調理をするとどうしてもベタベタした油汚れや、黒い焦げ付き、吹きこぼれなどの汚れが溜まります。頑固に固まったガスコンロの汚れ掃除に大活躍するのが「重曹」です。頑固な汚れもしっかり落としてピカピカの状態に戻すことができますよ。
ガスコンロ掃除には重曹がおすすめ
ガスコンロの汚れには重曹が効果的。なぜかというとコンロにつきやすい油汚れ・焦げ付き・食品汚れなどは酸性で、重曹はアルカリ性だからです。
ガスコンロにつく汚れの種類は3つ
油汚れ
揚げ物や炒めものなど多くの料理に油を使いますよね。丁寧に料理していても油はガスコンロの周りに飛び散ってしまいます。
すぐに拭き取れば比較的かんたんに取りのぞくことができますが、拭き掃除を怠っているとたちまちベタベタした取りにくい汚れに変化するのです。
さらに油汚れは調理で発生する蒸気に乗って、壁・床や換気扇など、キッチン全体をベタベタにする原因となってしまいます。
焦げ付き汚れ
焦げ付き汚れの原因は大きく2つあり、1つ目は調味料や吹きこぼれなど食品が原因の汚れ、2つ目は油汚れがこびりついたものです。
基本的に前回の料理で油や食品のカスがコンロに飛び散った汚れが、次の料理をするときに加熱され、焦げ付いてしまうことで焦げ付き汚れとなります。そのため簡単には落ちない頑固な汚れとして認知されています。
食品の残りかす
調理に使う食品の切れ端や、醤油・塩・コショウなどの調味料は、どうしても少しずつこぼれてしまいがち。
そのうえ調理する食品の成分は、たんぱく質や炭水化物なので、様々な種類の汚れが重なることで酸化していきます。焦げ付きの原因になるのはもちろん、コンロがサビることにもつながるので、こまめな掃除が大切です。
重曹の弱アルカリ性が汚れをしっかり分解する
重曹の持つ弱アルカリ性の成分は、油汚れに代表される酸性の汚れと中和反応を起こします。
そのため酸性汚れが発生しやすいガスコンロの掃除と非常に相性がよく、汚れをすみずみまで強力に分解してくれるのです。
重曹は「炭酸水素ナトリウム」を原料とする自然由来の物質。食品としても扱われるため、料理をするガスコンロの掃除に安心して使えるのもうれしいポイントですね。
間違えやすいですが、クエン酸は酸性のため、油汚れの掃除にはあまり適していません。
IHコンロも重曹で掃除できる
IHコンロをお使いの方も汚れの原因は油汚れや調味料なので、アルカリ性の重曹を使って掃除することができます。
またIHコンロの場合は拭き掃除がメインになるので、アルカリ性洗剤が含まれたウェットティッシュやシートを使うことでよりかんたんに掃除ができますよ。
IHコンロのより詳しい掃除方法については以下の記事で解説しているので、ご自宅のコンロがIHコンロの方はぜひご一読ください。
ガスコンロ掃除に使う重曹水・重曹スプレーの作り方
ガスコンロ掃除における重曹の使い方は主に次の3つです。
- そのまま直接振りかける
- 重曹水にしてスプレーを吹きかける
- 重曹ペーストにして塗り込む
汚れの種類や程度に合わせて、重曹の使い分けをするのが大切です。軽い汚れには重曹水が、頑固な汚れには重曹ペーストが効果的ですよ。
重曹水の作り方
水100mlに対し、小さじ1杯の重曹を溶かして作ります。スプレーボトルに入れておくと掃除の際に便利です。
重曹ペーストの作り方
大さじ1杯の水と大さじ2杯の重曹を混ぜ合わせて作ります。とろみが出るまでよく練り混ぜるのがポイントです。
多めに重曹ペーストを作りたい場合は、好きな分量で水と重曹が1:2になるように調合して混ぜれば作れますよ。
重曹ペーストは他にもマジックリンやお酢などを使って混ぜることで、より強力な洗浄効果を得ることができます。詳しくは以下の記事をご参照ください。
五徳などの分解できるパーツはつけ置き洗い
ガスコンロの徹底的な掃除は、パーツごとに分解するのが大きなポイントです。
それぞれの箇所ごとの汚れの落とし方を見ていきましょう。
ガスコンロを分解しよう
ガスコンロは簡単に取り外せる次のパーツで構成されています。
【ガスコンロのパーツ】
- 五徳
- 五徳の汁受け皿
- グリル排気口カバー
- バーナーキャップ
簡単な拭き掃除程度なら分解の必要はありませんが、細かい部分までキレイにする場合は分解洗浄がおすすめです。
それぞれのパーツごとにキレイにしましょう。
五徳や汁受け皿、排気口カバーはつけ置き洗いしよう
五徳や汁受け皿は油や焦げ付き・吹きこぼれなどの汚れがこびり付きやすいです。
