外国人の雇用を実現するなら、在留カードの確認が必要不可欠です。外国人を従業員として迎えたいと考えたときに知っておきたい、在留カードの知識を解説します。在留カードの基本を知って、正しい外国人雇用を達成させましょう。
在留カードとは何か
たとえ在留カードの存在を知っていても、実際に手に取ってまじまじと見た経験がある日本人は少ないはずです。そのため在留カードがどんなカードか、イメージできない人も多いでしょう。在留カードの基本を解説します。
中長期在留する外国人に発行される証明書
在留カードとは、日本に中長期在留する外国人に交付される証明書です。上陸許可や在留資格の変更許可などに合わせて交付されるカードで、法律に則った在留者であることを証明します。
在留カードの対象者は、3カ月以上日本に滞在することが決まっている中長期在留者です。在留カードには以下のような情報が記載されています。
- 氏名
- 生年月日
- 性別
- 国籍・地域
- 住居地
- 在留資格
- 在留期間
- 就労の可否
- 資格外活動の許可を得ている場合はその旨
記載されている情報に変更が生じた場合は、変更の届出が必要です。
在留カード確認の重要性
外国人を従業員として雇う際には、在留カードの確認が欠かせません。在留カードの確認を怠ると、予想外のトラブルに見舞われる可能性があるので注意が必要です。在留カードのチェックの重要性を解説します。
確認しないと罪に問われる可能性あり
外国人を雇用するとき在留カードの確認を怠ると、罪に問われる可能性があります。就労が許可されていない外国人を雇った際に当てはまるのが「不法就労助長罪」です。
具体的には、下記のような行為が不法就労助長罪に当たります。
- 不法滞在者や被退去強制者を働かせた
- 留学生や難民認定申請中の外国人など、働く許可を得ていない外国人を働かせた
- 在留資格で認められた範囲を超えて外国人を働かせた
不法就労助長罪に問われると、3年以下の懲役や300万円以下の罰金、またはその併科という罰則が科せられます。
法律違反を回避するためには、雇用前の在留カードのチェックが欠かせません。在留カードの確認を怠ると、過失とみなされ処罰の対象になります。
偽造カードに注意
外国人を雇用するときは、偽造の在留カードに注意が必要です。偽造カードを見抜けずに在留資格のない外国人を雇ってしまった場合も、不法就労助長罪に問われます。
在留カードを目視で確認する場合には、下記のようなポイントに注意しましょう。
- 顔写真の横にある「MOJ」の文字が、カードを傾けると緑色に変化するか
- カードを傾けると、顔写真上に印刷されたホログラムが3Dのように動くか
- カードに強い光を当てると「MOJMOJ」の透かし文字が現れるか
偽造カードはアプリによって判定することも可能です。「在留カード等読取アプリケーション」で在留カードのICチップを読み取れば、正規のカードであるかどうかを確認できます。
在留カードのチェックポイント
「外国人を雇うときは在留カードの確認が重要」といわれても、外国人を雇うのが初めての人は、在留カードのどこをチェックしたらいいのか分からないはずです。在留カードを確認するときのポイントを解説します。
氏名と顔写真
在留カードをチェックするときは、まず氏名と顔写真を確認しましょう。不法滞在者となった外国人が、他人の在留カードを借りて面接に臨んでいる可能性があります。
氏名と顔写真を確認するときは、履歴書記載の氏名と在留カード記載の氏名に食い違いはないか、本人の顔と在留カード掲載の顔写真に相違がないかをチェックしましょう。
なお、在留期間が16歳の誕生日以前の日までとされている場合、在留カードに顔写真は表示されません。
在留期間(満了日)
オーバーステイ状態の外国人の雇用を防ぐには、在留カードの「在留期間(満了日)」のチェックが必須です。在留期間が過ぎている場合には、オーバーステイの可能性が高いと判断できます。
ただし在留期間が過ぎていても、それをもって100%オーバーステイとなるわけではありません。「在留期間更新等許可申請欄」に「申請中」の記載がある場合、在留期間の満了日から2カ月経過する日まで在留できるケースがあるためです。
在留カードの有効性を正確に確かめるには、出入国在留管理庁のホームページにある「在留カード等番号失効情報照会」を活用するのが最も確実です。
就労制限の有無
その外国人が日本で就労できるかを判断するには、顔写真の左側にある「就労制限の有無」をチェックしましょう。就労制限の有無に「就労制限なし」と記載されている場合には、違法な仕事でない限り、あらゆる仕事に就労可能です。
「在留資格に基づく就労活動のみ可」と記載されている場合には、出入国在留管理庁から許可された仕事にのみ就労できます。
「指定書記載機関での在留資格に基づく就労活動のみ可」と記載されていることもあります。これは、技能実習生に与えられる在留資格に課せられる就労制限です。特定の企業で特定の仕事をする場合のみ就労できます。
「指定書により指定された就労活動のみ可」という記載は、「特定活動」という在留資格に課せられる就労制限です。特定活動の内容は、パスポートの指定書で確認できます。
「就労不可」との記載がある場合には、基本的に日本国内で就労することはできません。
資格外活動許可欄
就労制限の有無に「就労不可」との記載があっても、在留カード裏面の「資格外活動許可欄」に特定の記載があれば、その制限内で就労できます。
資格外活動許可欄に「許可(原則週28時間以内・風俗営業等の従事を除く)」と記載されている場合には、週28時間以内だけ働く仕事であれば就労可能です。留学生のアルバイトに関しては特例があり、長期休暇中のみ週40時間・1日8時間まで働けます。
資格外活動許可欄に「許可(資格外活動許可書に記載された範囲内の活動)」と記載がある場合、資格外活動許可書に記されている範囲内でのみ就労できます。
外国人を雇うなら在留カードを必ず確認
各業界で人材不足が叫ばれる今、外国人の力を借りることは、ビジネスを円滑に回す上で有効な選択肢の1つです。やる気と志を持つ外国人を雇えれば、ビジネスを加速度的に成長させることができるでしょう。
外国人の雇用を検討するなら、在留カードに関する知識は必要不可欠です。「在留カードとは何か」「在留カードの確認がなぜ必要なのか」「在留カードをチェックするときどこに注目すればいいのか」を知っておかないと、思わぬトラブルに見舞われる可能性があります。
在留カードをしっかりチェックして、法律違反のない外国人雇用を実現させましょう。
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