ミツモアロゴ
ミツモアメディア

屋号の変更、税務署で手続きは必要?屋号変更後に必要な手続きまとめ

最終更新日: 2019年12月12日

個人事業主の「顔」ともいうべき屋号ですが、事業を展開していく中で、屋号を変更した方が、経営上しっくりくるということも少なからずあります。開業時に届出をした屋号を変更しようとすれば、どのような手続きが必要なのでしょうか。屋号の変更方法についてみていきましょう。

屋号を変更した際に税務署での手続きは必要?

起業したばかりの個人事業主
屋号を変更するにはどのような手続きが必要なの?

開業時の屋号登録に関する届出は、管轄の税務署に提出する「個人事業開業届」、都道府県県税事務所に提出する「個人事業の開業の届出書」がありました。では、1度登録した屋号を変更するには、どのような手続きが必要なのでしょうか。

屋号を変更した際の届け出は不要

2種類の開業届のいずれを変更する際も、特別な手続きは必要ありません。実は税制上は、屋号は特段の定義がなされているわけではないので、変更はもちろん抹消も自由に行えるのです。

ただし屋号は税務上の役割よりも社会的信用を得るために大きな意義があります。いくら届出なしで自由に屋号が変更できるからといって、何度も屋号を変更すれば、商売上の信頼を失うこともありますから、慎重な判断を要します。

確定申告書に記載すればOK!

屋号の変更を行う場合は、変更した屋号を確定申告書と確定申告書に添付する決算書の記載欄に記入するだけで十分です。追加の特別な手続きは必要ありません。
また、新たに屋号を付けた場合も同様です。

住所を変更した場合は手続きが必要

ただし、屋号の変更を行う際に、事務所や店舗を移転(住所を変更)する場合は、届け出が必要になります。

まず事務所移転に伴い納税地が変わる場合は「所得税・消費税の納税地の異動に関する届出書」を提出します。また納税地の変更の有無にかかわらず、事務所や店舗が移転した場合は「個人事業の開業届出書」を提出する必要があります。これは同じテナントビル内で、別の区画に移転した場合も同様です。

屋号変更の証拠を残す2つの方法

個人事業主の顧問税理士
屋号変更の履歴を残す方法を解説します!

税務署関連の書類は、屋号の変更に関する手続きが不要であることは前述の通り。しかし一方で、何も届け出ないのは、気持ちの上でしっくりこないという方もいらっしゃるのでは。屋号変更の証拠を残す方法はないのでしょうか。

方法①開業届の再提出

「個人事業の開業の届出書」は屋号変更時には提出の必要がありませんが、屋号を変更したのみの届出書を提出しても、税務署から拒絶されるわけではありません。開業時の届出と同じように、提出の際に届出書の写しを提示すれば、そこに受領印を押してもらえます。これが変更した屋号を税務署に提出した証拠となるのです。

方法②納税地の異動に関する届出を提出

納税地の異動に関する届出書
納税地の異動に関する届出書【見本】出典:国税庁

納税地が移動した際に提出する「所得税・消費税の納税地の異動に関する届出書」にも、屋号を記入する欄があります。こちらも屋号の変更のみでは提出義務はありませんが、提出をすれば受け付けてもらえます。提出書類の写しを提示すれば、税務署で受領印を押してもらえます。

 

屋号変更後の銀行口座の名義変更の手順

屋号変更後の銀行口座の名義変更・新規開設の手順
屋号変更後の銀行口座の名義変更・新規開設の手順

個人事業主の方は、事業用銀行口座を「屋号付き口座」で開設している場合が多くあります。というのも個人事業主が「屋号付き口座」を開設することで、「事業への信用度の増加」や「事業の資金管理の効率化」を図ることができるからです。

屋号の変更を行った場合、もちろん屋号付き口座の名義変更も行わなければなりません。ここでは、主要3銀行の「屋号付き口座」の名義変更方法を具体的にご紹介します。

【名義変更】三菱UFJ銀行

三菱UFJ銀行で「屋号付き口座」の名義変更を行う場合は、口座開設を行った三菱UFJ銀行の支店の窓口で手続きを行わなければなりません。必要になる書類等は、次のとおりです。

