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個人事業主が廃業時に提出する書類一覧|廃業時の確定申告は必要?

最終更新日: 2019年12月23日

個人事業主が売り上げ不振時や、売り上げが順調に伸びて法人化する際に行う、廃業手続き。

営んできた個人事業のタイプによって、廃業手続き時に必要となる書類が異なるのはご存知でしょうか。

本記事では、個人事業主が廃業時にしなければならない手続きや提出書類の一覧を、書類の見本と共にご説明します。また、廃業後に確定申告が必要かどうかについてもお伝えします。

個人事業主が廃業する際の手続き&提出書類【見本付き】


個人事業主が廃業する際には、所定の書類を税務署や役所に提出する必要があります。手続きをしっかり行わないと個人事業を継続していると認識され、各種税金の納付書が郵送されてしまうので要注意です。

本項では、個人事業主が廃業時に提出するべき書類や、記入手順を見本と共にご紹介していきます。給与支払者かどうか、青色申告者かどうかによっても提出書類は異なりますので、自分が提出すべき種類をしっかり把握してくださいね。

個人事業主が廃業時に提出する書類一覧

個人事業主は廃業時に、以下の提出書類を提出する必要があります。

書類名提出期限対象者
個人事業主の開業・廃業等届出書廃業した日から1カ月以内
廃業をする全ての個人事業主
青色申告の取りやめ届出書廃業した翌年の3月15日青色申告をしている個人事業主のみ
所得税等の減額申請書廃業した年の7/1~7/15もしくは11/1~11/15予定納税をしている個人事業主のみ
事業廃止届出書廃業した日から一カ月以内消費税納税事業者のみ
給与支払事務所等の廃止届出書廃業した日から一カ月以内給与を支払っている個人事業主のみ

次からは、各書類について記入方法などを詳しく説明していきます。

「個人事業の開業・廃業等届出書」を提出

個人事業主が廃業する際は「個人事業の開業・廃業等届出書」を廃業後1カ月以内に、所轄の税務署へ提出しなければなりません。後ほどご説明する、消費税に関する届出書類の「事業廃止届出書」と混同しないようにしましょう。

個人事業の開業・廃業届出書【見本】出典:国税庁HP

記入方法

記入手順は、以下の通りです。

  • 「廃業」を選択。
  • 住所や氏名(事業者名)、マイナンバー番号を記入します。
  • 所得の種類にチェックをつけます。
  • 廃業事由を記入した上、事業を譲渡・引継ぎした場合は引継ぎ先の住所・氏名も記入してください。
  • 新規に法人を立ち上げる場合は、法人名・住所・代表者名の他、従業員を雇用する場合は人数や給与支払い開始日などを記入します。

青色申告している個人事業主は「青色申告の取りやめ届出書」を提出

個人事業主で青色申告をしている方は、以下の「青色申告の取りやめ届出書」を所轄の税務署へ提出する必要があります。

青色申告を取りやめる理由は、個人事業を廃業した旨を記載すれば平気です。

青色申告の取りやめ届出書【見本】出典:国税庁HP

記入方法

記入手順は、以下の通りです。

  • 住所や氏名(事業者の場合は屋号)を記入します。
  • 青色申告を取りやめる年度と承認を受けていた年度を記入してください。
  • 青色申告を取りやめようとする理由を記載します。「事業廃止のため」としておけば問題ありません。

予定納税者は「所得税等の減額申請書」を提出

所得税と復興特別所得税について、予定納税をしている個人事業主の方は、以下の「所得税及び復興特別所得税の予定納税額の減額申請書」を所轄の税務署へ提出すれば、納税額の減額や免除をしてもらえます。

廃業してすぐに前払いで税金を納めるのが厳しいのであれば、忘れずに提出しましょう。

なお、予定納税は7月と11月に分けて税金を前納する制度です。7月分の減額に関しては6月末までの、11月分の減額に関しては10月末時点での所得税額を計算する必要があります。

