キッチンの換気扇からイヤな臭いがする原因の多くは、換気扇に付着した汚れです。
汚れが原因であれば換気扇を掃除することで臭いを解消できます。
ただし中には臭いの原因が換気扇の汚れではないものもあります。
換気扇の臭いの原因や対処法について解説します。
換気扇が臭い原因
換気扇が臭い原因は大きく分けると5つあります。
ほとんどの場合、換気扇の臭いは換気扇を掃除することで解消します。
① 換気扇に油汚れが付着している
キッチンの換気扇は調理によって発生する油が混ざった煙を吸い込んで屋外に排出しているので、油汚れが付着しやすいです。
油が酸化すると鼻につくイヤな臭いに変化するので、キッチンの換気扇の周りでつんとした臭いがするのなら換気扇に付着した油汚れが原因である可能性が高いです。
対処方法は換気扇を掃除することです。
換気扇の種類によって掃除方法が異なるので、「換気扇の臭いは掃除で解決できるケースが多い」を確認して、換気扇のお手入れをしましょう。
② 換気扇にタバコの臭いがしみついている
副流煙による害やヤニが壁紙やカーテンなどに付着するのを防ぐために、キッチンの換気扇の下でタバコを吸う人は少なくありません。
タバコの煙に含まれるヤニやタールは粘度の高い汚れです。
換気扇のフィルターやファンに付着しやすく、熱によってタバコ独特の臭いを発生させます。
昨今は電子タバコも人気ですが、電子タバコであっても煙にヤニやタールが含まれているので汚れが発生します。
対処方法は換気扇を掃除することです。
換気扇の種類によって掃除方法が異なるので、「換気扇の臭いは掃除で解決できるケースが多い」を確認して、換気扇のお手入れをしましょう。
③ 使い捨ての換気扇フィルターの寿命
キッチンの換気扇が汚れにくくなるよう、換気扇フィルターを使っている場合はフィルターの寿命もチェックしましょう。
求められる役割上、換気扇フィルターは汚れが付着しやすいです。
使用方法によって異なるものの、換気扇フィルターは2~3ヶ月に1度を目安に交換する必要があります。
製品によっては交換時期になるとサインが出るものもあります。
対処法は換気扇フィルターを交換することです。
換気扇を掃除した後にフィルターを交換すると、フィルターの性能が長持ちします。
④ シンクの排水口や排水管の汚れ
シンクの排水口や排水管に汚れが付着していると、汚れが原因で発生した悪臭が室内に流れ込んでしまうことがあります。
シンクの排水口や排水管は汚れやすい環境です。
ヌメリが発生していたら黄色信号です。すぐに対処しなければカビが繁殖する原因になります。
対処法は「生ゴミ・腐敗臭対策:シンクの排水口や配管の清掃」をご覧ください。
⑤ 気圧差による下水臭の臭い戻り
窓を閉め切った状態や雨の日に換気扇を回すと、気圧差によって下水臭が臭い戻りすることがあります。
換気扇を回している間だけ下水臭い症状があるのなら、臭い戻りが発生していると判断できます。
近年の住宅は気密性が非常に高いのが特徴です。
気密性が高いということは隙間風が発生せず、空調の効率がよく結露なども発生しにくいというメリットがあります。
一方で空気が行き来することができないため、窓を閉め切った状態や雨の日などは屋内外で気圧差が発生します。
気圧の差を解消しないまま換気扇を回すと、排水管から空気を吸い込んで換気をすることになり、下水の臭いなどが部屋に拡散してしまう結果になります。
対処法は「換気扇使用時の下水臭対策:室内外の気圧を一定に保つ」をご覧ください。
換気扇の臭いは掃除で解決できるケースが多い
キッチンの換気扇は汚れやすく、付着した汚れが原因で悪臭が発生することが多いです。
汚れが原因の悪臭であれば掃除によって解消できます。
やり方が分かっていれば換気扇の掃除は簡単にできます。
キッチンの換気扇掃除の手順やおすすめの洗剤について詳しく知りたい方は関連記事もご覧ください。
換気扇のタイプの見分け方
