新しく家を建てる場合やリノベーションする場合などは、設置するレンジフードの高さに注意する必要があります。設置できる高さには決まりがあるため、規則の範囲内で、料理をするときに使いやすいレンジフードの位置を知っておきましょう。
レンジフードの高さが重要な理由
レンジフードは賃貸物件に入居する場合は、すでに取り付けられているケースがほとんどでしょう。しかし家を新築したりリノベーションしたりする場合、新しく取り付けて「高さ」を決めなければならない場合もあります。
まずはレンジフードの高さの重要性について見ていきましょう。
低すぎると頭を打つ危険がある
レンジフードは料理をする人の身長を考慮し、位置を考えます。低すぎると頭をぶつけてしまう可能性があるからです。
また覆い部分が大きすぎる場合も、高さがあっても動き回りにくく、調理しにくいでしょう。厨房の広さに合った製品を選択することが大切です。
なおなかには本体が手前側に出っ張っているタイプのレンジフードもあります。掃除しやすいメリットがある一方で、前に出ている分ケガには注意が必要です。製品の形状も確認した上でぴったりの高さを選びましょう。
高すぎると換気能力が下がる
レンジフードの位置が低すぎると頭をぶつけてしまう可能性があるものの、逆に位置が高すぎても、うまく換気できなくなってしまいます。コンロからあまりに離れすぎている場合、コンロから発生した蒸気を吸い込む力が弱くなってしまうからです。
その結果、蒸気や煙が厨房中に広がってしまうことになるでしょう。油分の吸い込みも悪くなるため、壁が汚れてしまう原因にもなります。
コンロとレンジフードはただ単純に距離を開ければよいわけではありません。レンジフード自体の高さや奥行も計算に入れながら、適切な位置に設置する必要があります。
レンジフードはコンロから80cm以上100cm以下
法令によってレンジフードの高さには規定が設けられています。規定を満たしたうえで、料理をする人・洗い物をする人の身長を考慮して、使いやすい位置に設置しましょう。
調理機器から80cm以上離す
消防法ではレンジフードの位置は調理機器(コンロ)から80cm以上距離を空ける必要があると規定されています。位置が低すぎると、調理している人が頭をぶつけてしまう可能性があるだけでなく、前板部分が邪魔になって調理がしづらくなってしまうこともあるからです。
設置する際には単に規定を順守するだけでなく、使用者の身長や調理台の高さなども計算に入れなければなりません。
なお法令で規定されているのは、調理機器(コンロ)とレンジフードの吸い込み部分との距離です。本体の前板部分との距離ではありませんが、前板部分が低い位置にありすぎると燃えてしまう可能性もあるので、全体の形状も考慮しましょう。
最大距離は調理機器から100cmまで
建築基準法では調理機器(コンロ)からレンジフードまでの最大距離も100cm(1m)までと規定されています。それ以上離してしまうと、換気効率が落ちてしまうのはもちろん、使用する人がレンジフードの電源に届かなくなってしまう可能性もあるでしょう。
高すぎる位置だと掃除もしづらくなってしまいます。
特に厨房でIHコンロを使用している場合、ガスコンロよりも臭いが低い部分に溜まりやすい性質があるため、通常よりも少し低い位置に取り付けるといった調整が必要です。
レンジフードの高さを決めるときのポイント3つ
レンジフードの高さを決める際は、料理をする人・洗い物をする人の身長、設備との相性が重要です。
使う人の身長より高い位置に設置する
レンジフードは使う人の身長よりも高い位置に取り付けるのが基本です。前のめりになった際に頭をぶつけることはないか、電源スイッチに問題なく手が届くかどうかをチェックしましょう。
ただし高すぎても十分に換気ができないので、消防法に規定された範囲で、具体的にどの位置に設置すれば排気能力を損なわずに使用できるかを考える必要があります。
レンジフードの性能によっても換気能力が変わってくるため、使用者の身長よりも高い位置にすることを前提に、設置するレンジフードの能力も加味して最適な位置を探しましょう。
標準的なレンジフードと
吊戸棚とのバランスがとれているか
レンジフードは壁付け型や天吊り型など、さまざまなデザインがあります。形状は使用者の身長と厨房全体のデザインとの相性で決めることになりますが、吊戸棚が設置されている場合、そのバランスも考慮しましょう。
例えば吊戸棚が50cmならば、レンジフードの高さもそれに合わせて設置するとバランスがよくなります。消防法に規定された距離を満たしつつ、使用者が不便を感じない位置に設置し、できるだけ吊戸棚の高さと合わせましょう。
キッチンの高さも検討しよう
レンジフードの高さを決める場合、調理台の高さも重要です。日本の調理台の高さは約80~95cmが標準になっており、高さが合わないと食材を切ったり用意したりしづらくなってしまいます。
入居する住宅に調理台が設置されている場合は別ですが、新築やリフォームの場合はまず台の高さを決めてから、レンジフードの位置を決めましょう。
一般的にキッチンの高さは以下の数値を基準にしたほうがいいとされています。
- 身長÷2+5cm
- ひじの高さ-10cm
特に最近の主流は「ひじの高さ-10cm」を基準にする決め方です。これに沿ってキッチンを選ぶと身体への負担が軽減できるなどポジティブな点が多くあります。
調理台と高さと消防法で規定された距離、使用者の身長や吊戸棚の高さを考慮して、最適な高さを導き出す必要があります。
複数人でキッチンを使う場合は身長の高い人に合わせたほうがストレスなく利用できるので、参考にしてみてください。
毎日使うキッチンは体格に合ったものを選ぼう
レンジフードの位置が高すぎると換気効率が悪くなり、逆に低すぎるとレンジフードが怪我をしやすくなる恐れがあります。
法令で定められた距離を守りつつ、調理台の高さや使用する人の身長を考慮しながら決めなければなりません。レンジフード自体の形状も考慮しましょう。さまざまな点に配慮しながら、安全な厨房の設計を心がることが大切です。
キッチンの高さを決めてからレンジフードの長さを考慮すれば自然とサイズが決まってきます。
キッチンの天板の高さは80cm、85cm、90cmが主流。1からカスタマイズするつもりがなければ、この数字から逆算してみるのが楽かもしれませんね。
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