「外壁塗装の見積書をもらったけれど見方がわからない。本当に適正なのか不安…」という方に向けて、外壁塗装の見積書の確認方法を解説していきます。
「こうなっていればOK」「こうなっていたら要注意!」という具体例も挙げているので、ぜひ参考にしてみてください。
外壁塗装の見積書の見方・用語解説
複雑に見える見積書も、見方と用語の意味を知っておくとすんなり理解することができます。
見積書の各項目の見方
見積書は「工事箇所・内容」と「数量・単位・単価」の2項目に大きく分かれています。
【工事箇所・工事内容】
左の2列には塗装工事をする箇所が記載されています。外壁のみの工事なのか、屋根や付帯部(雨どいや軒天など)も塗装するのかが明記されているはずです。
見積書に記載されていない箇所は工事をしないため、希望した工事内容と合っているか確認しておきましょう。
【数量・単位・単価】
真ん中3列には金額を決定するための、数量・単位・単価が記載されています。これらを掛け算することで費用が決まるということですね。工事内容によって「単位」が違います。
㎡ | 足場、外壁、屋根、高圧洗浄など |
m | シーリング、雨どい、破風板など |
一式 | 養生、下地処理、諸経費など |
面積や長さで表現しにくいものは「一式」と記載されます。「一式」表示で問題ない項目は、養生と下地処理、諸経費だけです。
養生に関しては「㎡」で記載されているケースもありますが、見積金額が数万円程度であれば特に問題ありません。
坪数で計算しない理由は、同じ坪数の建物でも外壁の面積が家によって変わってくるからです。
単価は1単位当たりの金額。例えば単位が「㎡」で単価が「600」となっていれば、1㎡当たり600円ということですね。
<仮設足場の場合>
180㎡×900円(単価)=162,000円(金額) |
業者によって費用に差が出るのは、単価の設定が異なるからです。複数の見積書を比較するときは、「単価」の差を確認してみましょう。
見積書の用語解説
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シーリング
シーリングとは、外壁の隙間などに塗りこんで、防水性や気密性を高めるペースト状の材料のことです。コーキングとほぼ同じものとして扱われます。
下塗り
下塗りとは、最初に行われる塗装のことです。その上に、中塗り、上塗りを重ねていきます。塗装工程は通常3回に分けられます。
「下塗り1回」「中塗り1回」「上塗り1回」の計3回、「下塗り1回」「仕上げ塗り2回」の計3回、「下塗り1回」「上塗り2回」の計3回が主なパターンです。記載方法が異なる場合があります。
また、クリアー塗装と呼ばれる特殊な塗装方法では2回塗りが通常の方法です。見積書に計3回と記載されていない場合は、クリアー塗装であるかどうかを確認しましょう。
足場
足場代は無料ではありません。外壁の塗装であれば足場代はかからないのでは、と思うかもしれませんが、塗装工事に足場代は欠かせません。
もし足場代が無料になっていたら、必ず指摘しましょう。高所での作業に、足場はなくてはならないものです。
養生
養生とは、塗料が飛び散ることを防ぐためにビニールやシートなどで行われるカバー作業のことです。養生が行われないと、必要ない部分に塗料がついてしまったり、近隣の住宅の迷惑になってしまうことが考えられます。
高圧洗浄
高圧洗浄とは、塗装前に行われる外壁の清掃作業です。その名の通り、高い水圧で外壁の汚れを洗い流していきます。この作業を行うことで、より美しい外壁が仕上がります。
外壁塗装の見積書のチェックポイント5つ
以下の見積もりの内容は30坪の住宅を想定して記載しています。下記の表を見ながらチェックしていきましょう。
【チェックポイント】
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①単位が「一式」になっていないか
外壁塗装の単価は面積や長さをもとに細かく計算されています。「一式」と記載されている場合は、正確な数値で計算された金額ではない可能性があるので注意してください。
「一式」の表記が多い見積もりを出してきた業者に対しては、理由を聞いてみましょう。納得のいく回答が得られない場合、その業者は避けた方がいいかもしれませんね。
ちなみに「一式」の単位が使われてもOKなのは以下のようなものです。
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今回の見積書例の場合は特に問題ないと言えます。
②塗装回数が3回になっているか
塗装回数は下塗り1回、上塗り2回の計3回塗りが基本です。詳細が書かれていない場合は必ず業者に確認してください。
塗装回数がわからないまま契約してしまって、2回塗りで仕上げられたら困りますよね。見積書の内容に従って工事を進めるため、きちんと確認しておきましょう。
③使用塗料が記載されているか(メーカーなど)
仕様塗料のメーカーと商品名が記載されているか確認しましょう。見積書の例にある「日本ペイント:パーフェクトサーフ」は、以下のような意味です。
- 日本ペイント:会社名メーカー
- パーフェクトサーフ:塗料名
「シリコン塗料」などの塗料の種類しか記載がない見積書には注意してください。詳細が書かれていないと、万が一工事に使用する塗料を変更されていてもわかりません。
