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経費削減アイデア24選|効果的に行うポイントや実施の流れを解説

最終更新日: 2024年06月28日

無駄な経費を削減すれば、会社に資金が残ります。このため経費削減を目標にしている会社も多いのではないでしょうか。

しかし必要な経費まで削ってしまうと、売上が伸びなくなり逆効果にもなりかねません。

この記事では経費削減を効果的に行うポイントや削減アイデア、やってはいけないこと、実施の流れを解説します。

経費削減の考え方

経費削減の考え方

経費削減とは、費用を削り会社の支出を抑えることです。費用が減ると結果的に会社の利益は増え、資金が残ります。無駄な経費を削減し効果的に行うとよいでしょう。

しかし経費は本来、会社が営業活動をして発展し、継続するのに必要なものです。そのため会社の売上を下げるような経費削減には、注意が必要です。

経費削減の必要性

経費削減は売上を上げる以上に利益向上が期待できる方法です。経費削減によって利益を増やすメリットは大きく3つあります。

  • 会社内部の決定だけで実施できる
  • 経費削減額がそのまま利益の増加額に直結する
  • 経費削減が業務の効率化につながることがある

売上を伸ばして利益を出すには開発、営業など多くの努力が必要ですが、経費を削減するには会社内部の決定だけで実施可能です。

また売上の増加には原価がかかりますが、経費の削減金額はそのまま利益の増加の金額に直結します。

例えば200万円経費を削減すれば、200万円利益が増加します。しかし200万円売上が増加しても、原価が140万円であれば増加する利益は60万円だけです。

他にも経費削減の取り組みによって業務の無駄を発見し、業務効率化や生産性向上に繋がることもあります。

効果的に経費削減をするポイント

経費削減を効果的に行うには以下の3つのポイントを意識しましょう。

  • 経費削減に対する社員の意識を高めること
  • 長期的な視点で行うこと
  • 経費削減を目的化しないこと

経費削減に対する社員の意識を高めること

経費削減は経営者の決定だけでなく社員の協力が不可欠です。実際の業務のなかで経費がどのように使われているかは、現場の社員が一番わかっているからです。このため現場の社員の経費削減の意識を高めて、自主的な行動を促す必要があります。

【意識を高める取り組みの例】

  • 経費削減が会社の利益に与える影響を具体的な数字で社員に説明し、会社の「目標」を社員に納得してもらう。
  • 経費削減の取り組みや目標を、何らかの形で具体的数値として見える化をして、しっかりと評価をする。部門間で競争をして表彰を行う。
  • 見える化をした結果をオフィスのわかりやすい場所に掲示して、常に社員が意識できるようにする。

長期的な視点で行うこと

経費削減の効果を高めるには、現在の業績に関係なく長期的な視点での実施が大切です。

業績が悪い時だけ行っても、一時的な効果しか得られないばかりか経費削減が苦しい時だけの我慢のように位置づけられてしまい、業績がよい時に効果を発揮できません。

また経費のなかにはすぐに効果が出ない、投資の意味合いがあるものもあります。固定資産や生産性向上のためのツールなどは、支出時は大きな金額ですが、将来にわたって効果が得られるものです。

また一定の交際費は、将来の顧客獲得のために必要な場合も多いでしょう。短期的な支出の金額で経費を削減するのではなく、長期的な視点で効果が得られるかどうかをよく検討することが大切です。

経費削減を目的化しないこと

経費削減は会社が発展する目的のための手段に過ぎません。どのような経費であっても一律に「削減」を目的化してしまうと、本来必要な経費まで削減してしまい、会社の発展を妨げてしまう可能性もあります。

経費削減をおこなう際には、何のためにやるのか、その目的を見失わないようにしましょう。

やってはいけない経費削減

以下のような間違った経費削減を行ってしまうと、経費だけでなく売上も落としてしまう可能性があります。

  • 従業員のモチベーション低下につながる経費削減
  • 商品やサービスの質を下げる経費削減

従業員のモチベーション低下につながる経費削減

会社が維持、発展するには、従業員の力がなければ成り立ちません。やみくもに削減、削減とうるさい状態で、従業員のモチベーションが低下してしまっては逆効果です。

【従業員のモチベーションを下げてしまう経費削減の例

  • 職場環境を悪化させるほど、水道光熱費の削減を要請する。
  • 売上に貢献しているにも関わらず、人件費や福利厚生費を削減する。
  • スペースが狭く作業しにくいにも関わらず、家賃削減のために狭い事務所で我慢する。

人件費は会社にとって大きな経費です。しかし売上に貢献する原動力でもあります。仕方なく経費削減の対象にする場合には、モチベーション低下につながらないようによく工夫、検討したうえで実施しましょう。