  1. 本人確認書類(運転免許証、パスポートなど)
  2. 印鑑
  3. 屋号変更を証明できる書類(下記のいずれか1つ)
  • 国税または地方税の領収書または納税証明書(原本)
  • 社会保険料の領収書(原本)
  • 商号登記簿謄本(原本)
  • 事務所の賃貸契約書(コピー可)
  • 公共料金の領収書(原本)
  • 税務署収受印付の確定申告書(原本)

3 の屋号変更を証明できる書類は、リストの中からいずれか1つになっていますが、銀行窓口によっては、複数の提示を求められるケースがありますので、複数の書類を準備することをおすすめします。

【名義変更】三井住友銀行

三井住友銀行では、「屋号付き口座」のことを「営業性個人口座」と言います。名義変更を行う場合は、三菱UFJ銀行と同様に「口座開設」を行った支店の窓口で手続きが必要になります。

三井住友銀行の「営業性個人口座」の名義変更に必要な具体的な書類は、銀行のホームページ上では案内されていません。さまざまな体験談から、以下の書類等が「営業性個人口座」の名義変更の際、必要になると思われます。

  1. 本人確認書類(運転免許証、パスポートなど)
  2. 印鑑
  3. 税務署に再提出した「個人事業の開業の届出書」の控え(コピー不可)
  4. 屋号の変更が確認できる資料(屋号の変更後の賃貸借契約書、名刺、パンフレットなど)

【名義変更】みずほ銀行

みずほ銀行の「屋号付き口座」の名義変更についても、「口座開設」を行った支店の窓口で行わなければなりません。みずほ銀行では、支店によって対応や必要書類等が異なります。

基本的には、三井住友銀行と同様に、①本人確認書類、②印鑑、③開業届出書、④屋号の変更が確認できる資料が必要です。これに加えて、銀行が要求する資料の提出が必要になる可能性があります。

屋号付き口座の開設

屋号付き口座の開設
屋号付き口座の開設

「屋号付き口座」を開設できる銀行は限られています。ここでは「屋号付き口座」を開設できる銀行とその手順を簡単に紹介します。

【新規開設】三菱UFJ銀行

三菱UFJ銀行で「屋号付き口座」を開設するには、事務所から最寄りの三菱UFJ銀行の支店の窓口で手続を行なう必要があります。

「屋号付き口座」の開設に必要な書類等は以下のとおりです。

  1. 本人確認書類(運転免許証、パスポートなど)
  2. 印鑑
  3. 口座に入金する現金(1,000円)
  4. 屋号を証明できる書類(下記のいずれか1つ)
  • 国税または地方税の領収書または納税証明書(原本)
  • 社会保険料の領収書(原本)
  • 商号登記簿謄本(原本)
  • 事務所の賃貸契約書(コピー可)
  • 公共料金の領収書(原本)
  • 税務署収受印付の確定申告書(原本)

三菱UFJ銀行のホームページには記載がありませんでしたが、屋号を証明できる書類として、「個人事業の開業の届出書の控え」でも口座開設可能です。また、屋号が実際使われているか証明できる書類の提示を求められる場合もあります。屋号宛の郵便や、事業のホームページアドレス、名刺などを用意するといいでしょう。

三菱UFJ銀行の屋号付き口座では、個人用のインターネットバンキングを利用することができません。屋号付き口座でインターネットバンキングを利用したい場合は、法人向けの有料プランに申し込む必要があります。

【新規開設】三井住友銀行

三井住友銀行の屋号付き口座は、「営業性個人口座」と言います。三井住友銀行のホームページに必要な書類の記載がありません。

一般的には、次の書類が必要と言われています。

  1. 本人確認書類(運転免許証、パスポートなど)
  2. 印鑑
  3. 税務署に提出した「個人事業の開業の届出書」の控え(コピー不可)
  4. 屋号の変更が確認できる資料(屋号の変更後の賃貸借契約書、名刺、パンフレットなど)

三井住友銀行は、主要銀行では珍しく「屋号付き口座(営業性個人口座)」でも個人向けのインターネットバンキングが利用できます。

【新規開設】みずほ銀行

みずほ銀行でも、屋号付き口座は三井住友銀行と同様「営業性個人口座」といわれます。口座開設するためには、初日に銀行窓口に本人確認書類と印鑑を持参しなければなりません。窓口では銀行の担当者から口座開設の目的などが確認され、後日、口座開設に必要な書類を持参する流れになります。

みずほ銀行の「営業性個人口座」は、通常の個人口座扱いとなります。みずほ銀行ですでに個人口座を開設している人は、「営業性個人口座」を新たに開設することはできません。また、みずほ銀行の「営業性個人口座」は、個人用のインターネットバンキングを利用することができません。

その他に屋号の変更手続きが必要なケース

個人事業主
屋号変更時に税務署以外でする手続きとは?

