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ALC外壁の防水塗装の費用相場を解説。業者選びのポイントは?

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最終更新日: 2023年03月31日

「ALC外壁」は耐久性に優れている反面、水に弱いため、防水塗装は不可欠です。初めての塗装工事となると、費用や業者選びなど何かと不安なこともあるかもしれません。

この記事ではALC外壁についてや防水塗装の必要性、費用や業者選びまでを解説していきます。

ALC外壁塗装にかかる費用はいくら?

ALC外壁の塗装工事の費用は「70〜200万円」が相場です。塗料の種類・塗装面積・劣化状況などの条件によって費用が変動します。

ALC外壁塗装におすすめの塗料は?

ALC外壁塗装にはシリコン塗料がおすすめです。価格と耐用年数のバランスがとれたコストパフォーマンスがよい塗料で、近年では最もよく使用されます。

ALC外壁とは?【メリット・デメリット】

ALC外壁ALC外壁は優れた性能がある一方で、塗装を定期的に行う必要があるなどデメリットもあります。そこで、ALC外壁の概要に加え、メリットとデメリットについて解説します。

ALC外壁の基礎知識は、施工に関して業者と相談する際にも必要なので、しっかりと把握していきましょう。

コンクリートに気泡を入れた素材

ALC外壁はコンクリートに気泡加工を施した素材で、英語の正式名称「Autoclaved Lightweight aerated Concrete」の頭文字が名前の由来となっています。

日本語では「軽量気泡コンクリート」という意味で、文字通り気泡が入っている分、一般的なコンクリートより軽量なのが特徴です。同じ大きさでも、通常のコンクリートの4分の1程度の重さしかありません。

ALC外壁は軽量なため、ビルや倉庫、工場などの大規模な建物の建材としても採用されています。一般的なコンクリートと比べて鉄筋に掛かる重量が少ないため、下層への負担が軽減できるためです。

ALC外壁のメリット

ALC外壁は軽量である以外にも多数のメリットがあり、以下5つの点が挙げられます。

  • 耐久性
  • 耐震性
  • 耐火性
  • 遮音性
  • 断熱性

ALC外壁は他の建材と比べて厚みがあるため、耐震性に優れています。塗装を定期的に施せば、50年以上は安心して住めるでしょう。

また、分厚い壁には気泡が入っているため、室内外の音を遮断してくれます。気泡は気温調整の役割も担っているので、夏は暑過ぎず、冬は寒過ぎない快適な室温をキープできるのです。

ALC外壁のデメリットと注意点

魅力的なメリットが多数あるALC外壁ですが、以下のようなデメリットもあります。

  • 水に弱い
  • コーキング(シーリング)が多い
  • 価格が高い

無数の気泡は吸水性が高いため、コンクリート内部に雨水が侵入しやすく、膨張・ひび割れの原因となります。そのため、ALCは水に弱いと言われ、防水機能のある塗装が不可欠です。

またALC外壁はパネルのつなぎ目が多いので、その隙間を埋めるコーキングの量も多くなります。コーキングによって防水性を高め外壁の劣化を防ぐことが可能です。しかしコーキングも外壁と同様、劣化してきたら補修が必要になるためその分の費用がかかるでしょう。

さらに、ALC外壁はモルタルやサイディングよりも「高額」な点もデメリットです。ただし、ALC外壁は耐久性に優れているので、防水対策をしっかりとすれば費用以上にメリットが得られるでしょう。

ALC外壁には防水塗装が必要!

塗装されていないALC外壁をよく観察すると、小さな穴が無数に空いているのが分かります。

気泡は遮音性・遮熱性を高めますが、気泡に水が侵入すると内側から劣化が進んでしまいます。防水対策を怠るとひびや亀裂が入り、本来の耐久性を発揮できないのです。

ALC外壁が本来持っている耐久性を維持するためにも、定期的な防水塗装が欠かせません。完璧な塗装でも経時的に防水機能が薄れていくので、外壁の状態を見て判断しましょう。

例えば、外壁の色が塗装直後と比較して変色・退色している場合は、塗り直しを検討する必要があります。塗料に含まれる樹脂の劣化が進むと起こる変色や退色は、ひとつの目安です。

ALC外壁塗装にかかる費用

計算機

ALC外壁の塗装工事の費用は、塗料の種類・塗装面積・劣化状況などさまざまな条件によって変動しますが「70〜200万円」が相場です。

坪数 塗装面積 費用
20坪 約100㎡ 70~120万円
30坪 約150㎡ 95~150万円
40坪 約200㎡ 110~180万円
50坪 約250㎡ 140~200万円
60坪 約300㎡ 160~260万円