キッチンの換気扇には複数のタイプがあります。
見た目で簡単に見分けられるので、自宅の換気扇がどちらか確認してみましょう。
レンジフード型 | プロペラファンタイプ | |
---|---|---|
見た目のイメージ | ||
ファンの特徴 | 筒型(シロッコファン) | 大きな羽がついている |
掃除の難易度 | やや高い | 比較的簡単 |
換気扇掃除を始める前に用意するもの
キッチンの換気扇には油汚れが付着していることが多いです。
以下のアイテムを用意して油汚れを効率的に落としましょう。
- 中性洗剤
- ゴム手袋またはビニール手袋
- 掃除用のスポンジ
レンジフード型キッチン換気扇の掃除方法
レンジフード型の換気扇は以下の手順で掃除できます。
レンジフード型の換気扇は分解できるパーツが多く、再組み立ての難易度がやや高いのが特徴です。
組み立てをスムーズにできるように写真を撮ったり、説明書を確認したりすることをおすすめします。
1.レンジフードの電源を切りロックをかける
換気扇の掃除を始める前に、レンジフードの電源を切ってロックをかけましょう。
電源ボタンを長押しするとロック機能がオンになる製品が多いです。
製品によってはロック機能がないことがあるので、その場合は分電盤のレンジフードのブレーカーを落としましょう。
2.ガスの元栓を閉めてコンロのロックをかける
次にガスの元栓を閉めてコンロのロックをかけます。
ガスの元栓を閉めることで着火を防ぎ、やけどや火事が発生するリスクを下げます。
ガスコンロの製品によっては着火ボタンのロックをかけられないことがあります。
その場合は着火用の乾電池を抜いておきましょう。
3.養生をする
レンジフードとコンロが作動しないようにしたら、ガスコンロの上を養生しましょう。
養生することで汚れと傷の発生を防げます。
養生は古新聞紙や切り開いたゴミ袋などで行います。
4.整流板とフィルターを外す
整流板は煙や臭いの吸収スピードや吸気量を向上させるために設置されている金属製の板です。
まず整流板と金属フィルターを外しましょう。
整流板はネジ止めされていることが多いので、その場合はネジを外して取り外しましょう。
金属フィルターはつまみを持って手前側に引くことで外せます。
油汚れが付着していることが多いので、ビニール手袋やゴム手袋を着用してから取り外しましょう。
整流板について詳しく知りたい方は関連記事もご確認ください。
5.ベルマウスを外す
整流板などを取り外すとレンジフードの内部が目視できるようになります。
内部には筒状のファンであるシロッコファンがあります。
シロッコファンを取り外すにはカバーを固定している円錐状のネジ「ベルマウス」を外しましょう。
ベルマウスは工具を使うことなく外せることが多いですが、ドライバーを使わないと外せないタイプのものもあります。
6.スピンナーを回しシロッコファンを外す
シロッコファンの中心にはスピンナーというネジがあります。
スピンナーを回してシロッコファンを引き出しましょう。
7.50~60度程度のお湯に中性洗剤を溶かす
シロッコファンまで取り外せたら、50~60度程度のお湯に中性洗剤を溶かしましょう。
50~60度程度のお湯に中性洗剤を溶かすことで、洗剤の洗浄力を高めつつ、油汚れを効率よく落とせるようになります。
8.取り外したパーツをつけ置きする
洗剤を溶かしたつけ置き液ができたら、取り外したパーツをつけ置きしましょう。
つけ置き時間の目安は30~60分です。
汚れが気になる場合は長めにつけ置きしましょう。
つけ置き中に換気扇本体とレンジフードの掃除をすると時間の無駄がなくなります。
9.換気扇の本体とレンジフードを拭き掃除する
部品をつけ置きしている間に、ファンを外した後の換気扇の内部と外側を洗剤で掃除します。
この時、洗剤を吹きかけた上にキッチンペーパーをかぶせ、さらに上から洗剤を吹きかけて10分ほど置いておくと、汚れが浮いて拭き取りやすくなります。
