引越し時は電気などライフラインの手続きは忘れないうちにする人がほとんどですが、うっかり忘れてしまいがちなのがNHK受信契約の住所変更です。
NHKの放送を見ていないなどの理由から引越しを機に受信契約を解約したいと思う人も少なくないでしょう。
この記事では、引越しの際にNHKの手続きが必要なケースや解約方法などをご紹介します。
引越し時には必ずNHKの手続きが必要
NHKと受信契約を結んでいるのなら、引越しをしたら必ず手続きをしなければなりません。
引越しに伴って必要となるNHKの手続きは以下の3つです。
- 住所変更
- 新規契約
- 世帯同居
NHK契約の住所を変更しないとどうなる?
引越しの前は忙しく、さまざまな手続きをしなければならないのでつい住所変更手続きを忘れてしまうこともあるでしょう。
実際にライフラインの手続きはしたものの、NHKの手続きは忘れてしまったという方も少なくありません。
ではもしNHK受信契約の住所変更をしなかったらどうなるのかを確認してみましょう。
契約情報更新の通知が届く
旧居に届いた郵便物を新居に転送してもらいたいときは、郵便局に転送届を出します。
郵便局にはNHK宛にも住所変更の通知ができる転送届があり、それを利用するとNHK側にも住所変更をしたという通知が届きます。
住所変更をしたつもりがないのに、契約情報の変更をした通知が来るので不審に思うかもしれませんが、この場合は転送届と一緒にNHKへ住所変更の届を出していることになります。
そのためNHKは必要な手続きを行い完了の通知を出しただけなので個人情報の漏えいの心配は必要ありません。
新居と旧居で二重契約になることも
住所変更をせずに引っ越したあと、新居でも受信契約を締結してしまうと二重契約になってしまいます。この場合は当然2軒分の受信料を支払うことになります。
二重契約に気づいたときはすぐにNHKに連絡をして払いすぎた受信料の払い戻し申請を行いましょう。
引越しに伴いNHKの手続きが必要なケース
引越しをしたら具体的にどのような手続きが必要かを確認しましょう。
引越し時に行うべきNHKの手続きは「住所変更」「新規契約」「世帯同居」の3つです。
これらの手続きを行うべきタイミング別に解説します。
住所変更:世帯全体で引っ越すとき
住所変更手続きの概要
- 家族全員で引っ越す
- 仮住まいに移動したときも行う
- インターネットから手続き可能
家族全員で引っ越すときには「住所変更」の手続きが必要です。インターネットからも手続きができます。
リフォームや建て替えなどで一時的に仮住まいに移動したときも住所変更手続きが必要です。
まとめ払いをしていたり、仮住まいで暮らす期間が短かったりすると手続きを忘れてしまいがちですが、住所が変わっているため手続きは必須です。
新規契約:新しく1人暮らしをはじめたとき
新規契約手続きの概要
- 受信契約をしていない家で生活を始めた
- インターネットから手続き可能
家族と一緒に暮らしていた家を出て、受信契約をしていない家で生活をはじめたときは新規契約の手続きが必要です。
新規契約申し込みはインターネットからも可能です。
単身赴任や学生の1人暮らしなど、住民票を異動していなくてもNHKへの手続きは必要です。
「日本放送協会放送受信規約(受信規約)」の第2条には、受信契約は世帯ごとに行うものと記載があります。
分かりやすくいうと受信契約は1軒ごとに行うということです。
受信規約の第2条にはただし書きで、同一世帯で2つ以上の住居に受信機が設置されている場合は受信機が設置されている住居ごとに契約をする旨が記載されています。
このことから単身赴任などで住民票を異動していなくてもNHKとの受信契約が必要になります。
世帯同居:2つの世帯が1つになるとき
世帯同居手続きの概要
- 結婚に伴う同居など既に受信契約をしている世帯に住む
- インターネットからの手続きは不可
新規契約時とは逆に、既に受信契約をしている世帯に住むときはどちらかの契約を解除してひとつにします。
世帯同居の手続きは解約手続きが必要なのでインターネットからの手続きはできません。
NHKふれあいセンターに電話連絡をして手続きをしましょう。
NHK受信契約の住所変更の流れ
引越しに伴うNHKの手続きのうち、もっとも行う頻度が高いであろう「住所変更」手続きの流れを解説します。
NHK受信契約の住所変更手続きは以下の3ステップで完了します。
必要情報の入力
まずはNHKの公式サイトから「住所変更」手続きページにアクセスします。
転居日や氏名、新旧住所、連絡先などの必要情報を入力したら、画面下部にある「お支払方法・コースの選択へ進む」をクリックします。
支払い方法・コースの選択
支払い方法と支払いコースを選択します。
支払い方法とコースはそれぞれ3種類あります。
支払い方法
- 払込用紙での振込
- クレジットカード払い
- 口座振替
支払いコース
- 2ヶ月払い
- 6ヶ月前払い
- 12ヶ月前払い
自分にとって無理のない支払い方法を選択しましょう。
内容確認
最後に入力内容を確認します。
個人情報や選択した支払い方法などに間違いないかを確認し、問題なければ情報を送信しましょう。
NHKの受信契約は解約できないの?
