別な減税措置、逆に税負担が重くなる場合についてご説明します。

そして自動車税を滞納してしまった場合の対応や、自動車を購入廃車、譲渡及び廃車した場合の自動車税の取り扱いについてもご説明します。

自動車税は車を所有すると毎年継続的にかかる税金なので、金額を含め内容をよく確認しておきましょう。

自動車税の税額一覧

自動車税税額一覧についてご紹介します
自動車税税額一覧

まずは自動車税とは何か、どのように税額が決まるのかについてご説明します。

自動車税とは?

自動車税は自動車の所有車にかかる税金です。毎年4月1日時点での自動車検査証(車検証)上の所有者が支払わねばならないものです。

自動車税は自動車の種類、用途や総排気量などによって税額が決まります。また2019年10月1日の消費税増税時に自動車税が減税になり、新車登録時期が2019年10月1日以降の自動車とそれ以前のものでは税額が異なります。

自動車税は地方税で、納付先は自動車を登録した都道府県になりますが、納税額の基準は全国統一であり都道府県によって違うことはありません。ただし納付方法は都道府県により違いが出ています。

【自動車税の税額】一覧表で確認(自家用乗用車の場合)

では自動車税の税額をご紹介します。自動車税はまず用途別、例えば「自家用や営業用か」等で異なりますが、ここでは自家用の税額をご紹介します。

また自動車の種類、例えば乗用車やトラックかなどによっても税額が異なります。ここでは自家用乗用車の税額をご紹介します。

※自家用車の自動車税の税額
※自家用車の自動車税の税額

総排気量が大きい自動車ほど自動車税が高くなります。自動車税は毎年支払うものなので、車種を選ぶ際にはその負担も念頭に置いておくと良いでしょう。

【軽自動車税の税額】一律10,800円

次に軽自動車税の税額についてご紹介します。軽自動車税は軽自動車等にかけられる税金です。自動車税は都道府県に納付しますが、軽自動車税の支払先は市区町村になります。

軽自動車税は四輪の軽自動車だけでなく、原動機付自転車(バイク)や小型特殊自電車なども対象になります。

税額は過去何度か変更されており、車両を取得した年度によって異なります。また地方税法で定められている標準税率がありますが、自治体によってはそれよりも高いケースもあります。

2015年4月以降に新車登録した四輪の自家用乗用軽自動車の軽自動車税は、一律10,800円です。

多様化する自動車税の納付方法

多様化する自動車税の納付方法についてご紹介します
多様化する自動車税の納付方法

近年自動車税の納付方法が多様化しています。便利かつお得な納付方法も増えていますのでご自身に合った納付方法を選ぶと良いでしょう。以下で納税方法と、クレジットカード決済の注意点、自動車税納税証明書の保管についてご説明します。

納付期限は5月31日

まず自動車税の納付期限は基本的に毎年5月31日です(一部地域だけ例外があるので納付書を確認して下さい)。その年の4月から翌年3月までの1年分の税金を一括で納付します。

納付書は4月1日時点での自動車の所有者に対して発送され、大体5月上旬~中旬に納付書が届きます。納期限まであまり時間がないので、忘れずにより便利な方法で納付したいところです。

PayPayも加わった、納税方法

現在自動車税の納付方法には以下のようなものがあります。

  • 納付書での現金払い(金融機関、コンビニ、郵便局、県税事務所)
  • クレジットカード
  • ペイジー(インターネット、ATMなど)
  • 口座振替
  • スマホ決済(PayPay、LINE Pay、PayB)

PayPayなどのスマホ払いが対応し、キャンペーンの実施やポイント還元の魅力も出てきました。さらに自宅に居ながら即時に支払が完了できる納付方法が増えてきています。

ただし納付書以外の支払方法については全ての自治体で利用できる訳ではなく、納付先の自治体が対応している支払方法しか選べません。送られてくる納付書に案内があるので確認してみましょう。

クレジットカードの注意点

クレジットカードはポイントがつくことが多いので、それなりに多額になる自動車税の支払方法として選びたいところですが、いくつか注意点があります。

(1)決済手数料を納税者が負担しなければならない

決済手数料の金額は自治体や納税額によって違いますが、納税者が追加で支払わなければなりません。納付時の支出が増えるので、クレジットカードで支払いをするメリット(ポイントなど)と比較して検討してみて下さい。

(2)納税証明の確認に時間がかかる

以前は車検を受けるために自動車税の納税証明書が必要でした。しかし2015年4月より納税証明書の提出が一定の要件下では省略できるようになりました。それはオンラインで納税の有無を確認できるようになったからです。

しかしこの納税確認がとれるまでにクレジットカードでの納付だと約10日間~2週間かかります。このため車検が近い場合には注意が必要です。納付後すぐに納税証明が必要な場合には金融機関の窓口やコンビニで納付書により納付する必要があります。

自動車納税証明書の保管について

このように車検時には納税証明書の提出が省略できるようになりましたが、あくまで一定の要件下、すなわち車検が継続検査であること、自動車税を滞納していないことが条件です。また車を売却する時などは納税証明書が必要なケースがあります。納付書で支払をした場合には「支払をした証明」として保管をしておきましょう。

