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外壁塗装は必要ない?しないとどうなる?緊急度別の劣化症状・今すぐ塗装すべき家の見分け方

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最終更新日: 2023年03月31日
  • なぜ外壁塗装が必要なのかわからない
  • よく「塗装は10年ごと」と言われるけど、本当に必要なの?
  • 雨漏りとかしていなければ少しくらい放置しても問題ないのでは?

と考える人もいるでしょう。外壁塗装は面倒なうえ、30坪の家でも約60~100万円ほどかかります。できることならやりたくないですよね。

しかしほとんどの住宅は、外壁塗装が必要になってくると考えておいた方がでしょう。放置したままだと外壁の劣化が進んでいき、本来は不要だったはずの余計な費用がかかってしまうからです。

この記事では外壁塗装が必要な理由や、放置することで起こる被害を年数ごとに解説します。

緊急度別に「こういう家は塗装しなくてもいい」「こういう症状が出ていたら今すぐ塗装しないと危険!」という判断基準も紹介。たとえ10年以上経っていても、外壁の種類や状態によっては塗装が必要ない場合もあるので、ぜひ参考にしてみてください。

外壁塗装が必要ないのはレンガ・タイル外壁のみ!

タイル外壁

外壁がレンガやタイルの住宅は塗装の必要がありません。逆に言えばこれら以外の外壁は塗装が必要になってくるというわけですね。

レンガとタイルはそれぞれ成分に違いがあるものの、どちらも紫外線や雨水への耐性が強くできています。石やガラスがほとんど劣化しないのと同じ理由です。

  • レンガ:粘土や泥などを高温で焼き固めたもの
  • タイル:粘土の他にセラミック素材を焼き固めたもの

塗装がなくても30年以上は持つ素材ですし、塗装をしたところで性能はあまり変わりません。コケなどの汚れは付くものの、高圧洗浄などでメンテナンスをすれば問題ないでしょう。

他にもメンテナンスは必要になってきますが、塗装は不要。ひび割れや剥がれが起きた場合にセメントやシーリング(ゴム状の素材)などで補修するのが一般的ですね。

ただし塗装が必要ないだけで、メンテナンスフリーではないので注意してください。

外壁塗装の必要性!塗り替えがもたらす効果を紹介

塗料

外壁塗装をする1番の目的は、美観ではなく外壁の保護。ほとんどの外壁は塗装で守られているため、定期的に塗装をしてあげないと外壁材そのものが劣化してしまいます

塗装の効果が切れた外壁はバリアを失った状態なので、雨水や紫外線の影響をまともに受けてしまいます。そのまま放置しておくと、以下のような問題が起こるんです。

  • 外壁にひびが入る
  • 雨が入って内部が腐る・シロアリ被害に遭いやすくなる
  • 劣化や雨漏りによって建物の耐久性が低下し、地震などで倒壊する危険性がある

これらのようなことを防ぐために、外壁塗装は必要なんですね。外壁を塗り替えることで、塗装の性能を再び取り戻せるというわけです。

外壁塗装をしないとどうなる?放置することで起こる問題

塗装の剥がれ

外壁塗装をしないままだと生じてくる劣化状態を見ていきましょう。

年数の目安 劣化症状の例
約5年~ 色あせ・ツヤ引けが起きてくる
約7年~ 汚れやコケが付きやすくなる
約10年~ ・チョーキング現象が起きる

・ひび割れ(クラック)が起きてくる

約15年~ ・剥がれや凍害が起きやすくなる

・建物内部に水が入り腐食していく

劣化がが起きてくる年数は外壁や塗装の種類によって変わるため、実際に外壁をチェックするしかありません

劣化症状①:色あせ・ツヤ引けが起きてくる(約5年~)

少し色あせた外壁

まず外壁の色が薄くなったり、ツヤが引いてきたりします。もとの色味と変わってきたと感じたら、劣化が進んでいると考えてください。

ただもともとツヤのない外壁の場合は、ツヤの劣化がわかりにくくなっています。

劣化症状②:汚れやコケが付きやすくなる(約7年~)

コケの付いた外壁

塗装の効果が弱くなってくると、外壁に汚れやコケがつきやすくなってきます。塗料の撥水性(水をはじく性質)が弱まっているため、湿気が溜まりやすく汚れへの抵抗力も低くなっている状態ですね

劣化症状③:チョーキング現象が起きる(約10年~)