NHKの受信料についてはさまざまな論争があります。
NHKの番組を見ていないのだから解約したいという人も多くおり、見ていなくとも受信料を徴収するというシステムに対し抵抗感を覚える方もいるでしょう。
結論をいえば受信契約の解約そのものは可能ですが、解約までのハードルは高いです。
受信契約を解約するハードルは高い
NHKとの受信契約を解除するためには、まずNHKの放送を受信できる設備(受信機)をすべて処分する必要があります。
受信機はテレビだけではなく「NHKの放送を受信できるもの」なのでワンセグ携帯やカーナビのテレビ、テレビチューナー内蔵パソコンなども含まれます。
また受信契約はインターネットからでは解約ができません。
NHKふれあいセンターに電話をし、解約手続きの書類を送ってもらう必要があります。
受信機が無いことを証明する書類が必要と勘違いされる方は多いですが、受信規約には証明書の提出についての記載はありません。
テレビなどを処分した際のレシートなどを捨ててしまっていても解約の手続きを進められます。
解約のための連絡先
解約に関する連絡はMHKふれあいセンターに行います。
複数の窓口があるので以下の表にまとめました。
電話番号 | 営業時間 | |
フリーダイヤル | 0120-151515 | 土日祝含む9:00~18:00 |
ナビダイヤル | 0570-077-0777 | 土日祝含む9:00~18:00 |
ナビダイヤルが利用できないとき | 050-3786-5003 | 土日祝含む9:00~18:00 |
いずれの番号も12月30日17:00~1月3日の間は受付時間外です。
このほか受信契約に関する問い合わせ時のみ使える「折り返し電話受付」があります。
受付フォームに情報を入力すると、土日祝含む9:00~20:00にNHKから折り返しの電話連絡が来ます。
何度電話をしてもふれあいセンターにつながらない場合は折り返し電話受付を利用することをおすすめします。
なぜNHKは受信料を徴収するのか
NHKは「公共放送として報道の中立性を保ちすべての国民が公平に情報を得られるようにする役割があるため、受信料を徴収している」と主張しています。
たとえば企業がスポンサーとなり、広告料を支払うようになるとそのスポンサーにとって不利になる情報は報道できなくなります。
それでは中立的な放送と言えなくなってしまうため、NHKは国民全員から公平に受信料の負担をお願いしています。
NHK受信料を安くする方法
NHKとの受信契約を解除したいと考える人の中には、受信料が高すぎて負担に感じている人もいます。
2023年10月から受信料の値下げがされたとはいえ、「地上契約」で2ヶ月払いで2,200円なので見ていない人からすれば「無駄な出費」と感じるでしょう。
しかしNHKの受信料には割引制度があり、対象者であれば受信料の負担を少なくできますよ。
NHK受信料の割引一覧
- 家族割引
- クレジットカード払い・口座振替
- 6ヶ月・12ヶ月前払い
- 団体一括支払い
家族割引を利用する
NHK受信料の家族割引は、同一生計で離れて暮らしている家族や別荘・別宅(セカンドハウス)などが対象です。
離れて暮らしている家族の受信料が半額になるので、対象者は主に1人暮らしの学生と単身赴任中の人です。
家族割引を適用するにはNHK公式サイトの「受信料の窓口」から手続きをしてください。
クレジットカード払い・口座振替を利用する
NHK受信料の支払いは振込用紙を使って支払う方法とクレジットカード払い、口座振替の3種類があります。
支払い方法をクレジットカード払いや口座振替に変更すると、振込用紙を使った支払い方法に比べて数十円程度節約できます。
自動的に受信料が引き落とされるので払い忘れも防止できます。
6か月・12か月前払いで支払う
NHK受信料は2か月ごとに払うか、6ヶ月または12ヶ月分を前払いするかを決められます。
受信料の節約をしたいのであれば前払いがおすすめです。
地上契約 | 衛星契約 | |
---|---|---|
2ヶ月払い額 | 2,200円 | 3,900円 |
6ヶ月前払い額 | 6,309円(291円おトク) | 11,186円(514円おトク) |
12ヶ月前払い額 | 12,276円(924円おトク) | 21,765円(1,635円おトク) |
地上契約と衛星契約のどちらであっても、受信料をもっとも節約できるのは12ヶ月前払いです。
一括で支払う余裕があるなら利用しても良いでしょう。
団体一括支払いの対象か確認する
団体一括支払い割引の条件は以下の通りです。
- 地域的なまとまりがある団体からの申し込み
- 衛星放送(BS放送)契約者15人以上の受信料をまとめて一括払い
この条件に当てはまるとひと月あたりの受信料が180円割引になります。
適用範囲はやや狭いですが、条件に当てはまったときの割引額が多いので心当たりがあれば町内会やマンション管理組合などに連絡することをおすすめします。
受信料が免除されるケースもある
NHKの放送受信規約には受信料の免除規定が記載されています。
基準に当てはまれば全額免除もありますが、対象者は生活困窮者や障害を持つ方などの社会的弱者が主です。
これらの免除を受けるためには契約者側からアクションを起こす必要があります。
免除の対象かもしれないと思ったら、「NHK受信料の窓口」をチェックし本当に対象者か確認しましょう。
免除申請は郵送でのみの受け付けですのでご注意ください。
全額免除の対象者
- 公的扶助の受給者(生活保護受給者など)
- 市町村民税非課税の障害者
- 社会福祉施設等入所者(養護老人ホームや母子支援施設に入所中の人など)
- 奨学金受給対象等で別住居の学生
全額免除の対象者は様々な事情から公的な支援を受けている人々が主です。
なお市町村民税が非課税の障害者がいる世帯は、世帯の構成員全員が特別区民税を含む市町村民税非課税の場合のみ全額免除が適用されます。
半額免除の対象者
- 視覚・聴覚障害者
- 重度の身体障害者
- 重度の知的障害者
- 重度の精神障害者
- 重度の戦傷病者
半額免除を適用するには免除の対象者が世帯主かつ受信契約者である必要があります。
引越し手続きは全体像を把握して抜け漏れなく済ませよう
引越し時はNHKの手続き以外にもやるべきことが多くあります。
以下の記事では全体像をまとめているので、手続き漏れがないようにチェックしておきましょう。
引越しに必要な手続きとあわせて、引越し業者探しも忘れずに行いましょう。
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