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年次有給休暇の計画的付与とは? 年5日の取得義務化に対応!

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最終更新日: 2019年07月04日

年次有給休暇の年5日取得義務について、法律で定められている対応方法は、従業員ごとに意見を聴き、5日分を指定して取得させることですが、従業員が自ら申請して取得した日数や、計画的付与によって取得した日数は、あらためて取得させる必要はないという整理になっています。

このため、より効率的に対応できる「計画的付与制度」について注目が集まっています。

法改正で年次有給休暇の年5日取得が義務化

法改正で年次有給休暇の年5日取得が義務化

働き方改革によって労働基準法が改正され、2019年4月1日から、従業員に年5日の年次有給休暇を取得させることが義務になりました。

まずは、この年次有給休暇の取得義務に対応するにはどのような方法あるのか、また、その中で、計画的付与制度を活用することがなぜ効率的なのかについて説明します。

年次有給休暇の取得義務化は2019年4月から

2018年6月29日に働き方改革関連法が成立したことで労働基準法などの労働関係法が改正され、2019年4月1日から順次施行されています。

改正事項には、いきなり全企業に適用するものや当面は大企業だけに適用するものがありますが、年次有給休暇の年5日取得義務については、2019年4月1日から全企業に適用されています。

違反した場合には罰則もあることから、企業にとっては対応優先度の高い改正事項であると言えます。

年次有給休暇の取得義務への対応方法

年次有給休暇の年5日取得義務に対応するには、次の3つの方法があります。

①会社が従業員の意見を聴いたうえで5日分を指定して取得させる。全従業員と面談などをしたうえで取得日を指定しなればならないため、かなりの労力が必要になります。
②従業員に任せて5日取得させる。全従業員が年次有給休暇を消化できているような会社でない限り、年間を通じて全従業員に対するフォローが必要になります。
③計画的付与により、全従業員あるいは一定範囲の従業員に5日取得させる。対象従業員や取得させる日などについて労使協定を締結しなければなりませんが、一斉に取得させることができます。

法律上の基本的なパターンは①になりますが、②、③によって従業員が取得した日数は、あらためて指定して取得させる必要はないという整理になっています。

つまり、①に②や③を組み合わせて運用することもできますが、裏を返せば、②や③だけで年5日に達するのであれば、そもそも①の対応はいらないということになります。

計画的付与で取得義務に対応できる

手っ取り早く、年次有給休暇の年5日取得義務に対応することを考えた場合、企業の労働状況にもよりますが、計画的付与制度を活用することが効率的です。(既にこの制度を導入していて、毎年5日以上の年次有給休暇を取得させている場合には何もする必要はありません。)

ただし、この制度を導入するためには、その旨を就業規則に規定し、労使協定を締結しなければなりません。それらについてはこのあと詳しく説明します。

年次有給休暇の計画的付与とは

有給休暇 計画的付与
年次有給休暇の計画的付与とは?

年次有給休暇の計画的付与とは、労働者が有する年次有給休暇のうち5日を超える分については、労使協定を締結することで、計画的に取得日を割り振ることができる制度のことを言います。

なお、ここで言う「5日」とは、労働者が自由に取得できるように残しておくための日数であり、今回、義務化された「年5日」のことではありません。

年次有給休暇の取得推進のための制度

そもそも、計画的付与制度とは、年次有給休暇の取得率を上げるために、1987年の労働基準法の改正によって創設されたものです。

この制度を利用せずとも、従業員が好きな時に年次有給休暇を取得できる会社であればよいですが、そうでなければ、会社として何かしらの措置を講じることが求められているということです。

計画的付与を行う日数

従業員が有する年次有給休暇のうち5日を超える分については、労使協定を締結することで、計画的に取得させることができます。

実際に取得させる日数は会社によってまちまちです。お盆休みや年末年始などにそれぞれ5日程度連続して取得させる会社もありますし、業務の閑散期を狙って、同程度の日数を取得させる会社もあります。

計画的付与の具体例

計画的付与の具体的な活用例を見てみます。

まず、お盆や年末年始に、就業規則に規定されている夏季休日や年末年始の休日、また、土日祝日と計画的付与日を組み合わせて大型連休にするパターンです。

出典:厚生労働省

次は、暦の関係で休日が飛び石になっている場合に、休日の橋渡し(ブリッジ)として計画的付与日をあてて大型連休にするパターンです。

出典:厚生労働省

計画的付与に必要なこと

計画的付与に必要なこと

計画的付与制度を導入するためには一定の手続きが必要です。

具体的にどのような方法で年次有給休暇を付与するのかを決定しなければなりませんし、導入することについて就業規則に規定しなければなりません。そして、その就業規則の規定を根拠として労使協定を締結することではじめて運用できるようになります。

付与する方法を決定する

計画的付与として年次有給休暇を付与する方法には、次のようなものがあります。

①事業場全体の休業による一斉付与一定期間、事業場全体を休業にして、全従業員に年次有給休暇を付与する方法
②班・グループ別の交替制付与①の方式が難しい事業場などで、班・グループ別に交替で年次有給休暇を付与する方法
③年次有給休暇付与計画表による個人別付与個人の希望を反映した計画表を作成し、それに基づいて年次有給休暇を付与する方法

