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永住権を申請するための条件とは?手続きの流れと必要書類を解説

最終更新日: 2021年07月08日

永住権申請について理解しておけば、日本での永住を希望する外国人労働者の手続きをサポートしてあげられます。

権利を取得するとさまざまな制限がなくなるため、企業にとってもメリットが大きいでしょう。具体的な申請方法や注意点を解説します。

永住権を得るメリットは?

国際結婚した男女

外国人が永住権を持つと、さまざまな面でメリットを受けられます。以下に挙げる代表的なメリットを確認しましょう。

永住を希望する外国人が対象

永住権を獲得するメリットの一つに、在留期間を無制限にできることが挙げられます。永住を希望する外国人であれば、権利を取り消されない限り日本に居住し続けることが可能です。

永住権を持たずに日本で生活する外国人は、在留期限を迎えるたびに更新手続きを行わなければなりません。永住権を得ておけば、手続きのために出入国在留管理庁へ足を運ぶ時間や手間も省けます。

ただし、永住権を持っても国籍は本国のままです。永住権は本人のみ対象となるものであり、家族や親戚を呼び寄せて一緒に永住できるわけではない点にも注意しましょう。

就労や婚姻への制限がなくなる

外国人は、日本での活動内容などを定めた在留資格に基づいて生活しています。在留資格の内容から外れてしまう場合は、帰国しなければなりません。

就労の範囲が限定された在留資格を持っている場合、仕事を辞めて新しい就職先が見つからなければ、帰国せざるを得なくなります。

しかし、永住権を得ていれば、職がない状態でも就職する時期を自由に決めることが可能です。職種に関する制限もないため、どのような職業にも就けます。

婚姻への制限がなくなることも、永住権を持つメリットの一つです。結婚や離婚を自由に行えるため、日本での生活に大きな幅が生まれます。

永住権の申請が許可される条件

アメリカドル

外国人が日本の永住権申請を許可されるためには、以下の3条件をクリアしなければなりません。それぞれについて詳しく解説します。

日本での素行に問題がないこと

永住権申請が認められる条件の一つに、日本国内での善良な素行が挙げられます。日ごろの生活状況が良好でなければ、永住権の申請は許可されにくくなるでしょう。

永住権について法務省が策定したガイドラインでは、永住権を持つ外国人に対し、日本の法律を遵守することや社会から非難されない生活を送ることを求めています。

法を犯した経験があるかどうかは、永住権を得るための特に重要なポイントです。犯罪行為だけでなく、軽微な交通違反であっても、幾度となく繰り返していれば審査時に不利となります。

安定した生活ができる収入があること

安定的な収入を得られているかどうかも、審査時にチェックされる重要項目の一つです。永住権を持つ外国人には、少なくとも自分の生活を支えられるだけの収入を求められます。

申請時の収入だけでなく、将来的な収入の安定性を審査される点もポイントです。保有する技能や資産を参考に、今後も安定した生活を送れるかどうか判断されます。

独身者が永住権を獲得できる最低年収の目安は300万円です。家族がいる場合は、扶養家族の人数や家族の資産状況も含めて、総合的な確認が行われます。

永住が日本の利益になると認められること

永住権の必要条件の一つに、「その者の永住が日本国の利益に合すると認められること」というものがあります。

具体的な要件は「申請時までに10年以上在留している」「納税など公的義務を適正に履行している」「現在の在留資格が最長の在留期間である」「公衆衛生上有害になる恐れがない」の四つです。全てを満たす必要があります。

特に注意すべきポイントは、引き続き日本に10年以上在留しているという条件です。このうちの5年以上は、就労資格を有して在留していなければなりません。在留期間中に長期の出国期間があれば、日本に生活拠点がないとみなされ許可を得られないことがあります。