そして納税証明書が必要になると予想される場合には、他の決済方法ではなく納付書で支払いをしておきましょう。ペイジーやPayPayでの支払では納税証明書が発行されず、必要な場合には後から請求することになるので手間がかかります。

グリーン化特例について(令和3年4月~令和5年3月まで)

グリーン化特例について(令和3年4月~令和5年3月まで)ご説明します
グリーン化特例について(令和3年4月~令和5年3月まで)

自動車税の税額については上記でご紹介しましたが、税額が減税になるグリーン化特例があります。これは環境に配慮した自動車は税制の面で優遇される特例です。グリーン化特例は2021年(令和3年)4月~2023年(令和5年)3月までの期間で新たに改正され延長されました。

以下でグリーン化特例及びその軽減例と、そしてグリーン化特例と共に環境に配慮した結果導入された環境性能割、エコカー減税についてご紹介します。

自動車税の特例、グリーン化特例とは?

グリーン化特例とは、2021年(令和3年)4月~2023年(令和5年)3月までの期間中に減税対象となる新車の新規登録を行った場合において、車両を購入した次の年度分の自動車税、軽自動車税が軽減される特例です(1年間のみ)。

グリーン化特例は以前からありましたが、改正を経てこの度延長されました。

グリーン化特例の対象は電気自動車、プラグインハイブリッド車、燃料電池自動車等です。クリーンディーゼル車は今回の改正により除外されました。

2021年(令和3年)4月~2023年(令和5年)3月までの新基準では登録車(普通自動車など)、軽自動車共に概ね75%軽減されます。以前の2019年4月~2021年3月に新車登録をしたものについてはこれに加えて燃費基準等があり、それを達成した車両も対象になっていましたが今回はその基準はなくなりました。

自家用車のグリーン化特例の軽減率は以下のようになっています。

グリーン化特例の減税率
グリーン化特例の軽減率

グリーン化特例の軽減率 (例)

グリーン化特例でどの程度自動車税が軽減されるか、例で見てみましょう。

  • 自家用乗用車
  • 総排気量1,200cc
  • グリーン化特例の対象車種
  • 新車登録、購入2021年5月

であった場合、自動車税30,500円のところ75%軽減されるため税額は7,625円、減税幅は▲22,875円になります。実際はぴったり75%減税ではなく概ねの減税率になりますが、この程度の減税が一年間得られることになります。

自動車取得税の廃止に伴う、環境性能割について

自動車取得税は購入時に取得価額に対して課税される税金ですが、2019年10月の消費税10%への増税時に廃止となりました。

しかしその代わりに環境性能割が導入されました。環境性能割は燃費性能に応じて課税される税金です。環境性能割の税率は自家用の登録車の場合以下のようになっています。

環境性能割の税率についてご説明します
環境性能割の税率

自動車取得税の廃止に伴って導入されたものですので、新車・中古車問わず対象になります。燃費が良く、環境にやさしい車両ほど税が軽減される仕組みとなっています。

自動車重量税の軽減、エコカー減税について

また環境にやさしい車両に対しての税金の軽減措置として、自動車重量税の軽減を行うエコカー減税があります。

自動車重量税は自動車の車両重量に応じて課税される税金です。こちらも以前からあった制度が2021年5月に改正を経て延長されました。こちらは電気自動車等の指定された車両だけでなく、燃費基準を達成した車両も対象になっています。

減税幅は以下のようになっています。

エコカー減税の減税率についてご説明します
エコカー減税の減税率

11年、13年超えた車は重税

11年、13年超えた車は重税
11年、13年超えた車は重税(画像提供:PIXTA)

このように環境にやさしい自動車については税金の面で優遇されています。一方で新車登録後時間が経過した車両は環境負荷が大きくなるため、自動車税の負担が重くなっています。以下車両の種類ごとに税率を確認してみます。

ガソリン車・LPG車は13年

ガソリン車、LPG車は新規登録から13年超のものについて自動車税が概ね15%重課されます。

例えば一番自動車税が安い排気量1リットル以下の場合、古い車両だと自動車税29,500円ですが13年経過後は33,900円となり、4,400円の増税になります。

ディーゼル車は11年

ディーゼル車は新規登録から11年超のものについて自動車税が概ね15%重課されます。

軽自動車は13年

軽自動車税についても、自動車税と同様に新規登録から13年超のものについて重課されますが割合が概ね20%と自動車税よりも割合が大きくなっています。

2015年4月1日以降に登録された自家用軽自動車の軽自動車税は10,800円ですが、13年経過後の税額は12,900円となり2,100円の増税になります。2015年4月1日以前の旧税率の時に登録された軽自動車の税額だと7,200円ですが、13年経過後の税額は12,900円となり5,700円の増税になります。

電気自動車、ハイブリッド車といったエコカーは13年を超えても自動車税は増税になりません。

なお、自動車重量税についても新規登録から13年以上で重課になり、18年以上でさらに重課となりますので注意が必要です。

自動車税の滞納、払い忘れ

自動車税を滞納、払い忘れた時についてご説明します
自動車税の滞納、払い忘れ

自動車税を払い忘れてしまったらどうなるのでしょうか。滞納によるペナルティについてご説明します。

自動車税を払い忘れてしまったら?

