日本で見られるムカデの中でも大きなものが、トビズムカデです。毒を持っており、かまれると場合によっては死に至ることもある危険な害虫なので注意しましょう。
トビズムカデの生態や危険性を解説し、かまれたときの対処法や予防策も紹介します。
トビズムカデの危険性は?
積極的に人間に向かってくることはありませんが、毒を持っており、刺されると強い痛みが生じて患部が腫れあがります。複数回刺されるとアナフィラキシーショックが起こるリスクもあります。
トビズムカデとアオズムカデの違いは?
見た目は非常によく似ていますが、体長が大きく頭の色が赤褐色なのがトビズムカデ、頭と胴体が同系色なのがアオズムカデであることが多いです。毒性はアオズムカデのほうが強いです。
大きいムカデはトビズムカデかも
トビズムカデは「オオムカデ」と呼ばれるほど、大きなムカデです。肉食でエサを求めて家屋に浸入する場合があります。トビズムカデの生態や、他種のムカデを紹介します。
日本最大級のムカデ「トビズムカデ」
日本最大級のムカデといえば、トビズムカデです。固体差はありますが8~15センチほどの大きさであり、頭は赤褐色で足は黄色になっています。
とにかく長いのが特徴なので、大きなムカデを見かけたらトビズムカデの可能性が高いと思ってください。
活動期間は春から秋です。日本全国に生息していますが、寒さに弱く冬場は土の中など比較的暖が取れる場所で越冬します。ただし家の中など暖かい場所にいた場合は、冬眠せずに過ごすこともあるようです。
夜行性なので昼間はあまり行動しません。ゴキブリなどを好み捕食しますが、時にはねずみを食べてしまうこともあります。
その他のムカデ
トビズムカデに劣らない大きさのムカデが、アカズムカデです。体長8~12センチほどとトビズムカデよりも少し小さめですが、大型のムカデといえるでしょう。
頭と足は赤色で、胴体は深い緑色をしています。
アカズムカデよりもさらに小さめのムカデに、アオズムカデがいます。体長10センチほどで、頭と胴体は黒寄りの緑色です。足はオレンジ色をしており、日本全国でみられます。
生息地は限定されますが、トビズムカデよりも大きいムカデがタイワンオオムカデです。通常は体長8〜12センチほどですが、中には20センチを超えるものも発見されており、南西諸島に生息しています。
胴体は黄褐色、足はオレンジ色になっているのが特徴です。
トビズムカデにかまれたら
トビズムカデにかまれると、かなり痛いといわれています。毒を持っているので、人にとってとても危険な生物です。トビズムカデにかまれた場合の対処法や、症状を紹介します。
かまれたときの症状
トビズムカデの口の前には「毒ヅメ」があり、これで動物を攻撃するのです。かまれると患部に激痛が走り、赤く腫れあがります。
場合によってはかまれた部分にしびれやかゆみが生じ、ひどいときは発熱やめまいなどの全身症状が表れます。まれにアナフィラキシーショックになる場合もあるのです。
部分的痛みだけであれば数時間で引きますが、アナフィラキシーショックを起こすと大変危険な状態になるでしょう。これは急性アレルギー症状であり、血圧の低下や意識障害を引き起こします。
かまれて全身症状があらわれたら、迷わず病院に行きましょう。
患部を洗い流そう
トビズムカデにかまれたら、速やかに水で患部を洗い流してください。温水などで温めた方がよいという意見もありますが、血管が開き毒が体内を回りやすくなってしまう可能性があります。
ムカデの毒は熱で不安定になります。そのため人によってはお湯で患部を温めたほうがよいとする見解があります。
しかし実際に冷やした場合と変わらなかったという報告もあるため、まずは水で洗い流す方が無難といえるでしょう。
また感染症などの二次被害を防ぐためにも、早めに患部を水で洗い清潔な状態にしてください。
毒は口で吸い出さない
トビズムカデの毒は有害です。しかし毒を体外に出すため、口で吸い出すのはやめましょう。毒を口に含むと口内が腫れたり、おう吐したりする可能性があります。
口内だけでなく喉にかゆみを生じることもあります。気道に炎症を起こしてしまうと、呼吸障害になる場合があるでしょう。
また口内に口内炎や傷があると、そこから毒が体に回り症状が悪化してしまうのです。
毒を吸い出す場合は専用の毒を吸い出す器具を利用するなど、扱いに注意してください。
トビズムカデから身を守るためには
ムカデは夜行性なので、普段明るい場所に出てくることはほとんどありません。そのため目視確認しづらく、洗濯物や置いていた衣類に入り込み着用する際に刺されるケースもあります。
トビズムカデから身を守る方法を紹介します。
ムカデを寄せ付けない
ムカデは神出鬼没です。気付かないうちに触れてしまう危険性がありますし、天井から落ちてきてかまれる場合もあります。
そのためムカデを探し出して駆除するよりも、家に寄せ付けない予防が効果的です。
ムカデは乾燥している場所が苦手で、湿った環境を好みます。そのため家の湿度が高いと、ムカデを寄せ付けてしまうのです。家の周囲に落ち葉や雑草がある場合も掃除をしておくことで発生を防げます。
またトビズムカデはゴキブリなどを捕食するために家屋へ浸入してくるので、家を清潔に保つことも重要です。
食べかすを残したり食料を外に保管したりするなど、ゴキブリにエサを与えないようにしましょう。
見つけたときの駆除方法
トビズムカデをみつけたら、市販されている殺虫剤や専用の冷凍スプレーで撃退しましょう。
ムカデ専用の殺虫剤が好ましいといえますが、なければゴキブリ用の殺虫剤でも効果が得られる場合があります。それもなければ、スリッパなどを使い急所である頭を狙ってたたきましょう。
また熱湯をかけても効果的です。ムカデは50度以上になると体内のタンパク質が固まり、動けなくなります。ドライヤーで熱しても効果はあるので、足止めして頭を潰すのもひとつの手段です。
トビズムカデに注意しよう
トビズムカデは春から秋にかけて、活発に行動します。体長がかなり大きく、口の近くにある毒ヅメで人をかみます。かまれると激痛が走り、患部が赤く腫れあがってしまうでしょう。
かまれたら速やかに水で患部を洗います。全身症状が表れた場合は、病院へ行き医師の指示を仰いでください。
毒を出そうして口で吸い出すのは厳禁です。症状が悪化してしまう恐れがあります。
ムカデを家に寄せ付けないために、定期的に部屋を換気して湿気を逃がしましょう。部屋は清潔に保ち、ムカデのエサとなるゴキブリも寄せ付けないようにします。
特に雨季はトビズムカデが好む季節です。被害に遭わないように注意しましょう。
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