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税務調査までに万全の準備を|必要書類や整理すべきものを徹底解説!

最終更新日: 2024年06月28日

初めて税務調査の連絡が来た、または対応する予定の個人事業主も皆さまは、「必要書類は何?」「何を準備しておくべきなの?」と戸惑うことでしょう。

そこで今回は税務調査に際に必要な書類や整理すべきもの、事前の準備についてご紹介します。余計な罰金を払わないための対策についてもお伝えしますので、ぜひ最後までご覧ください。

税務調査の事前通知について

税務調査前には一般的に事前通知があります

多くの場合は税務調査前に事前通知がありますが、事前通知がない場合もあります。

もし事前通知がなかった場合にも、冷静に対処するために事前通知がどんなものかあらかじめ知って起きましょう。

ここでは、具体的に事前通知がいつ行われるか・通知の内容・事前通知のない時の対処方法を見ていきましょう。

事前通知は何日前ごろに来る?

税務調査の事前通知は、一般的に2週間〜3週間前に担当者から原則電話により口頭で伝えられます。

原則納税者本人に通知が来ますが、納税者の同意があり「税務代理権限証書」という書類が提出されている場合には、納税者の顧問税理士に通知を行います。

通知が来たら、関係書類の整理や税理士との打ち合わせなど、やるべきことがたくさんあるので早めに準備に取り掛かりましょう。

事前通知で伝えられること

事前通知の内容は以下の11項目と改正国税通則法によって定められています。通知の電話があった際は内容をしっかりメモしておきましょう。

  1. 調査を行う旨
  2. 開始日時
  3. 場所
  4. 目的
  5. 対象になる税目
  6. 対象期間
  7. 対象となる帳簿などの書類
  8. 納税者の氏名と住所
  9. 調査担当者の氏名と所属
  10. 2と3は変更が可能であること
  11. 4〜7で通知がなかった時も「非違が疑われる事となった場合」は調査ができる旨

調査の時間や日数は状況に応じて変わってきますが、1〜2日間が多いです。

事前通知は法律で何日前と定められてはいませんが、準備ができるよう時間的余裕が配慮され、日程調整も可能です。日程を変更しても調査結果に影響はありません。

事前通知はない場合もある

税務調査では以下のような場合は事前通知を行わないこととしています。

違法又は不当な行為を容易にし、正確な課税標準等又は税額等の把握を困難にするおそれがある

その他、調査の適正な遂行に支障を及ぼすおそれがある

税務調査には任意調査と国税局査察部(通称マルサ)が行う強制調査があります。強制調査は大規模な脱税の事案に対して行われますので、一般的には事前通知をともなう任意調査が多く行われています。

ただ、小売業など現金商売している業種については、POSレジ等を導入していない場合、売上の根拠となる証憑がメモ書き等で残されているため、容易に資料を改ざん・廃棄し証拠の隠滅を図ることが可能であると考えられます。そのため、事前に通知されることなく、担当の調査官が来た際に、調査目的や調査の対象期間が告知されることもあるのです。

事前通知がない場合でも、税理士の立会いを求めることはできるので、来るまで待ってもらいましょう。税務調査はあくまで「任意調査」であり、納税者の同意を得て初めて行われます。強制調査の場合は別ですが、任意調査の場合、調査官は納税者の許可なく帳簿書類等を閲覧する権限はありません。

税務調査に必要な書類は?

相続税の税理士基本報酬
税務調査に必要な書類は何?

税務調査では、書類をきちんと揃えておくことが重要なポイントになります。

準備ができていると早く調査を終わらせることができますので、必ず当日までに必要書類を揃えておきましょう。見られやすい箇所や用意しておく書類・領収書等の保存期間について確認していきましょう。

税務調査で見られるポイント

税務調査で見るポイントは売上を過小に計上し経費を過大に計上することで、利益を小さくした結果として払う税金の金額が過小になっていないかという点になります。主に見られやすいポイントは以下の5つになります。

売上の計上漏れ
売上に計上漏れがないかチェックします。
漏れがあった時は、意図的なものかミスなのかを問われます。
売上の計上時期
売上として計上されている時期が適正かをチェックします。
売上を翌期に繰り延べていないか確認します。
在庫の計上漏れ
仕入と在庫が合っているかの確認です。
本来在庫に計上すべき仕入を過大に計上することで、在庫額を小さく計上していないか確認します。
人件費に不備がないか
架空の人件費が無いか、給与計算が合っているかをチェックします。
人件費は不正が多い部分ですので、入念に調べられます。
交際費の使い道 私用の飲食代などを交際費としてカウントしていないかの確認です。

これらのことを確認するためには、どのような書類が必要なのでしょうか?続いては具体的な必要書類について見ていきましょう。

準備しておく必要書類

事前通知の電話で、担当調査官から「この書類を準備しておいてほしい」と具体的に言われることもありますが、触れられない場合もあります。一般的に準備しておいた方が良いとされている書類をご紹介します。

