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離婚前後に女性がやることリスト!必要な手続きと期限を解説

最終更新日: 2024年01月12日

離婚の前後には、やることがいくつもあります。女性が離婚前後にやるべき15の項目を解説します。知っておかないと生活に支障が出るものや、損をするかもしれない可能性もあるので、しっかりと把握して準備しましょう。

離婚前にやること 離婚の進め方の確認
離婚後の生活の設計
離婚条件の取り決め
離婚協議書の作成
離婚届の提出
離婚後にやること:戸籍関連 戸籍関連の手続き
離婚後にやること:役所手続き 住民票関連の手続き
健康保険の手続き
年金分割の手続き
離婚後にやること:子ども関連 児童手当・児童扶養手当の手続き
就学援助の申請
子供の転校・転園手続き
離婚後にやること:その他 住宅や車の契約名義変更
免許証・金融機関・各種登録の住所氏名変更
勤務先への連絡

離婚前にやること

離婚が決まったらまずやるべきことを、5つ解説します。離婚後にやることは事務的な手続きが多いですが、離婚前には離婚後の生活を左右する重要な決めごとがあります。新たな生活を少しでもよいものにするため、しっかりと把握しましょう。

離婚の進め方の確認

離婚の進め方は、協議離婚を目指しましょう協議離婚とは話し合いの上、お互いが了承し、離婚届を出す離婚のことです。

そのほかには裁判所を通して話し合いを行う調停離婚、裁判官が条件を決める裁判離婚があります。しかし裁判所を挟む方法を取る場合は、自分たちでは話をまとめられないということになります。そのため離婚条件について、わだかまりが残る可能性があるでしょう。

日本では協議離婚が大半を占めます。裁判所を挟むと時間もかかるので、スムーズに新たな人生を歩み出したいのであれば、協議離婚を目指しましょう。

離婚後の生活の設計

離婚後にどのように生計を立てていくかについて、あらかじめ考えておく必要があります。具体的には離婚後の住まいや仕事をどのようにするか、考えましょう

住まいについては実家・賃貸・今の家にそのまま暮らすといった選択肢があります。専業主婦だった人は、仕事を探す必要もあるでしょう。

経済的に余裕がない場合は、公的扶助を利用するのがおすすめです。たとえば兵庫県神戸市ではひとり親世帯に対し、最大6年間にわたり1万5,000円の家賃補助を提供しています。

また東京都ではひとり親で住民税課税世帯なら、医療費が1割負担になる医療費助成があります。自治体によって制度の有無や内容が異なるので、調べておきましょう。

離婚条件の取り決め

離婚する際には以下の条件を話し合い、お互いに納得のいく形で別れることが重要です。

  • 財産分与
  • 年金分割
  • 慰謝料
  • 親権
  • 養育費
  • 面会の頻度

婚姻中に築いた財産や支払った年金は分与の対象のため、公平に分け合う必要があります。また離婚の原因が配偶者の不貞行為やDVなら、一般的には50~300万円程度の慰謝料を請求できます

離婚後は、どちらか一方にしか親権が与えられません。ただし親権がなくても養育費を支払う義務があるので、裁判所の『養育費算定表』を参考に金額を決めましょう。トラブルを防止するため、面会の頻度も決めておく必要があります。

離婚協議書の作成

話し合いの内容は、離婚協議書に残しておくことが重要です。記録に残しておけば、言った言わないの争いを防止できます。より確実に約束事を守ってもらうには、公証役場で公正証書を作成しましょう。

ただし離婚協議書の内容は、相手だけでなく自分を拘束するものでもあります。自分が不利にならないためには、離婚案件の実績が豊富な弁護士に相談するとよいでしょう。

離婚届の提出

話がまとまったら離婚届を提出しましょう。協議離婚ならいつでも提出でき、裁判離婚の場合は判決が出てから10日以内に提出します

離婚届を提出するには、成人の証人2名の署名押印が必要です。提出先は夫婦の本籍地の市区町村役場、または居住地の市区町村役場です。

届出の際には本人確認書類を持参しましょう。居住地の方に提出するなら、戸籍謄本の提出も必要です。

離婚後にやること:戸籍関連

離婚が成立したら新たな人生をスタートさせるため、さまざまな手続きをしなければなりません。まずは戸籍関連で必要な手続きを見ていきましょう。

離婚届を提出すると、夫の姓を名乗っていた人は旧姓に戻ります。子どもが夫の戸籍に入っている場合、子どもの姓は離婚届を提出しただけでは変更されません。子どもに自分の旧姓を名乗らせるには、家庭裁判所に対して『子の氏の変更許可』を申し立てる手続きを行いましょう。

なお、離婚後も離婚前と同じ姓を名乗りたい場合には、自分を筆頭者とした新しい戸籍を作る必要があります。離婚から3カ月以内に、役所に『離婚の際に称していた氏を称する届』を提出しましょう。なおこの届出を出すと実家の姓は名乗れなくなるので、慎重に検討する必要があります。

離婚後にやること:役所手続き

離婚後には役所で行う手続きがいくつかあります。子どもの有無にかかわらず必要な手続きなので、しっかりと確認しましょう。

住民票関連の手続き

離婚後に住居が変わらないのであれば、住民票に関してすることは特にありません。

ただし引越しが発生する場合は、旧住所と新住所の役所それぞれに転出届と転入届を提出しましょう。これは通常の引越しの場合と同じです。転出届は引越し前、転入届は引越し後14日以内の提出が義務付けられています。

また離婚をすると自分が世帯主となるため、引越しの有無にかかわらず役所に世帯主変更届を提出しましょう。ただし一人暮らしをするなら、自動的に自分が世帯主となるため、手続きは不要です。

