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亡くなった人の口座引き落としを止める方法!凍結と解約について解説

最終更新日: 2024年06月28日

亡くなった人の銀行から行われている、口座引き落としを止めるためには、どうすればよいのでしょうか。まずは死亡届と口座凍結の関係や、タイミングを把握しておきましょう。口座引き落としを止めるために必要な書類についても解説します。

亡くなった人の口座が凍結するタイミング

遺言書と通帳

亡くなった人の口座が凍結されるタイミングは、基本的に遺族が銀行に口座名義人の死亡を連絡したときです。しかしそれ以外のタイミングで凍結されるケースもあります。具体的に見ていきましょう。

死亡届の提出では凍結しない

亡くなった人の戸籍を抹消するための届出書を、死亡届といいます。届出義務者は死亡の事実を知った日から、7日以内に役所に死亡届を提出する必要があります。

死亡届が提出されるまでの間は、相続手続きの開始が一切できません。しかし死亡届を提出しただけでは、銀行口座は凍結しないので、注意が必要です

死亡届の提出だけで銀行口座が凍結しない理由は、死亡届を提出しても、役所から金融機関に連絡がいかないためです。死亡届の提出だけでは、金融機関は口座名義人の死亡を把握していないということを、覚えておきましょう。

出典:死亡届

銀行が口座名義人の死亡を確認したら凍結する

銀行に口座名義人の死亡を連絡すると、その場で口座が凍結されます。その後は相続手続きが完了するまで、預金の引き出しなどが一切できなくなることを、覚えておきましょう。

しかし銀行に口座名義人の死亡を連絡する前に、口座が凍結されるケースもあります。遺族からの連絡以外に口座が凍結されるのは、新聞のお悔み欄に掲載された場合や、葬儀の案内を行員が見かけた場合です。

つまり口座が凍結されるのは、口座名義人の逝去を銀行が確認したタイミングです。そのため遺族が銀行に連絡するよりも早く、口座が凍結されるケースが発生します。

亡くなった人の口座引き落としはいつ止まる?

銀行口座が凍結するタイミングは、銀行が口座名義人の死亡を確認したときです。では口座引き落としは、どのタイミングで止まるのでしょうか。口座引き落としがいつ止まるのかについてと、注意事項を解説します。

凍結した時点で止まる

銀行が口座を凍結した場合、全ての取引が停止します。

  • 預金の引き出し・預け入れ
  • 振込の受付・他口座への振込
  • 口座振替
  • 手形決済
  • 変更手続き
  • 以上の他、全ての取引

口座が凍結されると、預金は遺産相続が確定するまで、引き出せなくなります。振込の受け付けを停止されると、亡くなった人の給与振込なども停止します。

そして口座振替がストップしているため、自動引き落としが行われなくなるのです。つまり亡くなった人の口座引き落としは、銀行口座が凍結した時点で止まります。

料金を滞納している状態になる

口座引き落としが止まったからといって、放置してはいけません。振替を利用していた契約自体は継続しているので、利用料は発生し続けます。

口座が凍結され引き落としができないだけで、未払いの状態になっていることを覚えておきましょう

被相続人が死亡した場合、公共料金は相続の対象です。またクレジットカード自体は相続対象ではないものの、未払金は相続の対象です。そのため口座が凍結すると、未払金が発生し、債務として相続人が支払うことになります。

亡くなった人の口座引き落としを止める方法

電卓と通帳

口座が凍結された時点で口座引き落としは止まりますが、料金を滞納している状態になってしまうことを避けなければなりません。そのためには利用しているサービスの解約が必要です。調べ方と解約方法について解説します。

通帳に記載されている請求元を調べる

口座引き落としを止めるためには、請求元の会社に連絡しなければなりません。通帳に記載されている請求元を調べ、引き落とし口座の変更や、解約の手続きをする必要があります

公共料金やクレジットカード・携帯電話など、自動引き落としされているものを調べましょう。毎月引き落とされているものはわかりやすいですが、数カ月ごとや、年に1度しかないものがないかどうかに注意が必要です。

抜け漏れのないように、チェックリストを作るといいでしょう。なお通帳に記載している名前だけでは、会社がわからない場合、インターネットで検索するか、銀行に問い合わせることが可能です。

解約する契約と未払いの料金を確認する

口座が凍結され、未払金が発生するからといって、なにもかもを慌てて解約する必要はありません。どのタイミングで解約するか検討し、計画的に手続きを行いましょう

例えば亡くなった人が住んでいた家を引き払う場合でも、電気や水道は、家の片付けのときに必要になります。早々に解約してしまうと不便なので、片付けが終わるタイミングで解約しましょう。

解約する場合でも、サービスや会社によって手続き方法が異なります。口座引き落としの契約をしている会社のサポートセンターに問い合わせて、解約手続き方法と、未払金の金額を確認しましょう。

必要書類をそろえて解約する

契約の変更や、解約の手続きで必要になる書類は、サービスによって異なります。また同サービスでも契約者との関係により、必要な書類が変わるケースもあるので、手続きの際はしっかり確認しましょう。

一般的に必要とされる書類は、会社所定の解約書や、死亡届のコピーです。また契約者が亡くなったことがわかる戸籍謄本や、除籍謄本のコピーを求められるケースもあります。死亡の事実が確認できるものとして、葬儀の案内状や香典返しのお礼状でも可としている会社も存在します。

他に求められることが多い書類は、解約手続きをする人の本人確認書類の原本です。しかし配偶者が手続きをする場合、書類が一切不要で、電話・メールで済むサービスもあります。

サービスごとに必要書類を確認し、手続きしましょう。

クレジットカードも同様の手続きが必要

口座引き落とし手続きと同じように、「クレジット払いにしていた契約」の解約手続きが必要です。こちらもクレジットカードを解約しても、支払いができなくなるだけで、クレジット払いにしていた契約は継続するためです

まず亡くなった人が契約しているカード会社を、口座引き落としや手元にあるカードなどで明確にします。カード会社に連絡し、解約手続きを進めましょう。必要書類はカード会社によって異なるので、確認が必要です。

カード会社から未払い分を請求されたら、相続人が支払います。

クレジット払いにしていた契約の確認方法は、カードの利用明細書でわかります。こちらもチェックリストを作成し、解約や変更の手続きの抜け漏れを防ぎましょう。

亡くなった人の口座引き落としは凍結で止まるが注意が必要

亡くなった人の銀行口座は、死亡届を役所に提出したタイミングではなく、銀行が名義人の死亡を把握した時点で凍結されます。口座が凍結されると、一切の取引が停止するので、口座引き落としも止まるのです

しかし口座引き落としで利用していたサービスの契約自体は継続しています。口座引き落としが止まっても、支払いができず、料金を滞納しているだけということを覚えておきましょう。

亡くなった人の口座引き落としを止めるためには、通帳に記載してあるサービスを解約しなければなりません。料金を滞納しないよう、口座引き落としを利用しているサービスの解約手続きは早めに行いましょう。

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