仕事の多忙や急な引越しが決まったことを理由に、どうしても夜に引越したい人がいるのではないでしょうか。人目をつかずに引っ越せる一方で、依頼するにあたって準備を進めないと近隣とのトラブルが発生する可能性があるため、注意が必要です。
一般的に引越し作業は日中の時間帯に行いますが、夜間でもできるのでしょうか。メリットと業者依頼時の準備すべき項目を含めて解説します。
そもそも夜の時間帯に引越しはできる?
夜の時間帯に引越しはできますが、対応できる業者はあまり多くありません。表にまとめると下記のとおりです。
夜の時間帯 | 対応できる主な引越し業者 |
17~18時 | 基本的にどの引越し業者も対応可能
(例)日本通運、アート引越センターなどの大手や地域密着の引越し業者 |
18~20時 | 基本的にどの引越し業者も対応可能
(例)サカイ引越センター(作業開始時間は遅くても18時まで、19~20時までには作業完了)をはじめとした大手や地域密着の引越し業者 |
20時以降 | 一部の引越し業者で対応可能
(例)サカイ引越センター「ご一緒便コース」やアート引越センター「フリー便」、アーク引越センターなどの大手・地域密着の業者 |
24時以降 | 一部の引越し業者で対応可能(深夜帯を含め24時間対応可能な業者も)
(例)夜逃げ屋TSC、株式会社アリス、エストランスポート(東京都)、たっきー運送(大阪府) など |
引越し業者は午後便やフリー便で引越しのスタートが夕方にずれ込んだ場合、18時から20時までに新居の搬入作業が終わるように対応してもらえます。ただし、20時以降に対応してもらえるところは、地域密着の引越し業者が中心です。中には、夜引越しができることを宣伝しているところもあるので、見積もりのタイミングで問い合わせてみましょう。
夜の時間帯に引越しをする3つのメリット
夜の時間帯に引越しをするメリットは、下記3つです。
1.仕事終わりに引越しができる
どうしても仕事が休めないけど、引越しをしないといけないとき、夜間対応ができる引越し業者に依頼すると、仕事終わりに新居へ荷物を搬入できます。業者の中には自宅の小物から家具、家電までまとめて梱包してもらえるところもあるので、仕事や学業で荷造りの時間が確保できないときは、事前に相談しましょう。
2.荷物をスムーズに新居へ運搬できる
荷物の運搬時、日中よりも夜のほうがスムーズに荷物を運搬できるのもメリットのひとつです。エリアによって異なりますが、夜遅くの時間帯に引越しができれば、交通渋滞に巻き込まれるリスクが少なく、予定通りに作業が進められるでしょう。
加えてマンションで引越し作業をする際、昼間にエレベーターや階段を利用する住民が多いため、部屋への搬入に時間がかかります。その点、夜に作業をすれば、利用する住民が少なくなるため、スムーズに搬入しやすくなります。
3.人目につかずに引越しができる
パートナーからのDVやストーカー被害といった特定の理由で人目につかずに引越したい人がいます。夜の時間帯に引越しをすれば、特定の人に引越したことを知られるリスクは軽減できます。
ただし途中で発覚すると、かえって状況が悪くなる可能性があるため、事前に警察に相談したうえで、専門の引越し業者に依頼しましょう。
夜の引越しはあまりおすすめできない理由
夜の時間帯に引越しをするのは、スムーズに移動できる点や人目をつかずに引越しができる点でメリットがある一方で、下記3つの理由からあまりおすすめできません。
1.引越し作業の騒音で近隣住民からに印象が悪くなるから
トラックが走る音や重い荷物を運搬する音など、引越しの際には大きな物音が出るものです。夜の引越し作業は、騒音トラブルの原因となる可能性があります。
日中と比べて夜は静かで周りに音が響きやすくなってしまうため、できれば19時までに終わらせるようにスケジュールを立てるのがおすすめです。
特に深夜の寝静まった時間帯に荷物の搬出入作業を行うと、大きな物音が響いてしまい迷惑だと思われるリスクがある点も覚えておきましょう。
2.夜の時間帯の搬出入作業は危険を伴うから
夜間は暗く周りが見えにくいため、引越し作業中に事故が起こる可能性があります。トラックへの荷物の積み降ろしなど、視界が狭まることで家具・家電を破損したり、けがをしたりする危険性が高くなるでしょう。