所得税及び復興特別所得税の予定納税額の減額申請書【見本】出典:国税庁HP

記入方法

記入手順は、以下の通りです。

  • 個人事業を営んでいた住所や氏名(事業者の場合は屋号)を記入しましょう。
  • 予定納税額(通知書に記載)を記入します。
  • 所得税額や控除額を記入します。国税庁のHPからダウンロードする書式に記入例があるので、参考にしてください。それでも分からない場合は、税務署で相談してみましょう。

消費税納税者は「事業廃止届出書」を提出する

消費税の課税事業者であった個人事業主は、以下の「事業廃止届出書」を提出する必要があります。非課税事業者だったなら、提出は不要です。

消費税の課税事業者とは「消費税課税事業者選択届出手続」を税務署に提出して、消費税の確定申告を行なっている方です。すべての個人事業主が消費税の課税事業者に該当するわけではありませんので、間違えないようにしてください。

事業廃止届出書【見本】出典:国税庁HP

記入方法

記入手順は、以下の通りです。

  • 住所や氏名(事業者の場合は屋号)、マイナンバー番号を記入します。
  • 事業廃止および、消費税納税事業者となった年月日を記入します。
  • 参考事項欄には「事業廃止のため」など、本書類を提出する理由を記入しましょう。

「給与支払事務所等の廃止届出書」の提出

従業員を雇っていた個人事業主の方は、「給与支払事務所等の廃止届出書」を、廃業してから1カ月以内に所轄の税務署へ提出してください。

給与支払事務所等の廃止届出書【見本】出典:国税庁HP

記入方法

記入手順は、以下の通りです。なお、「届出の内容及び理由」および「給与支払事務所等について」の項目は、廃業の場合は記載不要です。

  • 住所や氏名(事業者の場合は屋号)、マイナンバー番号を記入します。
  • 「開設・移転・廃止」のうち、「廃止」を選択します。

個人事業主の廃業にまつわる疑問

廃業にはいくつかの書類の提出や、手続きを行う必要があることは前述させて頂きました。

ここでは廃業にまつわる疑問について、詳しく紹介していきます。

廃業届を出さないとどうなる?

廃業届は法律上、廃業した日から1ヶ月以内に提出することになっていますが、罰則などはありません。

ところが廃業届を出さないと、税務署は廃業した事実確認ができないため、確定申告書類が送られ続けることや、青色申告をしている場合は青色申告が取り消されてしまう可能性があります。

一度青色申告を取り消されると、今後事業を再開させる際に再度青色申告ができなくなる可能性が出てくるのです。

また申告書の提出がなければ、税務署から問い合わせがくることもあるため、なるべく速やかに提出する方がいいでしょう。

個人事業主が廃業するのに良いタイミングは?

個人事業主が廃業する時期を選ぶとすれば、年末が良いでしょう。所得税の課税対象期間は毎年1月1日から12月31日までなので、年末に廃業すれば翌年分は確定申告をしなくて済みますし、手続きの漏れも防げます。

ただし、廃業後にもオフィス退去費用などがかかる場合は、年末より少し早めに廃業してもいいかもしれません。余分な賃料を払うことになりますし、年をまたいで廃業後の経費がかかると、翌年分の確定申告をする必要が出てきます。

廃業した後でも事業が再開できる?

廃業届と青色申告の取りやめ届出書を提出し、廃業している場合も再度手続きを行うことで事業を再開することは可能です。

その場合再度開業届を提出し、青色申告の申請を行いましょう。

ところが廃業した際に、青色申告の取りやめ届出書を提出していない場合は注意が必要です。

青色申告の取りやめ届出書を提出していないと、青色申告の承認が引続き有効であると判断されます。

もし2期連続で期限内に申告書の提出を行わなければ、青色申告の承認が取り消されてしまいます。

青色申告がいったん取り消されると、1年間は青色申告ができなくなり、赤字による繰り越しの適用も受けられなくなるため、注意が必要です。

個人事業主が廃業した年の確定申告は必要?


