「業績評価を進める方法は?」「業績評価で目標はどのように設定すればいい?」このような疑問を持っていませんか?
業績評価は一定期間の仕事の成果を評価することで、まずは目標設定をして評価基準を設けることから始めます。
目標設定の際には期限、行動、成果の3つを意識するのがポイントです。
本記事では業績評価と他の評価との違いから運用の方法、業種別の目標設定例まで紹介していきます。
業績評価の特徴を理解し、職種や業務内容に応じて他の評価手法と併用するなどして公正かつ適正な人事評価を実現しましょう。
業績評価とは
業績評価は仕事の結果や成績を評価対象とする評価方法で、社員の昇進や昇格、昇給に影響を与えます。
人事評価手法の1つであり、能力評価や情意評価、プロセス評価などに比べて過程より結果を重視する点が大きな違いです。
一定期間の業績によって行う評価
業績評価は、前もって定められた期間内に収めた業績によって評価を行うことです。
例えば、営業部門であれば毎週・毎月の売上を数値で判断したり、設定した目標を達成できたかどうかを判断基準にしたりするなどの評価方法が挙げられます。
業績評価は社員の成績をダイレクトに評価につなげる方法であり、社員の納得感を得やすいのが特徴です。
実際の仕事の成績にフォーカスするため、一定の評価基準さえ設けておけば誰が判断しても大きな差は生じないでしょう。
他の評価手法に比べて評価者の主観を排除できるので、評価の公平性を担保するのに適した手法なのです。
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「能力評価」と「情意評価」との違い
業績評価は業務のプロセスや結果を評価するのに対し、能力評価では業務遂行能力、情意評価では仕事に対する姿勢を評価します。
評価対象 | 評価項目 | |
---|---|---|
業績評価 | 業務の成果や結果 | 業績目標達成度、日常業務達成度 |
能力評価 | 業務を遂行する能力 | 企画力、実行力、リーダーシップ |
情意評価 | 業務に対する姿勢や意欲 | 規律性、責任感、協調性、積極性 |
これら3つの評価は人事評価制度で主に用いられる手法で、それぞれの評価を行うことで社員を総合的に評価できるようになっています。
それぞれ評価対象・評価項目が異なり、能力評価や情意評価に比べて業績評価では業務を行うことで得られた結果に重きを置いているのが特徴です。
プロセス評価との関係性について
能力評価や情意評価のほかに、プロセス評価も人事評価において活用される評価手法です。
プロセス評価では、社員の業務進捗や目標達成に至るまでの過程が評価の対象です。
例えば営業部門の場合、プロセス評価では「どんなアプローチで成果を上げたのか」といった内容も評価されます。
特に、入社したばかりの新入社員はまだ成果を上げていないため、仕事に取り組む姿勢を評価するのにプロセス評価が適しています。
「どういった考えを持っているのか」「どんな姿勢で業務を遂行したのか」にフォーカスするため、管理者も評価しやすいでしょう。
業績評価のような結果を重視した評価ではなく、成果を上げるまでの道のりを評価するのがプロセス効果なのです。
業績評価とプロセス評価を組み合わせれば、結果だけでなく日ごろの取り組みも見られるので多方面から社員を評価することができます。
社員をできる限り公正・公平に評価するためには、1つの評価制度だけでなく複数の評価制度を併用するのも1つの方法です。
業績評価を運用する際の4つのプロセス
業績評価を運用する際は、次の4つのプロセスに従って進めていきます。
- 目標の設定
- 目標に対する指標の設定
- 具体的な行動内容の設定
- 活動結果の評価とフィードバック
①目標の設定
社員1人ひとりが業務上の目標を設定することからスタートします。
企業側から各社員に対して一方的にノルマを課す場合もありますが、近年は上司と部下との面談を通して、組織目標を基に自らの目標を設定するのが主流となっています。
具体的な目標は、これまでの実績や上司からの期待度などを基準に設定するとよいでしょう。
次の記事で、企業で用いられる目標設定のフレームワークを詳しく紹介しているので参考にしてみてください。
②目標に対する指標の設定
社員が目標を決めたら、それを評価するための指標を設定します。達成の基準となる要素を決めて具体的に何を目指すのか明らかにするのです。
営業部門であれば売上高や成約率、製造部門であれば歩留まり率などが挙げられます。
指標は達成度合いを判断できるように、具体的な数値で示せるものである必要があるのです。
③具体的な行動内容の設定
目標とその達成度合いを判断するための指標を設定したら、具体的な行動内容を決めていきます。
ポイントは、目標までの距離感を掴めるようなマイルストーンを設定し、それを達成する期限を決めることです。
そうすれば、社員はどれくらい目標に近づいているかを適宜確認することができ、自らの行動を定期的にチェックできるようになるのです。
その結果行動の修正がしやすくなり、効率的に目標達成に近づけるようになるでしょう。
④活動結果の評価とフィードバック
業績評価の時期になったら、管理者は社員の活動結果の評価に対するフィードバックを行います。
期初めに社員自身で決めた目標を達成できたかを確認し、必要に応じてアドバイスをするのが管理者の役割です。
例えば業務をこなす態度や周囲との協調姿勢など、定量評価だけでなく定性的な面からの評価も必要です。
さまざまな面から多角的に評価とフィードバックを行うことが重要になるでしょう。
「目標を達成できたのか、できなかったのか」を把握し、部下と上司で振り返りを行います。
まずは部下が自己評価を行い、それに対して上司が良かった点と改善点をコメントすることで部下の成長にもつながります。
業績評価が終了したら、社員に対して報酬を始めとしたインセンティブを与えます。このサイクルを毎期繰り返すのが基本の形です。
