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階段リフォームの費用はいくら?相場と事例・依頼先の選び方

最終更新日: 2025年04月14日

「階段リフォームの平均費用は?」「工賃が安いか高いかよくわからない」

階段リフォームの費用感は10万~100万円と、行う工事の内容によって変動します。

手すりの設置や滑り止めの貼り付けなど、簡単なバリアフリー化工事であれば比較的安価に済ませられるうえ、補助金や介護保険を利用した改修でさらに費用を抑えることが可能です。

しかし階段のかけ替えなど、間取りを変更するような大規模な工事では数十万円~100万円以上の費用が必要になるケースがあります。

階段リフォーム費用を抑えるコツと、リフォーム費用が高額になりやすい原因を確認してみましょう。

階段リフォームの費用相場

階段リフォームにかかる費用は、工事内容や工事の複雑さによって変動します。大まかな費用感は以下の通りです。

工事内容 費用相場
手すりの設置 5万~10万円
滑り止めの貼り付け 2万~5万円
階段の幅を広くする 30万~50万円
階段の勾配をゆるやかにする 80万~100万円
階段の位置を変更する 100万円~

【予算別】階段リフォームの事例

階段リフォームの事例について、予算別に3パターンを紹介します。

【予算~20万円】手すりの設置や滑り止めの貼り付け

20万円以下の予算では、主に安全性を高めるためのリフォームが中心となります。比較的手軽に行えるものが多く、工期も短いのが特徴です。

この価格帯でのリフォームは、費用を抑えつつ、日々の階段利用の安全性や快適性を向上させたい場合に適しています。特に手すりや滑り止めは、事故防止の観点からも優先的に検討したいリフォームと言えるでしょう。

手すりの設置(費用目安:5万円~10万円)

高齢者や小さな子供がいる家庭では、転倒によるけがを防止するために手すりを設置することをおすすめします。壁に後付けするタイプが一般的で、比較的短時間で工事が完了します。

手すりの長さや素材、デザインによって費用は変わります。介護保険の住宅改修費支給制度の対象となる場合もあります

滑り止めの設置(費用目安:1万円~5万円)

階段の踏面に滑り止めシートやテープ、あるいは金属製のノンスリップなどを取り付ける工事です。階段の素材が滑りやすい場合や小さな子供やペットがいる家庭におすすめです。

DIYでの取り付けも可能ですが、確実に設置をするためにはプロに依頼することをおすすめします。

階段用カーペットの設置(費用目安:5万円~15万円)

足元の冷え対策や、昇り降りする際の足音の軽減、滑り止め効果などが期待できます。部分的に敷くタイプから全体を覆うタイプまで様々です。

フットライトの設置(費用目安:5万円~15万円)

夜間の階段昇り降りの安全性を高めます。センサー付きのものを選べば、人が近づくと自動で点灯するため便利です。電気工事が必要になるため、専門業者への依頼が必要です。

【予算30万~50万円】階段の幅を広くする

30万円から50万円程度の予算があれば、滑り止めの設置等安全面の改修のほかにも使い勝手や見た目の改善を目的としたリフォームも可能です。

この価格帯のリフォームでは、既存の階段を生かしつつ、より快適で美しい階段へと生まれ変わらせることが可能です。特にカバー工法は、費用を抑えながら見た目を大きく変えられるため、人気の高いリフォーム方法です。

踏み板・蹴込み板の重ね張り(カバー工法)(費用目安:15万円~50万円)

カバー工法とは既存の階段を解体せずに、上から新しい床材を貼り付ける工法です。

解体費用や廃材処分費がかからず、工期も比較的短いため、コストパフォーマンスに優れています。傷や汚れが目立つようになった階段の見た目を一新したい場合におすすめです。選ぶ素材によって費用は変動します。

階段の塗装(費用目安:10万円~30万円)

階段の塗装は既存の階段の素材感を生かしつつ、色を変えたり、傷や汚れを目立たなくしたりしたい場合に有効です。下地処理を丁寧に行うことで、美しい仕上がりが期待できます。

階段の幅を広くする(費用目安:30万円~80万円)

「荷物を持って昇り降りするのが大変」「家族とすれ違う時に狭い」といった場合に検討されるリフォームです。ただし階段の幅を広げるには、周辺の壁の解体や構造の変更が必要となるケースが多いです。思った以上に大掛かりな工事になる可能性があります。

