日本国内のベトナム人の就労人数は2023年時点で46万人以上おり、外国人労働者全体の約25%を占めています。。器用で勤勉、家族を大切にする国民性のベトナム人は、協調性と忍耐力、向上心があり、一緒に働きやすい点がメリットです。
就労ビザの種類と従事可能な業務例
日本国内の企業がベトナム人を雇用する場合、就労ビザが必要になります。就労ビザとはどのようなものかについて解説します。
就労ビザは16種類
ビザ(査証)とは申請・審査を経て外務省が発行する、入国審査の際に必要な証明書です。日本国内で就労する場合は、就労を目的とした在留資格が必要になります。就労目的の在留資格は「就労ビザ」といわれ、16種類あります。
IT技術者や外国語教師などは「技術・人文知識・国際業務」、介護士は「介護」というように、就業ビザは細かく分類されており、活動が制限されている点を覚えておきましょう。
ベトナム人が多く雇用されている職種
日本国内で約46万人のベトナム人が就労しています。ベトナム人が多く雇用されている職種は、製造業、建設業、卸売、小売業、宿泊・飲食・サービス業です。
就労ビザの種類別だと、技能実習が約18万人と最多で、専門的・技術的分野の就労ビザが約12万人(うち技人国は約7万人)です。次いで資格外活動約11万人、特定活動が約3万人となっています。
このように多くのベトナム人が日本で就業し、産業を支えてくれています。
就労ビザの1つ「技能実習」取得の要件
16種類ある就労ビザの中で、ベトナム人の取得率が最も高い技能実習ビザについて解説します。技能実習ビザの内容や、取得に必要な要件を確認しましょう。
技能実習ビザとは
母国の経済発展に貢献するために、日本で就労しながら技術を習得する目的の在留資格が、技能実習ビザです。技能実習ビザを取得すると、資格に応じた業務にあたることができます。
技能実習開始予定日の6カ月前から申請でき、4カ月前までには申請が必要です。入国直後は技能実習1号で在留期間が1年以内、2号と3号は共に2年以内で、最長で5年間在留できます。
技能実習1号の時点から、雇用企業と雇用契約を結びます。技能実習ビザで就業しているベトナム人は、日本の労働基準法や最低賃金法などの保護を受けながら、働く決まりです。
雇用企業は実習生に対し、日本語や日本の一般常識などの講習を受けさせる義務があることを覚えておきましょう。
ベトナム人側の要件
技能実習ビザを取得するために必要な、ベトナム人側の主な要件を解説します。
- 18歳以上
- 技能実習ビザの趣旨を理解した上で実習を受ける
- 帰国後、習得した技術を活かせる業務に就く予定がある
- 雇用企業の外国にある事業所などに常勤する(企業単独型技能実習の場合)
- 就業予定の業務と同種の業務に外国で就業した経験がある(団体監理型技能実習の場合)
- ベトナムの公的機関から推薦を受けている(団体監理型技能実習の場合)
- 過去に技能実習を行ったことがない
技能実習2号・3号を取得するには、段階に応じて技術が習熟していくものとして、技能検定の合格などの移行要件が定められています。
雇用主側の要件
実習に来るベトナム人だけでなく、雇用側にも要件があります。
- 雇用企業の事業所ごとに、技能実習責任者を選任している
- 技能実習をする業務について、5年以上の経験がある職員を技能実習指導員に選任している
- 技能実習生の生活指導者として、同事業所内から1名以上の職員を選任している
- 技能実習生の受け入れ人数を遵守する
技能実習責任者については、雇用企業の常勤職員で、技能実習指導員・生活指導員などを監督できる立場の人を選任する必要があります。また3年以内に、法務大臣及び厚生労働大臣が告示で定める講習を修了していることも要件です。
ベトナム人の就労ビザ手続き方法
自社でベトナム人を雇用した場合の就労ビザの申請方法から、入国後に忘れてはいけない手続きまでを解説します。日本国内で自社が行う手続きと、ベトナムで研修生になる予定のベトナム人が行う手続きについて、把握しておきましょう。
