住宅について、「冬は寒く、夏は暑い」「光熱費が高くて困っている」という悩みを抱えている人には、住宅の断熱工事がおすすめです。住宅の断熱リフォームでは100万~500万円ほどの費用がかかることが一般的です。
住宅の断熱工事は家全体に施工するだけでなく、気になる箇所のみに施工することもできます。
断熱リフォームの費用相場や補助金のほか、実際にミツモアで断熱リフォームを行った人の口コミを確認してみましょう。
一軒家の断熱リフォームの費用相場

一軒家全体の断熱性能を高めるリフォームには、一般的に100万円~500万円程度の費用がかかります。ただしこれはあくまで費用の目安であり、正確な費用を知りたい場合はリフォーム業者に個別に問い合わせる必要があります。
費用の変動要因としては、主に以下の点が挙げられます。
建物の構造と状態:木造や鉄骨造・RC造といった構造の違いや、築年数や現在の断熱材の状態などによって、必要な工事内容が変化します。たとえば壁の内部に断熱材を追加する場合、既存の壁をどの程度解体・復旧するかによって費用が変動します。
採用する工法:断熱方法には「内断熱」と「外断熱」があります。内断熱は柱の間に、外断熱は柱と壁の間に断熱材を入れるのが大きな違いです。外断熱の方が断熱効果が高いものの、工事が大掛かりになることが多く費用も高額になるケースが多いです。
使用する断熱材の種類:断熱材にはグラスウール、ロックウール、ポリスチレンフォームなど、様々な種類があります。それぞれ断熱性能や価格・特徴が異なります。高性能な断熱材であるほど価格は高くなります。
断熱リフォームでは多くの要因が絡み合って最終的な金額が決定します。正確な施工費用を知るためには、リフォーム業者に現地調査を依頼して見積もりを取ることが必要です。
施工場所別断熱リフォームの費用相場
家全体の断熱リフォームは費用が高額になりがちですが、気になる箇所だけを部分的にリフォームすることも可能です。ここでは、施工場所ごとの費用相場を見ていきましょう。
以下の表は、各部位の断熱リフォームにおける代表的な工法と費用相場をまとめたものです。ただし、これはあくまで目安であり、使用する断熱材の種類、施工面積、建物の状況などによって費用は変動します。
| 施工場所 | 費用相場 |
|---|---|
| 天井の断熱工事 | 1㎡5,500~15,000円 |
| 壁の断熱工事 | 1㎡あたり5,500~10,000円 |
| 床の断熱工事 | 1㎡あたり5,000~8,000円 |
| 窓の断熱工事(内窓の設置) | 1枚あたり8,400~35,000円 |
※ミツモアにおける断熱工事サービスの見積もり価格から算出しています。(2024年1月1日~12月31日)
天井の断熱工事の費用相場
天井への断熱工事は、夏は屋外からの熱の侵入、冬は暖房熱の流出を防ぐうえで非常に効果的です。最上階にある部屋の暑さ・寒さ対策としても有効です。
天井の断熱工事は以下の2種類があります。
- 敷き込み工法
- 吹き込み工法
敷き込み工法とは、天井裏にグラスウール等のマット状の断熱勢を敷き詰めることで断熱性能を高める工法です。天井裏に十分なスペースがあり、点検口から作業できる場合は比較的安価に施工が可能で、費用の目安は1㎡あたり4,000~8,000円です。DIYでも行えるものの、隙間なく敷き詰めないと効果が薄いため専門業者に依頼するほうが確実です。
吹き込み工法とは、セルロースファイバーやグラスウール等の細かい断熱材を専用の機械を用いて天井裏に吹き込み断熱性能を向上させる工法です。敷き込み工法では施工しにくい細かい部分にも断熱材を行き渡らせることができ、断熱性能がさらに向上することが期待できます。費用相場は1㎡あたり3,000~7,000円です。
いずれの工法も、天井裏がない場合や既存の天井を活かしたい場合は、天井材を剥がして断熱材を入れる工事が必要になり、費用が高くなります。
