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ヒューケラってどんな植物?人気の種類や育て方、楽しみ方も紹介

最終更新日: 2022年07月13日

ヒューケラという植物を聞いたことがありますか?

ガーデニング好きには人気が高く、育てやすい植物として評判です。

特にバリエーション豊かな葉の色は、観賞用として優れています。上手な育て方やアレンジ方法を解説していきます。

ガーデナーに人気のヒューケラとは

ヒューケラ

ヒューケラはガーデニング好きに人気のある植物ですが、どのような植物なのか、基本的な情報を紹介していきましょう。

ヒューケラの基本情報

植物名 ヒューケラ
学名 Heuchera
科名 / 属名 ユキノシタ科 / ヒューケラ属
原産地 メキシコ北部~アメリカ南部
開花期 5~7月
花の色 赤、白、ピンク他
草丈 品種により20~80cm
特性 寒さに強い

ヒューケラはユキノシタ科ヒューケラ属の植物で、和名を「ツボサンゴ」といいます。

多年草で寒さに強いので、毎年冬のあいだも花壇やお庭を彩ってくれます。

ヒューケラの特徴はなんといっても多彩な葉の色です。緑色だけでなく、オレンジや黄、赤、斑入りの品種もあります。

日陰でも育ちやすい性質を持つため、ガーデニングに慣れていない人でも育てやすい植物ですよ。

花言葉は「辛抱強さ」「恋心」「繊細な思い」「きらめき」です。日陰で辛抱強く育つ姿、小さく可憐な花を咲かせる姿からつけられたのでしょう。

花びらに見える部分は萼片(がくへん)

ヒューケラの花
ヒューケラの花

ヒューケラは5~7月にかけて花を咲かせますが、花びらのように見える部分(写真の赤い部分)は、実は萼片(がくへん)と呼ばれる葉が変化したものです。

実際は、赤い萼片の真ん中にある白い部分が花なのです。

萼片や花の色は品種によって異なるので、好みに合う色の品種を探してみてくださいね。

ヒューケラの人気品種

ヒューケラにはさまざまな種類がありますが、その中から特に人気が高いものを紹介しましょう。

ドルチェシリーズ

寒さにも暑さにも耐えることができ、1年を通じて楽しめます。

葉色のバリエーションが豊富で、寄せ植えをすると空間をおしゃれに彩ることができる品種です。育てやすさと相まって、ヒューケラの中でも高い人気があります。

ドルチェシリーズのラインナップは多く、主に葉の色から連想できるスイーツの名前が付けられています。たとえば鮮やかな緑色の「フローズンマスカット」や、くっきりした赤色の「チェリーコンポート」黒っぽい紫の「ブラックベリータルト」光沢のある深い赤茶の「ビターショコラ」などです。

