家にゴキブリが出たら気持ち悪くて嫌な気分になりますよね。「家の中でどんな悪さをしているんだろう」と気になっている人も多いのではないでしょうか。
実は、ゴキブリは他の害虫と比べると人に及ぼす影響が少ないとされているのです。この記事では、ゴキブリによる被害や危険性について解説します。
ゴキブリにはどんな害がある?
ゴキブリはさまざまな病原菌を運ぶので、家に侵入されると食中毒や喘息・アレルギー症状といった健康被害を起こす可能性があります。
ゴキブリの発生を予防するためのポイントは?
侵入口をふさいで、ゴキブリが家に入らないようにすることが大切です。また、定期的に掃除して、ゴキブリが棲みつきにくい環境を作りましょう。
ゴキブリの被害・危険性は?
害虫は次のように3種類に分けられるのですが、ゴキブリはこの全てに当てはまっています。
被害 | 該当する虫 | |
衛生害虫 | 菌やウイルスを運んでくる | ゴキブリ、蚊、ハエ、ダニなど |
不快害虫 | 見ているだけで気持ちが悪い | ゴキブリ、クモ、ゲジゲジなど |
経済害虫 | 物に害を与える危険性がある | (ゴキブリ)、シロアリ、コクゾウムシなど |
ゴキブリの害は、具体的に以下のようなものが挙げられます。
- 体が汚いため病気や衛生面で問題が出る
- たたくと菌や卵が飛び散る
- 喘息(ぜんそく)やアレルギー症状を引き起こす
- ペットが感染症や寄生虫に感染する
- 紙や段ボール、家電の電気コードをかじる
- 人やペットを噛む
- 死んでも繁殖を続ける
- とにかく見た目が気持ちが悪い
それぞれを詳しく解説していきますね。
体が汚いため病気や衛生面で問題が出る
ゴキブリは以下のような菌を家の中に運んできます。
引き起こされる疾病 | ゴキブリが運んでくる菌 |
食中毒 | サルモネラ菌、腸炎ビブリオなど |
尿路感染症急性胃腸炎 | 大腸菌 |
赤痢 | 赤痢菌 |
小児まひ | 小児まひ病原体 |
腸チフス・パラチフス | チフス菌 |
ゴキブリの体は細菌やウイルスで覆われていることから「菌の運び屋」とも呼ばれており、放っておくと衛生的にもよくありません。
その理由はゴキブリの生態や侵入経路に関係しています。ゴキブリは下水やゴミ置き場などひと気の少ないジメジメした不衛生な場所を好み、体が菌まみれになるのです。
家に侵入する時も排水溝や流し台のような、衛生的に良くない場所を経由して侵入します。そうやって自然と菌を持ち込んでくるため、食べ物や人間の体に悪影響を及ぼすのです。
たたいて、つぶしてしまうと菌や卵が飛び散る
ゴキブリをスリッパや丸めた新聞紙などでつぶしてしまうのもよくありません。
ゴキブリは菌のカタマリのような存在なので、見かけたら早急に対処したいですよね。
しかしゴキブリをつぶしてしまうと、体液、卵、菌などが飛び散ってしまうことがあります。
ゴキブリの体液や卵、菌が周りに飛び散ってしまいウイルスに感染する恐れがあるので、つぶさずに駆除する必要があります。
ゴキブリを駆除する際は必ず専用の殺虫スプレーなどで対処しましょう。
喘息(ぜんそく)やアレルギー症状を引き起こす
ゴキブリの糞や死骸は、喘息(ぜんそく)やアレルギー疾患の原因となる可能性があります。
ゴキブリの糞や死骸が細かい粒子となって大気中に舞い、人が空気を吸入することによって、喘息やアレルギー疾患を引き起こすのです。
殺虫スプレーで撃退したあとも追いかけて、きちんと死骸を処分しましょう。また定期的に掃除を行うことでゴキブリの糞を処分いましょう。
ペットが感染症や寄生虫に感染する
有害な菌まみれのゴキブリを見てしまうと、ペットへの影響も気になるところですよね。
ゴキブリは基本的にはペットへの影響はそれほどありません。ただしごくまれに、ペットがゴキブリを食べることで感染症や寄生虫に感染してしまうケースがあります。とくに猫はゴキブリを食べる習性があるので注意が必要です。