チョーキング現象

チョーキング(外壁を触ると手に白い粉が付く状態)が起きているなら、塗装の効果が切れている証拠です。こうなってしまうと塗装の効果はほとんどないので、外壁の劣化がどんどん進む状態といえるでしょう

劣化症状④:クラック(ひび割れ)が起きてくる(約10年~)

ひび割れた外壁

チョーキングが起きたまま放置していると、次は外壁に小さなクラック(ひび割れ)が見られるようになります。雨水が入るほどの大きなクラックがない限りは特に問題ありませんが、外壁の劣化が始まっている可能性が高いです

特にひびが0.3mm以上になるようなら、できるだけ早く補修工事をするのをおすすめします。

クラック(ひび割れ)に関しては以下の記事も参考にしてください。

関連記事:外壁のひび割れ(クラック)の原因と補修/塗装方法!費用や工事が必要かの判断方法も解説|ミツモア

劣化症状⑤:剥がれが起きやすくなる(約15年~)

塗装が剥がれた外壁

外壁に目立つようなクラックが見られる場合は、部分的に剥がれが起きる可能性が高くなります。クラックから外壁の内部に雨水が侵入し、外壁の表面がボロボロと剥がれる状態ですね。すでに外壁の防水性が失われている状態なので、放置するのは危険です。

劣化症状⑥:建物内部に水が入り腐食していく(約15年~)

腐食

最終的には外壁だけではなく、建物内部にも被害が出てきます。構造にまで雨水が侵入し、やがて柱や土台までも腐食されてしまいます。建物内部に湿気が溜まると、シロアリ被害などにも遭いやすくなるのです。

ここまでくると外壁の張り替えだけではなく、下地や柱なども直さなくてはいけません。外壁塗装の比ではないほどの費用がかかる(倍以上かかることもある)ので注意してくださいね。

【緊急度別】外壁塗装をすべきかどうかの判断基準・劣化症状

外壁塗装業者

ここからは外壁の症状別に対処法を解説していきます。緊急度を5段階で記載していますので、合わせて確認してください。

緊急度 外壁の症状 対処法 備考
1 色あせ 経過観察 塗装の劣化の初期症状
カビ・汚れ 経過観察・洗浄
2 チョーキング 塗装が必要 塗装時期としてはベストタイミング
3 クラック 塗装が必要 外壁の劣化が始まっている可能性が高い
4 剥がれ 塗装もしくは外壁の張り替えが必要 すぐに何かしらの対処をしないと危険
5 雨漏り・下地の腐食 全体に見られる場合は塗装はできない

劣化がひどい場合は塗装では修復できないため、補修や張り替えが必要になってきます。

順番に解説していきますね。

緊急度1:色あせは塗装不要

外壁の色あせは気にしなくても大丈夫です。見た目が気になる人もいるかもしれませんが、チョーキングが起きていないなら問題なし。このまま様子を見ておきましょう。

緊急度1:カビ・汚れは塗装不要(簡単に落とす程度でOK)

汚れが付きやすい状態は塗装が弱っているものの、特に危険性はありません。もし汚れが気になるなら、水洗いや洗剤を使って洗えばOK。柔らかいスポンジを使い、外壁が傷つかないように注意して洗いましょう。

緊急度2:チョーキングは外壁塗装で対処すべき

チョーキングが起きていたら塗装のタイミングとしてはベストです。この状態で塗装をしておけば、劣化がひどくなることはありません。慌てて塗装をする必要はありませんが、このまま劣化が進むと家の耐久性が落ちてきます。補修費用が余計にかかってしまうこともあるので気を付けてくださいね。

もしチョーキングや次に紹介するひび割れが起きているという場合には、ミツモアを使って塗装業者を探してみてください。簡単な質問に答えるだけで複数社から見積もりを出してもらえるので、費用や工事内容などを比較してより最適なところを選べます。点検を無料でしてもらえるケースもありますよ。分からないことは事前に無料チャットで質問できるので、活用してみてください。

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緊急度3:クラックは塗装で対処すべき(場合によってはすぐに補修工事が必要)

なるべく早く塗装をした方が良い状態。小さなクラックであれば塗装で埋められるため、補修費用がかることはありません。ただ幅1mm以上のクラックの場合は、補修が必要になってくるでしょう。

