マイマイガは他の毒毛虫に比べると安全性は高めです。そのため正しい方法で行えば、自分で駆除することも可能。必要なものをそろえると、すぐにでも対策が取れます。


この記事ではマイマイガの駆除方法を解説。幼虫・成虫・卵でやり方が違うので、具体的に説明していきます。
またマイマイガ駆除の際に知っておくべき注意点や特徴なども解説します。
マイマイガの生態は?発生時期や被害
マイマイガは森林害虫として知られるガの一種です。
マイマイガには幼虫・成虫・卵の3つの姿があり、それぞれ発生時期や場所が異なります。それぞれの特徴を次のように表にまとめました。
種類 | 発生時期(目安) | 発生場所 |
幼虫 | 4~6月 | 植物の葉・木・建物の外壁 |
成虫 | 7~8月 | 街灯など照明付近 |
卵 | 9~3月 | 植物の葉・木・建物の外壁 |
【幼虫】
幼虫は最大で体長5~6cmになる毛虫。オレンジ色の大きな顔に、黒い目が特徴的です。体は全体的に黒っぽく、背面に赤・青・黄などの斑点があります。
生まれた直後の1齢幼虫(脱皮を1度もしていない幼虫)の頃のみ、毒針毛を持っています。それ以降は毒を持ちません。
またマイマイガの幼虫は糸を吐き出し、風に乗ってほかの場所に移動できるのが特徴。よって卵から孵化(ふか)すると広範囲に広がりやすく、駆除が難しくなってしまいます。成長して飛ぶようになると、さらに駆除がしづらくなるでしょう。
【成虫】
成虫は翅(はね)が茶色か白っぽい灰色をしています。夕方から夜にかけて街灯などの照明付近に出没することが多いでしょう。成虫の寿命は1週間程度。毒は持っていません。
【卵】
マイマイガの卵は褐色で表面が毛に覆われており、3~5cmのかたまり状にまとめて産みつけられます。かたまりの中には500~600個の卵が含まれており、春になると一斉に孵化します。毒はありません。
駆除が最も簡単なのは卵の時期(9~3月)です。そのため秋頃になったら家の付近にマイマイガの卵が生みつけられていないか見回りをすると良いでしょう。
マイマイガが樹木や人体に及ぼす被害!もっとも危険なのはいつ?
マイマイガの被害が特に大きくなるのは、4~6月の幼虫の時期です。マイマイガの幼虫は植物の種類に関係なく、ほとんどの樹や草花の葉を食べ尽くしてしまう雑食性。果樹園などで農作物を育てている方にとってはかなり厄介な存在です。
またマイマイガは「ドクガ科」という種類に分類され、幼虫の初期の頃は毛に毒性を持っています。それほど有害な毒ではありませんが、触ると腫れやかゆみが出てしまうことも。この特徴は孵化直後の幼虫にみられるため、目安として体長1cm未満の小さなものには警戒が必要です。
マイマイガは10年に1度のペースで大量発生!
マイマイガは10年に1度くらいの頻度で大量発生するといわれています。増殖するのは成虫ではなく幼虫ですが、その原因や仕組みなどは未だはっきりしていないようです。
大量発生の被害は2~3年程度で自然に終息しますが、これは「マイマイガの天敵が数を激減させるから」という説も。しかしこちらにも確実な根拠はなく、マイマイガの大量発生については分からないことが多いようです。
もし普段よりもマイマイガが多いと感じたら、大量発生しているのかもしれません。来年に備え、業者に依頼して卵を徹底的に駆除するのがおすすめです。
マイマイガの駆除方法!自分でできる完全な手順を解説
自宅にマイマイガが発生した場合の駆除方法を解説します。幼虫・成虫・卵の姿や発生の規模によってやり方が異なるので、それぞれに適した駆除を行いましょう。
幼虫を駆除する方法
マイマイガの幼虫は体が大きくなると殺虫剤が効きにくくなってきます。目安としては体長約2cm以上程度で効きにくくなると考えましょう。
そのためマイマイガは小さいうちに駆除することが大切です。ただし小さいマイマイガは毒を持っていることがあるので、駆除には注意が必要。
そこでおすすめなのが固着スプレーを使った駆除方法です。固着スプレーとは毛虫の毛が飛び散らないように固めるためのスプレーのこと。固着スプレーを使って毒針毛を固めたうえで、殺虫剤を使ったり捕殺したりすると安全ですよ。
駆除の際は露出の少ない服を着て、風が吹いていない日を選びましょう。具体的な手順は次の通りです。
- 幼虫に毛虫用固着スプレーを吹きかける
- 殺虫剤を吹きかける
- 殺虫剤が効かない幼虫に対しては、 マイマイガごと葉にビニール袋をかぶせて、枝や葉をハサミで切り落とす
- 自治体のごみ分別ルールに従って廃棄する
※おすすめの殺虫剤などは後ほど紹介します。
幼虫に殺虫剤が効かない・葉を切り落とせない場合は?
