土地を有効活用するため駐車場として貸し出していると気になるのが、消費税の課税ではないでしょうか。正しい税務処理をおこなったつもりでも、顧問税理士などがついていないと増税による影響など不安が募るばかりです。
今回は、駐車場の貸付業務をおこなう法人や個人事業主が得た収入は消費税が課税されるのか、それとも非課税なのか詳しくご紹介します。
この記事を監修した税理士
高崎文秀税理士事務所 - 東京都文京区本郷
駐車場に消費税がかかるかを判定しよう
使わない用地を駐車場として貸し出して使用料が発生する場合、正しく税務処理をおこなわないと税務調査で修正を指摘される可能性があります。駐車場の消費税はとても複雑なので、経理をする際は正しい基礎知識を学んでおくことが大切です。
どういった状況で駐車場の消費税が課税されるのか、判定ポイントを解説します。
【土地の貸付は非課税】ではあるが…?
国税庁では、土地の譲渡や貸付は消費税の非課税としています。しかし、駐車場として貸し出し車両を管理している場合やアスファルトやコンクリートなどで地面を整備している、区画、建物を設置して駐車場を利用している場合は課税対象です。
たとえば野球場やプール、テニス場などに設置された駐車場で貸付料を取る場合、駐車場などの施設利用がメインであり、土地の貸付は施設の貸付と関連しているものに過ぎないのです。そのため消費税が課税されます。
土地を駐車場として貸付した場合の消費税はとても複雑に感じますが、その駐車場が消費されるか・されないかで判断するとわかりやすいです。つまり、砂利や空き地などの土地を駐車場として貸し付けしても価値が下がらないため、非課税になります。
ただしこのような土地でも、貸付期間が1ヶ月未満なら、課税対象とみなされるので注意しましょう。
駐車場の消費税課税を判定するポイント
駐車場の消費税課税は、非常に判断ポイントが難しいです。具体的に、どういった土地の利用で消費税が課税されるのか表へまとめました。
駐車場の状況 | 課税区分 |
---|---|
砂利の土地を個人に貸付 | 非課税 |
車両の管理をしていない | 非課税 |
マス目(区分)のある駐車場を貸付 | 課税 |
建物に隣接した駐車場を管理 | 課税 |
5日間だけ観光客に駐車場を貸付 | 課税 |
普段使っていない用地をフェンスで囲ったり区画をせず駐車場として使用料を受け取ったりしても非課税です。ただ、同じ環境の用地を花見や花火大会など、一時的(1ヶ月未満)なら課税対象になってしまいます。
駐車場への消費税課税の例外
駐車場といっても月極やコインパーキングのような時間貸し、アパートの入居者のために駐車場の貸付などさまざまな状況があります。
ただし消費税が課税される駐車場の場合でも、、特定の条件によって非課税となる場合があります。経理担当者にとって消費税の必要がない駐車場との区別はとても頭を悩ませる部分ではないでしょうか。駐車場の消費税課税の例外を一部紹介します。
アパートやマンションの駐車場
アパートやマンションなど、駐車場のある不動産を賃貸で貸付している場合、一定の条件をクリアすると非課税です。
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駐車場付きで不動産を賃貸している場合、上記すべての条件を満たしていると消費税が非課税になります。
コインパーキングなどの時間貸し駐車場
コインパーキングなど時間貸し駐車場の運営は、地主または業者のどちらがアスファルトなど土地を整備したのかで消費税の課税区分が変わります。
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上記のポイントをわかりやすく表にしました。
整備した人 | 貸付する人 | 課税区分 |
---|---|---|
業者 | 業者 | 非課税 |
地主 | 業者 | 課税 |
地主 | 地主 | 課税 |
コインパーキングを運営する多くは業者ですが、業者が駐車場として貸付するまでどのような経緯だったのかが、消費税課税・非課税の大きな判断基準になります。
駐車場も消費税増税の影響を受ける
2019年10月1日から消費税率が10%へ引き上がったため、駐車場の消費税が課税対象である場合には増税に向けて準備しなくてはいけません。これまでの消費税率8%から2%も上がるとどういった影響を受けるのか、また駐車場の消費税が課税対象の場合、どういったことに注意するべきなのか詳しく紹介します。
増税分を値上げする際の注意
自身が経営する駐車場が消費税の課税対象なら、2019年10月1日より消費税率が10%になります。当然ながら2%の増税分は、消費税の課税者が消費者から預かって税金を納付しなくてはいけません。
駐車場料金を税込金額で契約している場合には、増税に伴って駐車場の運営側は借り主に増税分の値上げ請求をするケースも増えるでしょう。値上げ請求する場合、駐車場の賃貸契約書へ次の項目を記載する必要があります。(税抜金額で契約している場合には契約の変更は特に必要のないケースもあります。)
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たとえ国が増税をしても、賃貸契約書などで「増税や公租公課の変更などに伴い使用料の値上げ」を勝手にしても認められないケースがあるのです。駐車場の使用料などは貸す側が定めますが、借りる側と合意を得ないと増税分の値上げ請求は成立しないので気をつけましょう。
税務調査に不安を感じたら税理士にご相談を!
駐車場の消費税は、課税か非課税か運営状況によって大きく異なります。税務にあまり詳しくなくても、経理から運営まですべておこなう個人事業主や法人などもいますが、間違った申告は税務署による指摘を受けてしまうこともあるでしょう。
まだ一度も税務調査を受けたことがない、間違った判断で税務処理を続けたくない人は顧問税理士に相談すると悩みが解消できます。税理士はどんな業務を受け付けているのか、顧問税理士をつけるメリットやデメリットを紹介します。
税理士にお願いできること
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税理士は税理士法により、税務に関する申告や申請、税務署類の作成、相談アドバイスなどの業務をおこなっています。とくに、駐車場はさまざまな環境で運営しているケースが多いため、消費税に関する悩みは幅広いのが特徴的です。
間違ったまま経理をすると、突然、税務調査の連絡が来ることも珍しくありません。消費税の課税対象者なのか、相談だけでも親身になってアドバイスしてくれます。
税理士をつけるメリットとデメリット
税理士をつけることで、次のようなメリットがあります。
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一方、税理士をつけることで、次のようなデメリットもあります。
- 固定コストとして顧問料が必要
- 顧問税理士が見つからない
顧問税理士をつける最大のメリットは、誤った判断で余計に支払う税金を防げることです。これまで正しいと思っていた税務申告が、実は多く課税されていたケースはよくあります。自分自身では気づきにくいため、税務に関する専門である税理士はとても心強いです。
監修税理士のコメント
高崎文秀税理士事務所 - 東京都文京区本郷
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