商品やサービスの質を下げる経費削減

販売する商品やサービスの質を上げたり維持したりする経費も、会社の維持、発展のために必要です。質を下げてしまっては、顧客が離れてしまい逆効果です。

商品やサービスの質を下げてしまう経費削減の例】

  • 原材料などの原価を、質の悪いものであっても無理にコストカットする。
  • 人員数を減らし、結果として顧客サービスが行き届かなくなる。
  • 給与を低い水準に設定し、優秀な人材が寄り付かなくなり、商品やサービスの質が低下する。

会社の経費削減のアイデア24選

経費削減をするには、1つ1つの事柄を詳しくチェックし、その中に無駄がないか考える必要があります。費用ごとに本当に必要な経費なのか再検討を行いましょう。

すぐにできることから長期的に行いたい取り組みまで、経費削減のアイデアを一挙紹介します。

人件費の削減アイデア2選

【人件費の削減アイデア】

  • アウトソーシング(外部の専門家)を活用
  • 社内勉強会を開催する

社内にノウハウのない作業は自社ですべてをやろうとせず、外部の専門家を活用すると経費の削減になります。

また人手が足りない場合、社内勉強会を開催すると社員1人ひとりのスキルが高まり、新たに人員を採用しなくても問題が解決する場合があります。

事務用品費・消耗品の削減アイデア6選

【事務用品費・消耗品の削減アイデア】

  • 社内文書や契約書、領収書を電子化してペーパーレスにする
  • 社内文書は基本白黒印刷とし、裏紙も再利用する(機密情報が載っていないもの)
  • リサイクルトナー、再生紙を使う
  • 使わない消耗品の購入を控える
  • 消耗品はまとめ買いをする
  • オンラインショップで購入し、ポイントを有効活用

日々の業務で発生する資料を電子化すると、紙代やコピー代を節約できます。ペーパーレス化を実現が難しい場合は、白黒印刷や裏紙の利用からはじめてみましょう。

消耗品はオフィス業務に欠かせないアイテムですが、必要以上に購入している場合があります。在庫過多になっているものは購入を控えましょう。

まとめ買いや、オンラインショップでポイントを有効活用することでも経費を削減できます。

光熱費・通信費の削減アイデア7選

【光熱費・通信費の削減アイデア】

  • 節水型トイレの導入
  • エアコンのフィルターをこまめに清掃する
  • カーテンやブラインドを活用
  • エアコンの温度を温めすぎない冷やしすぎない
  • 使用頻度の少ない部屋はこまめに電気を消す
  • 照明はLED電球に変える
  • 利用プランを見直す

水道代、光熱費、通信費は見直すことで大きな経費削減が期待できます。しかし仕事をする上で欠かせない経費でもあるので、従業員の負担にならないように注意しましょう。

おすすめの削減方法は利用プランの見直しです。現在と同じ条件で安くなる場合は、従業員に負担をかけずに経費を削減できます。

旅費・交通費の削減アイデア5選

【旅費・交通費の削減アイデア】

  • 定期券は1か月単位ではなく、3カ月や6カ月定期の代金を支給する
  • 通勤手当の申請受付時には通勤経路が最短経路か確認する
  • タクシーの利用は事前申請方式にする
  • 出張をやめ、スカイプなどを使ってWeb会議を導入する
  • 1日乗車券や回数券、早割運賃を利用

従業員の移動手段を見直すこともコスト削減の有効な方法です。従業員の負担とならない範囲で経費削減を行いましょう。

特に有効なのがWeb会議ツールの導入です。出張にかかる交通費や宿泊費だけでなく、移動時間にかかる人件費も削減できます。

以下の記事ではWeb会議を導入するやり方を解説しています。出張による費用を減らしたい方は確認してみてください。

関連記事:Web会議の正しいやり方!スムーズな進行で有意義な会議にしよう|ミツモア

交際費の削減アイデア2選

【交際費の削減アイデア】

  • 交際費の予算設定が本当に適正額なのか毎回見直す
  • 交際費は事前申請制とする

交際費は会社が将来発展していくために必要な経費です。しかし予算が多すぎることもあるので、本当に必要な経費なのか見直しましょう。事後報告ではなく、事前申請制にすると無駄な経費を削減するのに有効です。

