電気自動車の充電料金は所有する自動車の燃費や、充電する場所によって変わります。実際に導入してみると、想定より多くの費用がかかることもあります。ガソリン車との燃料費の比較や、充電料金を安く抑えるコツを見ていきましょう。
自宅で電気自動車を充電するのにかかる料金
電気自動車の充電設備さえあれば、自宅での充電が可能です。自宅で電気自動車を充電する場合、どれくらいの料金がかかるのか見ていきましょう。
1回あたり1,000~2,000円程度
電気自動車を自宅で充電する際、1回あたり1,000~2,000円程度かかります。
住宅の電気料金は、契約プランによりますが1kWhあたり20~30円が一般的です。したがって、例えば60kWのバッテリーをフル充電すると1,200~1,800円かかる計算になります。
なお電気自動車に搭載されているバッテリーの容量は、モデルによって大きく異なります。購入する予定の場合は、バッテリーの容量をよく確認しましょう。
充電設備に10万円程度の初期費用がかかる
自宅で充電するには、専用の充電用コンセントが必要です。電気工事士の資格を持った人に依頼し、分電盤から電線を引いてコンセントを取り付けてもらいます。
200VのEVコンセントを設置する場合、費用の目安は10万円程度です。ただし、分電盤と設置場所の距離などの条件によって変わります。
電気自動車の充電には大きな出力が必要です。工事する前に、電気自動車側の設定や自宅の電圧、契約アンペアなども確認しましょう。
自宅以外で電気自動車を充電するときにかかる料金
自宅以外で電気自動車を充電する場合、会員とそれ以外で料金が変わります。充電方法によっても料金が異なることがポイントです。実際の料金プランを見て、どれくらいの料金がかかるのかチェックしましょう。
料金は充電カードの会費+充電料金
自宅外での充電がメインの場合、充電カードを作ることが一般的です。会員以外でも充電できますが、割高になる点を押さえておきましょう。
かかる費用は「充電カードの会費+充電時間に応じた時間課金制」です。料金は充電カードの契約プランによって異なります。例として、e-Mobility Power社の充電料金を見てみましょう。
e-Mobility Powerカードの料金プラン例
e-Mobility Powerは日本の電気自動車が普及し始めた当初から、EV充電インフラ開発を手掛けてきた企業です。1回30分まで使える急速充電と普通充電の併用プランが、以下の料金で提供されています
- 月額料金:4,180円(税込)
- 急速充電(都度利用):1分あたり27.5円(税込)
- 普通充電(都度利用):1分あたり3.85円(税込)
会員以外が加盟充電器を使用する場合の料金は、普通充電(1~15分まで)が132円(税込)、以降は1分あたり8.8円(税込)です。
普通充電には数時間~半日程度かかるのが一般的です。フル充電1回につき、2,000円前後かかると考えましょう。
普通充電・急速充電の設置場所
充電スポットは、サービスエリア・ショッピングモール・大型のスーパーマーケット・レストランなどに設置されています。
普通充電は充電が完了するまでに時間がかかるので、滞在時間が長くなりがちな施設に設置されているケースが少なくありません。例えば、宿泊施設やオフィスビルの駐車場などに設置されています。
急速充電は幹線道路沿いにあるコンビニや、高速道路のサービスエリアなどに設置されている傾向です。自宅に充電する設備がない人へのサービスとして、普通充電と急速充電の両方を設置しているディーラーもあります。
電気自動車の充電料金を安く抑えるポイント
頻繁に電気自動車を充電する場合、燃料費が上がって家計を圧迫します。電気自動車の充電料金を、安く抑えるコツを見ていきましょう。
自宅で契約中の電力会社や料金プランを見直す
自宅で充電するなら、電力会社を変えると料金が安くなることがあります。現在契約中の料金プランと比較検討し、安くなるものはないか探してみるとよいです。
ガスと電気の両方を契約することで割引になるプランや、夜間の電気代が安くなるプランもあります。
また契約する「アンペア数」によっても、基本料金が変わります。生活パターンに合わせて、お得に充電できるプランへの変更を検討しましょう。
できるだけ安い充電スポットを利用する
ディーラーや公共施設などには、割安で充電できるスポットが設けられていることがあります。中には無料で充電できるスポットが見つかるかもしれません。
近所にこうした施設があるなら、充電料金を安く抑えられます。ただし無料で充電できる場合でもあっても、「会員登録」や「駐車料金」が必要になるケースが珍しくありません。また格安で充電できる場所は、混雑しやすい点にも注意しましょう。
充電カードの加入プランを見直す
充電カードがあると、ビジター(会員以外の人)よりも割安で、充電スポットを利用できます。充電カードには複数の種類があり、自動車メーカーのオーナー限定のものと、車種に関係なく入会できるものがあります。
自宅に充電設備を設けず、外で充電するのがメインの場合は、充電カードを利用すると料金を安く抑えられるのでおすすめです。
充電時間や急速充電の有無などでプランが分かれ、費用が異なります。電気自動車を充電する時間や頻度を考慮し、無駄がないものを選ぶことがポイントです。充電カードの新しいプランが出たときや、車の使用頻度が変わったときは加入プランを見直し、よりコスパがよいプランを選択しましょう。
ガソリン車と電気自動車のランニングコスト比較
一般的な電気自動車はガソリン車よりも購入費用が高いですが、ランニングコストの面で利点があります。ガソリン車と電気自動車の燃料費は、どちらがお得なのか見ていきましょう。
1万km走行した場合にかかるコスト比較
車種や燃費によって異なりますが、ガソリン車よりも電気自動車の方が、ランニングコストを抑えられる傾向です。1万㎞走行した場合の比較(WLTCモード)は、以下のようになります。
車種 | 電気代・ガソリン代の単価 | 1kmあたりのコスト |
---|---|---|
電気自動車 日産「リーフ」 |
31円/kWh | 5.17円/km |
ガソリン車 トヨタ「カローラスポーツ」 |
171円/L | 7.77円/km |
電気自動車は「エコカー減税」の対象
電気自動車はエコカー減税により、ガソリン車よりも自動車にかかる税金がお得になります。エコカー減税は電気自動車やハイブリッド自動車など、環境性能に優れた一部の自動車に適用されるものです。
適用期間中に新車新規登録等を行った場合、重量税や初回車検時にかかる税金が燃費によって減額されます。「令和5年度税制改正大綱」によって、適用期限は2026年4月30日まで延長されました。
電気自動車の充電料金を抑えて負担を減らそう
電気自動車を自宅外で充電しようとすると、月額料金以外に毎回の料金がかかります。その料金も、自宅なら1回あたり1,000~2,000円に対して自宅外では2,000円前後と、やや割高です。
そのため自宅にコンセントを設置すれば、初期費用はかかりますが長期的に見るとお得かもしれません。なるべく費用を抑えて設置工事ができれば、より安上がりになるでしょう。
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