壁の断熱工事の費用相場
壁は住宅の面積の多くを占めます。壁の断熱性能を高めると、住まいの全体の断熱性能の向上が期待できます。
壁の断熱工事は大きく分けると3種類あります。工法と1㎡あたりの費用相場を表にまとめると以下の通りです。
| 断熱工事の名称 | 費用相場 |
|---|---|
| 内壁側への断熱材充填工法 | 10,000~30,000円 |
| 壁内への断熱材吹き込み工法 | 4,000~10,000円 |
| 外張り断熱工法 | 20,000~40,000円+足場設置費用 |
それぞれの工法について特徴を簡単にまとめると以下の通りです。
吹き込み工法:既存の壁に小さな穴を空け、そこから壁内に断熱材を吹き込む。比較的工期が短く費用が抑えられるケースが多い。壁内に障害物があると均一に充填できないことがある。
外張り断熱工法:柱と壁の間に断熱材を敷設する。家全体を断熱材で覆うことになるので、結露等の原因になる熱橋(ヒートブリッジ)ができにくく、非常に高い断熱効果が期待できる。
床の断熱工事の費用相場
床の断熱性能が低いと冬場に底冷えする原因になります。床の断熱を行うと足元の寒さを軽減し、暖房効率を高められます。
床の断熱工事の工法と1㎡あたりの費用相場は以下の通りです。
| 断熱工事の工法 | 費用相場 |
|---|---|
| 床下への断熱材敷き込み | 4,000~9,000円 |
| 床下への断熱材吹き付け | 5,000~10,000円 |
| 床材撤去を含む断熱材の充填 | 15,000~35,000円 |
窓の断熱工事の費用相場
窓は家の中で最も熱の出入りが大きい場所です。そのため窓の断熱性能を高めることで、住宅の断熱性能を効率的に高めることができます。
窓の断熱工事は以下の4種類が挙げられます。
- 内窓(二重窓)の設置
- 窓ガラス交換
- 窓サッシ交換(カバー工法)
- 窓サッシ交換(はつり工法)
それぞれの工事の特徴を簡単にまとめました。
窓ガラスの交換:既設の窓ガラスのみを交換する工事。ガラスのみを交換するため、サッシの断熱性能は変わらない点に注意が必要。ミツモアにおける断熱など特殊ガラスの交換費用相場は1枚あたり24,000~40,000円。
窓サッシ交換:サッシごと窓を交換する工事。既設の窓枠から新しいサッシをかぶせる「カバー工法」とサッシ周辺の壁を壊し完全に取り外してサッシを入れ替える「はつり工法」の2種類がある。ミツモアにおけるサッシとガラス交換の費用相場は1枚あたり27,000~33,100円。
断熱リフォームが高くなる3つの理由
断熱リフォームの料金は工事内容によって変動するほか、以下3つの要素でも料金が高額になりやすいです。
① 大量の建材を使うケースが多い
断熱リフォームでは断熱材のほかにも様々な建材が必要です。断熱リフォームで使われることの多い建材の例を紹介します。
防湿・気密シート: 断熱材の性能を維持し、壁内結露を防ぐための部材。
構造用合板、石膏ボード: 壁や床、天井の下地材として使用される。
内装材: 壁紙やフローリング、サイディングなど、内装を整えるためのもの。
窓・サッシ: 窓の断熱を行う場合は、断熱性の高い高機能な窓ガラスやサッシを用いるケースが多い。
このように、特に壁や家全体の断熱リフォームを行う場合、使用する建材の種類も量も多くなるため、材料費がかさみやすくなります。
② 高機能な建材を利用する
断熱性能をより高めようとすると、高性能な建材を選ぶことになります。
断熱材は一般的なグラスウールよりも、フェノールフォームや硬質ウレタンフォームなど発泡プラスチック系の断熱材の方が熱伝導率が低く、高い断熱効果を発揮します。断熱効果が高いものほど価格も高くなります。
窓に関しても同様で、通常の透明ガラスから複層ガラス、さらにLow-E複層ガラス、トリプルガラスと性能が上がるにつれて価格も上昇します。
