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ボウフラを駆除する方法!予防のコツ、身近なものを使う退治の仕方も

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最終更新日: 2024年06月28日

「ボウフラ」は蚊の幼虫で、水のある場所に発生します。放置しておくと蚊が大量発生してしまうため、見つけたら早めの対処が必要です。

ボウフラを早めに退治しないと蚊が大量発生してしまうため、見つけたら速やかに駆除しましょう。蚊は吸血するときに病原菌を媒介する場合があり、生活環境にはできる限り発生させたくない虫です。

ここの記事ではボウフラの生態や駆除方法、予防方法を紹介します。駆除方法では特に身近なものでできる方法を紹介しています。

水の中にわく「ボウフラ」とは?

ボウフラは蚊の幼虫形態

ボウフラ 水中

蚊の卵は2〜5日でふ化し「ボウフラ」と呼ばれる体長6㎜幼虫が生まれます。水中をクネクネと、「動き棒を振っている」ように見える姿が、ボウフラという名前の由来です。

ボウフラ自体は人間には害はなく、むしろ水中の微生物やバイ菌を食べ水を綺麗にしてくれる益虫です。

ボウフラは、生まれてから成虫になるまでの期間がおよそ10~14日ほどと短いのが特徴。ボウフラ自体は益虫でも、蚊になることで人間に害を与えることに。

またメスの蚊は1回で約200個をの卵を塊で産みます。そしてこの卵の塊は、水面で舟のように浮かんでいるため、卵舟(らんしゅう)と呼ばれています

ボウフラは1週間ほどでオニボウフラに

卵から生まれたあとのボウフラは、4回ほど脱皮を繰り返しながら1週間ほどで「オニボウフラ」という蛹(さなぎ)に変化します。

オニボウフラは、ボウフラのときと比べて頭が大きくなり丸まったような姿勢で水面で浮かびます。

胸のあたりから呼吸管を伸ばし呼吸しているのが特徴。その呼吸管が「鬼の角(つの)」のように見えることからオニボウフラという呼ばれているのです。

オニボウフラは大変警戒心が強く、物音や影が近づくと、すぐ水の底へ逃げる傾向があります。

そして4~5日でオニボウフラは羽化して日常生活でよく見かける蚊になります。

ボウフラが発生する理由・注意すべきところは?

大量発生する環境の条件や時期

ボウフラ 発生 条件

ボウフラが発生しやすい条件は以下です。

  • 流れの少ない水たまり
  • 25℃以上の温度
  • メスとオスの蚊がそろっている

発生時期は4~9月の暖かい時期が一般的でしたが、近年は温暖化の影響で3月上旬でも目撃されるなど、活動時期が早くなりつつあります

とくに暖房設備が整っている建物のなかでは、時期を問わず、1年をとおして大量発生する可能性があると考えた方がよいでしょう。

発生しやすい・水がたまっているところは注意

水 たまる 鉢

空き缶のなかのように小さな水たまりにも、蚊は産卵します。そのため、ボウフラは水場であればどこにでも発生すると考えておきましょう。

とくに日陰になりやすい場所で、メダカなどの天敵がいない環境は、ボウフラにとって絶好の住処に。家の近くで、雨水のたまりやすい場所があるなら注意が必要です。

以下のような場所は要注意です。

  • 排水溝や側溝、雨樋
  • 空き缶・バケツ・古タイヤ
  • 植物を植えている鉢植えの水受け皿
  • 睡蓮(すいれん)鉢
  • 屋外水槽や池
  • 溶解液をため込む食虫植物の中

排水溝や側溝に泥や落ち葉がたまっていないか定期的に確認し、清掃しておきましょう。水がたまりやすい環境を定期的に清掃することでボウフラが生息しにくい環境ができます。

また家の周りに落ちている置きっぱなしの空き缶やバケツ、古タイヤがある場合は片づけておきましょう。これらが置いてあると雨水がたまってしまうため、ボウフラが育つ環境をつくってしまいます。

睡蓮(すいれん)鉢などの植物や屋外水槽、池が庭にあると華やかですが、水がたまっていることには違いないため蚊が産卵する可能性があります。

なるべく家の周りに水場を作らないようにすることで、ボウフラ予防をすることが可能です。

そしてウツボカズラやサラセニアなど食虫植物のなかにも、ボウフラが生息している場合があります。これらの食虫植物は内部に溶解液を貯めているので、ボウフラが生息できる環境なのです。