基本的に3年〜5年分の書類が調査対象となりますが、脱税の疑いがあるなど税務署が悪質と判断した場合には、最大7年間分が調査の対象となることを頭に入れておきましょう。データをPCに保存している場合には調査担当者がその内容をディスプレイの画面上で確認できる状態にする必要があります。また資料の提出を求められた場合にはプリントアウトしたものを提出する必要があります。

売上の計上漏れ・計上時期を調査される際には以下の書類が必要になります。

  • 見積書
  • 請求書
  • 受注書
  • 契約書
  • 領収書
  • 出荷確認表(運送会社送付状控え)
  • 役務提供を確認できる書類
  • 売上管理表(仕入台帳)
  • 債権・債務管理表

在庫の計上については以下の書類を用意しておきましょう。

  • 請求書
  • 納品書
  • 発注書
  • 領収書
  • 在庫明細表(在庫管理表)、棚卸表

人件費関係の書類は以下の通りになります。

  • 労働者名簿
  • 勤怠管理表
  • 給与明細
  • 源泉徴収票
  • 年末調整書類(従業員がいる場合)

領収書などの保存期間

基本的に帳簿類は7年間、その他の書類は5年間と覚えておきましょう。

白色申告の場合と、青色申告の場合で保存期間の規定が少し異なりますので、分けてみていきましょう。

白色申告の場合

法定帳簿は7年間保存、納品書や領収書などのその他の書類は5年間保存になっています。

青色申告の場合

損益計算書等の正式な帳簿類や決算書類、取引関係の書類の保存期間は7年間です。領収書や預金通帳も原則7年間ですが、前々年所得が300万円以下の場合は5年間です。見積書や納品書などのその他の書類は5年間とやや短めに設定されています。

基本的に領収書がないと経費としてカウントされませんが、紛失してしまった場合はメモで日付・金額・購入先を書いておくと領収書代わりになるケースもあります。

税務調査の調査対象期間は3年が多く、見られるのも3年分ですが普段から整理していざという時に備えておきましょう。

税務調査までに整理しておきたいもの

実はこんなものまで見られるんです!

事前に整理整頓しておくと税務調査がスムーズに進み、調査官の印象もよくなります。

不要品は処分し、帳簿類は調査前日までの処理が終わっている状態にしておきます。メモや付箋も確認されますので注意しましょう。

パソコン内のデータ

こんなとこまで!?とお思いの方もいらっしゃるかと思いますが、パソコン内のメールやデータも確認されることがあります。

これは主に書類作成の日時を確認するためです。見られたくないプライベートな内容のものは削除するか、データを移行しておきましょう。

机の引き出しや書棚・金庫など

計上されていないものは未開封の状態であることや、備品の使用状況について確認しておきましょう。

パソコン内のデータも含め、担当調査官に無理やり見られることはありませんが、プライベートなものが入っていると調査の邪魔になりますので整理しておくことをおすすめします。

税務調査に不安を感じたら税理士にご相談を!

以前に税務調査で問題がなかったとしても、税務調査ではとにかく調査官に悪い印象をもたれないことが重要です。

帳簿付けに自信がなかったり、税務調査が心配な時は税理士に相談しましょう。

事前に税理士に相談しておくことで余計な罰金を払う事態を防ぎ、日々の業務に安心して取り組むことができます。

税理士にお願いできること

税務代理・税務書類の作成・税務相談の3つは税理士だけができる「独占業務」となります。

税務調査の時に必要な書類も税理士が作ることができますし、調査当日の立会いにも対応してもらえます。帳簿の記帳代行業務や、納税者の代理で税金の申告・申請を行うことも可能です。

税理士をつけるメリットとデメリット

メリットは専門家としてのアドバイスを受ける事ができ、節税効果が期待できることです。急な税務調査にも対応できますし、企業としての信用度も上がります。

デメリットは料金がかかることですが、節税できる事や急な税務調査が来た時の安心を買うと思えば十分な対価とも考えられます。

監修税理士のコメント

税理士法人better - 東京都中央区日本橋人形町

税務調査のポイントは支払う税金が正確に正しい金額で納付されていることを確認することです。領収書・請求書等の証憑が適切に管理されていない場合、調査官の心象も悪くなります。常日頃から領収書・請求書の整理、月次記帳等を適切に行い、急に調査に入られても慌てないよう、常日頃から適切に管理しておくことが重要です。

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この記事を監修した税理士

税理士法人better - 東京都中央区日本橋人形町

税理士法人better-東京都中央区 大下宏樹(おおしたこうき)代表社員 1982年香川県高松市出身。明治大学商学部卒業。会計事務所にて相続税申告業務を経験、大手監査法人勤務の後、相続税専門税理士法人better設立。 香川県で3代続く公認会計士・税理士一族の次男。3兄弟全員が同業。独自のシステムである「better相続」により、従来の高額でアナログなサービスを見直し、低額かつ定額の相続税申告を提供。