まず自動車税を払い忘れてしまったことに気付いたら、その時点ですぐにでも納付しましょう。ただし納期限を過ぎてしまうと支払方法が限定されてしまいます。納付書の案内を確認するか、納付先の都道府県に問い合わせしましょう。

払い忘れに気付かなかった場合でも、期限から20日経過すると督促状が発送されます(督促状が送られる時期については都道府県によって差があります)。督促状が届いてしまったらすぐにでも納付しましょう。

滞納によるペナルティ

自動車税を滞納した場合にはペナルティがあり、延滞金がかかります。延滞金は納期限の翌日から1ヵ月を経過するまでの期間は年2.5%、1ヵ月経過した日以降の期間は年8.8%です。この率は年度によって変わりますので注意して下さい。

ただしこの延滞金が1,000円未満の場合は支払う必要がありません。延滞金はもともとの自動車税の金額と延滞した日数によって決まります。このため延滞に気付いたら早めに支払うようにしましょう。

自動車税が未納のままだと車検を通すことができません。また督促に従わないままだと自動車本体などへの差し押さえが行われます。資金的余裕がなく支払えない時には都道府県税事務所へまずは相談しましょう。

住所変更等により、納付書が届かないときは?

住所変更をしていないことなどにより納付書が届かないこともあります。速やかに都道府県税事務所に問い合わせして再発行してもらいましょう。

前述した通り納付書が届く時期から納期限まであまり時間がありませんので、早めに対応しましょう。

新車購入、廃車、譲渡の自動車税について

新車購入、廃車、譲渡の自動車税についてご説明します
新車購入、廃車、譲渡の自動車税について(画像提供:PIXTA)

前述した通り自動車税は4月1日の自動車の所有者がその年の4月から翌年3月までの1年分の税金を一括で支払います。もし年度途中で購入、譲渡及び破棄した場合、自動車税はどうなるのでしょうか。以下、それぞれの場合の計算方法をご説明します。

新車購入は翌月分より月割りで納税

まず新車を購入した場合の自動車税は、新規登録をした月の翌月から3月までの分を月割りで計算して登録時に支払います。このため月末近くよりは月初に取得した方が初月の保有期間分は課税されないため幾分かお得と言えます。

軽自動車税について、月割計算はありません。翌年度からの支払になるので4月2日に購入すれば約1年分の軽自動車税が節約できます。

廃車の手続きと自動車税の還付について

廃車した場合はどうなるでしょうか。車両が物理的に滅失したとしても抹消登録の手続きをしなければ自動車税は課税され続けてしまいます。

廃車の手続きには永久抹消登録と一時抹消登録があります。いずれも抹消登録すれば自動車税は課税されません。

廃車した年の自動車税は4月から廃車月までの月割計算になります。自動車税は翌年3月分まで前払しているので、多く支払っている分については還付されます。廃車が決まったら月をまたがないように早めに手続きすれば、自動車税は多く還付されます。還付のために特別な手続きは必要なく、抹消手続きが完了後に自動的に通知書が届きます。

もし自動車税などの地方税に未納がある場合、還付金はこれに充当されます。還付金が減るか、充当してもまだ未納が残る場合は督促が続きます。

なお軽自動車税について還付はありません。廃車した年度1年間分の自動車税が課税されます。

譲渡した場合の自動車税はどうなるのか?

一方廃車ではなく下取りに出すなど車両を譲渡した場合はどうなるのでしょうか。自動車税は4月1日の自動車の所有者に課税されますので4月1日時点で所有していれば課税された分は支払う必要があります。

ですが譲渡時から翌年3月までの自動車税の金額については譲渡金額に加味してくれることが多いので、売却先に確認してみましょう。

監修税理士のコメント

京浜税理士法人 横浜事務所 - 神奈川県横浜市青葉区青葉台

法人名義で自動車を購入した場合、自動車に係る経費の税務上の取り扱いが個人事業主とは異なるケースがあります。自動車税は、法人税や消費税、償却資産税や固定資産税と違いその取扱いが注目されるケースは多くないですが、税金であることに変わりはないため、その制度を正しく理解し適切に納付する必要があります。もしわからない点などがある場合には、税金の専門家である税理士に確認するのが良いでしょう。

まとめ)法人の営業用自動車の税金について税理士に相談しよう

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このように自動車に関連する税金は自動車税、自動車重量税などがある上に金額も車種や要件によって様々です。

上記では主に個人の自家用の登録車(乗用車等)についてご紹介してきましたが、自家用とは別に営業用の車両があり、これは税率が別途定められています。

また営業用の車両でなくとも、法人が法人名義で事業用に乗用車を購入して法人の経費にすることは多くあります。この場合も営業用車両と同じく、取得費用だけでなく自動車税などの関連費用も経費になります。自動車関連の税金について税理士に不明な点がある場合には相談してみましょう。

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