軽い汚れは重曹水を使った拭き掃除で落ちますが、基本的にはつけ置き洗いにするのがおすすめ。
重曹水につけ置きすることで汚れが緩み、こびりついて固まった汚れも落とすことができますよ。
【用意するもの】
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【五徳の掃除方法】
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まずは大きめのゴミ袋にお湯と重曹を入れて、つけ置き液を作ります。
このとき水ではなくお湯を使うことで、汚れが落ちやすくなる効果が見込めますよ。
五徳や汁受け皿、排気口カバーがしっかりと浸るくらいの量を用意するのも大切なポイントです。
30分ほど放置した後、歯ブラシや不要なカードを使って、素材を傷つけないように汚れをやさしく落としていきましょう。汚れがゆるんでいるため、簡単に落とすことが可能です。
水で五徳や汁受け皿、排気口カバーをキレイに洗い、しっかりと水分を拭き取って乾燥させれば完了です。
バーナーキャップと温度センサーの掃除
バーナーキャップには吹きこぼれ汚れや油を含んだ汚れ、焦げ付き汚れが付きやすいです。バーナーキャップが汚れで目詰まりをした状態だと点火不良や不完全燃焼を起こしかねません。
バーナーキャップの掃除方法
バーナーキャップの掃除には、歯ブラシが大活躍します。
【用意するもの】
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【バーナーキャップの掃除方法】
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まずはバーナーキャップの溝に沿って歯ブラシを動かし、目詰まりを取っていきます。取り切れない部分や細かい部分は、爪楊枝や竹串を使うのもおすすめですよ。
そのあとは重曹水を使った拭き掃除を行います。最後には水で洗剤を洗い流し、しっかりと乾かしてから元の場所に戻すようにしましょう。
温度センサーの掃除方法
温度センサーはバーナーキャップに囲われた突起部分のことを指しており、正式名称は「Siセンサー」です。
鍋底の温度を感知し、油温を250℃をキープしたり、吹きこぼれたときに自動的にガスをストップさせたりと安全にコンロを使用できるようサポートしてくれます。
温度センサーの掃除方法は簡単です。水に浸した布を固く絞り、頭部と側部についた汚れをしっかり拭き取ってください。
天板や側面は拭き掃除
天板や側面はつけ置き洗いができないので、拭き掃除を行っていきます。素材によってはとても傷つきやすいので、丁寧に拭くことを心がけましょう。
天板の掃除に必要なものと掃除方法
【用意するもの】
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【天板の掃除方法】
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天板は調理中に飛んだ油や調味料などで汚れやすいです。汚れに重曹水を直接吹きかけ、ゆっくりと丁寧に拭き掃除を行いましょう。
重曹水を使って浮き上がった汚れを拭き取っていくイメージです。
また天板の素材にはガラストップやフッ素コート・ホーローなどがあり、素材によっては重曹が使用できない可能性があります。使用が不安な場合は取扱説明書を確認しましょう。
天板を傷つけないように重曹の使用は最低限に押さえつつ、やさしく丁寧に拭くのがポイントです。
特にホーロー素材の天板は傷つくと、その隙間から水が入り込み、内部の金属を錆びつかせてしまう原因になります。
拭き掃除するときは柔らかいスポンジやなめらかな布を使いましょう。頑固な汚れは重曹を上からふりかけて汚れを浮かせ、優しく拭き取ってください。
頑固な汚れには「ラップパック」が効果的
油汚れなど、なかなか落ちない頑固な汚れがある場合は、ラップを使ったパック洗いが効果的。
ラップパックの手順は次の通りです。
【ラップパックの方法】
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基本的な手順は変わりませんが、重曹水をふきかけた後にラップを貼り付け、成分を浸透させていきます。
10~20分ほど放置した後に雑巾で水拭きして、汚れごとやさしくこすり落としましょう。
最後は乾き吹きで水分をしっかりと取り除いてくださいね。
コンロと天板部分の隙間部分の汚れは歯ブラシで掃除