新聞図書費の削減アイデア2選

【新聞図書費の削減アイデア】

  • 不要な雑誌・新聞の定期購読を解約する
  • 電子書籍の読み放題サービスを利用する

本や雑誌、新聞などは、事業に必要な情報やアイデアを得るものとして欠かすことができないものです。

しかし誰にも利用されていないものは、無駄な経費になっている可能性があります。利用されていないサービスは解約して経費削減を行いましょう。

経費削減の実施の流れ

経費削減実施の流れ

経費削減を実際に行う際はやみくもに行うのではなく、どの経費を削減するのか、何の目的で削減するのかを明確にしてから行いましょう。

経費削減実施の流れ

  1. 全ての経費の削減余地を明らかにする
  2. 経費削減で得られる効果の試算をする
  3. 目標を設定し、組織全体に周知する

削減余地や削減効果を事前に明らかにすることで、目標設定がしやすくなるほか、社員が納得して取り組みやすくなります。

全ての経費の削減余地を明らかにする

経費をすべて洗い出し、売上に貢献しない無駄なものがないか、何か別の手段で削減できないかなど、削減余地がないかを検討していきます。

まずは売上に対して占める割合の高い、金額の大きい経費から検討すると効果的です。特に毎月発生する固定費は削減できると効果が大きいので、重点的に検討するとよいでしょう。

経費削減で得られる効果の試算をする

削減できそうな経費が決まったら、具体的にどのような効果があるのか試算をします。目に見える数字で表すと削減すべきかどうかの検討材料にもなり、目標設定もしやすくなるでしょう。

例えば将来の営業の機会につながりにくい交際費がどの程度あるかを検討し、削減可能な金額を試算するといったことが考えられます。

またアウトソーシングや発注業者の変更などでコストが削減できる場合には、現在のコストと代替案のコストを比較して効果の試算を行います。

目標を設定し、組織全体に周知する

経費削減の効果を具体的な数値で表せたら、目標を数値で設定しましょう。数字での目標は、社員が具体的な行動にうつしやすく、そして常に意識しやすくなります。また評価もしやすくなるでしょう。

目標は組織全体に周知し、社員が皆で同じ方向を向いて実行できるようにします。周知は単に知らせるだけでなく、詳細な説明や経費を削減して得られる効果、その先にある目的など経費削減の趣旨を納得してもらうことが重要です。

社員への周知と説明は何度も根気強く行い、趣旨を腹に落とし込んで自主的に経費削減に取り組めるようにしましょう。

実際に有名企業で行われている経費削減の事例

実際に有名企業で行われている経費削減の事例

経費削減対策として、他の企業はどのようにしているのだろう?と迷うこともありますよね。そんな時には、大手の企業で実際に行われている事例を見てみるとヒントが隠されているものです。

社外用と社内用の書類の作り方を変えることで経費削減|トヨタ

トヨタは社内向け資料の作成時の「パワーポイント使用の禁止」を発令して工数の削減、経費削減を実現しています。

トヨタは社内プレゼンテーションでパワーポイントを使うことを禁止している代わりに、テキストの使用を推奨しています。テキストの使用によってで発表者が自分の考えを深め、見た目だけでなく、論理的に内容を伝えられるからです。

またパワーポイントを使ったスライドは、スライドを目で追い過ぎてしまい、発表者の発言を聞いていない場合があります。社内用の書類をテキストにすることで、出席者が発言者の意見の内容にしっかりと集中できるようになったそうです。

アナログな手段に価値を見出す|サントリー

サントリーは週に1度パソコン使用を禁止する時間を設けました。SNSやメールが一般的である現在、これらを使うと簡単に情報を送れますが、送りっぱなしになっている場合も考えられます。

アナログな手段とは電話で話したり、直接会いに行ったりすることです。相手に行動を促したり、微妙なニュアンスを共有するには、電話や直接会うのが最も有効な手段といえます。

この施策を行ってから、社内ではメールを送った後に電話を入れるなど、デジタルな手段とアナログな方法を組み合わせる社員が出てきたそうです。

技能訓練支援システム導入で技術者の訓練時間を半分に|ダイキン

ダイキン工業では、グローバルな生産拠点が増えたことで、技能伝承が重要な課題でした。そこで技能訓練支援システムを導入し、技術を「見える化」による問題解決を図ります。

以前は熟練した技術者が各拠点を回って技術を教えていため、時間がかかっていました。このシステムの導入によって訓練時間は半分まで削減され、言葉の壁によって時間がかかっていた問題も解消されたそうです。

社内のムダを見直して経費削減!

この記事では経費削減を効果的に行うポイントや、削減アイデアを解説しました。

経費削減は利益向上に有効な手段です。しかし経費は売上を上げるために必要なお金でもあります。社員のモチベーションを下げ生産性を落としたり、製品やサービスの質を下げたりしてしまっては意味がありません。

また経費削減を行う際は社員に納得してもらい、経費削減の意識を高められるように明確な目標設定を行いましょう。毎月の数字を掲示したり、取り組みを共有したりすることも意識を高める有効な手段です。

社内のムダを見直し、できるものから始めて利益の向上を図りましょう。

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