クラックの補修は1カ所あたり5,000円~ほどが相場です

緊急度4:剥がれ

このまま塗装をしても危険な状態。剥がれが起きている部分を補修、もしくは張り替えをした後に塗装しなければいけません。これ以上放置していると、外壁の劣化がさらにひどくなっていくでしょう。外壁全体が弱っている可能性もあるため、部分的な補修をするだけでは意味がありません。

部分補修や張り替えが必要な場合は、塗装費用に加えて最低でも1カ所あたり10,000円以上はかかります。範囲が広い場合はさらに費用がかかるので注意してください。

緊急度5:雨漏り・下地の腐食は塗装では対処できない!修復や張り替え工事必須

外壁に雨漏りが起きている場合は塗装をしても意味がありません。ただちに下地や構造を修復し、塗装や張り替えをしましょう。

ただし外壁全体の劣化がひどい場合は、塗装よりも張り替えがおすすめ。塗装をしてもまた別の場所が傷んでくる可能性があるからですね。

下地や構造の修復に数万円はかかり、さらに外壁の張り替え工事になると30坪の住宅でも約120万以上はかかるでしょう。外壁塗装であれば30坪でも約60万から選べます。費用を抑えたいのであれば、放置せず早めに対処した方が良いでしょう。

どうしても塗り替えが必要な時、外壁塗装の費用を安く抑えるには?

電卓

住んでいる地域によっては「助成金制度」があるため、うまく活用していきましょう。住んでいる地域の自治体によって設けられた制度で、対象となるリフォームなら5~20万円ほど支給されます

ただし期間が限られていたり、外壁塗装が対象外になっていたりするので、必ず受けられるわけではありません。塗装業者にサポートしてもらいながら助成金を申請するのがおすすめです。

ミツモアであれば複数社の見積もりを比較できるため、助成金のサポートをしてくれる業者や、より安い費用で塗装してくれる業者を探せます。見積もりや相談は無料なので、ぜひ利用してみてくださいね。

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ちなみに外壁の劣化が酷くなってしまうと、補修などの費用がかかる可能性があります。できればチョーキングが起こっている段階(遅くてもクラックの段階)で塗装をするのがおすすめです。

外壁や塗料の種類によって塗装の重要性や塗り替え時期が変わる

外壁

一般住宅で使われている外壁材は、レンガとタイルを除けば次の5つです。それぞれ塗り替え時期が変わるため、あなたの家の外壁がどの種類かを確認しておく必要があります。

外壁の種類 塗り替え時期の目安
窯業系サイディング 約7~10年
金属系サイディング 約15~20年
木質系サイディング 約5~8年
樹脂系サイディング 約15~25年
モルタル・コンクリート壁 塗装なら約10年、タイルなら塗装不要

また外壁によって使われている塗料が違うので、耐用年数も変わります。同じ時期に建てた住宅でも、適した塗り替え時期が違うのはこのためです

塗料の種類 耐用年数
ウレタン塗料 6~10年
シリコン塗料 8~13年
フッ素塗料 13~20年
無機系塗料 15~25年

新築時に塗装をしたのならわかりやすいですが、そうでない場合は選んだ外壁のカタログで耐用年数を確認するしかありません。

ちなみに一般的な住宅で使われているのは、以下のサイディングと塗料です。

  • 窯業系サイディング:約7~10年
  • シリコン塗料:約8~13年

そのため塗り替えの目安が約10年になるというわけですね。

もし10年経っても外壁に劣化が見られないのであれば、それは塗装がしっかり守ってくれているという証拠です。考えられる理由は2つ。

  • 塗装の効果が切れても問題ない外壁材を使っている
  • 性能の高い塗装が施されている外壁材を選んでいた

つまり家を建てる時に選んだ外壁材の性能に左右されるということですね。

もし塗装が必要かどうか分からない場合は、塗装業者に「10年近く経っているけど劣化は見られない。塗装は必要ですか?」と相談してみてください。場合によっては無料で点検してもらえるケースもあります

窯業系サイディング

窯業系サイディングはセメントに繊維質を混ぜて形成された外壁材。最もよく使われるサイディングです。素材そのものに防水性はなく、塗装の効果が切れるとボロボロになりやすいです

約7~10年で塗装をするのが一般的ですが、サイディングのグレードによって塗り替え時期が変わってきます。グレードが高い=性能の高い塗料が使われているということです。家を建てる時にどのタイプを選んだかによってに耐用年数が変わります(上の表を参照)。