コンロ本体と天板部分の隙間部分にホコリがたまっている場合は、古歯ブラシを使ったお手入れをしましょう。
歯ブラシにクリームタイプのクレンザーをつけて、隙間部分の汚れをこすり落としていきます。
水拭きで汚れを拭き取り、乾拭きで水分を取り除いて仕上げましょう。
こびりつき汚れがそこまで気にならない場合は、食器用洗剤を代用しても構いません。
汚れが固まって取りにくくなるのを防ぐためにも、週に1回くらいの頻度でこまめな掃除をするのがおすすめです。
油汚れは重曹水を使って拭き掃除しよう
調理中に飛び散った油汚れは時間が経つほどベタつき、ホコリとも混ざり合って固くこびり付いていきます。
やっかいな油汚れは重曹水を使って拭き掃除をしていきましょう。
【用意するもの】
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【掃除の仕方】
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重曹水を雑巾にスプレーし、汚れを拭き取りましょう。汚れがひどい場合は5分ほどそのまま放置します。
汚れを拭いた後は雑巾を水で濡らし、水拭きを行ってください。
最後に乾いた雑巾で乾き吹きをするのも忘れないでくださいね。
頑固な油汚れには重曹ペーストでパックして掃除しよう
油などのこびりつきや焦げは、時間が経てば経つほど固くてガンコな汚れになってしまいます。
頑固な油汚れ・焦げ付きは、調理中に飛んだ油や吹きこぼれ・食材などが加熱され炭化したもの。そんなときには重曹ペーストを使ったパック洗いが効果的です。
【用意するもの】
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【掃除の仕方】
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まずは洗浄効果を高めるために、重曹ペーストにアルカリ洗剤を混ぜていきましょう。酸性の洗剤だと重曹と混ざって中和され、酸性の油汚れを落としづらくなります。
混ぜるときは洗剤を入れながらこまめに混ぜ合わせるのがポイントです。
汚れに塗りつけて30分放置した後、使い古した歯ブラシまたはスポンジで汚れをやさしくこすっていきます。
水拭きで洗剤と汚れを取り除き、最後は乾拭きで残った水分を拭き取りましょう。
【食品の残りかす】残りかすを取り除いた後は重曹水で拭き掃除しよう
食材や調味料も、ガスコンロに付きやすい汚れです。脂質や炭水化物・タンパク質など、さまざまな種類の汚れが油と混ざるようにして付着・蓄積します。
汚れを直接取り除き、重曹水を使って拭き掃除を行いましょう。
【用意するもの】
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【掃除の仕方】
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まずは食品の残りかすを直接取り除いていきます。
残りかすを取り除いたら、油汚れと同様の方法で重曹水を使った拭き掃除を行いましょう。
壁にはねた油汚れも拭いておこう
【用意するもの】
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【掃除方法】
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キッチンの壁など、ガスコンロ周りに付いた油跳ねなどの汚れは、やわらかいスポンジに重曹水を染み込ませて汚れをやさしく拭き取ります。
ガスコンロを掃除したついでに、壁の汚れも一緒に落としてみてはいかがでしょうか。
汚れが固まっている場合は、スクレーパーなどでこそげ落としたり、キッチンペーパーでパックしたりするのもおすすめです。
魚焼きグリルの掃除方法
魚焼きグリルは魚がこびりついて焦げ付きになったり、魚から出る脂によって油汚れがたくさんついたりとキッチンの中でも特に汚れやすい場所です。
魚焼きグリルの庫内の掃除に必要なものと掃除方法
【用意するもの】
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【掃除の仕方】
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魚焼きグリルの庫内を掃除するときは、まず焼き網と受け皿を取り外してください。