また、「日本ペイント」のほかに、「関西ペイント」「エスケー化研」は信頼できる老舗企業なので、安心できます。
④施工保証が5年前後あるか
保証を付けている業者もいます。保証期間内なら不具合が起きても無償で直してくれる制度で、5年が平均的です。
保証は以下のようなことが起きた時に適用されます。
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保証期間や内容は業者によって変わるため、詳しく確認しておきましょう。
口頭説明ではなく、見積書にきちんと記載されていることが重要です。
契約する時は「保証書」が発行してもらえるかどうかも確認するのが良いでしょう。こういった書類がないと保証は適用されないので注意してください。
⑤有効期限が1ヶ月以上あるか
外壁塗装の見積書の多くは1~3ヶ月ほどの有効期限があります。
外壁の劣化が進んだり、塗料や資材の価格が上がったりして、過去の見積もり内容では適切な工事ができなくなる可能性があるからです。
見積書の期限が数日、もしくは1週間ほどしかない場合は要注意です。契約を急かすためにわざと短くしている可能性も考えられます。
外壁塗装の内訳ごとの費用相場
外壁塗装に必要な作業(工程)と、費用の相場は以下の通りです。
工事内容 | 単価 | 費用の目安(30坪) |
足場代 | 700~900円/㎡ | 14~18万円 |
飛散防止ネット | 150~300円/㎡ | 3~6万円 |
高圧洗浄 | 150~300円/㎡ | 2~4万円 |
シーリング | 500~900円/m | 8~14万円 |
養生 | 300~500円/㎡ | 4~6万円 |
下塗り(塗装) | 650~1,700円/㎡ | 8~20万円 |
上塗り2回(塗装) | 1,350~3,000円/㎡ | 16~36万円 |
補修工事 | 2万円~/一式 | 2万円~ |
ゴミ処理代 | 2万円~/一式 | 2万円~ |
※この他にも作業が発生することがあります。料金も場合によって異なるので、あくまでも参考程度に考えてください。
坪数ごとのおおよその費用相場は以下の通りです。
坪数(延べ床) | 塗装面積(外壁) | 費用 |
30坪 | 118㎡ | 60~100万円 |
35坪 | 139㎡ | 70~110万円 |
40坪 | 158㎡ | 80~120万円 |
45坪 | 178㎡ | 90~130万円 |
50坪 | 198㎡ | 100~140万円 |
外壁塗装の悪い見積書を見きわめるポイント
悪い見積書の例を解説していきます。以下に当てはまる見積書には注意が必要です。
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金額だけわかっても、他社の見積もりと比較検討するのは難しいです。
金額の大きな工事になるので、見積書に不明な部分が多いと不安になりますよね。誰が見ても工事の詳細がわかるような見積書になっていなければ意味がありません。
見積書は印象を決める重要な部分なので、ここで手を抜いてくる業者は少し信頼に欠けると判断して良いでしょう。
見積もり内容に納得がいかない場合の対処法
「見積もりを出してもらったけど、思っていたより高いな」「あまり詳細を説明してくれないので不安だな」と感じる場合もあるでしょう。
見積もり内容に納得がいかないときの対処法を2つ紹介します。
①値引き交渉/相談をする
値段をもう少し抑えたいのであれば、どういう箇所が気になったのかを業者に伝える必要があります。
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気になる点を具体的に伝えると、業者も対応しやすいでしょう。ただし詳細がわからないような見積書を作成する業者は、どこまで対応してくれるかはわかりません。
丁寧な業者であれば、最初からきちんとした見積書を出してくるでしょう。
値引き交渉をすると、業者は「依頼してくれるのではないか」と期待するので、よく考えてから話を進めてください。
過度な値引きは、手抜き工事につながるのでやめましょう。
②きっぱりと断る
断る時はハッキリと依頼する意思がないことを業者に伝えましょう。曖昧な言い方をすると相手は断られたかどうかがわからないからです。
例えば次のように言ってみてはどうでしょう。
「家族と話し合った結果、今回はお断りさせていただきます。見積書ありがとうございました。」
断る理由は特に必要ありません。見積書を作成してくれたことに感謝の言葉を添えておけば十分です。
もし他の業者に依頼するのであれば、そのことを正直に伝えればOK。電話でもメールでもいいので、あなたが伝えやすい方法で断りましょう。
外壁塗装の費用が想定より高いときの対処法
外壁塗装の費用が想定より高い場合、依頼するかどうか悩みますよね。
外壁塗装は、審査が通ればローンを組むことができます。ローン会社と連携している塗装業者もいるので、一度相談してみるとよいでしょう。
条件を満たせば、外壁塗装の助成金や補助金をもらえます。住んでいる自治体に外壁塗装の助成金・補助金制度があるかどうか調べてみてください。
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