個人事業主が廃業しても、その年の確定申告が必要な場合があります。「個人事業を廃業したから、確定申告は必要だと思わなかった」と思い込みから無申告状態になってしまうことがないように、確定申告の義務があるのかよく確認してください。

個人事業主が廃業後に確定申告が不要なケース

実際に確定申告書を作成し、納税額が0円ならば確定申告は不要です。

ただし青色申告事業者の場合は注意が必要です。確定申告をしない場合は青色申告特別控除の65万円が使えません。65万円を控除して課税額が0円になるような場合は要注意です。

個人事業主が廃業後に確定申告が必要なケース

確定申告書を作成し、廃業した年の納税額が1円でもあれば、確定申告をする必要があります。個人事業の廃業時は確定申告は必要ないと決めつけず、「納税が必要なら確定申告をする」と覚えておいてください。

廃業後の費用を経費に落とせる「特例」とは

確定申告で経費算入するためには、事業で発生した費用と認められる必要があります。

つまり廃業後は事業を行っていないとみなされ、必要経費は計上できないと考えるのが妥当です。

しかし「事業を廃止した場合の必要経費の特例」を活用することで、廃業後であっても必要経費に算入することが可能になります。

「事業を廃止した場合の必要経費の特例」とは、事業所得不動産所得山林所得を得た場合に活用でき、税務署が認めたものについては、廃業後であっても経費として算入できる特例です。

なお経費として算入できるかどうかは税務署の判断に委ねられるため、あらかじめ確認しておくといいでしょう。

参考:国税庁 法第63条 事業を廃止した場合の必要経費の特例

個人事業主が廃業するときの注意点!

個人事業主が廃業する際は、いくつか注意すべき点が存在します。

会社員と異なり、個人事業主は社会保障も手薄になっているため、廃業の手続きを行う際は慎重に取組む必要があります。

以下で詳しく見ていくことにしましょう。

個人事業主が廃業しても失業保険は出ない

会社員の場合は雇用保険に加入しているため、失業した際に失業保険を受け取ることができます。

失業保険を受給するためには、退職前の2年間に雇用保険の被保険者となっていた期間が12ヶ月以上ある必要があります。

ところが個人事業主は、会社員と異なり失業しても雇用保険が受給できません。

会社員に比べ、失業した際の収入が不安定になってしまうのも個人事業主のデメリットの1つです。

ただし個人事業主であっても、事業開始前に雇用保険の受給資格を有し、所定給付日数が残っている場合は、廃業届を出すことで受給できることもあります。

自分が失業保険の受給資格があるかを確認するためには、お近くのハローワークに問い合わせるといいでしょう。

事業を再開させるなら「休業」も選択肢に入れる

一時的に廃業し、しばらくしてから事業を再開する可能性がある場合は、「休業」という選択肢も可能です。

休業のメリットは廃業時にかかる費用や手間がかからないことと、事業再開時に引続き青色申告ができる点です。

ただし休業で青色申告を継続させるためには、毎年確定申告を行わなければなりません。

2期連続で確定申告を行わなければ、青色申告の承認が取り消されてしまう可能性もあるため注意が必要です。

債務が残っている場合の対処法

借金が残っている場合、個人事業主はそのすべての責任を負います。

そのため廃業したとしても、残った借金を背負い続けることになるのです。

借金が残った場合の対処法は「自己破産」と「分割払い」の二つの方法があります。

まず自己破産ですが、裁判所に破産の申し立てを行い、残った借金や個人保証を法的処理で対応します。

しかし破産手続きの際には、破産申し立てで50万円、裁判所への予納金で50万円が必要であるため、あらかじめお金を用意しておく必要があるのです。

そしてもう一つの分割払いは、銀行などに交渉して借金を分割払いにしてもらう方法です。

通常の返済ではなく分割払いにする際、代位弁済となり債権が銀行から保証協会へ移されます。

それ以降は新たな債権者となった保証協会との交渉となるのです。

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