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【見本・チェックリスト付】個人事業主の請求書、封筒の書き方を解説

最終更新日: 2024年06月28日

ライターやデザイナーなど、会社から独立してフリーランス(個人事業主)になったばかりの方にとって、請求書はとても大事な書類です。給与が毎月決まった日に振り込まれていた会社員時代と違い、請求書をクライアントに送付しなければ報酬を得ることが出来ないのです。

本記事では、フリーランス(個人事業主)として独立されたばかりの方に向けて請求書の書き方や記載すべき事項について解説していきます。

フリーランス(個人事業主)が請求書に記載する事項

フリーランス(個人事業主)が請求書に記載すべき事項とは

「宛名は『御中』と『様』どちらだっけ?」「金額の記入方法がわからない…」独立されたばかりのフリーランスの方で、請求書に何を記載するのか、書式はどうすれば良いのかわからない方もいらっしゃるのでは。

本項では、国税庁のHPに記載されている請求書に記載する必須事項から、載せると良い事項まで余すことなくご紹介します。

フリーランス(個人事業主)が請求書に記載する必須事項

国税庁のHPによると、請求書に以下の事項を記載することを推奨しています。

  • 書類作成者の氏名又は名称
    請求書を発行する方の氏名です。
  • 取引年月日
    請求書の発行日や、実際に納品した日などを記入します。
  • 取引内容
    納品した商品や、請け負った業務の内容(デザインやライティングなど)を記載します。
  • 取引金額(税込み)
    請求する金額です。外税か内税か分かるように記載してください。
  • 書類の交付を受ける事業者の氏名又は名称
    宛先のことです。請求先の事業者名や担当者名を記載します。なお、請求書および封筒に宛先を記入する際には「御中」や「様」などの敬称をつけます。請求する相手が会社や団体であれば「御中」、個人であれば「様」を使用するのが一般的です。

つまり、「誰が」「いつ」「何を」「いくらで」「誰に」請求するのかさえ明らかになっていれば、請求書として形式を満たしていると言えます。

フリーランス(個人事業主)が請求書に記載すると良い事項

では次に、絶対に必須ではないものの、記載しておいた方が取引内容が分かりやすくなる事項を、請求書の見本を交えてご説明します。

請求書の見本

以下の請求書の見本例を見て頂き、対応する番号について1つずつ説明していきます。なお、この見本例はフリーライターで屋号がある場合を想定しています。

請求書 見本
請求書 見本 (画像作成:ミツモア)

フリーランスの方が請求書に記載した方が良い事項

上記の請求書の見本を元に、フリーランスの方が請求書に記載することで分かりやすくなる各項目について説明していきます。

  1. 請求書の通し番号
    同じクライアントに発行した請求書の枚数を通し番号で紐づけておけば、双方とも管理がしやすくなります。
  2. 支払い期限
    クライアントが請求者に入金する期日を明記します。
  3. 項目番号
  4. 請求内容
    この見本例では2か月分を1度に請求していますが、それが可能かどうかは事前にクライアントと打ち合わせしておくべきです。
  5. 単価
    商品の1個当たりの価格などを記入します。見本例はライターですので、1文字あたりの単価を入力しています。
  6. 数量
    発注した個数を記入します。見本例では、記事の文字数を入力しています。
  7. 備考(請求内容)
    品名だけでは書ききれない事項があれば記入する欄です。後日見返したときに、どんな取引内容だったかを思い出すのに役立ちます。
  8. 消費税
    消費税に関しては、請求書によっては内税にしても構いません。その際は消費税額も分かるように注意書きをする必要があります。
  9. 源泉徴収税
    次の項で詳しく説明します。
  10. 備考(請求書全体)
    請求書全体で注記すべきことがあれば記載する欄を設けておくと親切です。

屋号、印鑑は義務ではない!

屋号と印鑑は、法律上請求書に記載しなくても問題ありません。

ですが、捺印については慣習として取引先の企業から求められる場合があります。その場合は捺印しておきましょう。その際の印鑑は個人の実印または、屋号名の入った印鑑を使用します。

請求書のテンプレートをダウンロードするなら

請求書の作成を1からするのは大変ですし、時間がかかりますよね。そこで、テンプレートを使用出来たらと考える方もいらっしゃると思います。

ここでは、そんな方のために、テンプレートをダウンロードできるサイトをいくつか紹介します。

EXCEL請求テンプレート

こちらのサイトでは、軽減税率やインボイス制度に対応している請求書や、英語の表記がある請求書など幅広い請求書のテンプレートがダウンロード可能です。

請求書の無料テンプレート

こちらのサイトはほぼすべてが無料でダウンロードできます。EXCELの形式が多いですが、Wordのものもあるので、EXCELが苦手な方でも安心です。

MISOCA

こちらのサイトのテンプレートはすべて無料でダウンロードが可能です。こちらのサイトは、上記の2サイトに比べて、デザイン性の高いテンプレートが多数掲載されています。

好みや使い方に合わせてご自分にピッタリなテンプレートを探してみてください。

源泉徴収税と入金手数料に注意

請求書の作成時は源泉徴収税と入金手数料に注意!