またペットがいる場合は、殺虫剤や毒エサの使い方にも気を付けなければなりません。万が一殺虫剤や毒エサを吸い込んだり、食べてしまったりしてしまうと、薬剤によって中毒症状を引き起こしています。
紙や段ボール、家電の電気コードをかじる
ゴキブリはアゴが発達しており、エサを噛んで食べる生き物です。そこまで強い力はありませんが、紙やダンボールに穴を開けるほどの噛む力があります。
またゴキブリは家電にも危害を加えることがあり、最悪火災につながることも。家電の熱にゴキブリが反応し、体を温めにやってきたゴキブリが、電気コードをかじってショートさせてしまうからです。
以下の家電はとくに注意しておきましょう。
- 冷蔵庫
- 炊飯器
- 電気ポット
- 電子レンジ
キッチンで使用することが多い家電なので、食材を好むゴキブリが寄ってきやすくなります。ゴキブリを寄せ付けないためにも、普段は目に付きにくい家電の裏側もなるべく清潔に保ちましょう。
人やペットを噛む
ゴキブリは雑食性で、人やペットの角質や、体に付着したホコリなども食べます。
そのため、夜になるとエサを探すために巣から出てきて、寝ている人・ペットの体によじのぼり、噛んでしまうときがあるのです。
ゴキブリに噛まれたとき、細菌や雑菌が体内に入り、かゆみ・腫れ・アレルギー症状などを引き起こすことがあります。
死んでも繁殖を続ける
「ゴキブリは死ぬときに卵を産む」と言われていますが、これは厳密に言えば間違いです。
ゴキブリは自分が産んだ卵を、卵鞘(らんしょう)という硬い殻のなかに入れて守っています。
殺虫剤を噴きかけられるなどして身の危険を感じたゴキブリは、この卵鞘ごと、体から切り離すのです。
そして切り離された卵鞘に入っている卵は、硬い殻に守られているため、殺虫剤の影響を受けずに成長を続けます。
つまり「ゴキブリは死んだ時に卵を産むわけではなく、すでに産んでいた卵を体から切り離す」というのが正しい現象です。
ゴキブリを処分するときは、死骸の近くに卵が落ちていないかを確認し処分しましょう。
とにかく見た目が気持ち悪い
ゴキブリはとにかく見ているだけでも気持ちが悪いですよね。急にどこかから出てくるかもしれないと思うと、ストレスを感じます。もし家に友達が来ている時にゴキブリがたくさん出たら「不衛生なのかな?」と思われてしまうかもしれません。
また飲食店のように他人からの評価を気にする場所では、ゴキブリは悪影響しかありません。お客さんにゴキブリがいるのを見られてしまったら、それだけでお店の印象が悪くなります。
ほとんどの人は「ゴキブリのいる飲食店には行きたくない」と思うはずなので、売上にも影響が出ますよね。
ゴキブリは害虫としての危険性はそれほど高くない
ゴキブリは害虫ではありますが、実は危険性は低め。人間に対して攻撃することがないからです。
ゴキブリの体には菌がついていますが、体から毒性の物質を作り出すわけではありません。むしろゴキブリ自身は抗菌作用の物質を作り出し、菌から身を守っています。だから排水溝のように菌だらけの環境でも、生きていられるのです。
またゴキブリは人を恐れています。たまに飛んでくることもありますが、それは逃げるための行動で、攻撃することが目的ではありません。
ゴキブリより危険?身近にひそむ害虫を紹介
ゴキブリよりも危険性の高い害虫は身近にいます。
シロアリ | 住宅の木材を食い荒らす |
スズメバチ | 毒針で攻撃してくる・性格は極めて凶暴 |
ムカデ | 噛みついて毒を体内に注入する |
シロアリは人間に対して直接的な攻撃はしてこないものの、大切な住居を破壊する厄介な生物です。またムカデやスズメバチは人間に向かって威嚇し、攻撃もしてきます。
こういった害虫と比較すると、たしかにゴキブリの被害は少ないように感じますよね。
ゴキブリはあまり害はない、むしろ益虫?