計画・書類準備
ベトナム人の雇用が決まったら、ベトナム人は日本への渡航計画を、雇用企業はベトナム人を招へいする計画を立てます。
ベトナム人が用意する書類はパスポート・ビザ申請書・写真などです。在留資格認定証明書も必要ですが、雇用する企業が手続きをするため、自分で用意する必要はありません。ただし、管轄の大使館・総領事館によって必要書類は異なるので、あらかじめ確認しておきましょう。
雇用企業が用意する書類は、招へい理由書・滞在予定表・申請人名簿・身元保証書です。登記されていない場合は、会社・団体概要説明書も必要です。
在留資格認定証明書の申請・送付
ベトナムにいるベトナム人が在外公館に就業ビザを申請する際、法務省が交付する在留資格認定証明書が必要です。在留資格認定証明書は、雇用企業職員がベトナム人の代わりに、日本の地方出入国在留管理局に申請します。
なお地方出入国在留管理局に届け出た、弁護士や行政書士に手続きを依頼することもできます。いずれにせよベトナム人本人が申請するケースは、ほとんどありません。
雇用企業側が行う在留資格認定証明書の申請には、日本での活動内容・在留資格に応じた申請書や資料が必要です。
出入国在留管理局の審査後に、在留資格認定証明書が郵送かメールで交付されます。交付後は研修生となるベトナム人に、郵送かメールで送付します。
ビザの申請
雇用企業から在留資格認定証明書が送られてきたら、研修生となる予定のベトナム人が、自分で管轄の大使館または総領事館にビザの申請をします。前もって管轄の大使館・総領事館に確認し、用意しておいた書類と在留資格認定証明書を提出しましょう。
管轄の大使館・総領事館で審査が行われた後に、ビザが発給されます。ビザの申請から発給まで、1~2週間かかると考えておきましょう。
申請先の違い
ベトナムでビザを申請できるのは、在ベトナム日本国大使館・在ホーチミン日本国総領事館・在ダナン日本国総領事館です。住んでいる地域を管轄しているところに申請することになります。
在ベトナム日本国大使館が管轄しているのは、ザーライ省・ビンディン省以北に居住している人です。在ホーチミン日本国総領事館の管轄は、ダクラク省・フーイエン省以南に居住している人です。
以下の地域に居住している人は、在ダナン日本国総領事館の管轄になります。
- ダナン市
- クアンビン省
- クアンチ省
- トゥアティエン=フエ省
- クアンナム省
- クアンガイ省
- ビンディン省
- コントゥム省
- ザーライ省
日本に入国
管轄の大使館・総領事館からビザが発給されたら、入国ビザと在留資格認定証明書を用意して日本に入国します。到着空港でパスポート・ビザ・在留資格認定証明書を提示すると、在留カードが交付されます。
在留カードには在留資格・在留期間・在留期間などが記載されていますが、居住地が記載されていません。日本で住む場所が決まったら、14日以内に市町村役場に届け出ましょう。
市町村役場に届け出ると在留カードに居住地が記載され、入国管理局へ報告されます。届け出をしないと、在留資格取り消しの可能性も出てくるため、忘れないようにしましょう。
ベトナム人の就労ビザを正しく申請しよう
外国人が日本で労働する際、就労ビザが必要です。就労ビザは業種により16種類あり、ベトナム人の中で最も取得率が高いビザは技能実習ビザです。
日本で就労しながら技術を習得する目的の技能実習ビザは、最長で5年間在留できます。ベトナム人は研修生となりますが、雇用企業と雇用契約を結ぶので、労働基準法や最低賃金法などに保護されることになります。
ベトナム人・雇用企業それぞれの就労ビザ申請のために必要な要件を把握し、必要書類を抜け漏れなく用意して、正しく申請しましょう。
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