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定性評価とは何か?定量評価との違いや評価方法、評価基準を紹介

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最終更新日: 2024年03月27日

人事評価の手法として欠かせない「定性評価」。とはいえ、どのような評価基準のもとに評価を行えばよいのかわからない方も多いのではないでしょうか。

この記事では定性評価の進め方から評価項目、効果的に運用するためのポイントまでわかりやすく解説します。

定性評価とは

自分のデスクで椅子に座る女性

定性評価とは「数値や形で表しにくい要素を対象とする評価方法」のことです。人間の行動特性や能力などを評価する際に用いられます。社員の努力や企業への貢献度など、数値で把握できない事柄をできるだけ客観的に評価する方法です。

例えば、営業成績は具体的な数値で出てくるので評価しやすいですが、社員の「目に見えない努力」といった曖昧なことに関しては評価が難しいでしょう。とはいえ、数値で見える結果だけにフォーカスしていては社員の総合的な特性を正しく評価することはできません。

そこで定性評価を用いることで、外部からは把握しづらい協調性や責任感などのさまざまな観点から公正な評価ができるようになります。公正な評価は社員のモチベーション向上や離職率の低下、ひいては組織の活性化につながります。

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定性評価と定量評価の違い

ビジネス

定性評価と一緒に使われる言葉に定量評価があります。数値化できないことを評価する定性評価に対して、定量評価とは数値的なデータから評価を行う方法です。

数値で表せるかどうか

定性評価と定量評価の違いは「数値で表せるかどうか」です。例えば、社員のアポ取り件数や成約件数などは実際の数値で表されるため、定量評価が用いられます。

ビジネスシーンでは、個人や組織での数値的な目標を達成できたかを判断するときにの評価方法として定量評価が使われているのです。

企業が蓄積してきた人材データを活用しやすく、評価者が誰かを問わず同じ基準で評価できるのが定量評価の特徴です。

一方、定性評価はアンケート調査や意識調査といった、社員1人ひとりの具体的な回答を参考に評価するケースが多くあります。

「成約件数を伸ばすために顧客と積極的にコミュニケーションをとった」など仕事の頑張りに対する評価は定性評価で行われています。

定性評価では「目標に取り組む態度」定量評価では「目標の達成度を数値化したもの」が評価対象だと区別するとよいでしょう。

評価対象に応じた組み合わせが大切

人事評価では定性評価と定量評価どちらか片方を採用するのではなく、適切に組み合わせることが重要です。

勤務態度や創意工夫など「業務に対する姿勢」に関する評価は定性評価、契約数や売上など目に見える「成果や業績」は定量評価で使い分けてみましょう。

定性評価のみを採用すると、顧客獲得数や成約件数などは見られずに業務の過程だけを重視されて不公平な評価になりかねません。

逆に定量評価だけで行う場合、業務に取り組む姿勢や周囲へのフォロー活動は評価対象にならず、個人の頑張りが無視されてしまいます。

つまり、どちらか一方だけを採用すると評価しきれない項目が出てきてしまい、社員の総合的な評価が難しくなるのです。

そのため、公正な人事評価のためには定性評価と定量評価を適切に取り入れ、評価項目に応じて使い分けることが必要です。

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定性評価で用いられる項目と具体例

オフィスで談笑するビジネスマンとビジネスウーマン

社員の仕事ぶりを評価する定性評価における、評価項目と具体例を紹介します。

  • スピード性
  • 創意工夫
  • 知識
  • 規律性
  • 積極性
  • 協調性
  • 責任

定性評価は定量評価と違い、各成果を数値的に判断するのが困難です。そのため何を評価対象に置くのかを定めておかねばなりません。評価対象は「どのような行いを評価するのか」といった観点から設定します。