モルタルやサイディングの外壁よりもコーキングの量が多いため費用相場もその分高くなります。

ALC塗装工事費用の内訳

費用の内訳は、塗料の他にコーキングの打ち直しや養生、廃棄物処理など、塗装工事で必要となる作業ごとに細かく分かれています。

また高い場所での作業は仮設足場の設置も必要です。外壁が汚れていたり、コーキングが劣化していたり、状態によっては塗り直し以外の工事も発生してくるでしょう。

以下はALC塗装工事費用の内訳になります。

作業内容 費用
仮設足場 900円/㎡
高圧洗浄 200円/㎡
養生 25,000~35,000円(一式)
外壁塗装(3回) 2,300~3,500円/㎡
コーキング打ち替え 800~1,200円/m
コーキング増し打ち 700~1,000円/m
廃棄物処理 20,000~40,000円/一式

外壁塗装は使用する塗料によって費用が大きく変わります。

またコーキングの施工方法は以下の2つです。

コーキング打ち替え 古いシーリングを撤去して新しく施工する
コーキング増し打ち 古いシーリングの上から充填する

どちらを行うかは劣化状態にもよりますが目地は打ち替え、窓まわりは増し打ちになる場合が多いです。

塗料ごとの費用相場

塗装工事で用いる塗料の種類によっても、費用は変わってきます。

塗料の種類にはウレタン・シリコン・フッ素などが挙げられ、耐用年数の長い塗料ほど高額です。さらに、塗り直しが必要な面積が大きければ、費用も上がります。

塗料の種類 耐用年数 単価
ウレタン 約8~10年 1,350~1,800円/㎡
シリコン 約10~15年 1,900~2,600円/㎡
フッ素 約15~20年 2,600~3,500円/㎡
無機 約20~25年 4,300~5,500円/㎡

安価な塗料は性能が低く、耐用年数が短い傾向にあります。1度の塗り直しだけではなく、今後を見据えた塗料選びが重要になるでしょう。

ALC外壁塗装におすすめの塗料

シリコン塗料

外壁塗装は大きく、「下塗材」と「上塗材」の2種類の塗料に分かれており、防水対策に関しては上塗材が重要です。

上塗材にはウレタン・シリコン・フッ素など複数の種類があります。

塗料の種類 メリット デメリット
ウレタン
  • ひび割れしにくい
  • 価格が安い
耐用年数が短い
シリコン
  • 耐水性や防汚性に優れている
  • コストパフォーマンスが高い
ひび割れしやすいものもある
フッ素
  • 耐久性に優れている
  • 耐用年数が長い
価格が高い
無機
  • 防汚性に優れている
  • 耐用年数が長い
  • 価格が高い
  • ひび割れやすい

ALC外壁塗装におすすめしたい塗料はシリコンです。耐久性と費用のバランスが取れているコストパフォーマンスの良い塗料なので外壁塗装では最もよく使用されています。

費用面で考えればウレタンが安価ですが、耐用年数が短いためあまりおすすめしません。それでもウレタン塗料を使用したい方は「水性タイプのウレタン塗料」を選ぶとよいでしょう。外壁塗料特有のシンナー臭が少ないのが特徴です。

フッ素や無機塗料は価格は高いですが、耐用年数が長いので長期的にみるとメンテナンスコストをおさえることができます。

それぞれの塗料の特徴については以下の記事でより詳しく解説しているので参考にしてみて下さい。

関連記事:外壁塗装の種類と選び方の総まとめ!塗料ごとの特徴と相場も解説|ミツモア

下塗材はALC外壁の状態に応じて、最適な種類が変わってきます。もし目立つひび割れが入っているようなら、「微弾性フィラー」を使用しましょう。微弾性フィラーはゴムのような柔らかさが特徴で、外壁改修でよく採用されている塗料です。

ALC外壁を塗り直すタイミングは?