健康保険の手続き

それまで配偶者の扶養に入っていた人は、健康保険に改めて加入する必要があります。働くまでに期間がある、もしくはパートをしており勤務先で社会保険に入らない場合は、国民健康保険に加入します。

離婚後すぐに就職する、またはパートで社会保険に加入するなら、会社の健康保険に加入しましょう。なお離婚後に親の扶養に入るなら、親に手続きをしてもらう必要があります。

健康保険と併せて、年金の切り替え手続きも必要です。考え方は健康保険と同じで、会社の社会保険に入らないのであれば国民年金、就職するのであれば勤務先の厚生年金に加入しましょう。

年金分割の手続き

配偶者が支払った厚生年金保険料は、夫婦の共有財産であるため、老後は分割できます。もらえる金額は、婚姻中に収めた金額の半額です。

期限は離婚した翌日から2年です。特に長らく専業主婦だった人は、年金分割をしないと将来受け取れる年金額が大きく減ってしまうため、忘れずに手続きを行いましょう。

年金分割の方法には3号分割合意分割の2つがあります。夫の扶養に入っていた人は3号分割、共働きだった人は合意分割を利用しましょう。

離婚後にやること:子ども関連

子どもがいる人は、追加でいくつかの手続きが必要です。子どもに不便をかけないために、抜け漏れなく手続きを行いましょう。

児童手当・児童扶養手当の手続き

児童手当は父母のうち、所得の高い方が受給資格者となるのが原則です。しかし離婚によって自分が子どもと同居するなら、元夫より所得が低くても、今後は自分に支給されます。児童手当の受給資格に親権は関係なく、同居しているという点が重要です。

児童手当の受給者を変更したい場合は、元夫に受給資格消滅届を提出してもらい、自分は認定請求書を提出します。

なお子どもが1人の場合で、児童扶養手当が全部支給される条件は、前年の収入が160万円までというのが目安です。

就学援助の申請

就学手当とは、経済的理由により就学が困難な児童に対し、自治体が就学にかかる費用を負担する制度です。具体的には以下の費用を、自治体が負担してくれます。

  • 学用品費
  • 学校給食費
  • 修学旅行費
  • 体育実技用具費
  • 通学費
  • 通学用品費
  • 卒業アルバム代など

たとえば横浜市では、小学1年生から中学3年生までの児童に対し、以下の手当を支給しています。

  • 入学準備費:6万3,100円(小学1年生)、7万9,500円(小学6年生または中学1年生)
  • 学用品費:1万6,680円~3万2,470円
  • 学校給食費:全額

自治体によって条件や金額が異なるので、詳細は住んでいる自治体のWebサイトなどを確認しましょう。

子どもの転園・転校手続き

子どもの小・中学校の転校手続きをする場合、まずは転校する旨を学校に伝え、『在学証明書』と『教科用図書給与証明書』をもらいましょう。そして引越し先で転入届を提出し『住民異動届(転入学通知)』を受け取ります。

転校先の学校に、上記3種類の書類を提出すれば手続きは完了です。

保育園の場合は、現在の保育園に退園届、転園先に転園届を提出します。幼稚園も流れはおおむね同じです。

離婚後にやること:その他

公的な手続きのほかにもやることはあります。やることが多いため、うっかり忘れないよう一覧を作成しておくのがおすすめです。

住宅や車の契約名義変更

住宅ローンのある家に住み続ける場合は、ローンの名義変更が必要です。名義変更をしないと夫が返済を滞らせた場合などに、差し押さえされてしまう可能性もあります。

配偶者名義になっていたりペアローンを組んでいたりするなら、ローンの借り換えが必要です。ただし専業主婦だった人やペアローンを組んでいた人が、いきなり1人でローンを返済するのは難しいはずです。ローンの審査に落ちる可能性が高いので、引っ越すのが無難でしょう。

引き続き使う車の名義変更は、変更登録と呼ばれます。自宅の住所を管轄する運輸支局(軽自動車の場合は軽自動車検査協会)に必要書類を提出して、手続きを行いましょう。

また『自動車検査登録総合ポータルサイト』でオンライン申請も可能なので、平日に時間が取れない人は利用するのがおすすめです。

免許証・金融機関・各種登録の住所氏名変更

離婚したら、以下のような各種サービスの名義変更も行いましょう

  • 免許証
  • 金融機関(銀行口座・証券口座など)
  • 携帯電話
  • インターネット
  • クレジットカード
  • 公共料金

免許証は警察署免許センターで手続きを行う必要がありますが、他のサービスについては、オンラインや電話で手続きができるものも多々あります。

名義変更をしておかないときちんと引き落としがなされず、サービスが使えなくなる可能性もあるため、忘れずに行いましょう。

勤務先への連絡

勤務先での対応については、離婚が決まったらまず会社の人事部門に連絡しましょう。届出を提出すれば、会社の方で社会保険や家族手当、住所や苗字の変更手続きを行ってくれます。

離婚の報告は必ずしも全員にする必要はなく、必要最低限の人に伝えればOKです。離婚の理由についても、詳しく明らかにする必要はありません。ただし子どもを1人で育てていく場合には、仲のよい人に伝えておけば、サポートを受けやすくなるでしょう。

万全の準備をして再スタートを切ろう

離婚の前後にはやることが数多くあります。特に離婚前には、今後の生活を左右する重要な決めごとについても話し合っておかなければならないため、心理的な負担が大きいでしょう。

目の前のことに追われ必要な手続きを忘れる事態を防ぐために、1つ1つチェックしながら進めるのがおすすめです。

離婚前に話し合った内容は、行政書士の手を借りながら公正証書に残すと良いでしょう。離婚後の更なるトラブルを未然に防ぐことができますし、専門家のサポートを受けることで手続きの負担が和らぎます。

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