前述の通り、マイマイガの幼虫は大きくなると殺虫剤が効きにくくなります。また「葉や枝を切りたくない!」という場合や、マイマイガの幼虫が外壁などについている場合もありますよね。
そんな時はまず、バケツの中に水と洗剤を入れて軽く溶かしたものを用意します。そこへ菜箸や火箸など長めの道具で捕まえた幼虫を投入して、溺死させましょう。この場合も死骸は必ずビニール袋に移して廃棄してください。
また幼虫の数が多い場合は農薬をまいて駆除する選択肢もあります。農薬は殺虫剤より広範囲に散布できるのが強みです。しかし同時に「植物の種類に合わせて適切な使い方をしなければならない」というデメリットがあり、初心者には扱いが難しいものです。
そのため自宅の敷地内にマイマイガが大量発生したときは、専門の業者に害虫駆除を依頼するのがおすすめ。発生している範囲にもよりますが、目安として8,000~1万2,000円程度で駆除してもらえます。
成虫を駆除する方法
マイマイガの成虫には毒性がないため、固着スプレーを使う必要はありません。蛾に有効な殺虫剤を使用しましょう。
ただし飛び回るのでスプレーを当てづらく、中には効き目が薄い場合も。幼虫ほどの害はありませんが、気になる方はなるべく卵か幼虫のうちに駆除するようにしてください。
もし玄関先や灯りの下でマイマイガの死骸を見つけた場合は、幼虫と同じくビニール袋に入れたり紙に包んだりして廃棄しましょう。
卵を駆除する方法
マイマイガは卵のうちに駆除するのがもっとも簡単かつ効果的です。
毒はないものの卵の表面に生えている毛が舞いやすいので、マスクなどを着用して作業すると安心です。やや硬めのヘラ状の道具を使って削ぎ落としましょう。
ペットボトルを横半分に切ったものを使えば、削いだ卵をそのまま受け止めることができるのでおすすめです。もし一部が残ってしまった場合は、ガムテープを貼って剥がして取り除きましょう。
高いところは高圧洗浄機が便利
飛ぶことのできるマイマイガは、人間の手が届かない高い位置にも卵を産みつけることができます。しかし「届かないから」といって放っておくと、翌年の春に大量の幼虫が孵化して草木に被害をもたらすことに。
高いところに産みつけられた卵は高圧洗浄機を使って駆除するのがおすすめです。高圧洗浄機は水をピンポイントかつ高い水圧で噴き出すための機械です。ただし家庭用の小型サイズでも1万~3万円くらいするので、そのお金を使って業者依頼をしても良いでしょう。
より安価で手に入る加圧式噴射スプレーでも代用が可能です。いずれの場合もはじき飛ばした卵の落下には十分注意してください。
殺虫剤はどれが良い?おすすめ商品3選
マイマイガの幼虫・成虫を駆除するために使える殺虫剤をまとめました。基本的にはスプレーの「適用害虫」の項目に、蛾やマイマイガが記載されているものを選びましょう。
幼虫用のおすすめ固着スプレー
「チャドクガ毒針毛固着剤」という商品です。
「チャドクガ」と表記がありますが、マイマイガを含むドクガ科の幼虫全般に使用することができます。殺虫成分は含まれていないものの、固着された幼虫は放っておくと死に至ります。
幼虫用のおすすめ殺虫剤
アース製薬の「ケムシ撃滅 切替ジェット 」が良いでしょう。
有効射程が長く、高いところにいるマイマイガに対しても有効。また低い位置のマイマイガに対しても、距離を取ったまま駆除できますよ。
成虫と幼虫の両方に効果のあるスプレーが欲しい方は、次に紹介する商品がおすすめです。
成虫用のおすすめ殺虫剤
「イヤな虫キンチョール」がおすすめです。
この殺虫剤には残効があるため、使用後も少しの間蛾を寄せつけない効果が期待できます。また蛾以外の害虫にも有効なので、1つ持っておくと便利な商品です。
来年マイマイガを発生させないための予防策
マイマイガは卵の時期に駆除するのが効果的ですが、そもそも卵を産ませないようにするのも1つの手です。
マイマイガの成虫は夜間の照明を好むため、玄関先などの灯りを消しておくのは簡単かつ有効な対策になります。「防犯用に照明はつけておきたい」という方は、ガが好まないLED照明などに変更してみましょう。
成虫が卵を産みつける場所(葉)を減らすために、樹の剪定(せんてい)を定期的に行うのもおすすめ。先ほど紹介した忌避効果のある殺虫剤を壁や街灯に吹きつけておくのも効果的です。マイマイガの対策は意外と簡単に行えるため、ぜひ積極的に取り組んでみてください。
マイマイガの幼虫に刺されたときの対処法
マイマイガの毒はそれほど強力なわけではありませんが、だからといって放置するのはいけません。
刺された直後にまず気をつけるべき点は、患部をむやみに触らないことです。もし幼虫の毛がまだ付着していた場合、触った手にも炎症が起きてしまいます。
慌てずそのまま患部を流水でよく洗い、ステロイドや抗ヒスタミン系の塗り薬を塗布して様子を見てください。もともと肌が弱かったり、症状がなかなか治まらなかったりする場合は皮膚科の受診をおすすめします。
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