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死因贈与について解説!遺贈との違いやかかる税金は?

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最終更新日: 2018年11月14日

「自分の死後には、家族以外にも財産を渡したい人がいる…。」

このような場合におすすめの方法として、死因贈与の契約を生前に結んでおくというものがあります。

この記事では、死因贈与とは何か?について具体的に説明するとともに、その他の方法と比較したときのメリットやデメリットについて解説します。

「長い付き合いのあの人に、自分の死後には土地の一部を譲りたい」

「親族に相続させる財産と合わせて、遺産トラブルが生じないようにしておきたい」

「会社の経営権など、家族に相続させるよりも能力のある人に引き継いだ方が望ましい財産がある」

このような悩みをお持ちの方は、ぜひ参考にしてみてください。

死因贈与とは?遺贈との違いは?

死因贈与
死因贈与と遺贈の違いは?

死因贈与とよく似た方法として遺贈というものがありますが、これらは法律上の効果に違いがあります。

ごくおおまかにいうと、死因贈与を使えば贈与を受ける人(受贈者といいます)の権利保全をより確実にすることができるといえるでしょう。

以下では、それぞれの方法のメリットやデメリットについて確認しておきましょう。

死因贈与と遺贈の違い

死因贈与とは、生前に当事者間で「贈与を行う人の死亡を原因として、受贈者に財産を渡す」という約束をすることです。

贈与という行為は、法律上「財産を渡す人」と「財産を受け取る人」の双方の合意によって成立します。

逆に言うと、双方の合意がないと成立しないということですが、その分、「お互いがきちんと合意しているのなら内容は自由」という扱いになる点も法律上の特徴といえるでしょう。

一方で、遺贈とは「遺言書によって財産を譲り渡すこと」をいいます。

撤回可否の違い

死因贈与が、財産を渡す側と受け取る側の双方の合意に基づく法律行為なのに対して、遺贈は財産を渡す側の一方的な意思だけでも成立する点に違いがあります。

この点、遺贈によって財産を譲り渡すとされた人としては、自分の意思に反して財産を取得する義務はありませんから、「自分は財産を受け取りません」というように放棄の意思表示をすることも可能です。

一方で、死因贈与では財産を受け取る側もいったんは「財産を受け取ります」と意思表示をしていることになりますので、後から撤回するということは原則として認められない点にも注意を要します。

死因贈与のメリットとは?

