生活圏内でよく見かけるゴキブリは、クロゴキブリとチャバネゴキブリの2種類です。これらよりも大きく、飲食店などで食品に混入することもあるのがワモンゴキブリ。その生態や、もし見つけた場合の対処を解説します。
ワモンゴキブリの特徴は?
ワモンゴキブリは体長が40~50㎜と大きく、頭と胸の間に黄白色の輪紋があるのが特徴です。
ワモンゴキブリってどこにいるの?
主に下水内に生息しているため、マンホールの下やごみ置き場で見られます。屋内では飲食店やスーパー、暖房設備のあるビルなどで見かけることが多いです。
※ゴキブリの画像が出てきますのでご注意ください。 |
ワモンゴキブリの生態
ワモンゴキブリは一般的に見られるクロゴキブリやチャバネゴキブリよりも大きく、住みつく場所も不衛生なところがほとんどです。ワモンゴキブリの生態などを紹介します。
ワモンゴキブリの特徴
ワモンゴキブリは体長40~50mmの、日本に生息する屋内性ゴキブリの中で一番大きい種類です。体は褐色で光沢があり、頭と胸の間に黄白色の輪紋があります。
平均寿命は長くて約3年程度であり幼虫時期が半年~1年、成虫時期が半年~2年ほどです。
卵は成虫時期に50ほど産み付けます。1つの卵から14匹ほど生まれるため、1匹のワモンゴキブリから約700匹ものゴキブリが生まれる計算になるのです。
移動できる距離も長く、拠点となるコロニーから数百メートル離れた場所で確認されることもあります。
発生する時期や場所
ワモンゴキブリの成虫が活発に活動する時期は、5~10月の暖かい時期です。ただし建物内などの寒さをしのげる場所であれば、年中活動しています。
ワモンゴキブリは主に下水内に生息し、マンホールの下やゴミ置き場などで確認されます。屋内では暖房設備のあるビルやレストラン、地下街やトイレに発生することが多いでしょう。
このように基本的に地下に生息していますが、表で確認できた際は下水などから建物内に侵入してくる場合がほとんどです。
ワモンゴキブリの被害
ワモンゴキブリが住みつく場所は下水などが多く、病原菌やウイルスを体にまとっています。見た目の不快感だけでなく、人間にも被害を与える害虫です。
ワモンゴキブリの被害について解説します。
病原菌やウイルスの媒介になる
ワモンゴキブリは不衛生な場所にコロニーを作り、そこから食品や食器の上などを移動します。そのため感染症の原因となる病原菌やウイルスを媒介する害虫となるのです。
注意する点は、病原菌をまとう体や脚だけではありません。体内に寄生虫を宿している場合もあり、とても不衛生です。
ただしワモンゴキブリが人間に与える悪影響の程度は、未だ明確に判明していません。しかし人にとって害になるものを持っているのは事実であるため、注意は必要です。
異物混入や不快感
ワモンゴキブリが人に与える害として多いものが、異物混入やその見た目の不快感です。飲食店で食材に紛れ込み、そのままテーブルに出されてしまう場合があります。
そのためゴキブリ対策を十分に取っていない施設などでは、異物混入のリスクがあるのです。
仮に飲食店でゴキブリが混入されていたら、行政による営業停止処分が下る可能性もあります。このような処分を受けなくても、風評被害を招き経済的損失を被ってしまうでしょう。
異物混入がなくとも頻繁にゴキブリが現れたら、客足が遠のいてしまう可能性もあります。
人をかむこともある
普段は温厚なワモンゴキブリですが、まれに人にかみつく場合があります。一度攻撃的になると凶暴な性格になり、人に直接被害を与える可能性もあるので注意しましょう。
ワモンゴキブリのかむ力は強く、体重の50倍に相当する力でかみつきます。これは人間のかむ力の5倍といわれ、かまれた場合はかなりの激痛が走るといわれています。
実際にかまれると針で刺した程度ではなく、赤く腫れあがってしまうのです。とはいえ人をかむのはまれなケースであり、触り続けたりよほどのことがない限りかまれません。
ワモンゴキブリの対策
ワモンゴキブリの対策には発生を未然に防ぐ方法や、直接駆除する方法などがあります。ワモンゴキブリの対策を紹介します。
荷物に卵が付いていないか確認する
ワモンゴキブリは普段人の目に見えない場所や、下水に生息しています。そのため建物内で頻繁に見ることはほとんどありません。しかし外から持ち込まれ屋内で発生するケースはあります。
例えば外から運んできたダンボールに卵が付着していれば、それが孵化して屋内で発生してしまうでしょう。ダンボールは保温性が高いので、巣になっている可能性があるのです。
ダンボールで荷物を搬入した際は、卵が付着していないか確認してください。見つけた際は、すぐに潰すか下水に流すなどして発生を未然に防ぐとよいでしょう。
発生源を見つけて毒餌をまく
ワモンゴキブリの発生を未然に防ぎたい場合は、コロニーを形成している場所を特定し、そこに毒餌をまくとよいでしょう。主に下水に生息するため、マンホールを開けて多数の固体を確認できたらそこが発生源と特定できます。
毒餌は1匹が食べれば、コロニーを壊滅できる可能性が高いものです。毒餌を食べたゴキブリが死ねば、その死体を別のゴキブリが食べて駆除できます。コロニー内で出したフンを別のゴキブリが食べれば、そのゴキブリも駆除できるのです。
ピレスロイド剤を使う
ワモンゴキブリの駆除には、ピレスロイド系の殺虫剤が有効です。ただし使う量には注意しましょう。
コロニーに少量の殺虫剤を吹きかけても、ゴキブリを刺激するだけで完璧に駆除ができません。刺激されたゴキブリは一斉に散らばり、また別の場所でコロニーを形成してしまいます。
そのためピレスロイド系の殺虫剤を使用する場合は、的確な場所で確実に殺せる量を使用しましょう。一斉に仕留められれば、二次被害を生まなくて済みます。
ワモンゴキブリを適切に駆除しよう
ワモンゴキブリは屋内で見られるゴキブリの中でも、体の大きいゴキブリです。見た目が不衛生なだけでなく、病原菌を媒介する害虫になります。
暖かい季節に活動しますが、冬場でも暖房設備のある施設内では年中通して活動します。主に下水に生息し、餌を求めて建物内に侵入してくるのです。
そのため食品への異物混入による被害が発生しています。ワモンゴキブリの被害に遭えば、行政から営業停止処分が下る可能性もあります。
ワモンゴキブリの対策には、毒餌やピレスロイド系の殺虫剤が有効です。ワモンゴキブリを適切に駆除し、衛生的に過ごしましょう。
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