効果が似ているように感じる、エアコンの「冷房」と「除湿」。そのため
- どういった場合に使い分けたらいいのか
- どうして冷房も除湿も涼しくなるのか
- そもそも除湿を使う意味はあるのか
といった疑問を持ちますよね。
確かに冷房と除湿は似ていますが、明確な違いがあります。そしてその違いを理解して使い分ければ、よりエアコンを安く・効率的に使用することができるのです。
この記事では冷房と除湿(ドライ)機能や電気代の違いを比較し、どちらをどう使ったらいいかを分かりやすく解説していきます。自宅のエアコンをお得に使いこなし、快適に過ごすための参考にしてみてくださいね。
エアコンの冷房と除湿(ドライ)機能の違いとは?
実は仕組みの面だけを見ると、これらの機能に違いはほとんどありません。というのも、どちらの機能も
「吸い込んだ部屋の空気を冷やして水分を分離させ、冷たい乾いた空気だけ部屋に戻す」
という仕組みが基本になっているのです。つまり冷房・除湿どちらの機能を使っても、部屋の温度と湿度の両方が下がるということですね。
では結局何が違うの?どう使い分けたらいいの?と思いますよね。もちろん2つの機能には明確な違いもあります。具体的な違いは次の3つ。
- 機能の目的(役割)
- メリット
- デメリット・注意点
それぞれの違いを比較してみましょう。
違い | 冷房 | 除湿 |
機能の目的 | 「室温」を設定温度まで下げること | 「湿度」を適正な湿度まで下げること |
メリット | ・設定温度まで室温を下げる力が強い | ・室温を極力変えずに湿度のみ下げる効果が高い
・エアコンによっては、室温を下げずに除湿する機能もある |
デメリット | ・部屋が寒くなりすぎることがある
・湿度は調整できないので、快適さを感じにくいことも ・就寝時につけっぱなしにしづらい |
・室温低下効果は少ないので、真夏には快適さを感じづらい
・湿度だけを下げたいのに、室温も少し下がってしまう(弱冷房ほどの涼しさがある) ・室温を下げない除湿機能は、電気代がやや高い |
以上から分かるように、エアコンの冷房と除湿機能の一番の違いは「室温を下げるか」「湿度を下げるか」という目的の違いです。
冷房よりも除湿の方が涼しい(寒い)と感じることがあるのはなぜ?
一般的なエアコンに搭載している基本的な除湿機能には、弱冷房程度に冷風を送る機能がついています。
つまりただ除湿するだけでなく室温も下がるため、相乗効果で「除湿の方が涼しい」と感じることもあるようです。
除湿機能の違いを理解しよう
上でお伝えした通り、一般的な除湿には室温を下げる効果もあります。
しかし近年のエアコンには「(室温を変えず)湿度のみを下げる」ことに特化した除湿機能も増えています。
エアコンの除湿には大きく分けて3種類の機能があるので、以下の表で確認してみてください。
除湿の種類 | 機能の内容 | 室温への影響 |
弱冷房除湿 | ・湿度を下げると同時に弱冷房程度の冷風が出る
・基本的には冷房の仕組みと同様 |
弱冷房程度に涼しくする |
ハイブリッド除湿 | ・弱冷房除湿機能を基本として、室温を極力下げない仕組みが採用
・パナソニックの「快適除湿」やダイキンの「さらら除湿」など |
通常の弱冷房除湿ほどには室温を下げない |
再熱除湿 | ・湿度を下げると同時に、温めた空気を室内に戻す
・日立の「カラッと除湿」や三菱エアコン上位モデルの「除湿」など |
室温を下げない |
家のエアコンの除湿機能がどれに当たるのかが分かると、冷房・除湿の使い分けがしやすくなりますよ。
なお除湿機能の基本は「弱冷房除湿」で、その他の機能は最新モデルや上位モデルのみに搭載されています。
エアコンの除湿ボタンがメーカーの独自名称(カラッと除湿など)の場合は、ハイブリッド除湿や再熱除湿が採用されていることが多いでしょう。不明な場合は、取扱説明書の記載やメーカーへの問い合わせで確認してみてください。
エアコンの除湿はいつ使う?冷房と除湿の使い分けポイント
エアコンの冷房と除湿は、室内の温度と湿度がどれくらいかによって使い分けます。それぞれ以下のイメージで使い分けるのがおすすめです。
温度と体感の基準 | 季節の目安 | |
冷房 | 室温が28度以上で暑さを感じるとき | 7月、8月などの真夏 |
除湿 | 湿度が60%以上で蒸し暑さを感じるとき | ・梅雨時期や、台風が増える秋
・夏の就寝時 |
室内に温湿度計があれば数値を基準にしてもよいのですが、ない場合は体感で決めてもOK。暑苦しい場合は冷房を、冷やしすぎずカラッとさせたい場合は除湿を選ぶと快適さを感じられますよ。
もし冷房か除湿か判断に迷うときは、とりあえず「除湿」を選ぶのがおすすめです。なぜなら湿度を下げられて、同時に涼しくできるから。詳細は後述しますが、電気代も除湿(弱冷房除湿)の方が安くなります。
ちなみに夏に室内の快適性を維持するには、温度が25度~28度・湿度が50~60%程度を保つことが推奨されています。特に湿度は体感気温に大きな影響を与えることが分かっており、室温が28度ほどでも湿度が高いと熱中症の危険性が高まってしまうのです。少しでもジメジメ感が気になるときは、無理せず除湿をかけましょう。
