「換気扇(レンジフード)を掃除する頻度はどのくらい?」「1年に1回は掃除するようにしているけれど、足りているだろうか」
キッチンの空気をきれいに保ち、快適な調理環境を維持するために欠かせない換気扇(レンジフード)。しかし、その掃除頻度やタイミングについて悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
本記事では、換気扇(レンジフード)の掃除頻度やベストなタイミング、効果的なお手入れ方法などを詳しく解説します。
換気扇(レンジフード)は少なくとも半年に一度は掃除しよう!
換気扇(レンジフード)は、少なくとも半年に一度は掃除することをおすすめします。換気扇には日々の調理で油汚れやホコリが溜まりやすく、掃除を怠るほど汚れが蓄積してしまうためです。
理想は3ヶ月に一度
実は、多くのメーカーが推奨している掃除頻度は「3ヶ月に1度」です。これは、一般的な使用状況を想定した上での目安となっています。例えばLIXILの製品資料によると、3ヶ月ごとの定期的なお手入れが推奨されています。
こまめに掃除することで、油汚れやホコリの蓄積を最小限に抑えられることはもちろん、換気扇の性能を最大限に発揮できます。3ヶ月に1度というのはあくまで目安ですが、汚れが気になる場合はその都度掃除するようにしましょう。
実際は半年〜1年に一度が一般的
3ヶ月に一度の掃除頻度が理想ではあるものの、実際には多くの家庭が「半年に1回程度」または「年に1回程度」の頻度で掃除しているようです。
一般社団法人日本換気扇工業会が実施した調査によると、「半年に1回程度」掃除すると回答した人が33.2%で最も多く、次いで「年に1回程度」が26.7%となっています。
この結果を踏まえると、理想的な頻度は3ヶ月ではあるものの、現実的には半年〜1年に1回程度の掃除が目安であるといえそうです。生活スタイルや料理の頻度によって汚れの具合は異なるため、自身の状況に合わせて掃除のタイミングを決めると良いでしょう。
換気扇(レンジフード)を掃除するベストタイミングは?
換気扇(レンジフード)の掃除に最適な季節は夏です。その理由は、気温が高いことにあります。
夏は気温が高くお湯が冷めにくいため、油汚れのつけ置き効果が高くなります。洗剤の効果も温度が高いほど発揮されやすいので、夏の暑い時期に掃除をすることで、より効率的に汚れを落とすことができるのです。
また、梅雨明けの時期は湿度が下がり、カビの発生リスクも低くなります。換気扇の掃除後、パーツを十分に乾燥させるのにも適した季節といえるでしょう。
ただし、掃除のタイミングは必ずしも夏に限定する必要はありません。換気扇の状態を定期的にチェックし、汚れが目立ってきたら季節に関わらず掃除をすることが望ましいです。
換気扇の汚れを放置するとどうなる?
換気扇の掃除を怠ると、様々な問題が発生する可能性があります。ここでは、汚れを放置した場合に起こりうる代表的な以下のリスクについて解説します。
故障の原因となる
汚れが溜まりすぎると、換気扇が「ブォー」「ゴー」といった異音を発することがあります。この異音は、ファンやプロペラに油やホコリが詰まることで発生するものです。放置しておくと騒音が気になるだけでなく、部品が劣化してしまい、最悪の場合故障につながりかねません。
故障してしまった場合の部品交換や換気扇の交換は、高額になることもあります。そのため、少し手間に感じられても、こまめに掃除をする方が経済的です。
故障の兆候を感じたら、早めに掃除やメンテナンスを行うようにしましょう。自分での対処が難しい場合は、プロへ依頼するのも一つの方法です。
油分が吸い込み切れずキッチン周りが汚れる
換気扇は、料理の際に発生する油分や蒸気を吸い込む役割を果たしています。しかし、長期間換気扇のメンテナンスをせずに汚れを放置していると、換気機能が低下してしまいます。
換気機能が低下すると、油分や蒸気を十分に吸い込めなくなり、キッチン周りに油が付着し始めます。するとキッチンだけでなく、部屋全体に油汚れが付着してしまうでしょう。壁やカーテンについた油汚れを落とすのは非常に手間がかかります。
キッチンや部屋全体を清潔で快適に保つためにも、換気扇の定期的な掃除は欠かせません。
換気扇(レンジフード)を掃除する方法
油汚れが多く付着する換気扇・レンジフードの掃除にはアルカリ性の洗剤が効果的です。特に、重曹やセスキ炭酸ソーダを使用すると、油汚れを効率的に落とすことができます。
掃除を始める前に、以下の道具を準備しておきましょう。
- ゴム手袋
- キッチンペーパー
- ラップ
- 割り箸
- 使わなくなった歯ブラシ
- 重曹と沸騰水
- 大きめのゴミ袋
- 不要な紙やダンボール、新聞紙など
それでは、具体的な掃除の手順を見ていきましょう。
洗剤をお湯に溶かしておく
油汚れを効果的に落とすためには、アルカリ性の洗剤を使用しましょう。重曹やセスキ炭酸ソーダをお湯に溶かして、つけ置きを行うと良いです。お湯でアルカリ濃度を高めることで、汚れがより簡単に落ちやすくなります。
熱すぎると危険なため、お湯に溶かしたらある程度冷ましておきましょう。換気扇の部品を傷めないように、ぬるま湯程度まで冷めたら使用するのが理想的です。
床に新聞紙を敷く