業績評価における目標設定の例【職種別】
業績評価における目標設定の書き方は「いつまでに(期限目標)」「何をして(行動目標)」「どのような成果を出すか(成果目標)」を明確に示すことです。
業績評価の評価基準ともなる目標は、具体的かつわかりやすいものである必要があるのです。
ここでは次の6つの職種の目標設定例を紹介します。
- 営業職
- 事務職
- 管理職
- エンジニア
- 看護師
- 公務員
営業職の目標例
営業職は他の職種に比べて数値的な目標が立てやすいでしょう。何件の顧客獲得を目指すのか、売り上げいくらを増加させるのか、数字で表した目標を設定します。
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事務職の目標例
事務職は数値的な目標設定が難しい職種である分、具体的な行動目標を通してどのような成果を得られるのかを明記する必要があります。
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管理職の目標例
管理職は主に組織全体の効率性や生産性向上が主な業務です。
そのため、組織のパフォーマンスを上げるためにどのような取り組みを行うのか、そのことで組織全体にどのような影響を及ぼすのかを目標として設定しましょう。
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エンジニアの目標例
エンジニア職はシステムや技術的な開発の目標だけでなく、開発にかかる費用の削減など、開発に関わる業務の改善も目標として適しています。
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看護師の目標例
医療に関する知識を習得してどのように活かすか、日々の取り組みで誰に良い影響を与えられるのかを明記して目標をたててみましょう。
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公務員の目標例
業務領域が幅広いため、担当業務によって目標内容も変わります。
現在の業務で何を求められているのかしっかり把握したうえで、そのためにどのような取り組みを行っていくかを目標設定しましょう。
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業績評価を行う際の2つのポイント
業績評価を実施するときは、次の2つの点を意識して行いましょう。
- 成果に対するプロセスを振り返る
- 業績評価の評価だけを昇進にむすびつけない
成果に対するプロセスを振り返る
目標を達成できたか否かに関わらず、成果を得るに至るまでの過程を振り返ることが重要です。
業績評価はインセンティブの付与だけでなく人材育成も目的としています。
そのため、進捗を把握することで社員の成長に必要な要素を見つけ出し、今後の取り組みを検討する機会でもあるのです。
業績評価の際に過程を振り返り、自己評価を行うことで成長に必要な「新たな気付き」が得られるでしょう。
業績評価の評価だけを昇進にむすびつけない
給与や人事異動の決定をするための評価は、業績評価以外にもさまざまあります。そのため、成果や結果といった一面だけを見て昇進を決めてはいけません。
例えば、同じ成果を得た2人の社員がいて1人は勤務態度が良好で遅刻もゼロです。一方でもう1人は月に1度は遅刻をするので、周囲からも浮いた存在です。
業績評価のみで評価したら2人は全く同じ評価を受け、同じように昇進するでしょう。
昇進をすれば重要な意思決定にも関わることになるので、勤務態度が悪く仕事への意欲も低い社員を昇進させることは会社にもマイナスとなります。
業績評価は給与の決定や昇進などの人事異動を決定するための手法ではありますが、多くの評価手法のうちの1つに過ぎません。
昇進という重大な決定は業績評価での評価だけにとらわれず、社員を多方面から総合的に評価することが大事なのです。
業績評価の2つの効果
業績評価を実施することで得られる効果は次の2つです。
- 目標達成による社員のモチベーション向上
- 公正な評価の実現
業績評価は客観的な成績で評価するため、社員の納得が得られやすく正しい人事評価の実現につながります。
目標達成による社員のモチベーション向上
業務の成果や目標の達成度によって評価が行われれば、設定した目標に向けて取り組むようになるので労働意欲の向上が期待できます。
さらに、一定の成績を上げれば昇給や昇進のきっかけにもなるので、社員同士が切磋琢磨するようになるでしょう。
逆に業務成績が評価に影響を与えなければ、社員はゴールを見失いモチベーションの維持が難しくなってしまいます。
そうなれば、成績を上げるための創意工夫や仕事に対する意欲が喪失し、業務の質低下にもつながりかねません。
その場合は上司との面談でフォローを行ったり、前向きなフィードバックを行ったりして社員1人ひとりが会社に貢献しているという自覚を持たせるよとよいでしょう。
業績評価に必要な目標設定によって、業務上の目標を達成しようとするインセンティブが働き、社員のモチベーション向上が可能になるのです。
公正な評価の実現
業績評価では具体的な行動目標や数値目標をどれだけ達成できたかで評価が下されるため、はっきりした評価基準によって公正な評価が可能になります。
良い成績を上げた社員は昇給や昇進のチャンスを得ることができ、逆に成果を上げられない社員に関しては給与アップは認められません。
このように昇給・昇進の理由がわかりやすく、下された評価に対して納得がいきやすい点で正しい評価が行われていると判断されるのです。
従来の日本企業に多く見られた年功序列から成果主義へと移行している近年では、業績評価の手法は人事評価に役立つでしょう。
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