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遺産相続手続きの行政書士の費用相場。他の専門家に依頼するケースも

ぴったりの遺産相続手続き代行に強い行政書士をさがす
最終更新日: 2023年09月12日

遺産相続では行政書士に遺産分割協議書の作成や、相続人調査などを依頼できます。費用は内容によって異なるため、相場感を把握しておくのがおすすめです。遺産相続手続きを行政書士に依頼した場合の費用相場や、他の専門家に依頼するケースを紹介します。

遺産相続手続きの行政書士費用の相場

業者との話し合い

遺産相続手続きを行政書士に依頼した場合の、費用相場について解説します。ただし遺産相続手続きの費用は、遺産の総額や相続人数・依頼先などにより異なります。紹介するのはあくまでも一例です。

遺言書の原案作成

遺言書には「自筆証書遺言」「公正証書遺言」の2種類があります。行政書士に遺言書作成の関連業務を依頼した場合、費用相場は3~10万円です

自筆証書遺言とは、遺言者本人が作成する遺言書です。法的効力を持たせるには特定の要件を満たす必要があるため、行政書士のサポートやチェックが必須となります。作成した遺言書のチェックを行政書士に依頼する場合、3万円からが相場です。

一方公正証書遺言とは、公証役場で作成する遺言書です。作成は2人の証人の立ち会いのもと、公証人が行います。公正証書遺言の原案作成を行政書士に依頼した場合は、5万円からが相場です。

さらに行政書士に証人まで依頼すると、1人につき1万円以上の追加費用が必要となります。

相続人、相続財産の調査

相続人や相続財産の調査を依頼する場合は、それぞれ3万円からが相場となります

相続人の調査は、相続人を確定する上で必須です。行政書士は被相続人の戸籍の流れをたどったり、全相続人の戸籍謄本を取り寄せたりして綿密な調査を行います。戸籍謄本や住民票の取り寄せにかかった費用は、別途実費での支払いが必要です。

一方相続財産の調査は、遺産分割協議で使用する「遺産目録」を作成するための調査です。行政書士が被相続人の不動産・動産・負債の全てを洗い出し、相続財産の総額を明確化します。遺産目録作成の場合も、残高証明書取得費などは実費で請求されるのが一般的です。

相続関係図の作成

相続関係図とは被相続人と相続人の関係を、家系図のように示した図です。行政書士に作成を依頼した場合、費用相場は約2万円になります

相続関係図は遺産相続手続きで必須の書類ではありません。ただし相続人が複数いる場合、個々の関係や、相続人の個人情報を把握する上で有益です。

行政書士事務所によっては、相続関係図の作成を相続人調査に含めているところもあります。相続人調査を依頼する際は、相続関係図の作成が含まれているかどうかチェックしましょう。

遺産分割協議書の作成

遺産分割協議書とは遺産分割協議を行った後で作成する書類です。行政書士に依頼した場合の費用相場は、遺産総額が多いほど高額になる傾向があります。一概にはいえないものの、5~10万円と考えればよいでしょう。

遺産分割協議とは被相続人の財産について、法定相続人全員で「誰が」「どのように」「いくら」相続するかを話し合うことです。遺産の配分について遺言書で定められていない場合は、遺産分割協議でそれぞれの相続財産が確定します。

遺産分割協議書は相続上非常に重要な書類であり、わずかなミスも許されません。自分で作成することもできますが、専門家である行政書士に依頼した方が、後のトラブルを防ぎやすくなります。

公的書類取得の代行業務

相続手続きに必要な住民票や戸籍謄本・各種公的書類の取得についても、行政書士に一任できます。費用相場は2~3万円が一般的です

相続手続きでは被相続人・相続人について、それぞれの戸籍謄本や住民票が必要となります。被相続人が本籍地を複数移動している場合は、全て追いかけなければなりません。

個人で1カ所ずつ役所に請求するよりは、行政書士に一任した方が、相続人の時間やお金をセーブできます。

銀行口座の解約

被相続人の銀行口座の解約を行政書士に依頼した場合、費用は約3万円です

亡くなった人の口座を解約するためには、相続人であることを証明する書類や、故人との関係が分かる書類などの提出が必要となります。相続対象者全員分の書類を用意する必要があり、相続人が多いほど手続きに手間がかかる傾向です。

