換気扇の油汚れは、時間がたつほど落としにくくなるものです。しかし油汚れの掃除は面倒なので、なかなか手を出せない人も多いでしょう。プロペラ式換気扇の掃除は、分解して部品を丸洗いするのがおすすめです。分解方法や洗い方を解説します。
最終更新日: 2024年11月07日
プロペラ換気扇の掃除に必要な道具
換気扇を掃除するときは、以下のものを準備します。
- ゴム手袋
- マスク・ゴーグル
- ポリ袋またはバケツ
- 新聞紙
- ぞうきん
- スポンジ
- 古い歯ブラシ
- アルカリ性の洗剤(重曹・セスキ炭酸ソーダなどでもよい)
手荒れを防ぐためにも、ゴム手袋をして掃除することをおすすめします。作業のしやすさを考慮すると、厚手タイプより薄手の方がよいでしょう。油汚れや洗剤から目や口を保護するために、マスクやゴーグルを用意しておくと安心です。
ポリ袋やバケツは、つけ置き洗いをする場合に使用します。ホコリや油が飛び散って周囲を汚さないよう、新聞紙などを敷くこともポイントです。油汚れは酸性なのでアルカリ性の洗剤が効果的ですが、なければ中性洗剤でも構いません。
プロペラ式換気扇の分解手順
プロペラ式の換気扇は、キッチンのほか、風呂場やトイレなどにも設置されています。ここではキッチンに設置されている換気扇の分解手順を説明します。
新聞紙を敷きコンセントを抜く
換気扇を分解する際に、ホコリや油汚れが落ちてキッチンを汚さないよう、新聞紙を広げて敷いておきます。
最初に換気扇の電源を切りましょう。作業中に誤作動を起こしてケガをしないように、コンセントからプラグを抜いておきます。換気扇の近くにコンセントがある場合、プラグも油で汚れているので、ゴム手袋をして作業するのがおすすめです。
フィルター・カバー・油受けを外す
換気扇フィルターを付けているときは、まずフィルターを外しましょう。一般的な換気扇フィルターは、下部のツメを外して持ち上げるようにすると簡単に外れます。
換気扇カバーの下部に付いている、油受けや油だまりと呼ばれる部品も外しましょう。中にはプロペラから落ちてきた油がたまっているので、取り外すときに油が飛び散らないように注意が必要です。
続いて換気扇カバーも、フィルターと同様に下部を持ち上げて手前に引いて外します。プロペラが邪魔になるときは、プロペラを外してからカバーを外しても構いません。
油受けやカバーを取り外す順番や方法は、換気扇の種類によって異なるため、説明書を確認しながら作業するのがおすすめです。
プロペラを外す
プロペラを外すには、まず羽根を固定しているスピンナーという部品を取り外します。羽根を手で軽く押さえながら、反対側の手で中央部分の部品を時計回りに回しましょう。スピンナーに回す方向が書かれていることもあるので、表示に従って外せばOKです。
スピンナーが外れたら、プロペラの中央部を持ち、手前に引いて取り外しましょう。油が固まってスピンナーの軸から外しにくいときは、中心部にドライヤーを2～3分当てると取りやすくなる場合もあります。
無理に引っ張って外そうとすると、部品が割れてしまうので注意しましょう。羽根が壊れると換気ができなくなってしまうので、どうしても外れないときは、プロに依頼するのもおすすめです。
プロペラ式換気扇の掃除方法
換気扇の分解が完了したら、掃除をしていきましょう。部品の汚れを落としている間に、本体の掃除をするのが効率的です。それぞれの掃除方法を具体的に解説します。
取り外した部品を洗う
取り外した部品には、頑固な油汚れがこびりついているので、つけ置き洗いするのがおすすめです。ホコリなどの汚れが付着しているときは、先に割り箸などで取り除いておくとよいでしょう。
バケツまたはポリ袋に50℃くらいのお湯を入れ、洗剤や重曹などをよく溶かします。取り外した部品を浸して、つけ置きします。ポリ袋を使ってつけ置きするときは、部品で袋に穴を開けないように注意しましょう。
30分ほど放置すると油汚れが緩むので、スポンジなどで軽くこすって落とします。細かい部分の汚れは、歯ブラシを使うのがおすすめです。汚れが落ちたら水やお湯で洗い流し、水気を切って乾燥させます。
換気扇本体を掃除する