死因贈与のメリットは、ひと言で言うと「財産を受け取る人の権利が保全されやすいこと」にあります。

具体的には、次のような点が挙げられるでしょう。

  • 遺言書のような特別な書類が必要ない
  • 財産を確実に譲り渡すことができる
  • 不動産の仮登記が認められる

以下で順番に説明します。

・遺言書のような特別な様式が必要ない

死因贈与の場合、契約を成立させるために特別な様式は必要ありません。

極端にいえば、財産を渡す側が「自分が死んだらこれをあげる」と相手に伝え、受け取る側が「わかりました」といいさえすれば、死因贈与の契約は口頭でも成立します。

遺言書の作成のようにわずらわしい手続きは必要ないのに加えて、せっかく作成した書面が手続き要件の不備によって無効になってしまうという危険も避けることが可能です。

遺言書は法律上の要件を満たしていないと無効になってしまうことがありますが、死因贈与は書式や契約内容の不備で無効になってしまうことがありません。

・財産を確実に譲り渡すことができる

死因贈与では、財産を受け取る人から「自分は相続にはかかわらない」というように財産の放棄をされることがありません。

死因贈与の受贈者が、贈与者と親族関係ではないようなケースでは、受贈者の親族と遺産をめぐってトラブルになる可能性もあります。

そのようなケースでは、例えば親族が無理やり相続放棄をさせるというようなことも考えられますが、死因贈与ではそもそも放棄が認められません。

そのため、財産を渡す人の死後において、受贈者の法律上の地位を強固にすることができるという効果が期待できるのです。

・不動産の仮登記が認められる

死因贈与では、単純な贈与(生前贈与といいます)とは違って、贈与の対象となる財産(不動産)の仮登記を行うことができます。

仮登記とは、ごく簡単にいえば「まだ本当の登記の効果は発生しないけれど、登記の順位についてはキープすることができる」というものです。

死因贈与契約に基づく仮登記の具体的なメリットについては次の項目でくわしく説明しましょう。

死因贈与は土地の仮登記ができる

死因贈与では、土地などの不動産を贈与する場合には仮登記を行っておくことができるというメリットがあります。

仮登記とは、簡単にいうと登記の順位を保全する(キープする)ための手段のことです。

例えば、贈与者が受贈者に対して土地を死因贈与する契約をしていたのにもかかわらず、生前にその土地を間違えて別の人に売ってしまったような場合を考えます。

土地などの不動産の権利者として複数の人がいる場合には、登記をした先着順によって権利者を決めるのが法律上のルールです。

死因贈与の契約をした段階で、受贈者が土地の所有権移転を求める権利を仮登記しておくと、後で売買契約の買主と争いになった場合に「私の方が登記の順番が先なので、この土地は私のものです」ということが主張できるようになるのです。

なお、死因贈与契約による仮登記申請は、受贈者が単独で行うことも可能です。

負担付き死因贈与とは?

負担付き死因贈与とは、ごく簡単にいうと「~をしてくれることを条件として、私が死んだ後には財産を贈与する」という約束をすることをいいます。

例えば、「介護をしてくれることを条件として、土地の権利を渡す」とか、「会社の後継者となってくれることを条件として、会社の株式を渡す」とかいった形で活用されるケースが多いです。

負担付き死因贈与のメリット

負担付き死因贈与のメリットとしては、贈与を行う側から見て、介護をしてもらうなどの目的を達しやすくなることがあげられます。

介護は親族が行うのが当然と考えてしまいがちですが、いざ当事者になってみるとおざなりになってしまう…ということが実際のところです。

このような問題に備えて、「介護をしてくれたら財産をあげる」というように負担付き死因贈与を行っておけば、介護をする側としても見返りがあることですから、その実現に努力することが期待できるでしょう。

負担付き死因贈与は、もし受贈者が契約で定めた内容の負担を履行してくれないときには、取り消すことも可能ですから、さらに負担の実現の可能性を高めることができます。

その一方で、負担の履行が一部でも行われたような場合には、負担付き死因贈与は原則として取り消すことはできなくなりますから注意しておきましょう。

死因贈与の注意点

死因贈与
死因贈与の注意点とは

ここからは、実際に死因贈与の手続きを行う際に知っておくべき注意点について確認しておきましょう。

死因贈与を選択する際には、作成する贈与契約書の内容を吟味しておくことと、原則として撤回ができなくなることの2点に注意が必要です。

贈与契約書を用意する

上でも述べたように、死因贈与は、遺贈とは違い贈与を行う人と贈与を受ける人の双方の合意に基づく契約ですから、口頭での約束であっても有効に成立させることができます。

ただし、死因贈与の内容をめぐっては、贈与をした人の親族などと相続トラブルに発展してしまう可能性もありませすから、実際には書面での贈与契約書を残しておくのが一般的です。

なお、自力で契約書を作成するのに不安がある方は、司法書士や行政書士といった専門家にアドバイスを受けるのがおすすめです。

契約書を公正証書にしておくとさらに安全性は高まる

贈与契約書は、当事者がお互いに署名押印して一部ずつ保管しておくという形でも当然有効です。

ただし、契約してから何年も経過した後に贈与者が死亡したために、契約書を紛失してしまったとか、契約書の存在自体が忘れ去られてしまったということになってしまう危険性があります。

こうしたリスクを避けるためには、公証人役場に出向いて、契約書を公正証書の形にして保管してもらうのがおすすめです。

公正証書を作成するためには公証人に対して手数料(1万円程度~)を支払う必要がありますが、契約の内容を確実にしておきたい場合には有効な方法といえます。

撤回や放棄が難しい

すでに何度か言及していますが、死因贈与では受贈者の側から撤回や放棄をすることが原則としてできません。

財産をただでもらえるのだから、撤回をすることなんてあるの?と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、財産の放棄ができないことは、デメリットになってしまうことも考えられます。