悩む男性

そろそろALC外壁の塗装を考えているけど、本当に塗り直しが必要なの?と疑問に思っている方もいらっしゃるでしょう。

ここではALC外壁を再塗装するタイミングについて解説していきます。

塗装の目安は10年ごと

ALC外壁の塗装は10年ごとに行うのがおすすめです。そのころになるとALC外壁の防水性能が落ちてきて、水を吸い込みやすい状態になっています。

ALC外壁は水に弱いため、劣化を防ぐためにも定期的にメンテナンスを行うことが必要です。劣化が進む前に早めにお手入れすることで修繕費も節約できます。

外壁に劣化症状がみられたら

外壁塗装のタイミングは10年ごとが目安と解説しましたが、以下のような劣化症状がみられた場合は年数に関係なく塗装を行いましょう。

  • カビやコケが発生している
  • チョーキング現象が起こっている
  • 外壁のひび割れ
  • コーキングのひび割れ
  • 外壁の色あせ

外壁やコーキングがひび割れている場合やコケ・カビが大量発生している場合は家の劣化を防ぐためにも外壁塗装を検討しましょう。

また外壁を触ると白い粉がつくチョーキング現象がみられる場合も再塗装が必要なタイミングです。

関連記事:外壁塗装に適した時期・季節は?塗り替えは何年ごと?劣化のサインも解説|ミツモア

ALC外壁塗装費用を安くおさえる方法

お金

ALC外壁塗装の相場は70~200万と高額な費用がかかるため、なるべく費用を節約したい方は多いでしょう。

ここでは外壁塗装の費用を安く抑える方法を紹介していくので参考にしてみてください。

初めての塗装なら「コーキング増し打ち」を選ぶ

ALC外壁の塗装ではモルタルやサイディング外壁と比べてコーキングに費用がかかります。

住宅が築10〜15年、かつ初めて外壁塗装を行う場合は「コーキング増し打ち」という方法を選ぶとよいでしょう。「増打ち」は古いシーリングの上に充填する方法で、古いシーリングを撤去する必要がある「打ち替え」と比べて安くすみます。

ALC外壁の住宅は新築時にコーキングが厚く施されており、表面を保護するために吹き付け処理がされているので外壁の劣化は少ないと考えられます。そのため1回目の塗装は「増打ち」、2回目の塗装で「打ち替え」をするのがおすすめです。

しかしコーキングの補修方法はALC外壁の劣化状態にも左右されるので業者と相談して決めましょう。

屋根も一緒に塗装する

ALC外壁だけでなく屋根の塗装も同時に行うことで費用をおさえることが可能です。

外壁や屋根塗装には足場が必要ですが、外壁と屋根を一緒に塗装することで足場代を1回分浮かせることができます。(例えば30坪の住宅では足場台として約16万円かかります。)

そのため外壁と屋根の塗装のタイミングがあえば一緒に塗り直すことをおすすめします。

地元の外壁塗装業者に依頼する

ALC外壁の塗装は地元の外壁塗装業者に依頼すると1番費用を安くおさえられます。

ホームセンターやハウスメーカー、大手リフォーム業者などに依頼することもできますが、これらの業者は下請けの外壁塗装業者に工事を依頼しているため中間マージンがかかり費用が高くなってしまうでしょう。

地元の外壁塗装業者は自社で施工を行うため余計なコストがかかりませんし、何かトラブルがあった際にもすぐに駆けつけてくれます。

コスパの良い塗料を使用する

塗料の選び方で費用を節約することもできます。

どの塗料を選べばよいかわからないという方は、耐用年数と費用のバランスがとれたシリコンをを選ぶとよいでしょう。ウレタンは低価格ですが耐用年数が短いため避けた方がよいでしょう。

また単価は高いですが「フッ素」や「無機」といった耐用年数が長い塗料を選べば、メンテナンス回数が少なくなるため長期的にみると費用をおさえられます。

塗装費用が高くついてしまうケースとは?

外壁の塗装をする外壁塗装業者住宅の条件や依頼先などによっても塗装費用が変わることがあります。

あとで「こんなに高いと思わなかった!」とならないためにも、ALC外壁塗装の費用が高くなってしまうケースをみていきましょう。

3階建ての住宅である

3階建ての住宅の場合は足場代が5~10万円ほど高くなり、塗装面積も大きくなるため合計費用も高くなってしまいます。

以下はシリコン塗料で外壁塗装を行った際の費用になります。

2階建ての住宅(40坪) 80~120万円
3階建ての住宅(40坪) 115~170万円

足場は外壁塗装の際に必要なものなので作業を省くことはできません。

コーキングが多く必要

コーキング

必要なコーキングの量は自宅のALCボードによって異なります。外壁の目地が広ければその分、コーキングの量も多くなり費用が高くなってしまうでしょう。

また厚みのあるALCボードの場合も、目地の深さが深いのでその分コーキングが多く必要になります。

ハウスメーカーや大手リフォーム会社に依頼する

ハウスメーカーや大手リフォーム業者の場合、塗装工事を下請けの業者に依頼しているため中間マージンがかかり費用が高くなってしまうことが多いです。

そのため外壁塗装や屋根塗装だけを検討している方は中間マージンがかからない地元の外壁塗装業者に依頼した方が費用を安くおさえられます。

一方で塗装と同時に大規模なリフォームも検討している方はハウスメーカーや大手リフォーム業者への依頼を検討するとよいでしょう。

外壁、屋根の塗装の見積を依頼する!