浮いた汚れを水拭きし、最後に水分を乾拭きで拭き取れば、換気扇本体の掃除は完了です。
10.スポンジなどで汚れを落とす
換気扇本体の掃除が終わったら、つけ置きしておいた部品の清掃をします。
つけ置きによって浮いてきた汚れをスポンジでこすり洗いしましょう。
汚れを落とせたら、洗剤が残らないよう十分に洗い流してください。
11.取り外したパーツを元に戻す
換気扇の部品と本体をそれぞれ綺麗にできたら、よく乾かしましょう。
各パーツは半日以上陰干ししておくと、完全に水分を飛ばすことができます。
十分にパーツが乾いたら換気扇に取り付け直します。
水分が残ったまま取り付けてしまうと、ホコリの吸着やカビの原因になるので注意してください。
12.養生をはがす
換気扇の掃除が終わったら養生を剥がしましょう。
新聞紙やテープが残っていると引火して火事ややけどの原因になる可能性があるので、すべての養生を外せたかよく確認しましょう。
13.コンロやレンジフードのロックを解除する
養生をすべて剥がしたら、コンロやレンジフードのロックを解除します。
ロックを解除したらちゃんと動作をするか試運転をすることをおすすめします。
試運転中、レンジフードから異音がするなどの症状が出たら取り付け時に不備があったと推測できます。
その場合は分解しなおして取り付けをやり直しましょう。
プロペラファン型キッチン換気扇の掃除方法
壁に直接設置されているプロペラファン型のキッチン換気扇は、レンジフードタイプと比べるとお手入れがしやすいのが特徴です。
具体的には以下の手順で掃除ができます。
1.換気扇の電源コンセントを抜く
換気扇の掃除をする前に電源コンセントを抜きましょう。
換気扇の運転を止めてコンセントを抜くだけです。
コンセントを抜くときは乾いた手で行いましょう。
濡れた手でコンセントに触れると感電する可能性があるので決して行わないでください。
2.ガスの元栓を閉めてコンロのロックをかける
次にガスの元栓を閉めてコンロのロックをかけます。
ガスの元栓を閉めることで着火を防ぎ、やけどや火事が発生するリスクを下げます。
ガスコンロの製品によっては着火ボタンのロックをかけられないことがあります。
その場合は着火用の乾電池を抜いておきましょう。
3.養生をする
レンジフードとコンロが作動しないようにしたら、ガスコンロの上を養生しましょう。
養生することで汚れと傷の発生を防げます。
養生は古新聞紙や切り開いたゴミ袋などで行います。
4.スピンナーを回しファンを外す
プロペラファンの中心はスピンナーという部品です。
スピンナーを回してファンを外しましょう。
スピンナーの中心を押すことで外せるタイプの換気扇もあるので、回せない場合はスピンナーを軽く押してみましょう。
5.オイルキャッチャー(油受け)を外す
プロペラファンを外せたら本体下部にあるオイルキャッチャー(油受け)を外します。
オイルキャッチャーには油が溜まっているので、油をこぼさないように注意して取り外しましょう。
6.前面カバーを外す
オイルキャッチャーを外せたら前面カバーを外します。
換気扇の前面カバーは手前に引けば簡単に外れます。
7.50~60度程度のお湯に中性洗剤を溶かす
シロッコファンまで取り外せたら、50~60度程度のお湯に中性洗剤を溶かしましょう。
50~60度程度のお湯に中性洗剤を溶かすことで、洗剤の洗浄力を高めつつ、油汚れを効率よく落とせるようになります。
8.取り外したパーツをつけ置きする
洗剤を溶かしたつけ置き液ができたら、取り外したパーツをつけ置きしましょう。
つけ置き時間の目安は30~60分です。
汚れが気になる場合は長めにつけ置きしましょう。
9.スポンジなどで汚れを落とす
換気扇本体の掃除が終わったら、つけ置きしておいた部品の清掃をします。
つけ置きによって浮いてきた汚れをスポンジでこすり洗いしましょう。