目地やサッシの周りに使われているシーリングも劣化してくるので、状態を見て補修しなくてはいけません。

金属系サイディング

金属系サイディングは、ガルバリウム鋼板やアルミなどが使われているのが一般的です。素材自体の防水性が高くサビにも強いため、たとえ塗装の効果が切れても、すぐに劣化は始まりません。

しかしメンテナンスフリーではないので、約15~20年を目安に塗り替えをするのが望ましいです。先にシーリングが劣化してくる可能性もあるため、10年ほどを目安に点検しておきましょう。

木質系サイディング

木質系サイディングとは外壁用に加工された木材の板ですね。木材は他の外壁材に比べてデリケートなので、約5~8年を目安に塗装をしないと劣化が進んでしまいます

  • 日焼け
  • 色あせ
  • 変形(反りや割れ)

色あせに関しては見た目だけの問題ですが、木材が変形すると雨漏りの原因になるため早めに補修しなければいけません。木質系サイディングは外壁の中でも、特にメンテナンスが大変です。シーリングの劣化にも注意してください。

樹脂系サイディング

樹脂系サイディングの素材は塩化ビニール。雨樋(雨水を流すための管)や配管のパイプと同じ素材ですね。耐久性が高く水にも強い外壁材ですが、日本の住宅ではあまり使われていません。

耐久性が高いとはいえ紫外線の影響で弱くなってくるため、20年を過ぎたあたりで塗装するのがおすすめ。メンテナンスフリーとは言われていますが、塗装をすればさらに長持ちするでしょう。

外壁よりもシーリングが先に劣化してくるため、10年ほど経ったら点検しておくと安心ですね。

モルタル・コンクリート壁

モルタル・コンクリート壁は表面にどんな塗装がしてあるかで塗り替え時期が変わります。塗装ではなくタイルを使用しているなら塗り替えは不要です。

塗装の効果が切れる前に塗り替えをするのがおすすめ。またモルタルやコンクリートはひび割れが起きやすいため、定期的な補修も必要になってくるでしょう。

コンクリート壁は一般住宅よりも、マンションの方が多いかもしれませんね。マンションの塗り替えに関しても10年ほどが目安です。ただ住んでいる人が費用を払うわけではないので、そこまで気にする必要はないでしょう。

外壁塗装をなるべくしたくない!長持ちさせるためには?

外壁 補修工事

次回以降になるべく外壁塗装をしないで済ませるためのコツを解説していきます。ただしこれらの方法でも完全に塗装を不要にできるわけではありません。あくまで長持ちさせる方法として参考にしてください。

①家の周りをきれいに片付ける

外壁に湿気を溜めないよう、なるべく風通しの良い環境にしておくのが効果的です。

  • 植木の枝が当たらないようにする
  • 外壁に物を立て掛けておかない
  • 物置を設置する場合は外壁との隙間をあけておく

もし不要な物があればなるべく処分しておくのが良いでしょう。特に木材などはシロアリのエサになってしまうため、放置しておくのは危険です

家の周りをきれいに保つことで、外壁も汚れにくくなります。

②耐用年数の長い塗料を使う

塗料を選ぶ時は、なるべく耐用年数の長いシリコンやフッ素を選ぶと外壁が長持ちします。またあまり安い塗料を選んでしまうと、耐用年数も短く塗り替えする回数が増えてしまいます

初期費用が高くなっても、シリコン以上のグレードを選ぶのがおすすめです。これから塗装をする方は、塗装業者に「なるべく長持ちする塗料を使いたい」と伝えてみてください。

③長持ちする外壁材に張り替える

外壁塗装の回数を減らすなら、外壁材を変更するのも効果的です。塗り替えの2倍くらいの費用になってしまいますが、トータルのメンテナンスコストは下がることがあります

例えば最も塗り替えサイクルの短い「木質系サイディング」と、塗り替えサイクルの長い「金属系サイディング」を比べた場合。

外壁材 塗り替え目安 今後40年過ごす場合の塗装回数
木質系サイディング 5~8年に1度 5~8回
金属系サイディング 15~20年に1度 2~3回

場合によっては3倍近くも回数に差が出ます。サイディングの張り替えは一時的にはお金がかかるかもしれませんが、その後の塗装回数を考えるとお得になるケースもあるんです。

もし張り替えをするなら、金属系サイディングか樹脂系サイディングに張り替えるのがおすすめですよ。

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