これらの中から、自社に見合った方法で年次有給休暇を付与します。

どの方法によって年次有給休暇を付与するかは企業の労働状況にもよりますが、運用・管理の手間だけで言えば、最も簡単なものは①、最も煩雑なものは③になります。

就業規則に規定する

就業規則の規定例は下記のとおりですが、一般的には、年次有給休暇の規定の中に、労使協定を締結すれば、あらかじめ時季を指定して取得させることがあることを追記します。

出典:厚生労働省

労使協定を締結する

就業規則に計画的付与制度について規定すれば、それを根拠として労使協定を締結します。

労使協定とは、労働者の過半数で組織する労働組合があるときはその労働組合、労働組合がないときは労働者の過半数を代表する者との書面による協定のことを言いますが、この労使協定を締結すれば、対象となる従業員は計画的付与の内容について拒否することができなくなります。

なお、「労働者代表」とは、いわゆる管理監督者ではなく、投票や挙手などで選出された者でなければなりません。

労使協定で定める事項

労使協定で定める事項は次のとおりです。

①計画的付与の対象者および適用除外者全従業員とするのか一部の従業員なのかを明確にします。また、退職することがわかっている従業員や、休職・休業中の従業員などは対象から除外しておきます。
②計画的付与の対象となる年次有給休暇法律どおり、従業員が有している年次有給休暇の日数のうち、5日を超える日を対象とすることを明確にしておきます。
③計画的付与の具体的な方法付与する方法により、下記について明確にしておきます。
・事業場全体の休業による一斉付与の場合
具体的な年次有給休暇の付与日
・グループ別の交替制付与の場合
グループ別の具体的な年次有給休暇の付与日
・年次有給休暇付与計画表による個人別付与の場合
計画表を作成する時期とその手続きなど
④年次有給休暇の日数が少ない者の扱い5日を超える年次有給休暇を持たない従業員(新入社員など)も含めて一斉に付与する場合には、有給の特別休暇を与えるか年次有給休暇の日数を増やすなどの措置を講じることが望ましいとされています。
⑤計画的付与日の変更についてあらかじめ計画的付与日を変更することが予想される場合には、変更する場合の手続きについて定めておきます。
例えば、会社と組合または従業員代表と協議のうえ、計画的付与日の1か月前までに決定するなどが考えられます。

労使協定の例

労使協定の内容は、先に説明した、「事業場全体の休業による一斉付与」や「班・グループ別の交替制付与」、「年次有給休暇計画表による個人別付与」のうち、どの方法で年次有給休暇を付与するのかによって変わってきます。

それぞれの労使協定の例は次のとおりです。

①事業場全体の休業による一斉付与の場合

有給休暇 計画的付与 就業規則
出典:岡山労働局

②班・グループ別の交替制付与の場合

有給休暇 計画的付与 就業規則
出典:岡山労働局

③年次有給休暇計画表による個人別付与の場合

有給休暇 計画的付与 就業規則
出典:岡山労働局

計画的付与における注意点

計画的付与における注意点

計画的付与制度は、事前に取得させる日を確定したうえで一斉に取得させるものであるため、付与日を変更できるのか、また、新入社員のように年次有給休暇が少ない従業員や付与日前に退職する従業員はどうすればよいのかなどの問題があります。

最後に、これらについての考え方や注意点について説明します。

時季指定権・時季変更権を行使できない

通常の年次有給休暇であれば、従業員が取得する日を指定でき(これを「時季指定権」と言います)、会社はその日に取得させることで事業の正常な運営を妨げる場合には別の日に変更することができます(これを「時季変更権」と言います)。

ただし、計画的付与によって指定した日については、従業員の時季指定権と会社の時季変更権は行使できないという通達があります。(昭和63年3月14日基発第150号)

つまり、従業員から別の日に変更を申し出ることはできませんし、会社も事業の正常な運営を妨げるという理由があったとしても当然のようには別の日に変更することはできません。

労使協定において、一定の事情があれば、変更できる旨の定めをすることもできますが、あまり例外を設けると、計画的付与制度を導入した意味がなくなりますので注意が必要です。

参考資料:全国労働安全衛生センター

年次有給休暇が少ない従業員がいる場合

これについては、労使協定で定める事項の中でも説明していますが、新入社員のように5日を超える年次有給休暇をまだ持っていない従業員も含めて計画的付与を適用する場合には、有給の特別休暇を与えるか年次有給休暇の日数を増やすなどの措置を講じることが望ましいとされています。

このような措置をとらずにその従業員を休業させた場合には、労働契約や労働協約、就業規則などに賃金や手当の支払についての定めがあれば、それに基づいて支払うことになりますし、そのような定めがない場合であっても、原則として休業手当(平均賃金の60%以上)の支払いが必要になりますので注意が必要です。

計画的付与を行う前に退職する従業員がいる場合

そもそも計画的付与は、付与する日が労働日であることが前提です。

計画的付与を行う前に退職する従業員がいる場合に、その従業員から計画的付与の日数分を含めた年次有給休暇の申請があった場合には拒否できないという通達があります。(昭和63年3月14日基発第150号)

このため、計画的付与を行う前に退職する従業員については、労使協定において適用除外としておくことが一般的です。休職・休業中(産前産後や育児・介護の休業など)の従業員も同様です。

参考資料:全国労働安全衛生センター

計画的付与を活用して年次有給休暇の取得義務に対応を

いかがでしたでしょうか。計画的付与制度を導入すれば、個別に従業員の意見を聴くこともなく、年次有給休暇を一斉に取得させることができます。

年次有給休暇の年5日取得義務化は、2019年4月1日からスタートしたばかりですので、暫定的な対応を行っている企業も多いかと思います。まだ、正式な対応を決めかねている場合には、社会保険労務士などの専門家に相談してみてはどうでしょうか。

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