というのも、受け取る財産の種類によっては、管理がとても大変なものが少なくないからです。

例えば、老朽化した建物などの不動産は放置することはできませんし、毎年固定資産税という形で税金を現金で納める義務も生じます。

また、会社の経営権(株式などのかたちで渡します)を贈与されてしまったら、その会社の経営にかかわらざるを得なくなるなどの状況が生まれる可能性もあるでしょう。

会社の業績が好調なら問題はないかもしれませんが、会社にたくさん借金があって資金繰りも厳しいという状況になると、非常に大きな負担が生じる可能性もあります。

死因贈与によって財産を譲り受ける場合、その受け取る財産から生じる負担についてはよく精査しておくことが必要です。

死因贈与にかかる税金

死因贈与
死因贈与に課税される税金について

死因贈与された財産に対して課税される税金は贈与税ではなく、相続税となります。

この見出しでは、以下の2つの比較から死因贈与にかかる税金について解説していきます。

  • 死因贈与と生前贈与
  • 死因贈与と遺贈

死因贈与は相続税

上でも見たように、死因贈与された財産に課税される税金は贈与税ではなく、相続税となります。

死因贈与ではなく、単純に生前贈与をした場合には贈与税が課税されることになりますので、贈与税と相続税ではどちらが負担が大きくなるのか比較しておきましょう。

生前贈与による贈与税の負担額

例えば、3000万円の現金を親族以外の人に生前贈与した場合の贈与税の金額は次のように計算します。

(3000万円-非課税枠110万円)×税率50%-控除額250万円=1195万円

贈与する財産3000万円に対して税金が1195万円ですから、税金の負担率は39.83%ということになります(1195万円÷3000万円=39.83%)

死因贈与による相続税の負担額

一方で、この3000万円を死因贈与したとしたら、相続されるその他の遺産とまとめて相続税が課税されることになります。

相続されるその他の遺産がどの程度あるかや、法定相続人が何人いるかによって相続税の金額は違ってきますが、例えば遺産が贈与財産の他に1億円、法定相続人が3人いた場合には次のようになります。

1億円+3000万円-基礎控除(3000万円+600万円×法定相続人数)=8200万円

8200万円×税率30%-控除額700万円=1760万円(相続税の総額)

遺産総額1億3000万円のうち、3000万円を死因贈与されているので、遺産の分割割合は23.07%となり、相続税は1760万円×23.07%=およそ406万円負担することになります。

3000万円の財産を贈与されて、406万円を税金として負担していますから、税負担率はおよそ13.5%となります(406万円÷3000万円=13.53%)

生前贈与と死因贈与どっちが税金面で得?

この場合には生前贈与によって贈与税を負担するより、死因贈与によって相続税を負担する方が税金の負担額が小さくなっています。

ただし、相続税は遺産の金額が大きくなるほど負担額が大きくなりますので、生前贈与と死因贈与のどちらが税金面で得か?は一概には言えないというのが実際のところです。

具体的なケースをみながら負担額を比較することが必要になりますから、正確な税負担の金額を知りたい場合には、一度税理士などの専門家に相談してみるのが良いでしょう。

登録免許税と不動産取得税

土地などの不動産を死因贈与で相続した場合、遺贈の場合と比較して登録免許税や不動産取得税の税率が高くなることがあるというデメリットがあります。

登録免許税の負担

不動産が遺贈された場合、登録免許税の税率は、法定相続人であれば0.4%、法定相続人以外であれば2.0%です。

しかし、死因贈与の場合、法定相続人かどうかを問わず税率は一律2.0%となります。

つまり、受贈者が法定相続人の場合には、遺贈と比較して5倍の登録免許税を負担することになってしまいます。

不動産取得税の負担

不動産取得税についても、死因贈与では負担額が大きくなるように設定されています。

法定相続人に不動産が遺贈された場合には、不動産取得税はかかりません。法定相続人以外であれば税率は4.0%です。

しかし、死因贈与の場合、法定相続人かどうかを問わず税率は一律4.0%となります。

まとめると、受贈者が法定相続人以外であれば死因贈与でも遺贈でも税額は変わりませんが、法定相続人の場合には負担する税額が増えることになります。不動産を譲り渡したい相手が法定相続人である場合、死因贈与か遺贈にするかを税金の面から考えることも必要になります。

事前の準備でもめない相続を

死因贈与
相続は準備が大切

今回は、死因贈与と遺贈の比較、税金の負担額の計算方法などを簡単に説明いたしました。

説明を読まれた方の中には「なんだかめんどくさそう…」と感じてしまった方もひょっとしたらいらっしゃるかもしれません。

実際、死因贈与や遺贈・相続の対策に関しては、これらの分野を得意にしている税理士や司法書士といった専門家に相談しながら行っている人がほとんどです。

死因贈与その他の相続対策は、具体的な状況を見ながらとるべき対策方法を検討するのが大切ですから、実際に手続きを行う前に一度は専門家に相談してみることをおすすめします。

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