請求書に記載する事項の他に、「源泉徴収されるかどうか」「入金手数料の負担」の2点についても確認しておきましょう。いずれも、クライアントから入金される金額に関わってくる、重要な項目です。

源泉徴収されるか確認する

業種によっては、源泉徴収税として請求金額の10.21%(所得税10%、復興特別所得税0.21%)を事前に引かれて入金される場合があります。該当する業種や業務内容は、以下の通りです。

※復興特別所得税の徴収は2037年まで

  • 原稿料(ライターや小説家など)
  • デザイン料(デザイナーなど)
  • 資格報酬(弁護士・税理士・司法書士など)
  • 出演料・講演料(タレント・セミナー講師・大学教授など)
  • スポーツ選手の年俸(プロ野球選手・プロサッカー選手など)

個人事業主の方は、自らの業種が上記に該当するか事前に確認しておきましょう。なお、上記の業種であっても、必ず源泉徴収をされて入金されるとは限りません。
源泉徴収して支払うかの判断はクライアントによって違いますので、事前に確認しておきましょう。

入金(振込)手数料の負担も事前に決める

先ほどの請求書の見本例では、備考欄に「振込手数料はクライアント負担」である旨を記載してありましたが、振込手数料をどちらが負担するかは取り決め次第。必ず事前に確認しておきましょう。

【永久保存版】請求書 作成時チェックリスト

ここまで請求書の記載事項や事前に確認すべきポイントを解説してきました。実際の請求書作成時に抜け落ちがないように、チェックリストを用意しました。

請求書を作成する際には、ぜひ参考にしてみてくださいね。

分類項目チェック
必須項目請求者氏名
取引年月日
取引(請求)内容
取引金額(税込)
請求先氏名(会社名)
記載した方が良い項目請求書の通し番号
支払い(入金)期限
単価
数量
備考(特記事項)
消費税
事前確認が必要な項目源泉徴収税
入金(振込)手数料

請求書を入れる封筒の書き方と送り方

請求書を郵送する際の封筒
請求書は作って終わりじゃない!正しいマナーで送付しましょう!

請求書を作成しチェックリストでの確認が終われば、完成した請求書を封筒に入れて取引先に送付しますよね。実はこの時の封筒の種類や書き方も大事なビジネスマナーの1つなんです。

ここでは請求書を入れる封筒を選ぶ基準や封筒の書き方などを解説します。

請求書を入れる封筒の選び方

請求書を入れる封筒は、大きく分けて2種類あります。長形3号とよばれるA4サイズを三つ折りにして入れるサイズのものと、角形2号とよばれるA4サイズがそのまま入るサイズのものです。

色は白か薄い青色の封筒を用いるのが一般的で、「赤字」を連想させる赤色の封筒は通常用いられません。

封筒と言っても色々な種類がありますが、あらかじめのりやテープがついているタイプのものだと、糊付けの手間が省けておすすめです。

また、中身が透けて見えることを防ぐために二重構造になっているものや、裏地に柄が入っているものもよく使われます。

請求書を入れる封筒の書き方(表面)

封筒の表面には以下のことを記述します。

  • 宛先の住所
  • 宛先の会社名や部署名、担当者のお名前
  • 「請求書在中」

封筒に郵便番号を記載する枠が設けられていない場合も、郵便番号は右上に記載します。そして、郵便番号の下に都道府県名から宛先の住所を記載します。

担当者あてに請求書を送る場合は、封筒中央の右から会社の正式名称、行を変えて部署名と担当者名を記載します。担当者名のあとにつける敬称は「様」を使用し、会社名の行よりも部署名や担当者名の行を一回り大きい字で記載しましょう。

部署あてに請求書を送付する場合は敬称を「御中」にして上記と同様に記載してください。会社宛てに送付する場合も「御中」を使用します。

「請求書在中」の文言は、受け取る側が郵便物の中から発見しやすくするためのものです。どこに記載しなければならないという決まりはないですが、封筒の左下に記載することが多いです。手書きで書くこともできますが、100円均一のお店でスタンプを購入できるため、これからも請求書を送る方は購入することをおすすめします。

請求書を入れる封筒の書き方(裏面)

封筒の裏面に記載する事項は以下の通りです。

  • 送り主の住所
  • 送り主の会社名や氏名
  • 送付した日付
  • 封じ目

封筒の裏面に郵便番号の記入欄がない場合は、住所の上に横書きで記入してください。

住所、氏名の記載位置は封筒の継ぎ目が裏面にあるか否かによって異なります。

継ぎ目が裏面にある場合は、継ぎ目を挟んで右側に住所、左側に会社名や氏名を記載します。

継ぎ目が裏面にない場合は、どちらも左側に寄せて記載しましょう。

送付した日付は裏面の左側上部に記載します。

封じ目は、「〆」「封」「緘」のいずれかを封の中央に記載してください。

請求書の封筒への正しい入れ方

請求書を折りたたんで封筒に入れる際は、請求書を開いた際に「請求書」と書かれたタイトルの面が一番上になるように、印字されている面を内側にして折りたたみます。

封筒に入れる際は封筒を裏返し、「請求書」と書かれた面が一番上になる向きで入れましょう。

請求書の送り方

請求書を送る方法は郵送、FAX、メールに添付の3種類があります。

郵送の場合は信書のため、宅急便の利用は控え、左上に切手を確実に貼ってください。

FAXでの送付は取引先から承諾を得た場合に使用しましょう。FAXは急ぎの場合のみの使用にとどめ、その際にはFAX送信後に確認の電話を入れ、後日あらためて郵送しましょう。

メールでの送付に関しても、事前に取引先からの承諾を得てください。その際にCCを含めて宛先を伺っておくとスムーズです。請求書は文面ではなく、PDFとして添付する形で送付しましょう。送信後に改めてメールで送信した旨を連絡するようにしてください。

困ったときはミツモアのプロに相談しよう!

いかがでしょうか。フリーランスになられたばかりの方にとって、はじめての請求書作成は戸惑うことも多いでしょう。本記事が円滑な請求の手助けになれば幸いです。なお、見本の請求書はGoogleスプレッドシートでも簡単に作成できますので、参考にしてみてくださいね。

また、こちらの記事ではミツモアに登録している税理士の紹介と、依頼に必要な費用や選び方を解説していますので合わせてご確認ください。>>個人事業主にお勧めの税理士55選と税理士の選び方

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