サッシも、アルミサッシよりアルミ樹脂複合サッシ、さらに樹脂サッシの方が断熱性は高いですが、価格も高くなります。
より快適な住環境や高い省エネ効果を求めるほど、高機能な建材が必要となり、結果的にリフォーム費用が高くなる傾向があります。
③ リフォームを施す範囲が広くなりがち
部分的な断熱リフォームも可能ですが、家全体の断熱性能を根本的に改善し、最大の効果を得るためには、天井・壁・床・窓といった複数の箇所を同時にリフォームすることが理想的です。
例えば、窓だけを高断熱なものに交換しても、壁や天井の断熱性が低いままだと、そこから熱が逃げてしまい、期待したほどの効果が得られないことがあります。「断熱のボトルネック」をなくすためには、家全体をバランス良く断熱する必要があるのです。
また、壁の断熱工事を行う際には、内装の解体・復旧が伴うため、必然的に広範囲の工事になりやすいです。外張り断熱の場合は、外壁全体の工事となるため、さらに大規模になります。
このように、十分な効果を得るためには施工範囲が広くなりやすく、それに伴って費用も高額になるのが断熱リフォームの特徴の一つです。
断熱リフォームを安くする3つのコツ
断熱リフォームは高額になりやすいですが、工夫次第で費用負担を軽減することも可能です。ここでは、費用を抑えるための3つのコツをご紹介します。
① 補助金を利用する
国や地方自治体は、省エネ化を推進するために、断熱リフォームに対する補助金制度を用意している場合があります。これらの制度をうまく活用することで、工事費用の一部補助を受けることができます。
以下に代表的な国の補助金制度の例を挙げますが、制度の内容や名称、予算、公募期間は年度によって変わるため、必ず最新情報を確認してください。
- 子育てエコホーム支援事業: 子育て世帯・若者夫婦世帯を主な対象とし、高い省エネ性能を有する新築住宅の取得や、省エネ改修(断熱改修やエコ住宅設備の設置)に対して補助を行う制度。必須工事として開口部(窓・ドア)や躯体(壁・屋根・天井・床)の断熱改修が含まれる場合があります。
- 先進的窓リノベ事業: 既存住宅における高性能な断熱窓への改修を促進し、エネルギーコスト負担の軽減、健康で快適なくらしの実現、住宅の省エネ化によるエネルギー費用削減効果の継続を目指す制度。補助額が大きいのが特徴です。
- 給湯省エネ事業: 高効率給湯器の導入支援を行う制度ですが、断熱改修と連携する場合もあります。
- 既存住宅における断熱リフォーム支援事業: 高性能建材(断熱材、窓、ガラス)を用いた断熱改修を支援する制度。戸建て住宅と集合住宅の両方が対象となる場合があります。
- 次世代省エネ建材の実証支援事業: 高性能な断熱パネルや潜熱蓄熱建材などの次世代省エネ建材の効果実証を目的としたリフォームを支援する制度。
補助金を利用する際の注意点:
- 対象工事: 制度ごとに補助対象となる工事内容(使用する建材の性能基準など)が細かく定められています。
- 申請期間: 公募期間が限られており、予算がなくなり次第終了となることが多いです。早めの情報収集と準備が必要です。
- 申請手続き: 施工業者を通じて申請する場合や、自身で申請する場合があります。必要書類も多岐にわたることがあります。
- 併用の可否: 複数の補助金制度を併用できる場合とできない場合があります。
地方自治体独自の補助金制度も存在する場合があるので、お住まいの市区町村のウェブサイトなども確認してみましょう。リフォーム業者に相談すれば、利用可能な補助金についてアドバイスをもらえることも多いです。
② 減税制度を利用する
一定の要件を満たす断熱リフォームを行った場合、税金の優遇措置を受けられる場合があります。主なものとして以下の2つがあります。
- 所得税の控除(リフォーム促進税制):
- 投資型減税: ローンを利用しない場合でも、対象となる断熱リフォーム工事費用の一定割合(例: 10%)を、その年の所得税額から控除できます(控除額には上限あり)。