スピード性

スピード性では社員が業務をこなすスピードや、対応の速さが評価対象です。

【評価項目の例】

  • 依頼した業務の対応が早いか
  • 報告や連絡、相談が迅速に行なわれているか

指示された業務を遂行するスピード、顧客からの依頼に対して迅速に対応できていたかなど、具体的な目標を定めて達成度を確認します。

業務のスピード性だけでなく、上長への報告・連絡・相談の速さも評価する場合があります。時間的な速さで評価ができるので、比較的評価しやすい項目でもあるでしょう。

創意工夫

業務を行う中で個人や組織に対する業務改善ができているかどうか、仕事に対する向き合い方を評価する項目です。

【評価項目の例】

  • 業務を進める中で工夫をしているか
  • 新しい改善案を提案できているか
  • 問題を解決したか

具体的にどういった工夫が評価の対象となるかは、管理者の価値観や考え方によって異なりますが、自ら問題に対して働きかける姿勢が評価されるケースが多くあります。

知識

業務を遂行するうえで、必要な知識を持ち合わせているかが評価されます。

【評価項目の例】

  • 自社製品を理解しているか
  • 自社サービスを理解しているか
  • 業界や顧客の情報を把握しているか
  • 業務の進め方を身につけているか

会社の製品・サービスに関する知識だけでなく、顧客に関する情報を把握して業務に活かせているかも評価されるのです。

規律性

勤務態度に関して「真面目に取り組んでいるか」「組織の規律を重んじているか」も定性評価の評価対象です。

【評価項目の例】

  • 服装など身だしなみは整っているか
  • 態度や言葉づかいは適切か
  • 時間管理ができているか
  • 整理整頓ができているか

遅刻や無断欠勤の有無はもちろん、日ごろの身だしなみやデスク周りの状態、顧客に対する振る舞い方をチェックすることもあります。

積極性

毎日の業務に積極的に取り組んでいるか、苦手な仕事にもしっかりと取り組んでいるかどうかを評価します。

【評価項目の例】

  • 言動や振る舞いは前向きか
  • 与えられた業務を積極的にこなしているか
  • 業務を自主的に探しているか

自分の得意不得意に関わらず、何事にも積極的に挑戦する姿勢が良い評価を受けるのです。

協調性

周囲と良好な関係を築き、組織のパフォーマンス向上のために協力的な姿勢で業務に取り組んでいるかどうかを評価します。

【評価項目の例】

  • チーム内におけるメンバーとの関係は良好か
  • 会社全体におけるメンバーとの関係は良好か
  • 会社全体の業務に協力的か

周りとの関係性で評価される協調性の評価は、評価者からの評価だけでなく同僚からの評価を人事考課の参考にするのも効果的です。

責任

日々の業務に対する責任感を評価します。

【評価項目の例】

  • 業務の納期を守れているか
  • 任せられた仕事を最後まで全うしているか
  • 設定した目標を目指しているか

毎日のタスクが定まっている業種の評価項目として用いられることが多いです。たとえ定型業務として決まっていなくても、企業の一員として果たすべき責務を果たしているかどうかを評価するケースもあります。

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定性評価を行う方法

オフィスの廊下で話しながら歩く男女

定性評価を行うには、まずはじめに目標の設定を行います。その後、設定した目標に対する「評価基準」と、達成度合いを示す「点数」を設定して評価を実施します。

①目標の設定

定性評価を行う際に、まず期間を定めて組織目標」と「職位目標」を設定します。組織目標は企業全体で目指すべき目標で、職位目標は組織目標に向けた役職ごとの個人目標を意味します。