色合いがさまざまなので、ドルチェシリーズで寄せ植えしてもよいでしょう。

【紫】フォーエバーパープル

光沢のある濃い紫色の葉が特徴の品種です。季節で葉の色が変わりにくいため、長い間紫色の景観を楽しめます。

花の色は白やピンクで、春から夏にかけて開花します。

花茎は40cmほどで、艶のある紫色の葉と相まって気品のある印象です。

他のヒューケラと比べて暑さや湿度に耐性があり、育てやすい品種といえるでしょう。

「恋心」などロマンチックな花言葉がある点も魅力のひとつです。

【赤】ファイヤーチーフ

草丈は40cm前後です。

ワインレッドの葉が美しく、株が育つにつれて赤みが強くなっていきます。

赤い茎とガクの先に白い小花を咲かせるので、開花時期である晩春~初夏には色のコントラストが楽しめるでしょう。

夏と冬には葉がブロンズ色に変化します。

【オレンジ】キャラメル

その名のとおり、キャラメル色の葉をした品種です。葉が大きく、きれいな形をしています。

葉が春にはオレンジ、夏になると黄みががって、秋から冬にかけてブロンズ色に紅葉するなど、一年を通して色の変化が楽しめます。

丈夫な品種なので日陰のシェードガーデンにも植えやすく、花壇を彩ってくれることでしょう。

【ライム】ライムリッキー

黄金のように華やかな葉の色をした、新しい品種です。

晩春から初夏にかけて咲く白い小花は、ライムグリーンの葉によくなじみ爽やかな見た目を楽しむことができます。

ヒューケラは濃い葉色の品種が多いので、明るい葉色のライムリッキーはヒューケラ同士の寄せ植えでも大変魅力的なアクセントになるでしょう。

【グリーン】パリ

草丈は35cm程度で花も低くつき、株はコンパクトにまとまる品種です。

ヒューケラには珍しい四季咲き種で、初夏、夏、初秋と繰り返し花を咲かせてくれます。

鮮やかな緑色の葉にシルバーの斑が入っており、赤い大輪の花との対比はとても見ごたえがありますよ。

【ブロンズ】ミッドナイトローズ

銅のような色をした葉に、ピンクの斑が入っている品種です。

葉が大きくなるほど斑も目立ち、寄せ植えの際にアクセントとして活躍してくれます。

ほかのヒューケラよりも草は小ぶりで、黄色がかった茶色い花を咲かせます。

ヒューケラの中では比較的新しい品種で珍しい模様の入り方をしているので、ひと味違ったヒューケラを求めている人におすすめです。

ヒューケラの販売時期

ヒューケラ

ヒューケラは品種によって、2月下旬~6月中旬、9月上旬~11月月下旬に出回ります。

全国の園芸店やホームセンターで買うことができますよ。

3号ポットであれば500円台から、寄せ植えのセットだと数千円で販売していることもあります。目的に合わせて購入するとよいでしょう。

育て方のポイント

ベランダ ガーデニング

ヒューケラを育てる際にはどのような点に気を付ければよいのでしょうか。環境面や管理面の他、増やし方についても解説しましょう。

日当たり・用土・水やり

ヒューケラは耐陰性のあるものが多く、日陰でも育ってくれます品種にもよりますが、日差しが強い季節だと、日なたに置くことで葉が焼けてしまうこともあるため、夏は日陰で管理しましょう

ただし光があまりに届かない場所では開花しにくくなる恐れもあります。半日陰の場所がよいでしょう。

用土は、水はけのよいものを選びます。庭植えであれば堆肥を混ぜた土を使い、鉢植えであれば赤玉土、鹿沼土、腐葉土を4:3:3の配合土が適しています。

水やりは、用土が乾いたタイミングで適宜与えましょう。根がしっかり張るまでは、乾燥に注意して湿り気をキープしておくとよいでしょう。

植え付け・植え替え

植え付けの時期として適切なのは3〜4月です。10月前後の秋口にも植え付けできます。どちらの場合も暑すぎず寒すぎずといった気候のタイミングで植え付けるのが適しています。

植え付けは苗を浅めに植えるのがポイントです。種から育てることもできますが、サイズがとても小さく、なくす心配があるため注意しましょう。

植え替えは庭植えか鉢植えかでペースが変わります。庭植えであれば3〜5年に1度でよいでしょう。鉢植えの場合は1年に1回のペースで植え替えを行います。

植え替え時期は夏以外が適していますが、植え付けと同様、春や秋に行うと育ちやすくなるでしょう。

肥料

肥料は、春先と秋に1回ずつ与えましょう。

株元に粒状の緩効性肥料をまいておくか、液体肥料を10〜15日に1回ほど水やりのように与えるかどちらかを選びます。

夏越し・冬越し

ヒューケラは強い日差しが苦手です。夏のあいだは半日陰に移動させてあげるか、日陰を作ってあげるかするとよいでしょう。

一方で寒さにはとても強いので、冬越しのためにすることは特にありません。雪が降っても葉をつけたまま冬を越すことができます。

剪定・花がら摘み

傷んでいる葉や花びらは、見つけ次第摘むようにしましょう。見栄えをよく保つためにも、病気防止のためにも大切な作業です。

終わった花は茎の根元から切っておくと、その分の栄養をほかに回すことができます。

病害虫

ヒューケラは病害虫に強いのであまり気にする必要はありませんが、うどんこ病やカイガラムシに注意しましょう。

うどんこ病は葉が白いカビで覆われてしまう病気です。湿気が多くなる梅雨の時期に発生しやすいので、風通しや水はけに気を付けましょう。

カイガラムシは、幼虫を見かけたら薬剤の散布などで対応します。

増やし方の主流は株分け

挿し木

ヒューケラを増やしたい時は、株分け挿し芽、品種によっては種まきなどの方法があります。成功率が高く、よく使われている方法は株分けです。

  • 株分けの方法

成長したヒューケラを掘り起こし、芽が分かれている株元を切り分けましょう。次に鉢植えか庭植えに株分けします。切り分ける際は手やナイフなどを使います。ただしナイフは根っこ部分を痛めてしまわないよう注意が必要です。

株分けの手順を説明している図解

関連記事:株分けで植物の生育環境を改善!適した時期やタイミング、方法を紹介|ミツモア
  • 挿し芽の方法

株元から3cmほどのところを切ります。切り口に水苔を巻いたら、ポットに挿しましょう。1カ月ほどで根っこが張ってきますので、鉢や地面に植え替えます。

  • 種まき

原種のヒューケラは種まきで増やすことができます。種はとても細かい粒のため、種まき専用の細粒用土を使いましょう。発芽するまでは乾かさないように気をつけます。

ヒューケラが枯れてしまう原因は?