「多彩模様塗料」を使用する

ALC外壁の中には、細かな色がついた天然の石材のようなデザインのものもあります。

この外観や質感を保つためには「多彩模様塗料」を使用して塗装することが必要です。

しかし「多彩模様塗料」はよく使用されるシリコンと比べると単価が高く、塗装に技術が求められるため塗装費用は相場よりも高くなってしまうでしょう。

信頼できる外壁塗装業者を選ぶポイント!

塗装業者

ALC外壁の塗装工事を依頼する業者選びも重要です。安いからや自宅近くの業者だったからという安易な理由で決めてしまっては、後悔する結果になるかもしれません。

ここで紹介する内容を参考に、納得できるサービスを提供してくれる業者を選びましょう。

ポイント①:複数の業者から見積もりを取る

ALC外壁の工事費用の相場は「70〜200万円」と高額なので、なるべく費用をおさえて適正な価格で工事を行ってくれる業者を選びたいですよね。

まずは、気になる業者を3〜5件ピックアップし、見積もりを依頼してみましょう。複数の見積もりを比較すれば、より具体的な工事費用も分かり、安い費用で受けてくれる業者も見つけられます。

その際には見積もり書に費用の内訳が明確に記されているかを確認しましょう。特に費用が㎡数や単価ではなく、一式で表されている業者は避けた方がいいでしょう。

留意しておきたい点は、見積もりを取るのは手間や時間がかかるので、工事の希望時期がある場合は早めに動き出すことをおすすめします。

関連記事:【例あり】外壁塗装の見積書の見方!費用や工程は適正?注意すべきNG例も確認しよう!|ミツモア

ポイント②:実績や技術力を確認する

ALC外壁の耐用年数を長くするためには、塗装工事は1度だけではなく、その後の定期的なメンテナンスも大切になります。そのため安心して長く付き合えるような、実績と技術力を兼ね備えた業者を選びたいものです。

業者選びの際には以下のような点を確認しましょう。

  • 創業年数や年間の施工件数
  • 資格を保有しているか(塗装技能士、1級塗装技能士など)
  • アフターフォローが充実してるか
  • 口コミが良いか

まず各業者の公式サイトを見てみましょう。創業年数や年間の施工件数など細かな数字を掲載していれば、それらの情報で実績が分かります。

国家資格である「塗装技能士」資格を保有しているかもチェックしましょう。中でも、7年以上の実務経験がないと受験資格を得られない「1級塗装技能士」資格を保有していれば、確かな技術力を持ったスタッフが在籍している証です。

以下の記事では、優良な外壁塗装業者の選び方や悪徳業者を見分ける方法などをより詳しく解説しているので参考にしてみてください。

関連記事:失敗しない外壁塗装の業者の選び方!複数の業者を比較しよう|ミツモア

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外壁、屋根の塗装の見積を依頼する!

ALC外壁塗装はDIYできる?

ペンキを塗るDIY女子

DIYであれば費用を安くおさえることもできますが、基本的にALC外壁塗装をDIYすることはおすすめしません。

ALC外壁の塗装をする際には壁の劣化状態にあわせた塗料を選ばなくてはなりません。また塗装前には養生や高圧洗浄など専門的な作業が必要です。2階部分や手の届かない部分を塗装する場合は足場を組むことになります。

このようにALC外壁の塗装には専門的な技術や知識が必要になりますし、手間や安全性の面からもDIYではなく外壁塗装業者への依頼がおすすめです。

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ALC外壁にとって塗装は、耐用年数を延ばすためにも重要です。ALC外壁は水を吸収しやすい特徴を持っているので、防水塗装を怠ると劣化が進んでしまうでしょう。

塗装工事をする際には、塗装の種類が重要なのはもちろん、さまざまな費用がかかることを念頭に置く必要があります。見積もりを比較する際は内訳にも注意して、納得できる費用で適切なメンテナンスができる業者を選びましょう。

そこで重要なのが、相見積(あいみつもり)です。複数の業者から提示された見積額を比較検討し、納得できる費用で依頼をしましょう。

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