部品を洗剤につけ置きしている間に、換気扇本体を掃除しましょう。本体は水洗いできないため、洗剤を含ませたキッチンペーパーやぞうきんなどで拭き掃除をします。長年の油汚れやホコリが固まっているときは、先にヘラなどで取り除いておくのがおすすめです。
本体を掃除する際は、スピンナーの軸棒に注意しましょう。軸棒にはプロペラを取り外しやすくするための潤滑油が塗ってあります。潤滑油を拭き取ってしまうと取り外しにくくなるため、掃除の後に差し足すとよいでしょう。
またプロペラ式換気扇には、運転を操作する引きひもが付いています。引きひもも油やホコリで汚れているので、しっかり掃除しましょう。
完全に乾いたら取り付ける
洗った部品が乾いたら、外したときと反対の手順で組み立てていきます。そのときに大切なのは、部品を完全に乾燥させることです。濡れたまま組み立てると、電源を入れたときにショートしてしまう可能性があるので注意しましょう。
プロペラの向きを確認し、軸に差してスピンナーを取り付けます。スピンナーが緩んでいると換気扇を回しているうちに外れてしまう恐れがあるので、しっかり締めることが重要です。
スピンナーが取り付けにくいときは、潤滑油が切れている可能性があるので、軽く油を塗布してから取り付けましょう。
全ての部品の取り付けが終わったら、電源プラグを差して正常に動作するか確認します。
換気扇掃除のポイント
換気扇をきれいに保つために、掃除のポイントを押さえておきましょう。ここでは2つのポイントを紹介します。
3カ月に1回は掃除をする
キッチンの換気扇は、3カ月に1回程度の頻度で掃除するのがおすすめです。換気扇の汚れを放っておくと、羽根に付着した油にホコリなどの細かいゴミが付いて真っ黒な汚れとなってしまいます。
そうなると汚れを落とすのは一苦労です。しかも、油汚れを放置すると塗装の劣化にもつながります。汚れが少ないうちに掃除をすれば、キッチン用洗剤とスポンジでこすり洗いするだけで簡単に落とせるので、毎回の手入れがラクになります。塗装も長持ちし、きれいな見た目が持続するでしょう。
頑固な汚れはプロに依頼
何年も掃除せずに頑固な油汚れとなっているときや、換気扇の下でタバコを吸う習慣があると、隅々まできれいにするのは大変です。
そのようなときは、プロに依頼するという方法もあります。プロに頼むと、業務用の道具を使って掃除してくれるので、自分では落とせない汚れもきれいにしてもらえるのがメリットです。
また油でプロペラを取り外せないときも、プロに任せた方がよいでしょう。効率的で掃除に時間がかからないので、忙しい人にもおすすめです。
換気扇掃除を依頼する費用相場
換気扇掃除をプロに依頼すると、費用がどのくらいかかるか気になる人もいるでしょう。換気扇掃除の費用相場や、費用を安く抑えるコツを紹介します。
プロペラ式換気扇の相場は1万円前後
プロに掃除を依頼する場合の費用は、換気扇の種類によって異なります。一般的にレンジフードと比べて、プロペラ式換気扇掃除の費用は安いのが特徴です。
業者によって料金はまちまちですが、7,000～1万3,000円に設定しているところが多いでしょう。1万円前後であれば妥当です。
ただし最近はレンジフード式の換気扇を取り付けている家庭が多いことから、業者によってはプロペラ式の掃除を請け負っていない場合もあるので注意しましょう。
費用を安く抑えるコツ
業者によって費用には幅があるため、1社だけの値段を見て決めずに、複数から見積もりを取ることがポイントです。
また換気扇のほかに洗面所や浴室などの水回りの掃除をセットにした、セット割を活用する方法もあります。セット割で依頼する場合、換気扇だけで掃除するより料金が割安になるのがメリットです。
水回りをまとめてきれいにしてもらえることで、掃除の手間も省けます。セット割の場合、サービス内容を確認しておくことがおすすめです。業者によっては、簡単な作業を省くことで、料金が下がる場合もあるでしょう。
頑固な汚れはプロに掃除を任せよう
プロペラ式換気扇は、自分で分解して掃除できるのが特徴です。しかし、自分では落としきれないほどの頑固な汚れや、油で固まってしまって分解できないときなどは、無理せずプロに依頼しましょう。
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