自分できるボウフラの駆除方法

水たまりに塩を入れる

塩 ボウフラ 予防

ボウフラは塩分濃度の高い水の中では生きていけないため、水たまりに塩を入れると退治できます。

特に小さな子どもやペットがいる家庭で、殺虫剤を使用したくない場合におすすめです。

どうしても捨てられない古タイヤなどがある場合は、あらかじめコップ半分ほどの塩を入れておきましょう。

雨が降ったときに、自然とタイヤ内の水の塩分濃度が上がるので、ボウフラの繁殖を防げます。

ただし植物に対して塩分濃度の高い水を与えると、枯れてしまう原因になることも。塩を使うときは、庭での扱いには十分注意しましょう。

食器用洗剤で退治

食器用洗剤を水たまりに数滴垂らすと、洗剤に含まれている界面活性剤がボウフラの体に油膜をはり、呼吸ができなくなるため死滅します。

駆除に数日かかるのは難点ですが、小さな水たまりであれば手軽にできておすすめです。

ただ水の流れが速い場所では効果を期待しにくいため、あくまでもスポット的な方法と考えましょう。

小さな子どもやペットがいる家庭では、事故が起こらないように、漂白剤でなく食器用洗剤を使う方法をおすすめします。

塩素系漂白剤で退治

「ハイター」や「キッチンブリーチ」などの塩素系漂白剤を使えます。

また塩素系漂白剤は、食器用洗剤よりもスピーディーに退治できます。水たまりに入れてから約16時間で効果が現れるようです。

しかし、食器用洗剤と同様で、水の流れが速い場所では効果を期待しにくいです。そのためあくまでもスポット的な方法として利用しましょう。

使い方は、食器用洗剤と同様、みずたまりに数滴たらすだけでボウフラを死滅させることができます。

10円玉や銅板で成長を抑制

10円玉 ボウフラ 予防

10円玉や銅板を水中に入れることで銅イオンを発生させ、ボウフラが蚊に成長できない環境を作れます。

ただしこの方法は、さなぎである「オニボウフラ」には効果が小さいので、卵がかえったら早めに行いましょう。

10円玉だと、1リットルの水に対して20枚必要です。けっこう用意するのが大変なので、大きな水たまりには銅板を活用するのがおすすめです。

また近年の研究では、銅イオンの濃度を上げると、卵がふ化しにくいという結果も出ています。

予防策としてあらかじめ10円玉や銅板を入れておけば、発生してから慌てて用意する必要がありません。

排水溝や側溝は薬剤を使う

排水溝や側溝は特に水がたまりやすく、気を付けていてもボウフラが発生しやすい場所です。見つけたら早めに薬剤を投入して駆除しましょう。

ボウフラ対策用の薬剤としては、「デミリン発泡錠」「ボンフラン」「ハイカプシン粒剤」などが代表的です。いずれもホームセンターやインターネットで手軽に購入できます。

ボウフラは流れがない水たまりに発生するため、ゆっくり溶ける錠剤タイプの薬剤が効果的です。

水が増えすぎると効果が弱まるので、雨が降った後などは薬剤を再度投入しましょう。

熱湯

熱湯のイメージ やかん 湯気

ボウフラは熱湯に弱く、生息場所の水温が50度を超えると死滅します。そのため、熱湯を注ぐことで駆除できるのです。

例えば水温25度くらいの水1リットル程度に対して、沸騰して100度になったお湯を2リットル程入れるのが目安量。これで全体の水温は50度くらいになります。

しかし当然ながら、熱湯が冷めた後には、またボウフラが発生しやすい環境に戻ってしまいます。

熱湯だけで駆除をするなら、定期的に水場の様子を見て、ボウフラがわいていたらそのたびに熱湯をかける必要があります。

そのため熱湯を使うのは一時的な駆除だけにとどめ、その後は薬剤などで予防するのがオススメです。

油を垂らす

油 ボウフラ 駆除

ボウフラは水の中に油があると、油膜がボウフラの体にはりつき、呼吸ができなくなって死滅します。この仕組みは、食器用洗剤を使うときと同様です。

油でボウフラを駆除する場合は、水面全体に油の膜ができる量を目安に、サラダ油などの油を垂らしましょう。

使用するのはサラダ油でなくても、ごま油、オリーブオイル、揚げ物に使った古い油でも、なんでも大丈夫です。

ただし放置しておくと、容器の縁(ふち)に油分が寄っていくため、定期的に油を垂らす必要があります。

また当然ながら水の容器が油まみれになるので、定期的に掃除するようにしましょう。

木酢液を垂らす

木酢(もくさく)液をボウフラのいる水の中に投入することで、ボウフラ予防になります。希釈濃度によっては、駆除効果を発揮することもあるそう。