なお使用しているエアコンが上位モデルや最新モデルであれば「おまかせ・自動」機能を選んでおけばOK。室温や湿度を自動で検出して調整する機能があるため、勝手にエアコン側が判断して快適な温湿度に整えてくれます。
除湿は夏以外にも使える!冬のカビ対策や洗濯物の室内干しにもおすすめ
除湿機能は、夏や蒸し暑い時期以外にも活用できます。具体的には以下のシチュエーションで使うのがおすすめ。
冬のカビ対策に除湿を使う
冬は結露が発生しやすい季節。除湿機能を使用することで、結露の発生を抑えてカビを防ぐことができます。
特に寝る直前まで暖房を使用していた場合などは、夜中から朝方にかけて結露が起こりやすくなります。就寝前で換気ができないときは、タイマー機能を使って1時間ほど除湿機能を作動させておくとよいでしょう。
洗濯物の室内乾燥代わりに除湿を使う
洗濯物の室内干しをしたいけれど、乾燥機を買うことまではしたくない…。そんなときはエアコンの除湿機能を活用しましょう。
除湿機能を使って効果的に室内干しするポイントは次の3つです。
- 洗濯物はエアコンの風が当たる位置に置く
- なるべく狭い部屋で使用する
- 弱冷房除湿は、冬の室内干しに使わない
「弱冷房除湿は、冬の室内干しに使わない」に関しては、室温が低いと弱冷房除湿機能が働かなくなることが理由として挙げられます。お持ちのエアコンに再熱除湿機能がある場合のみ、冬の部屋干しで利用するようにしましょう。
冷房と除湿の消費電力は違うの?電気代を安くする使い方を解説
冷房と除湿の消費電力には、以下のような違いがあります。
エアコンの機能 | 消費電力 |
弱冷房 | 小 |
強冷房 | 中
※室温と設定温度の差が大きいほど消費電力が上がる |
弱冷房除湿
ハイブリッド除湿 |
小 |
再熱除湿 | 大 |
消費電力を少ない順に並べると、以下のようになります。
弱冷房除湿(ハイブリッド除湿)≒弱冷房<強冷房<再熱除湿
エアコンの機種や部屋の広さ、室温にもよりますが弱冷房除湿と再熱除湿の電気代は、3倍以上の差が開くことも。また設定温度によっても変わるものの、冷房の電気代は弱冷房除湿と比較すると高くなることがほとんどです。
これらを踏まえると、エアコンの電気代を抑えるには次のポイントを意識するとよいでしょう。
- 暑さを感じる場合は、冷房で室温を下げたのちに除湿に切り替える
- 室温が28度前後の場合は、弱冷房除湿にする
- 寒さが苦手でなければ、再熱除湿より弱冷房除湿を使用する
冷房と除湿の仕組みは?エアコン内でどのように行われている?
冷房と除湿機能の仕組みを具体的に解説すると、どちらも基本的には以下の流れになります。
- 室内機(部屋に設置しているエアコン本体)が室内の空気を吸い込む
- 熱交換器を通すことで、吸い込んだ空気を冷却する
- 冷たくなった空気が水分と乾いた気体に分かれる
- 分かれた水分は、ドレンホースから室外に流れる
- 冷たく乾いた気体が、室内機のファンから室内に吹き込まれる
なお室温を下げない除湿機能「再熱除湿」の場合は、再度温められた空気が室内に吹き込まれています。空気を温めるには大きな電力が必要になるので、電気代が高くなる理由も納得がいきますね。
空気を冷却するとなぜ湿度が下がるのか
空気を冷やすと湿度が下がるのは、冬の窓に結露が発生する仕組みと同じ。「冷たい空気より暖かい空気の方が、空気中に水分を多く含むことができる」という、科学現象が利用されています。暖かい空気が急激に冷たくなると、空気中に溶けきれなくなった水分が分離して水滴(結露)になります。そのため残った空気は、水分の抜けた乾いた空気になるのですね。
エアコンの冷房・除湿もこの現象を利用しており、室内の暖かく湿った空気を吸い込んで冷却することで、水分を分離させて空気中の湿度を下げています。結果的に冷却効果もついてくるので、冷房と除湿の機能は同じというわけです。
エアコンの冷房や除湿が効かないときがある?考えられる原因とは
エアコンの冷房や除湿を使用していて、効きが悪いと感じられたときは次の理由が考えられます。
冷房も除湿も両方効かないとき
以下のいずれかが原因になっていることがほとんどです。
- コンプレッサーや冷媒ガス漏れといった故障
- エアコン内部の汚れ
- 対応畳数が合っていない
エアコン自体に何らかの問題がある場合が多いため、専門業者に確認してもらうのが確実です。効きが悪いまま使用を続けると、症状の悪化や電気代の増加など不利益につながることも。早めに解消したほうがよいでしょう。
除湿のみ効かないとき
「冷房は動いているが除湿は効いていない気がする」「湿度計に変化がない」。
そんなときは室温が低すぎる可能性が高いでしょう。先ほど仕組みを解説した通り、除湿機能は暖かい湿った空気を冷やすことで湿度を下げています。そのため部屋の空気が十分に冷えていると、それ以上冷やすことができず除湿効果が働きにくくなってしまうのです。
この状態で湿度を下げるには、除湿または冷房の設定温度を2~3℃下げるとよいでしょう。30分ほど運転させてから除湿モードに戻して除湿状態を維持すると、湿度が改善できる可能性が高くなります。
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