業者によっては夜に引越しを行った経験が少ない可能性も考えられます。なるべく荷物を傷つけたくないのであれば、作業に熟練した信頼できる業者を選びましょう。あわせて自分で荷物を運ぶときは、けがに気をつけて慎重に作業することが大切です。
3.プラン次第で午前便より引越し料金が高くなるから
引越し業者によって異なりますが、申し込むプラン次第で夜の時間帯に引越しを依頼するとき、料金が高くなるケースがあります。午後から引越し作業を行う「午後便」と、引越し業者のスケジュールに合わせて引越し作業をする「フリー便」がありますが、フリー便は時間帯や荷物の個数次第で午前便よりも高くなる可能性があります。
特に深夜の引越しでは、割増料金として通常の1.5〜2倍ほどの費用がかかるのが目安です。日中と同じ料金で夜間の引越しに対応可能な業者もあるため、必ず見積もりを依頼しましょう。
夜の引越しをスムーズに進めるために必要な5つの準備
夜に引越しをする際、新居や旧居で近隣住民に迷惑をかけないように下記5つの準備が必要です。
1.集合住宅の管理規約で夜間の引越し作業が可能か確認する
夜の引越しに依頼する前に、旧居と新居がマンションやアパートといった集合住宅の場合、管理規約で引越し作業をしても問題ないか確認しましょう。物件によって異なりますが、管理規約で夜間の引越し作業が禁じられているところがあります。
たとえ禁止されてなくても、日中の時間帯のみ管理人が常駐するマンションでは、夜でも入口のオートロック開放ができない場合があります。共用部分の養生や荷物の搬出入作業に支障が出るため、事前に管理会社や大家に確認しましょう。
2.近所へ夜に引越しする旨を前もって伝えておく
大家や近隣住民の方へ挨拶をする際、引越し作業が始まる時間までに荷物の搬出入作業を夜に行う旨を伝えましょう。新居だけでなく、旧居の近隣住民に伝えておかないと非常識と取られ、騒音トラブルに発展します。
マンションやアパートに引越す場合、エレベーターに荷物を載せて運びます。同じフロアの住人や、上下の部屋の人に菓子折などの手土産を持って挨拶をしておくのが大切です。
3.夜間引越しの前日までに新居の鍵を受け取っておく
夜に引越しをするとき、引越しの前日までに不動産会社で新居の鍵を受け取っておきましょう。夜間に対応している不動産会社はなく、営業時間に受け取らないと、部屋に入れなくなってしまいます。
郵送対応も可能な不動産会社がありますが、入れ違いにならないように早めに連絡しましょう。
4.夜にライフラインが使えるように開栓手続きを終わらせておく
夜に引越し作業をする際、電気やガス、水道といったライフラインは引っ越し日の1週間前までに開栓手続きを完了させましょう。特に電気は荷物の搬出や搬入時につかないと、作業に支障をきたします。可能であれば、引越し前日を電気の使用開始日として、事前に電気が通っているか確認しておくと安心です。
あわせて旧居での引越し作業ができるように電気やガス、水道を閉栓する日は引越し日の翌日以降に依頼しましょう。
5.夜の時間帯の移動手段を調べておく
夜に引越しを行うと、時間帯によって電車やバスといった公共交通機関が利用できないエリアがあります。電車やバスで移動したい人は、事前に終電の時間を調べておきましょう。
新居までの移動する手段として自家用車が一般的ですが、持っていないときは事前にタクシーやレンタカーを手配するのがおすすめです。
夜の引越しも対応できる業者を探すならミツモアで
夜に引越しを行う場合、業者の営業時間外になるため、事前に対応してもらえるか確認することが大切です。たとえ夜の引越しを引き受けてもらえても、業者によっては午前便より引越し料金が高くなるケースがある点に注意しましょう。
中・長距離で2日以上かけて引越し作業をする場合、前日に荷物を積み込んで引越し業者が預かった後、翌日以降に新居への搬入作業をする「夕積み・宵積み」ができる業者に依頼するのもおすすめです。
ミツモアなら、引越し日時に夜の時間帯も指定できます。ダンボールの数や新居がある郵便番号など、簡単な質問に答えるだけで夜間対応可能な引越し業者から最大5つの見積もりが届くほか、やり取りもチャットで完結できるため安心して依頼できるでしょう。