配偶者ビザは一定期間が過ぎると更新が必要です。配偶者ビザの更新に必要な書類や手続きの流れを解説します。併せて在留期間3年以上を獲得するためのポイントも解説します。手続き前に確認して、確実に更新できるようにしましょう。
配偶者ビザの在留期間は6ヶ月~5年
配偶者ビザの在留期間は、申請者の状況に応じて6カ月、1年、3年、5年の4種類があります。在留期間は、経済状況、婚姻期間、婚姻関係の安定性を考慮して決定されます。
通常、初回申請では1年間が適用され、更新により3年や5年の在留期間が与えられることが一般的です。特別な状況下、例えば配偶者との離婚調停中などでは、最短の6カ月が適用されることがあります。
更新申請は在留期限の3カ月前から可能で、期限満了日までに手続きを完了させる必要があります。在留期間を過ぎた場合は不法滞在とみなされ、最長で10年間の日本への入国禁止措置が取られる可能性があるため、十分注意しましょう。
配偶者ビザ取得者には就労に関する優遇もあります。就労ビザと異なり、どのような職種でも就労可能で、正社員以外の契約形態でも働くことができます。また、フルタイム勤務や自身の事業を営むことも可能です。
さらに仮に退職しても、配偶者との真摯な結婚生活を続けている限り、在留資格が維持されます。
配偶者ビザを更新するための必要書類
配偶者ビザの更新を行う際に必要な書類を解説します。必要書類は申請人本人が準備できる書類と、日本人配偶者の協力がないと集めるのが難しい書類があります。夫婦で力を合わせて必要な書類をもれなく準備しましょう。
配偶者ビザ更新で基本的に必要な書類一覧
配偶者ビザの更新に必要な書類は以下の通りです。
- 在留期間更新許可申請書
- 申請人の写真
- 日本人配偶者の戸籍謄本
- 日本での滞在費用を証明する資料
- 日本人配偶者の身元保証書
- 日本人配偶者の世帯全員の記載がある住民票の写し
- パスポート
- 在留カード
在留期間更新許可申請書は、出入国在留管理庁のホームページからダウンロードできます。
日本での滞在費用を証明する資料として有効なのは、申請人の滞在費用を払ってくれた人の住民税の課税証明書か納税証明書です。入国後間もなかったり転居したりといった事情で、これらの書類で証明できなければ、預貯金通帳の写しや雇用予定証明書または採用内定通知書でも構いません。
配偶者が転職・失業していた場合にあると良い書類
配偶者ビザを更新するには、日本で安定的に生活できる程度の収入があることが求められます。そのため、日本人配偶者が転職中または失職中の場合、配偶者ビザ更新のハードルが上がります。
日本人配偶者が転職中または失職中のときに配偶者ビザの更新を行わなくてはいけなくなったら、最低限必要な書類に併せて下記のような書類を提出しましょう。追加で書類を提出することで許可が下りやすくなる可能性があります。
- 預金通帳のコピーや残高証明書
- 不動産の登記事項証明書
- 内定通知書
- 給与明細
- 身元保証人の住民税の課税証明書
預金や持ち家がある事実を証明することが重要です。
外国人本人が離婚後に再婚したときの必要書類
日本人と再婚したタイミングで配偶者ビザの更新を行うと、『偽装結婚』が疑われてしまうため、更新が難しくなります。短期間で離婚と結婚を繰り返している場合には特に注意が必要です。
再婚したタイミングで配偶者ビザの更新を行う場合には、基本的な必要書類に併せて下記の書類を提出するのがおすすめです。審査を有利に進められる可能性があります。
- 申請人の本国で発行された結婚証明書
- 前配偶者と離婚に至った経緯や再婚に至った理由などを記した質問書
- 日本人配偶者のパスポートのコピー
- 日本人配偶者の在職証明書
- 夫婦で写った写真
追加で書類を提出して結婚の継続性を証明しましょう。
配偶者ビザ更新の申請の流れ
配偶者ビザを更新するときは、まず必要書類を準備します。夫婦で協力しながら必要書類をもれなく準備しましょう。
書類が集まったら、出入国在留管理局に出向いて必要書類を提出します。申請日の約2週間前までに利用者情報登録をすれば、オンライン申請も可能です。出入国在留管理局までの距離や夫婦の忙しさなどを考慮して申請方法を選びましょう。