汚れを落とせたら、洗剤が残らないよう十分に洗い流してください。
10.換気扇の本体を拭き掃除する
部品をつけ置きしている間に、ファンを外した後の換気扇の内部と外側を洗剤で掃除します。
この時、洗剤を吹きかけた上にキッチンペーパーをかぶせ、さらに上から洗剤を吹きかけて10分ほど置いておくと、汚れが浮いて拭き取りやすくなります。
浮いた汚れを水拭きし、最後に水分を乾拭きで拭き取れば、換気扇本体の掃除は完了です。
11.取り外したパーツを元に戻す
換気扇の部品と本体をそれぞれ綺麗にできたら、よく乾かしましょう。
各パーツは半日以上陰干ししておくと、完全に水分を飛ばすことができます。
十分にパーツが乾いたら換気扇に取り付け直します。
水分が残ったまま取り付けてしまうと、ホコリの吸着やカビの原因になるので注意してください。
12.養生をはがす
換気扇の掃除が終わったら養生を剥がしましょう。
新聞紙やテープが残っていると引火して火事ややけどの原因になる可能性があるので、すべての養生を外せたかよく確認しましょう。
13.換気扇のコンセントを差す
換気扇のコンセントを差し、問題なく動作するか試運転をしましょう。
異音が発生する場合は換気扇の取り付け時になにかしらミスがあった可能性が高いです。
分解して取り付け直すことをおすすめします。
換気扇からする異音については関連記事で詳しく解説しています。
14.コンロのロックを解除する
換気扇の試運転をして問題がなければコンロのロックを解除しましょう。
ガスの元栓を開けることも忘れないでください。
生ゴミ・腐敗臭対策:シンクの排水口や配管の清掃
換気扇を回している間、生ゴミ臭や腐敗臭がするのであればシンクの排水口やそこからつながる排水管の掃除をしましょう。
排水口や排水管の掃除をするときには以下の道具を用意しましょう。
- 中性洗剤
- 掃除用スポンジ
- 掃除用ブラシ
- ゴム手袋またはビニール手袋
- 液体パイプクリーナー
具体的な手順は以下の通りです。
- 排水口カバーを外す
- ゴミ受けを取り出す
- ゴミ受けのゴミを捨てる
- ワントラップを外す
- 取り外したパーツを中性洗剤で洗う
- ゴミ受けが収まっていた場所を中性洗剤で洗う
- 液体パイプクリーナーを排水口へ流し込む
- 15~30分放置する
- 水を流し液体パイプクリーナーを流す
- 取り外したパーツを元に戻す
換気扇使用時の下水臭対策:室内外の気圧を一定に保つ
換気扇を回している間だけ下水臭がする原因は屋内外の気圧差です。
解消するには以下2つの対処法があります。
- 換気扇の使用を一時停止する
- 換気扇の対角にある窓を開ける
換気扇を使わなくても良い場合は換気扇を使うのをやめるのが最も効果的です。
調理中など換気扇を回さなくてはならない場合は、換気扇の対角にある窓を開けて空気の通り道を作ってください。
換気扇の臭いが発生しないようにする方法
キッチンの換気扇の臭いを予防するには以下4つの方法が有効です。
月1回換気扇の掃除をする
キッチンの換気扇に付着する汚れは主に油汚れです。
油は酸化すると独特の悪臭を放つので、悪臭を放つ前に汚れを落とすことをおすすめします。
おすすめの頻度は月に1度です。
換気扇フィルターをつけている場合は換気扇本体も汚れにくくなるので、フィルター交換のタイミングで掃除をすることをおすすめします。
理想的な掃除頻度を表にまとめると以下の通りです。
利用状況 | 掃除の頻度 |
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月に1度 |
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2~3ヶ月に1度 |
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