普通であれば木酢液は、有機野菜などを育てるときの土づくりに使うもの。

しかし蚊を含む害虫や犬・猫などの小動物は、木酢液の匂いを嫌っているため、忌避剤としても利用可能なのです。

水たまりに木酢液を数滴垂らすことで、蚊がその場所に寄り付かなくなり、産卵しないのでボウフラ予防にもなります。

しかし匂いがなくなってしまうと効果が薄れてしまうため、1週間に1回程定期的に垂らすことがオススメです。

ボウフラの天敵、メダカなどの魚を飼って食べてもらう

ボウフラ 食べる メダカ

庭の池や水槽にメダカなどの魚を飼っておくと、ボウフラの駆除に役立ちます。メダカはボウフラを捕食するするので、羽化して蚊になる前に退治できるのです。

池や水槽は水をなくすのが難しい場所のため産卵は避けられませんが、蚊になる前に駆除できれば実質的な害はないでしょう。

広い池や水槽にメダカが1匹しかいないと、ボウフラが逃げてしまい駆除できません。10リットルの水に対してメダカ2匹が飼育数の目安です。

ただしメダカが幼魚のうちはボウフラを食べられないため、すぐに効果を得たいなら大人のメダカを入れましょう。

ボウフラの発生を防ぐ工夫

水がたまる場所を作らない

ボウフラ タイヤ 水たまり 発生

ボウフラを発生させにくい環境を作るには、蚊の繁殖場所となる水たまりを作らない工夫が必要です。鉢植えの水受け皿といった水がたまりやすい場所は小まめに確認し、水を流しておきます。

古タイヤやブルーシートなどの雨水がたまりやすいものは、雨に濡れない場所に移動させましょう。

家の周辺に雨が降ると水たまりができやすい場所があるなら、くぼみを埋めて水はけがよくなるように整えます。

雨水タンクを使う

雨水タンク

「雨水タンク」は雨水を再利用できるように貯めておくための設備です。雨水タンクを設置すると雨がタンクに集められ、水たまりができにくくなります。

ただし雨水タンクと配管パイプの間にすき間があると、蚊が侵入してボウフラが発生しやすくなる点に注意が必要です。目の細かい網を張っておくと予防しやすくなります。

設置する際は高所での作業や配管の接続が必要になるため、業者に依頼すると安心です。

雨水タンクを活用して雨水の再利用を促すために、各自治体から「雨水利用助成金」が支給される場合もあります。自治体によって助成金の有無や金額は違ってきますので、一度問い合わせてみましょう。

水場は小まめに清掃する

できるだけ水はけがよくなる環境を心掛けていても、家の周辺にあるすべての水たまりをなくすのは簡単ではありません。どうしても水がたまってしまう場所は定期的に掃除をして、ボウフラの発生を予防しましょう。

鉢植えの水受け皿は小まめに掃除して、週に1回はたまった水を捨てます。側溝や雨どいは水が詰まらないように定期的に確認し、常に清潔な状態を保っておく週間が大切です。

他にも水汲みバケツの水は定期的に交換する・排水溝のゴミを取り除いて水が詰まりにくい環境を整えるといった日頃の取り組みで、ボウフラが発生しにくい環境を作れます。

かゆみだけじゃない、蚊による被害

蚊 刺され 被害

ボウフラのときは人への影響はありませんが、羽化し蚊になると、メスの蚊は産卵のため人の血を吸い栄養分を蓄えます。

当たり前ですが、蚊に刺されるとかゆみを感じます。このかゆみを感じる原因として、蚊が吸血するときにかゆみ成分が含まれた唾液が人に注入されます。

しかし蚊に刺されたときのかゆみより、もっと恐ろしいのが感染症やアレルギー反応です。

以下は蚊を媒介にした感染症です。

  • 日本脳炎
  • デング熱
  • 黄熱
  • マラリア

これらの感染症は適切な治療を受けなかった場合、死に至ることもあるほど、危険な病気です。

また蚊の唾液に対するアレルギー反応を起こすことだあります。アレルギー反応として刺された患部が赤く腫れたり、高熱が2週間程続きます。蚊は大変危険な虫です。

ボウフラを駆除して蚊の被害を低減

庭の植物

ボウフラは成長するまでは無害ですが、放置すると成長して蚊になり吸血や病原菌の媒介といった被害をもたらします。発生しにくい環境づくりと早めの駆除が大切です。

水の流れない場所を好む性質があるため、日頃から水たまりを作らないように心掛けて発生を予防するのがポイントです。

駆除には薬剤の投入やメダカの飼育、塩や洗剤・10円玉など身近なグッズを使う方法があります。水たまりの規模やボウフラの発生状況を見ながら、適した手段を選びましょう。

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