申請を終えたら次に審査を受けます。審査が完了するまでにかかる期間は2週間~1カ月程です。
審査に通過したらはがきで通知が送られてきます。窓口で申請した場合には郵送で、オンラインで申請した場合にはメールで通知が届きます。
最後に出入国在留管理局の窓口か郵送で在留カードを入手して、一連の手続きは終了です。
配偶者ビザ更新で3年以上の在留許可を取得するポイント
配偶者ビザは、更新のタイミングで在留期間が伸びていくのが一般的です。しかしたとえ何度目かの更新であっても、条件を満たしていなければ、3年以上の在留期間を獲得するのは難しいでしょう。在留期間3年以上を取得するためのポイントを解説します。
家計が安定していることを示す資料を用意する
配偶者ビザの更新で3年以上の在留期間を獲得するには、家計が安定していることが求められます。質力に乏しい外国人に在留資格を与えてしまうと、日本の国益につながらないとの理由から、家計が安定していない申請人には長期の在留資格は与えられません。
家計の安定性を証明するために重要になってくる書類は、以下の通りです。
- 住民税の課税証明書
- 納税証明書
在留期間を決める際に重要になってくるのは現在の収入です。記載された給与収入から『安定した収入がありこれからも生計を維持できる』と判断されれば、在留期間3年がもらえる可能性が高くなります。
婚姻の継続性を示す家族写真を撮っておく
安定した結婚生活が続いているかどうかも在留期間3年以上の要件の1つです。ただ法律上の夫婦になっているだけでは、3年以上の在留期間を取得するのは難しいでしょう。
安定した結婚生活を事実として証明する際に重要になってくるのが、同居の有無です。何らかの理由で同居できていない場合には、一緒に住めない理由をしっかり説明するようにしましょう。
また、精神的に結び付いていることの証明として、夫婦や家族で写っている写真を提出するのも有効です。家族で旅行に行ったりイベントに参加したりした際は、積極的に写真撮影を行いましょう。
税金を納めていない場合は全額納めてから申請する
在留期間3年以上を獲得するには、家族全員が税金・社会保険料・年金などをしっかり納めていることが求められます。支払いが遅れていると、更新審査において大きなマイナスポイントになります。何らかの理由で滞納してしまっている場合には、全額を納めてから申請に臨むようにしましょう。
配偶者ビザの更新の際、特に注目されるのが住民税の未納です。日本人配偶者が会社員の場合、住民税は会社が代わりに納めてくれるので、特段注意する必要はありません。しかし、個人事業主の場合は住民税を自分で納めなくてはいけないため、滞納に注意が必要です。
配偶者ビザ更新に失敗した場合
配偶者ビザの更新に失敗してしまったときは、まず出入国在留管理局に出向いて不許可の理由を確かめましょう。不許可の理由を明らかにすることで、再申請の際に何に注意すべきかがはっきりします。不許可を伝える通知書にも不許可の理由は書かれていますが、詳細な説明は記載されていないので、別途確かめる必要があります。
不許可の理由が分かったら、再申請にチャレンジしましょう。再申請の際は、同じ書類を提出しても許可が下りることはありません。しかし、だからといって申請が通るようにと申請内容をがらりと変えてしまうと、前回の申請との矛盾が生じ、再度不許可になる可能性が高まってしまいます。
再申請で許可が下りる確率を上げたいなら、行政書士に相談するのがおすすめです。
必要書類を揃えられるか不安なら行政書士に依頼しよう
配偶者ビザの更新は申請人本人と日本人配偶者で協力すれば達成できる手続きです。各ステップを確実にこなしていけば、思ったよりも簡単に更新できるでしょう。
ただし配偶者ビザの更新を行うには、必要書類を1つ1つ集めなければならないため、かなりの時間と手間がかかります。まとまった時間を取りづらい人は、配偶者ビザの更新を行政書士に代行してもらうのがおすすめです。
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