ガラスは一見するとどれも同じように見えますが、種類によって特徴が異なります。
防犯性を高めたり断熱効果により省エネを目指せたり、ガラスにより快適な居住空間になるのです。ガラスの種類や特徴を理解し、目的に合わせたガラスを選びましょう。
ガラスの基本的な知識
そもそもガラスにはどのような役割があるのでしょうか。外の空間と分けるだけではなく、室内で快適に暮らせるようにさまざまな役割を持っているのです。まずはガラスの役割を確認しましょう。
ガラスの役割
窓ガラスは単に外の空間を分けるだけではなく、室内に太陽光を取り入れる役割があります。ガラスがあることで自然採光を取り入れ、室内を明るくできるのです。
窓ガラスを設置することにより、室内の風通しをよくする役割もあります。近年は24時間換気が義務付けられているものの、窓を開けて外気を交換することで、湿気を逃がしたり臭いを排出したりするのです。
室内にいながら外の景色を眺めることもでき、窓の大きさによって解放感も得られます。
他にも防犯性や断熱性を高めるなどの機能性を持ったガラスを採用することで、より理想の居住空間を作れるでしょう。
ガラスの枚数による違い
1枚でできた単層ガラスから、2枚の複層ガラス、5枚で構成された5層ガラスまであり、使用するガラスが増えるほど断熱性能が高くなります。
単層ガラスは断熱性が低く、外の気温が室内に伝わることで結露しやすい難点があり、現在の新築住宅にはあまり採用されていません。
複層ガラスや3枚重なったトリプルガラスは、各ガラスの間にある空気の層や高性能ガスが、熱を通しやすい窓ガラスの断熱性を高めています。
一般的なガラスの種類
ガラスの役割が分かったところで、次はガラスの種類を見てみましょう。種類によってガラスの持つ特徴や機能に違いがあるため、目的に合わせたガラスを選ぶことが大切です。
フロート板ガラス
フロート板ガラスは窓ガラスに最も使用されており、透明度も高く平らで滑らかな性質です。ゆがみが少ないため、テーブルの天板や水槽などにも使用される人気の高いガラスです。
フロート板ガラスはガラス特有の青みが特徴で、高級感を得やすいガラスといえます。価格が安く加工しやすいことがメリットですが、窓ガラスとしては一般的な雨風をしのぐという役割のみです。
型板ガラス
型板ガラスはガラス面に刻んだ型模様によって、視界を遮る目的で使用されるガラスです。トイレや浴室、室内の間仕切りなどに採用されます。
片面がボコボコした型模様、もう一方がツルツルしたガラスになっていることが特徴です。型模様は「霞(かすみ)」や「梨地(なしじ)」といった種類があり、好みに合わせてデザインを選べます。
ただしボコボコした部分は汚れがたまりやすいため、小まめに清掃をする必要があるほか、耐久性はあまりないタイプです。
網入り板ガラス
網入り板ガラスとはガラスを作る際に金網を入れた防火ガラスのことで、火災が起きたときにガラスが飛び散らないように設計されています。
主に防火設備が必要と法律で定められた、ガソリンスタンドや飲食店、マンションなどの建築物に使用されており、火災の際に延焼を防ぐ役割も担っているのです。
網入り板ガラスには透明タイプと不透明タイプの2種類があるため、使用する場所に合わせたガラスを選びましょう。
また網入り板ガラスに入っている金網は防犯性を高める役割はないので、防犯性を高めたい場合は他のガラスを選択する必要があります。
さまざまな機能を持ったガラスの種類
ガラスの中には特殊な機能を持ったものもあり、一般のガラスでは得られない効果があります。それぞれどのような機能を持っているのか見ていきましょう。
強化ガラス
強化ガラスとはフロート板ガラスに650~700℃近くの高熱を加えて、強度を3~4倍にしたガラスのことです。強度を上げたことで、急激な温度変化への耐熱性も高くなっています。
一般的なガラスは衝撃が加わった際に大きく鋭く割れますが、強化ガラスは細かい粒状に割れるため「安全ガラス」とも呼ばれています。ただし粒状であってもケガをしない訳ではないので、注意しましょう。
また強化ガラスは特殊な器具を使用すれば簡単に割れることから、防犯性は高くありません。
合わせガラス
合わせガラスとは2枚のガラスの間に、中間膜と呼ばれる破れにくいフィルムが挟まれたガラスのことで、衝撃が加わりガラスが割れても飛び散らない設計になっています。より安全なガラスを使用したい人に、おすすめのガラスといえるでしょう。
また中間膜を厚くすることで防犯性や防災性、防音性を高められ、台風や豪雨といった自然災害への被害も抑えやすくなったり、不審者の侵入を防ぎやすくなったりと、より安心できる住宅環境を整えられます。
合わせガラスに使用されている中間膜はUVカット性能も併せ持っており、人体を紫外線から守るだけではなく、家財の日焼け予防対策にも効果的です。
Low-Eガラス
Low-E(ローイー)ガラスとはガラスの表面をLow-Eと呼ばれる金属膜で加工したガラスのことで、主に複層ガラスとして使用されることが一般的です。