建物の構造によっては実現できない場合もあるため、専門家との十分な相談が必要です。

【予算100万円以上】階段の位置を変更する

100万円以上の予算になると、階段のかけ替えや位置変更など、間取りにも関わる大規模なリフォームが可能になります。

100万円を超える予算のリフォームは、家の構造にも影響を与える可能性があります。デザイン性だけでなく、安全性や将来の生活も見据えた計画が重要です。建築士や経験豊富なリフォーム業者と十分に相談し、慎重に進めるようにしましょう。

階段のかけ替え(既存位置)(費用目安:50万円~150万円)

老朽化が著しい階段や、デザインを根本的に変えたい場合に、既存の階段を撤去して新しい階段を同じ場所に設置します。階段の種類(ストレート、かね折れ、折り返しなど)や素材によって費用は大きく異なります。

階段のかけ替え(位置変更・新設)(費用目安:100万円~300万円以上)

間取りを大幅に変更したい、生活動線を改善したいといった場合に、階段の位置そのものを変えたり、新たに階段を設置したりします。これは非常に大掛かりな工事となり、階段本体の費用に加えて、床や壁の解体・補修、場合によっては構造補強なども必要になるため、費用は高額になります。綿密な計画と、信頼できる業者選びが不可欠です。

階段の勾配緩和(費用目安:80万円~200万円以上)

「階段の昇り降りがきつい」と感じる場合に、階段の勾配を緩やかにするリフォームです。

段数を増やしたり、踏面を広くしたりする必要があります。勾配をゆるくするには階段のかけ替えを伴う大規模な工事となります。設置スペースの確保も必要なので、間取りを変更する大規模なリフォームになります。

階段リフォーム費用が高くなる3つの理由

階段のリフォーム費用は工事内容によって大きく変動します。費用が高額になりやすい3つの理由は以下の通りです。

① 階段の勾配を変更するなど大規模な工事を行う

階段のかけ替え、特に位置の変更や勾配を緩やかにするといった工事は、建物の構造に関わる大規模な改修になります。

単に階段を作り替えるだけでなく、周辺の床や壁の解体・造作、場合によっては梁(はり)の補強など、付帯する工事が多く発生します。これらの工事には、高度な技術と多くの手間、そして様々な材料が必要となるため、費用が高額になりやすいです。

例えば、階段の勾配を緩やかにする場合、段数を増やす必要が出てきます。そのためには、階段を設置するためのスペースをより広く確保しなければならず、間取りの変更を伴うケースがほとんどです。工事範囲が広範囲に及ぶほど、費用は増大する傾向にあります。

② 古い階段の撤去を行う

カバー工法のように既存の階段の上から新しい部材を重ねるリフォームとは異なり、階段をかけ替える場合は、まず古い階段を解体・撤去する必要があります。この解体作業と、撤去した廃材の処分にも費用がかかります。

特に、古い木造住宅などで、階段が建物の構造体と複雑に組み合わさっている場合や、アスベスト(石綿)を含む建材が使用されている可能性がある場合は、撤去作業がより慎重かつ専門的な手順を要するため、解体・撤去費用が想定以上にかかることがあります。

③ 壁の補強が必要など手間のかかる作業が多い

階段のリフォームでは以下のケースで費用が高額になりやすいです。

手すり設置のための壁補強:手すりを安全に取り付けるためには、壁の内部に十分な強度が必要。特に石膏ボードの壁では、下地補強が必要になることが多く、その分の費用が加算される。
階段周辺の壁や床の補修:階段のかけ替えや位置変更に伴い、既存の壁紙や床材を剥がしたり補修をしたりする。内装の補修範囲が広ければ広いほど、費用は高額になる。
複雑な形状の階段:かね折れ階段やらせん階段など、直線階段に比べて形状が複雑な階段は、部材の加工や設置に手間がかかるため、費用が高くなる傾向がある。
電気工事:フットライトの設置や、階段周りのコンセント・スイッチの移設などが必要な場合は、別途電気工事費が発生する。

階段のリフォームだけと考えていても、建物の状態や構造、選択する工事内容によっては付随する作業が多くなります。すると結果的にリフォームの総額が高くなることがあります。