加えて口座解約に必要な手続きの方法は、銀行によって異なります。対象となる金融機関が複数ある場合は、時間も手間もかかるため、行政書士に依頼した方がスムーズでしょう。

自動車の名義変更

被相続人が自動車を所有していた場合は、自動車の名義を相続人に変更しなければなりません。行政書士に依頼した場合、名義変更費用の相場は2~5万円となります

被相続人名義の自動車をそのままにしていると、売却も廃棄もできません。自動車を処分する場合でも、まずは遺産分割協議で相続人を決め、名義変更が必要です。

名義変更手続きは運輸支局で行えますが、遺産分割協議書や被相続人の戸籍謄本・申請書などを準備する必要があります。行政書士に一任すれば、相続人は現地に足を運ぶことなく、手続きを終えられます。

行政書士に依頼するメリット

遺産相続に関する手続きについては、弁護士や司法書士に依頼したり、銀行や信託銀行による相続代行サービスを利用したりすることが可能です。さまざまある専門家・サービスの中でも、行政書士に依頼すると、どのようなメリットがあるのでしょうか?

費用を抑えられる

相続関係の手続きでは、行政書士へ依頼するとコストが低くなる傾向があります。相続手続きにかかる費用をなるべく抑えたい場合は、行政書士を選ぶメリットは大きいでしょう。

弁護士に遺産相続を依頼する場合は、成果報酬制となるのが一般的です。依頼者は着手金を支払った後、得た利益から一定の割合の報酬を支払います。相続額が大きいほど弁護士報酬も多くなり、100万円以上となるケースも少なくありません。

行政書士は依頼内容ごとに、定額料金が提示される傾向にあります。「相続財産の調査をしたい」「相続人を確定したい」などとニーズが明確な場合は、スポット的な依頼が可能な、行政書士がおすすめです。

手続きがスムーズに行える

遺産相続で行政書士のサポートを受ければ、相続人自らが役所や金融機関に足を運んだり、書類を取り寄せたりする必要がありません。相続手続きの手間が減り、他の処理に時間をかけられます。

また素人が複雑な相続手続きを行うと、抜け漏れやミスが発生しやすくなるものです。不備を指摘されて、何度も役所や金融機関に足を運べば、精神的な負担も大きくなります。

初めからお金を払って専門家に依頼した方が、余計なストレスを感じずに済むはずです。

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遺産相続手続きの流れ

遺言書

「遺産相続手続きを行政書士に依頼したい」と考える人は、まず相続の流れを理解しましょう。具体的な流れを知ることで、行政書士に依頼するタイミングや、内容を計りやすくなります。

遺言書の確認

家族や親族が亡くなったら、遺言書を確認しましょう。相続において最優先されるのは、故人の遺志です。故人が要件を満たした遺言書を残している場合は、その内容に従って遺産分割を行わなければなりません。

遺言書が自筆証書遺言だった場合は、家庭裁判所で「検認」という手続きが必要です。それにより遺言書の内容が公のものとされ、関係者が偽造や不正変更ができなくなります。公正証書遺言の場合は、そのまま相続人調査・相続財産調査を始めることが可能です。

また被相続人が遺言書を残していない場合は、遺産分割協議によって、法定相続人全員の相続分を取り決める必要があります。

相続人、相続財産の調査

遺言書の確認が終わったら、相続人と相続財産の調査を行います。

相続人の調査とは相続権を持つ人全てを洗い出す調査です。被相続人の親族・家族を把握しているつもりでも、それが全てとは限りません。実は認知されている家族がいたというケースもあるため、詳細な調査が必要です。

また相続財産の調査は、遺産分割のベースを決める上で必要となります。不動産・動産・債権類のほか、負債まで全て合算しなければなりません。不動産や株式・貴金属・自動車などは査定を行って、適切に財産総額を算出しましょう。

遺産分割協議

相続人と財産総額が決定したら、遺産分割について話し合います。分割方法には法律的な決まりがなく、割合は相続人同士で話し合って決めることが可能です。相続人全員で集まるのが理想ですが、郵送や電話による協議も認められています。