Low-E膜は紫外線や赤外線をカットする役割を持ち、夏の日差しを遮断したり、冬の暖められた室内温度を維持したりと、快適な移住空間を実現します。Low-Eガラスを使用すると冷暖房を必要以上に使わなくて済み、省エネにつながるでしょう。
より機能的な窓ガラスを希望するなら、一般的な複層ガラスよりもLow-Eガラスを使用した複層ガラスがおすすめです。
その他ガラスの種類
特殊なガラス以外にも無色透明な高透過ガラスや、鏡のように反射する熱反射ガラス、高断熱な真空ガラスもあります。それぞれどのような特徴があるのか見てみましょう。
高透過ガラス
高透過ガラスとはフロート板ガラスのように、ガラス特有の青みがないガラスのことで、無色透明なのが特徴です。フロート板ガラスは厚みが増すほど青みが強くなりますが、高透過ガラスは厚みが増してもほぼ無色透明なままです。
そのためガラスの中が見やすく、ショーケースやショーウィンドウといった展示場所で使用されます。色味が邪魔しないので、展示物本来の色を確かめやすいガラスだといえるでしょう。
特に美術館や博物館といった貴重な展示物を飾る場合は、防犯性を高めるために厚いガラスを使用することから、透明性の高い高透過ガラスが採用されます。
熱反射ガラス
熱反射ガラスとは表面に薄い金属膜をコーティングしたガラスのことで、太陽光を鏡のように反射することで、室内の気温を上昇しにくくする役割があります。室内の温度が上昇しにくいと、冷房の使用を抑えることができるためエコにもつながります。
熱反射ガラスは鏡のように反射する金属膜を使用しているため、室外から室内の様子を確認できません。そのためプライバシー保護の目的で使用することも可能です。ただし反射率は種類によって異なります。
真空ガラス
真空ガラスとは、複層ガラスの間が真空状態になっているガラスのことで、一般的な単層ガラスと比較すると約4倍、複層ガラスと比較しても約2倍もの断熱性を有しています。
魔法びんの原理と同じく真空状態だと熱を伝導しにくいため、夏は外の温度が室内に伝わりにくく、冬は室内の暖かい空気が外に逃げにくくなっています。
外気の影響を受けにくいので熱伝導によって生じる結露の発生を大幅に抑えることができ、カビの発生を抑える役割も期待できるでしょう。
業者に依頼する際の費用
ガラス交換にかかる費用は業者によって異なるため、しっかりと見極めてから依頼することが大切です。またガラスの種類や大きさなどによっても費用は変わることから、事前の見積もりは必須といえるでしょう。ここからはガラス交換にかかる費用や、業者を選ぶ際のポイントを紹介します。
ガラス交換費用の相場
ガラス交換にかかる費用はガラスの種類や大きさ、厚さによって異なります。特に厚さが異なると費用も大きく変化するため、事前に確認しておくと安心です。
以下はガラス1枚当たり90×90cm、厚さが3〜6mmほどを想定した交換の相場です。
ガラスの種類 | 費用(大きさが90×90cmの場合) |
フロート板ガラス | 8,000~20,000円 |
型板ガラス | 8,000~20,000円 |
網入り板ガラス | 20,000~35,000円 |
強化ガラス | 40,000~50,000円 |
Low-E複層ガラス | 30,000~60,000円 |
複層ガラス | 30,000~50,000円 |
こちらのガラスの金額に、交換に関して施工費用がかかります。施工費用は1枚当たり12,000〜15,000円が相場となっており、やや割高に感じるかもしれません。しかし、ガラスの交換には危険が伴うため、このような値段設定になっているのです。
業者を選択する際は相見積もりを業者に依頼する際は、複数の業者に見積もりを依頼しましょう。複数の業者に依頼すれば料金やサービス内容を比較できるため、妥当な金額を把握しやすくなります。
また料金を比較する際は、何にいくらかかるのかを確認しておくことが重要です。ガラスの交換費用はガラス代や交換施工費、出張費の三つから構成されることが多く、業者によっては廃材処分費用や副資材費なども追加されます。
極端に安い業者を選んだ場合、契約後にオプションとして追加費用が発生することもあるので、事前に金額の内訳を確認することが大切です。
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ガラスを交換してより快適な暮らしに
ガラスは外の空間と分けるだけではなく、防犯性や防災性、断熱性などの役割も担っています。目的や希望に応じたガラスを選ぶことで、より居住性が高まるでしょう。
ガラス交換にかかる費用はガラスの種類や大きさ、厚さによって大きく異なります。業者によっても費用に違いが生じるため、事前に複数の業者から見積もりをもらって料金やサービス内容を比較しましょう。
性能の高いガラスを採用して、より快適な室内空間を目指しましょう。
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