ゴキブリは人間にとっては害虫ですが、「生態系を支える」という視点からみれば益虫ともいえます。
ゴキブリが枯れた葉っぱや、動物や虫の死骸を食べると、これらを排出するときに有機物として分解されます。有機物が土と混ざり合うことで、植物の成長促進につながるのです。
つまり人間にとっては有害だとしても、自然のサイクルのなかでは、ゴキブリは欠かせない存在ということになります。
危険性が低いからと言ってゴキブリを放っておくのはNG
ゴキブリは直接的に人間に危害を与えませんが、家の中で繁殖し、アレルギー症状や、細菌による感染症状の原因になります。
そのため、ゴキブリを見つけたら放置せず、駆除するのが一般的です。
ゴキブリは他のゴキブリを引き付けるフェロモンを出し、繁殖率も高いため「1匹みつけたら100匹いる」と言われています。
ペットを飼っている場合など、環境に合わせた駆除方法を選んで駆除するのがベストです。また日頃の生活を見直すことでもゴキブリが寄り付きにくくなります。
ゴキブリ寄り付かせないためには?予防のポイント
ゴキブリの発生を防ぐためのポイントを3つ紹介します。
以下の記事では、ゴキブリ対策グッズの使い方やメリット・デメリットなども紹介しています。
予防を行うなら春先に
春がきて、気温が20℃くらいに上がると、ゴキブリの幼虫も動き出します。
夏頃には幼虫から成虫になり、繁殖能力は非常に高くなります。そのためゴキブリの繁殖を予防するには、まだ繁殖力が無い幼虫のうちに退治することが大事です。
春先に対策をすることで、家の中でゴキブリに遭遇する確率を減らすことができます。
以下の記事では、季節ごとにゴキブリ対策について気を付けることを解説しています。
ゴキブリの侵入口を防ごう
ゴキブリは数ミリの隙間さえあればどこでも侵入ができます。侵入経路を把握し、対策をおこないましょう。
ゴキブリの侵入経路は以下のような場所です。
- 排水管
- 換気扇
- お風呂場や台所の排水口
- エアコンの排水ホース
- 玄関や窓の小さな隙間
当たり前かもしれませんが、窓やドアはしっかり閉めましょう。また網戸とサッシの間の隙間にも要注意です。
またエアコンや作動していないときを狙って、ゴキブリがエアコンのドレンホース(排水ホース)などから入り込むことがあります。換気扇の隙間も要注意です。
これらの場所の侵入を防ぐには、隙間にフィルターを設置するのが有効です。
掃除を行い、ゴキブリを寄せ付けないようにしよう
ゴキブリを寄せ付けさせないためには、日ごろからキレイに掃除をしておくのが大切です。ゴキブリのエサになるようなものを残さないことで、部屋に近づかないようにしましょう。
- 食べ物や、食べた後の食器をすぐに片付ける
- 家電の裏側などもこまめに掃除する
- 物が散らからないよう整理整頓を心がける
- 流し台にある生ゴミを小まめに捨てる
食べ残しや生ゴミは、ゴキブリが好む匂いを放ちます。食器の後片付けや、三角コーナーのゴミ捨ては、欠かさずおこないましょう。
またキッチンまわりだけではなく、部屋全体の掃除も心がける必要があります。ゴキブリは、ホコリや紙など、なんでも食べてしまう生き物。紙ごみが散乱している部屋や、家電の裏側にも住み着きやすいのです。
これらの場所を定期的に掃除することで、ゴキブリが寄り付かない環境を作ることができます。
自分でできるゴキブリ退治
万が一ゴキブリを発見したときは、以下の方法で駆除が可能です。
- スプレー型の殺虫スプレー
- 殺虫成分を煙で部屋中に分散させる燻煙剤
- ゴキブリの好物に駆除成分を含ませた毒エサ
- 熱湯や洗剤をかける
このように、いくつか対策方法がありますが、確実に駆除するなら殺虫スプレーや毒エサを使うのがおすすめです。
熱湯や洗剤を使って、直接的にゴキブリを死滅させる方法もありますが、部屋を汚してしまいます。やはり殺虫スプレーなどのグッズを使うほうが、手軽で効率的です。
ゴキブリを駆除したあとは、死骸が喘息やアレルギー症状を引き起こす可能性があるため、必ずゴミに捨てましょう。
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