見積もりを取る際にはどのような作業が含まれているのか、追加費用の可能性があるのかなどをしっかりと確認することが重要です。

階段リフォーム費用を安く抑える2つのコツ

コツを知っていれば階段リフォームの費用を安く抑えることも可能です。以下2つのコツをチェックして、階段のリフォーム費用を抑えましょう。

① 補助金を利用してリフォームを行う

階段に滑り止めをつける、幅を広くするなどのバリアフリー改修であれば補助金を活用することで負担額を少なくできます。介護保険を利用するバリアフリー改修のほか、自治体が独自の補助金を提供していることがあります。

たとえば東京都八王子市では、手すりの取り付けや床の段差の解消などのバリアフリー化改修工事を対象に助成金を支給しています。

八王子市の居住環境整備補助金を受ける条件

  • 一戸建て住宅、長屋、共同住宅が対象
  • 手すりの取り付け、床の段差の解消、和式便所の様式化などのバリアフリー化改修が対象
  • 65歳以上の人がいる世帯
  • 対象工事費の20%以内を補助する
  • 上限額は20万円以内

八王子市の居住環境整備補助金は、予算額に達し次第受付を終了します。利用したい場合は早めに問い合わせて利用可否をチェックしましょう。

② 一括見積もりで施工業者を選ぶ

バリアフリー化改修をしないなど、補助金を利用できない場合は一括見積もりで施工業者を選ぶことをおすすめします。一括見積もりサイトを活用すれば、簡単に安価で施工してくれる業者を見つけられます。

一括見積もりで複数の見積もりを得られたら、総工事費用だけではなくサービス内容や施工保証の有無などを確認しましょう。工事費用だけに着目してしまうと、安すぎる業者に依頼してしまいトラブルが発生するリスクがあるので注意しましょう。

階段リフォームの費用をチェックする

階段リフォームはどこに頼む?3種類の依頼先

階段のリフォームはリフォーム業者だけでなく、工務店やハウスメーカーなどにも依頼できます

どの依頼先が良いかは、リフォームの内容や規模、予算、そして何を重視するかによって異なります。例えば、デザインや費用を重視するならリフォーム業者、地域密着の安心感や構造への配慮を求めるなら工務店、ブランド力や保証を重視するならハウスメーカー、といった選択肢が考えられます。複数のタイプの業者から話を聞いて比較検討するのも良いでしょう。

① リフォーム業者

リフォーム専門業者は、住宅リフォームを専門としており、階段リフォームに関する知識や経験が豊富です。

様々なメーカーの製品を取り扱っているため、デザインや機能の選択肢が広いのがメリットです。特定のメーカーに縛られず、顧客の要望に合わせた柔軟な提案が期待できます。

また直接依頼ができれば比較的費用を抑えやすいです。ただし、業者によって得意分野や技術力に差があるため、過去の施工事例などをよく確認することが重要です。

リフォーム業者を探すときは一括見積もりの活用をおすすめいたします。

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② 工務店

地域に根差した工務店は、地元の評判を大切にしていることが多く、親身で丁寧な対応が期待できます

特に木造住宅の建築や改修を得意としている場合が多く、建物の構造を考慮した提案をしてくれるでしょう。設計から施工まで一貫して対応してくれることが多いのも特徴です。

ただしデザインの提案力や最新設備に関する情報は、業者によって差が大きい可能性があります。また比較的小規模な会社が多いため、大規模リフォームの場合は工期が長くなることも考えられます。

③ ハウスメーカー

大手ハウスメーカーは、ブランド力による安心感としっかりとした保証体制が魅力です。自社で家を建てた場合は、その建物の構造を最もよく理解しているため安心して依頼できます。品質管理も徹底されている傾向にあります。

一方で、費用は比較的高くなることが一般的です。また取り扱える製品や仕様が自社基準に限定される場合があり、リフォームの自由度がやや低い可能性も否めません。実際の施工は下請け業者に依頼することも多いです。

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ミツモアでプロに仕事を依頼する流れの図解

階段リフォームの費用感は10万~100万円です。工事内容によって費用は大きく変動します。補助金や一括見積もりサイトの活用により、料金を抑えたリフォームが可能です。

一括見積もりサイトを使うときは、5社程度から見積もりが届くサイトを利用しましょう。見積書が多すぎると比較・検討が難しくなり、少なすぎると相場観などをチェックしづらくなってしまいます。

ミツモアでは最大で5つの事業者からの見積書を受け取れます。地域で活躍するリフォーム業者からも見積もりが届くので、工事費用が安くてお得な業者を簡単に見つけられます。

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