掃除を始める前に、キッチンの床に新聞紙を敷いて養生します。掃除中に落ちてくる汚れや水滴から床を保護するためのものなので、代用品を使っても問題ありません。新聞紙がない場合は、不要な広告紙や大きめのビニール袋も使用できます。
また、換気扇の高さによっては脚立が必要になる場合もあります。安全に作業ができるよう、必要に応じて脚立も用意しておきましょう。
換気扇(レンジフード)の電源を切る
部品を取り外す前に、必ずレンジフード(換気扇)の電源プラグを抜いておきましょう。安全のために重要な手順なので、忘れないようにしてください。
電源が入ったまま掃除をすると感電の危険があるだけでなく、誤って換気扇を作動させてしまう可能性もあります。
電源を切った後、念のため換気扇のスイッチを押して、本当に電源が切れているか確認しておくと良いでしょう。
部品を外して大きなゴミ袋に入れる
次に換気扇のフィルターやファン、ネジなどの部品を外していきます。外した部品は、シンクや浴室に広げたゴミ袋の中に入れていきます。
部品を外す際は、元の位置を忘れないように注意しましょう。必要に応じて、スマートフォンで写真を撮っておくこともおすすめです。また、小さなネジなどは紛失しやすいので、専用の容器に入れて適切に管理しましょう。
洗剤を注いで1〜2時間放置する
最初に用意した重曹やセスキ炭酸ソーダの溶液を、外した部品が入ったゴミ袋に注ぎます。溶液が全ての部品に行き渡るようにして、1〜2時間ほど放置します。
つけ置きをすることで洗剤の力で油汚れが浮き上がってくるので、後の掃除がぐっと楽になります。
十分に汚れが浮き出てきたら、不要な歯ブラシを使って汚れを落としていきましょう。洗剤を落としてすすいだら、部屋干しまたは天日干しをして完了です。
湿気が籠るとカビや雑菌の繁殖、異臭の原因となるため、完全に乾いてから組み立てることもポイントです。
換気扇(レンジフード)を綺麗に保つコツ
換気扇(レンジフード)の掃除頻度を減らすには、日頃から換気扇(レンジフード)を綺麗に保つことも重要です。ここでは、換気扇を綺麗に保つためのコツをいくつかご紹介します。
それぞれ解説していきます。
こまめに掃除する
換気扇の汚れを効果的に防ぐ最も基本的な方法は、こまめな掃除です。油が固まってしまう前の軽い汚れであれば、洗剤をスプレーしてから暖かい雑巾で水拭きするだけでもグッと綺麗になります。
大がかりな掃除は3ヶ月〜1年に一度の頻度が目安ですが、こまめなお手入れは頻度が高いほど大掃除が楽になります。フィルター部分だけでも、できれば月に1回を目安にお手入れをしましょう。
また、調理後すぐに換気扇の表面を拭き取る習慣をつけるのも効果的です。油汚れが固まる前に拭き取ることで、頑固な汚れの蓄積を防ぐことができます。
フィルターを活用する
頻繁に掃除することが難しい場合、換気扇カバーにフィルターをつけておくことがおすすめです。フィルターを定期的に交換すれば、汚れが内部に入り込みにくくなり、掃除がぐっと楽になります。
使い捨てフィルターなら掃除をせずとも交換するだけでOKなので、手軽に使いやすいでしょう。メッシュ性やガラス繊維製でできているものが多く、ホコリはもちろん、花粉や黄砂、ダニなども防いでくれます。フィルターを使用することで換気扇本体が汚れづらくなり、掃除の頻度を減らすことができます。
とはいえ、フィルターを使用しているからといって、換気扇がまったく汚れないわけではありません。フィルターの使用と併せて、定期的な本体のメンテナンスも忘れずに行ってください。
コーティング剤で油汚れを防ぐ
コーティング剤を使用するのも効果的です。コーティングを施しておくと、油汚れがこびりつきにくくなり、掃除が楽になります。
プロのクリーニング業者に依頼することはもちろん、自宅で行いたい場合はホームセンターなどでコーティング剤を入手することもできます。
換気扇(レンジフード)の頑固な汚れはプロに任せよう!
レンジフードの汚れが酷い場合は、プロに依頼するのも一つの方法です。プロに分解して清掃してもらえば、手の届きにくい部分までしっかりと綺麗にしてもらえます。
特に頑固な汚れは自分で落とすのが難しいため、定期的にクリーニングを依頼することを検討しても良いでしょう。
換気扇(レンジフード)のクリーニングにかかる料金の目安
換気扇やレンジフードのクリーニングにかかる料金は、種類や状態によって異なります。
換気扇クリーニングを依頼する料金の目安は、以下の通りです。
- プロペラファンタイプ:8,000円~10,000円
- シロッコファンタイプ:15,000円~20,000円
一般的にプロペラファンタイプの方が構造がシンプルなため、掃除がしやすく費用も抑えられる傾向にあります。一方、シロッコファンを搭載したレンジフードタイプは、複雑な構造で分解や清掃が難しく料金もやや高くなりがちです。
換気扇クリーニングで換気扇を清潔に保とう
掃除頻度は家庭ごとの使用頻度や汚れの蓄積によっても異なりますが、メーカーは3ヶ月に1度を推奨しています。一方で、現実的には半年〜1年に一度の頻度で掃除をする家庭が多いようです。
掃除のタイミングは夏がおすすめですが、時期にとらわれるよりは汚れが気になる時に掃除すれば問題ありません。
また、自力での掃除が難しい場合は、プロへの依頼も検討してみてください。