ヒューケラ

「育てているヒューケラの元気がない、なんだか枯れてしまいそう…」

そんな時、まず気になるのが原因ですよね。ここではヒューケラが枯れてしまう原因を解説していきます。

当てはまるものがあれば改善し、元気になってくれることを祈りましょう。

枯れる原因①:風通しが悪い

ヒューケラは、風通しの悪さが原因で病気や害虫の被害に遭ってしまうことが最も多いです。

寄せ植えをするにしても、株と株の間が狭くなりすぎないようにしましょう。密集しすぎていると、大きく成長してくれません。

また地植えの場合でも3年に1度は掘り起こして、株分けや植え替えを行ってあげましょう。

枯れる原因②:水やりが多すぎる・少なすぎる

ヒューケラは水やりが足りないと、葉先が傷んで枯れてしまったり、花茎が成長しなかったりします。

夏場は水のあげ方にも注意が必要です。日中に水をあげる・葉の上から水をあげると土中や葉が蒸れる原因になるので、夏は涼しい早朝か夕方に根元から水を与えるようにしましょう。

また、水をあげすぎると根腐れを起こしてしまうので気をつけましょう。

枯れる原因③:夏の直射日光にあたっている

夏の強い日差しにあたっていると、葉焼けや株全体の色褪せの原因になります。

鉢植えなら、夏の間は半日陰に移動させてあげましょう。

ヒューケラの楽しみ方!寄せ植えやグランドカバーなど

ヒューケラとピオラの寄せ植え

ヒューケラは、寄せ植えとして観賞したり、アレンジメントを工夫したりと、色々な楽しみ方があります。具体的に見ていきましょう。

庭の花壇や鉢での寄せ植え

ヒューケラは寄せ植えに使う植物としてとても人気です。

ヒューケラとほかの花を一緒に植える場合はヒューケラが脇役になるようにし、主役となる花はヒューケラよりも背の高い花を選ぶとよいでしょう。

下の写真は、花壇での寄せ植えの一例です。

ヒューケラ カッサンドラ ピスタチオ キャラメル
ヒューケラ3種類の寄せ植え(カッサンドラ・ピスタチオ・キャラメル)
ヒューケラの寄せ植え(ビオラ・ノースポール・オダマキ)
ヒューケラを使った寄せ植え(ビオラ・ノースポール・オダマキ)

また日陰か日なたかによって相性のよい植物は変わります。

たとえば日陰であれば、同じく耐陰性がある「シュウメイギク」「ギボウシ」などを使うとよいでしょう。

反対に日なたの場合は、「シクラメン」など茎先に花が付くタイプがおすすめです。

関連記事:シュウメイギクで秋の庭を華やかに!栽培環境や育て方のポイント|ミツモア
関連記事:「ギボウシ」とはどんな植物?種類や栽培環境、育て方のコツを紹介|ミツモア

▽また、一緒に花壇を彩る宿根草を探している方はこちらも参考にしてみてくださいね。

関連記事:毎年花咲く宿根草を庭や花壇で楽しもう!おすすめ品種や育て方の3つのコツも紹介|ミツモア

グランドカバーとして

ヒューケラはグランドカバーとしても役立つ植物です。

グランドカバーとは、花壇や通路の土が見えている部分を覆うように茂り、地面を隠すために植える植物のことです。

花壇の見た目がぐんとよくなるだけでなく、雑草防止にもなってくれます。

ヒューケラだけをグランドカバーに利用するのもよいですが、こちらもほかの草花と組み合わせるとより華やかになりますよ。

関連記事:グランドカバーにおすすめの植物16選!植えてはいけない植物も紹介|ミツモア

切り花やハンギングバスケットなどにも

ヒューケラは、寄せ植え以外にさまざまなアレンジメントが可能です。切り花として楽しむ場合には、小ぶりな花が和風の空間にも洋風の空間にもマッチしてくれます。

ヒューケラの切り花・花瓶
花瓶に生けられたヒューケラの切り花

ヒューケラのカラフルな葉を生かして花瓶に葉を挿す、インテリアとして並べてみるなどの楽しみ方もできます。

生け花などの花あしらいを楽しみたい場合は、小さめの瓶にヒューケラを入れ、サイズが大きめの花を一緒に入れることでバランスが整うでしょう。

また、ヒューケラだけでハンギングバスケットにしてみてもよいでしょう。さまざまな葉色があり耐寒性も高いので、屋外のベランダやフェンスなどに掛けても1年中鮮やかな色合いが楽しめるのが魅力です。

ヒューケラのハンギングリース
ヒューケラのハンギングリース

ヒューケラに似た植物・ティアレア

ティアレア

ヒューケラに見た目や性質がよく似た植物に「ティアレア」があります。

別属の植物ですが、近年ではヒューケラと交配させた品種が「ヒューケレラ」という名前で流通しています。

ヒューケレラ
ヒューケレラの葉

カラフルで魅力的な葉を楽しもう


ヒューケラは、耐陰性がありガーデニング初心者でも育てやすい植物です。種類によって葉の色がまちまちで、寄せ植えやアレンジメントに幅を持たせることができます。

水やりや置き場所、植え付け時期などの大事なポイントさえ押さえておけば、丈夫で手がかかりにくく、安定して成長してくれるでしょう。

カラフルなヒューケラに魅力を感じたら、育てる楽しさとアレンジメントの楽しさ、両方をぜひ味わってみてはいかがでしょうか。

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