相続人それぞれが自身の取り分について合意したら、遺産分割協議書を作成する決まりです。協議書に全員で署名・押印すると、遺産分割についての協議は完了となります。

遺産の名義変更

被相続人名義の不動産や各種口座を引き継いだ人は、名義変更が必要です。必要な手続きは相続内容によって異なるため、各自で手続きをする必要があります。

不動産相続については、2024年4月1日から所有権移転登記が義務化されることが決定しました。なるべく早めに法務局に足を運び、名義変更を行いましょう。

預貯金は各金融機関での名義変更が必要です。申請書や必要な書類は金融機関によって異なるため、事前の確認をおすすめします。

そのほか株式・債権を相続した場合は、証券取引口座の名義を変更しなければなりません。

参考:相続登記・遺贈の登記の申請をされる相続人の方へ(登記手続ハンドブック):法務局

他の専門家に依頼した方がよい場合とは?

全ての遺産相続手続きを、行政書士が代行できるわけではありません。遺産相続に関して、他の専門家への依頼が必要なケースを紹介します。

相続税や不動産登記がある場合

士業のうち、税理業務を行えるのは税理士のみ、登記を行えるのは司法書士のみです

遺産相続では被相続人の「準確定申告」、場合によっては相続税の納税が必要となります。それらはそれぞれ「相続の開始があったことを知った日の翌日から4カ月以内」「被相続人が死亡したことを知った日から10カ月以内」という期限があるため、早めに税理士に依頼しなければなりません。

また不動産を相続した場合は、司法書士に依頼して所有権移転の登記を済ませましょう。登記を変更しないで放置すると、変更手続きがより煩雑化します。2024年4月以降に相続登記が義務化されたとき、次の相続人に大きな負担がかかります。

遺産相続トラブルが起きた場合

行政書士は、訴訟問題には対応できません。遺産相続トラブルが懸念されるときは、遺産分割協議に弁護士を含めましょう

協議に弁護士が加入することで冷静な視点を保てる上、法律に基づいた建設的な話し合いができます。自身に不利な条件で遺産分割が進めば、弁護士を通して権利を主張することも可能です。

ただし相続トラブルを回避できるかどうかは、弁護士のスキル・経験にもよります。実際に依頼する前に、弁護士の実績や得意分野を確認することが大切です。

行政書士に依頼をする際のポイント

遺産相続手続きを行政書士に依頼する場合、どのような点に注意すればよいのでしょうか?依頼先を選択する際に、意識したいポイントを紹介します。

信頼できる行政書士を選ぶ

行政書士を選ぶときにチェックしたいのは、実績・他士業との連携可否やコストです。未経験の行政書士でもよいですが、トラブル発生時に不安があります。経験に基づいた対応ができる、実績豊富な行政書士を探しましょう。

また行政書士が税理士や弁護士・司法書士と連携していれば、税金や登記の問題が出たときに、紹介を受けることも可能です。そのほか料金の内訳が明確な行政書士なら、料金を過剰に請求される心配がありません。

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行政書士の費用を誰が負担するか決める

相続人・相続財産の調査や、遺産分割協議書の作成を行政書士に依頼する場合は、誰が費用を負担するのか話し合っておきましょう

行政書士の費用負担をどう考えるかは、相続人次第です。「全員で均等に払う」「相続額に応じて負担する」「言い出した人が全額支払う」などが考えられます。

なお手続き代行にかかる費用負担の考え方は、弁護士・司法書士・税理士などに依頼した場合も同様です。どの士業に依頼するにせよ、法定相続人の意志・意見を確認することを、忘れないようにしましょう。

遺産相続手続きは行政書士へ依頼を

行政書士は主に、行政に提出する書類などの作成を請け負う士業です。遺産相続手続き関係では、遺言書の作成から相続人・相続財産の調査、さらには遺産分割協議書の作成まで依頼できます。

行政書士に遺産相続手続きを依頼するメリットは、少ない負担で正確な書類を作成してもらえる点です。遺産相続に関する手続きは煩雑で、素人には分からないことも少なくありません。役所などと頻繁にやり取りする必要もあり、手続きの負担は大きいといえます。

煩雑な手続きで疲弊する前に信頼できる行政書士を探し、遺産相続手続きの負担を減らしましょう

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