- ローン型減税: 住宅ローンなどを利用してリフォームを行う場合、年末のローン残高の一定割合(例: 0.7%)が、一定期間(例: 10年間)にわたって所得税額から控除されます。
- 対象となる工事: 居室の窓すべて、または床・天井・壁の断熱工事で、現行の省エネ基準に適合するようになる改修工事などが対象となります。
- 主な要件: 自己所有の居住用家屋であること、工事費用が一定額以上であること、合計所得金額が一定額以下であること、など。
- 固定資産税の減額:
- 対象となる工事: 窓(必須)、床、天井、壁の断熱改修工事で、現行の省エネ基準に適合するようになる改修工事。
- 主な要件: 2008年(平成20年)1月1日以前から所在する住宅であること(賃貸住宅を除く)、改修後の床面積が50㎡以上280㎡以下であること、工事費用が一定額(窓改修を含む場合は60万円、それ以外の場合は50万円)超であること、など。
- 減額内容: リフォーム完了翌年度分の家屋にかかる固定資産税額の1/3が減額されます(120㎡相当分まで)。
これらの減税制度を利用するためには、工事内容を証明する書類や、確定申告などの手続きが必要です。適用要件や手続きの詳細は、税務署やリフォーム業者、税理士などに確認しましょう。
③ 一括見積もりでお得な業者を見つける
断熱リフォームの費用は、依頼する業者によっても大きく異なります。同じ工事内容でも、業者ごとに材料の仕入れ値、利益率、得意な工法などが違うため、見積もり金額に差が出ることが一般的です。
そこでおすすめなのが、複数のリフォーム業者から見積もりを取る「相見積もり」です。
相見積もりを行うメリットは以下の通りです。
- 適正価格の把握: 複数の見積もりを比較することで、その工事内容に対するおおよその適正価格を知ることができます。極端に高い、あるいは安すぎる見積もりには注意が必要です。
- 価格交渉の材料: 他社の見積もりを提示することで、価格交渉がしやすくなる場合があります。
- 提案内容の比較: 単純な金額だけでなく、提案されている工法、使用する断熱材の種類、保証内容、工期などを比較検討できます。より自分の希望に合った提案をしてくれる業者を選ぶことができます。
- 業者の対応比較: 見積もり依頼時の対応の早さや丁寧さ、説明の分かりやすさなども、信頼できる業者かどうかを判断する重要なポイントになります。
最低でも3社程度から見積もりを取るのがおすすめです。しかし、個別に業者を探して連絡し、それぞれに現地調査を依頼するのは手間がかかります。
そこで便利なのが、インターネットの一括見積もりサービスです。一度の入力で複数の業者にまとめて見積もりを依頼できるため、効率的に比較検討を進めることができます。
断熱リフォーム工事の口コミ
屋根裏の断熱材を貼っていただきました。厳しいスケジュールでしたが、頑張っていただいたので感謝しています。今後も機会がありましたらまたよろしくお願いします。
現在の断熱基準には達していな築年数の古いハウスメーカーの、2F屋根裏にグラスウールを敷き増しして頂きました。 着工前に作業内容の説明があり、理解・納得した上で着手頂けました。 施工も丁寧迅速で、安心してお任せできました。 施工後には写真をお見せ頂きつつの説明があり、丁寧な仕上がりを確認できました。 お任せして大変良かったと思っております。
ミツモアで断熱工事の無料見積もりを取れます!

断熱リフォームの費用相場は、工事内容や規模にもよるものの100万~500万円が費用の目安です。
断熱リフォームで後悔しないためには業者選びが重要です。3~5社を目安に相見積もりを取って、費用とサービス・保証の有無などを確認しましょう。
リフォーム業者を見つけるときは一括見積もりサイトの利用をおすすめします。ミツモアでは簡単な質問に答えると、リフォーム業者から最大5つの見積もりが自動で届きます。