庫内は油汚れがとても多いので、重曹を染み込ませたキッチンペーパーを使ってパックすることで汚れを落としていきます。
キッチンペーパーは拭き取るときにたくさん使うことになるので、余裕をもって準備してください。
庫内の奥にこびりついた汚れがあるのに届かないときは、割り箸にスポンジを貼り付けて擦るように汚れをとるのがおすすめです。
庫内を掃除するときに一緒に魚焼きグリルの窓も掃除しておきましょう。
窓を掃除するときは重曹スプレーまたは中性洗剤を吹き付け、キッチンペーパーで拭き取るようにして汚れを落としてください。
受け皿と焼き網は五徳と一緒につけ置き洗い
受け皿と焼き網は上記のつけ置き洗いするときに一緒に入れてください。
焼き網は脂が付着したまま使用すると火事の元になるので、日頃から魚焼きグリルを使うたびに中性洗剤で洗うかお湯につけ置きし、脂をきちんと取り除くことを習慣にしましょう。
魚焼きグリルのより詳しい掃除方法は下記の記事にまとめているので、興味のある方はご一読ください。
重曹の代わりに使用できる洗剤
キッチンの油汚れ・焦げ付きには、重曹と同じアルカリ性の性質を持つ洗剤なら使用可能です。
セスキ炭酸ソーダ
【特徴・注意点】
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【使用できない素材】
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オキシクリーン
【特徴・注意点】
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【使用できない素材】
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台所用洗剤(マジックリンや食器用洗剤など)
【特徴・注意点】
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【使用できない素材】
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クレンザー
【特徴・注意点】
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【使用できない素材】
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普段からできる!ガスコンロ使用後の簡単なお手入れ方法
最後に、普段からガスコンロをキレイに保つためのお手入れ方法を紹介します。どれも意識するだけで大幅にガスコンロの汚れを予防できる簡単なものなので、ぜひ試してみてください。
掃除後はしっかりと乾燥させよう
ガスコンロを分解・掃除した後は、細かい部分までしっかり乾燥させてから、元通りに戻しましょう。水分が残ったままにしてしまうと、パーツによってはサビの原因になりかねません。
掃除の最後に乾拭きして、完全に乾くまでしばらく自然乾燥させるとよいですよ。
使用後は台所用洗剤を使った拭き掃除を心がけよう
ガスコンロを使い終わった後は、台所用洗剤を使った拭き掃除をしましょう。
スポンジに台所用洗剤を少量つけ、汚れを中心に拭き取ります。
汚れを拭き取った後は水拭きし、最後に乾拭きで水分を取り除いてください。
汚れがそこまで気にならない時は、サッと水拭きするだけでも十分な効果を発揮するので、ぜひ日々の習慣に取り入れてみてくださいね。
汚れたらすぐに拭き取る習慣が大切
ガスコンロのキレイを保つためには、汚れたらすぐに拭き取ることが大切です。
油汚れを放置すると、ホコリや他の汚れとも絡み合ってガンコな汚れになってしまいます。またバーナーキャップや受け皿に汚れが溜まっていくと、発火するおそれも。
できるだけ汚れを溜め込まず、こまめに掃除するのがおすすめです。
掃除の際の注意点
ガスコンロは火を扱う器具なので、取り扱いには注意が必要です。掃除の際には次の2つの点に注意しましょう。
- 掃除前にガスの元栓を閉める
- ガスコンロが冷めてから掃除を行う
掃除中に誤って点火してしまわないよう、掃除前にガスの元栓を閉めてから掃除を行いましょう。思わぬ事故につながるおそれもあるので、必ず実施してくださいね。
またガスコンロを使った後はしばらく熱気が残ります。やけどの恐れがあるため、必ず冷めてから掃除を行いましょう。
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