永住権を申請する流れ

パスポートを持つ女性

永住許可申請の大まかな流れを紹介します。多くの書類が必要なことや、手続きの際に手数料がかかることなどを覚えておきましょう。

管轄の出入国在留管理庁に相談する

外国人の出入国や在留に関する業務は、法務省が管轄する出入国在留管理庁で行われています。出入国在留管理庁は、平成31年4月1日に入国管理局から名称が変更となった省庁です。

永住権を申請する際は、最初に出入国在留管理庁へ相談しましょう。各地域の出入国在留管理局や支局に相談窓口が設けられています。電話やメールでの相談も可能です。

窓口と電話で相談する場合は、英語・中国語・韓国語など、さまざまな言語で対応してもらえます。メールでの問い合わせは、日本語と英語以外は回答を得られない点に注意しましょう。

参考:外国人在留総合インフォメーションセンター等 | 出入国在留管理庁

必要書類と申請書を提出する

出入国在留管理庁に相談し、申請要件を満たすことが確認できたら、次に永住許可申請書と必要書類を用意します。申請書には顔写真の貼付が必要です。

主な必要書類としては、「在留カード」「パスポート」「住民票」「職業・所得・資産のそれぞれを証明する資料」「身分関係を証明する資料」などがあります。身元保証人の住民票や職業・所得を証明する資料も必要です。

申請者の状況や在留資格により、必要書類の種類は異なります。申請書の作成と書類の準備を終えたら、出入国在留管理庁へ書類一式を提出しましょう。

許可通知を受け取ったら手続きへ

書類提出後の審査を通過し永住許可が下りたら、出入国在留管理庁から許可通知が届きます。許可通知に記載されている持ち物を持参し、出入国在留管理庁の窓口に出向いて手続きを行いましょう。

永住許可を受けるときには、手数料が8,000円必要です。手続きの際、手数料納付書に収入印紙を貼付する形で納付します。

永住権を得た後は、住んでいる市区町村の役場で、14日以内に外国人登録事項の変更手続きを行わなければなりません。

永住権を申請する際の注意点

書類を書く人

永住権申請を行う際は、いくつか気を付けるべきポイントがあります。実際の手続き作業で迷うことがないように、以下の注意点を押さえておきましょう。

身元保証人の要件は年収300万円以上

永住権申請では、原則として身元保証人が必要です。身元保証人は、日本人または永住権を持つ外国人に限られます。家族や親戚、勤務先の上司、親しい友人などに引き受けてもらうのが一般的です。

身元保証人になるためには、年収が300万円以上でなければなりません。税金の滞納がないことも条件の一つです。

身元保証人の保証内容には法的拘束力がないため、申請人が法律違反や義務違反を犯しても、身元保証人が責任を負う必要はありません。

在留期限の1年前までに申請する

永住許可申請の審査には、最低でも約4カ月、長ければ1年以上の期間がかかります。申請者の滞在可能期間が残り少ないタイミングで申請すると、結果待ちの間に在留資格の有効期限が切れかねません。

審査期間中に在留期間の更新手続きを行う方法もありますが、更新後に許可される在留期間が短ければ、永住許可を得る前に在留期限を迎えてしまう場合もあるでしょう。

永住の許可が下りなかった場合は、不法滞在扱いとなるケースもあります。更新作業の手間を省く意味でも、永住許可申請は在留期限の1年前までに行いましょう。

確実な手続きには専門家のサポートを

永住許可申請に必要な書類や審査で重視される項目は、申請者により異なります。基本的な手順で準備を進めても、分からない点が数多く発生してしまうでしょう。

より確実に手続きを行うためには、専門家のサポートを仰ぐのがおすすめです。永住権の許可が下りやすくなる上、準備にかかる時間や手間も省略できます。

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永住権の申請は余裕を持って行おう

印鑑

外国人が永住権を得れば、在留期限がなくなるため日本に住み続けられるようになります。就労や婚姻に関する制限がなくなることもメリットです。

永住権申請ではさまざまな書類の準備が必要となる上、審査結果が分かるまでに最大約1年かかります。現在の在留期限が切れてしまわないよう、余裕を持って手続きを行いましょう。

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