屋号を変更しても税務署関係の手続きは必要がないことが分かりました。しかし屋号登録時に、税務署以外で機関があれば、そちらの変更手続きが必要になることがあります。

小規模企業共済

小規模企業共済に加入している場合は、中小企業基盤整備機構に「小規模企業共済契約に係る届出事項変更申出書」を提出する必要があります。屋号変更を証する書類を添付する必要はありません。

飲食店等の営業許可

飲食店等の営業許可を市町村から受けている場合、屋号を変更すれば「営業許可申請事項変更届」を10日以内に届け出る必要があります。

建設業の許可

建設業を営む個人事業主が屋号を変更した場合は、許可の更新時に新屋号を記入します。そのうえで、添付書類である「営業の沿革」に変更時期や名称変更などを記載します。

旅館業法の許可

旅館や民宿などの施設の名称を変更する場合は、都道府県庁等に「旅館業変更届」を提出する必要があります。

郵便物の扱い

屋号を変えた場合、新しい屋号宛てでも郵便物が確実に届くようにする必要があります。その対策のひとつとして、所轄の郵便局に転居届を提出する方法があります。しかし最も確実な方法は、建物に新屋号の表札や看板を掲示することです。住所と屋号が一致すれば、郵便物はきちんと配達してくれます。

商号変更登記

個人事業の屋号は、法人を設立する時のように登記をする必要はありません。そのため、個人事業と登記は関係ないと思われていますが、個人事業でも商号登記を利用することができます。

商号登記を行なうことで、事業の信頼性や社会的信用を得ることができます。個人事業の屋号を商号登記しており、屋号の変更を行った場合は、商号変更登記を行わなければなりません。商号変更登記に必要な書類と費用は、次のとおりです。

  • 個人の実印
  • 個人実印の印鑑証明書
  • 印鑑届出書
  • 商号変更登記申請書
  • 屋号印、商号印(ある場合)
  • 登録免許税 3万円

商号変更登記は、法務局に行き、ご自分で行なうことができます。しかし、商号変更登記申請書は様式が法務局より提供されていないため、自分で作成する必要があります。手続きに自信がない方は、手続き全般を行政書士に依頼するとよいでしょう。

商標登録の申請

個人事業の屋号は、商標登録することができます。商標登録をすることで、権利侵害のリスクが減少します。変更した屋号を商標登録したい場合は、新たに「商標登録の申請」を行なうことになります。

変更した屋号をとても気に入っている場合や、インターネットを使ったビジネスで多くの人の目に触れる場合は、商標登録の申請を行ったほうがいいでしょう。

取引先への報告

変更した屋号をお客様や取引先、関係各所に報告することは、とても重要です。屋号変更は、お客様や取引先への影響が大きいため挨拶状を準備するのが一般的です。あらためて屋号変更の挨拶状を送ることは、お客様や取引先との信頼関係をより深めるよい機会にもなるでしょう。

屋号を変更することは、事業の大切な節目です。屋号変更の挨拶は、お客様や取引先へアピールできる機会ですので有効に活用しましょう。

顧問税理士を探すならミツモアで

ミツモア ロゴ
税理士探しはミツモアで

個人事業を営む上で忘れてはいけないのが税務申告。どんなに売上・利益があがっても、税金の申告を忘れてしまうと後々追徴課税に苦しむことになりかねません。

とはいっても「忙しくて税理士探しまで手が回らない」という方もいらっしゃるのでは。

そんな方におすすめなのが、事業者マッチングサービスのミツモア。利用料無料で、複数の税理士事務所から見積もりを取得できるので、空き時間を利用して簡単に税理士さんと出会えますよ。