これらの目標に対して達成度の評価基準となる「必達レベル」と「努力レベル」を設けると効果的です。

必達レベル 必ず達成したい基準
努力レベル これまで達成できたらよいと思う基準

必達レベルに到達したうえで、さらに達成したいレベルが努力レベルです。それぞれ、どれほど達成または超過したのかを定性評価していきます。

②評価基準と点数の設定

設定した目標の評価基準と点数を設定しましょう。必達レベルに到達できたか、必達レベルを超過して努力レベルに到達できたか、点数を設けて評価します。

目標達成度を3段階の基準で評価する場合の例は以下の通りです。

【例】

  • 必達レベル未達         →1点
  • 必達レベル到達、努力レベル未達 →2点
  • 努力レベル到達         →3点

評価基準は評価内容によって、3段階だけでなく5段階の基準も使い分けるのがおすすめです。

目標達成のための一定期間が終了したら、どのレベルまで到達できたのかを確認して点数を付けていきましょう。

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定性評価のメリット

パソコンを操作する女性

定性評価には、数字で成果が出にくい業務の担当者も評価できるというメリットがあります。

営業職であれば成約件数など数値的な業績で評価しやすいですが、例えば総務や人事、経理といった業務は具体的な数字で成績を測るのが難しい仕事です。

直接的に顧客を相手にするわけではないため、企業の利益への貢献度が把握しづらいのです。

そこで一定の評価基準を設けて定性評価を行えば、組織として公正な評価が可能になります。

また、数値で測れるような成績をまだ残せていない新入社員の評価も定性評価が効果的です。

定性評価では仕事に積極的に向き合う姿勢や働きぶりなど、より個人にフォーカスした評価が可能になるでしょう。

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定性評価の2つのデメリット

オフィスで悩んでいる女性

定性評価のデメリットには以下の2つが挙げられます。

  • 評価に主観が入りやすい
  • 評価に対する不満が出やすい

評価者は自身の主観や先入観を入れ込まないよう注意し、定性評価を正しく行っていきましょう。

評価に主観が入りやすい

客観的な数字で評価する定量評価とは違い、定性評価は評価者の主観が入りやすいのがデメリットです。

たとえ企業で一定の評価基準を設けていても、評価する人によって重視するポイントは異なります。そうすると結果として1人ひとりの評価にブレが生じる可能性があるのです。

さらに、定性評価では結果だけでなく仕事の過程までを確認しなければならないため、評価者の負担が大きくなってしまいます。

評価の質と効率を上げるために、評価者の育成と評価システムの構築が必要となるでしょう。

評価に対する不満が出やすい

定性評価で納得できない評価が下されると、社員が不満を持つ要因になりかねません。

どこにフォーカスを置いて評価を行うかは評価者によって異なります。

そのため、自分が気を留めていなかった部分を重点的に評価され、予想していたものと違う評価になる可能性もあるのです。

評価を行ったらきちんとフィードバックを行い、なぜそのような評価を下したのか部下に説明するよう心がけましょう。

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定性評価を成功させるための2つのポイント

部下を指導する上司

評価者の主観やバイアスが入りやすい定性評価を成功させるために、以下の2つを実施してみましょう。

  • 多面評価を取り入れる
  • 考課者訓練を行う

多面評価を取り入れる

評価にムラが出てしまわないように、さまざまな視点から多面的に評価する方法が求められます。

定性評価では、評価者の価値観や考え方が色濃く出てしまうケースが少なくありません。そうなると、社員にとっては不公平な結果になるおそれがあります。

特に複数の評価者がいる場合は、それぞれの考え方によって評価にムラが出る可能性もあるので、多くの側面からアプローチすることが必要です。

近年多くの企業が導入している360度評価が多面評価の代表的な例で、評価対象者の周りの人からの視点も参考に評価を実施する方法です。

360度評価に関する内容は以下の記事で詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。

関連記事:360度評価とは?新たな評価制度のメリット・デメリット・成功事例を解説!|ミツモア

考課者訓練を行う

評価者の思い込みやバイアスによる評価の不公平を防ぐために、定期的に考課者訓練を実施するとよいでしょう。

社員の学歴や性別などを評価基準に入れてしまう場合や、数ある評価項目の中で目立ったものに重きを置いてしまうハロー効果などは、特に注目すべきバイアスです。

評価者の主観による問題は、ある程度訓練をすることで避けることが可能です。

評価者に生じやすいバイアスが何かを認識し、ロールプレイングなどを通じて公正な評価をするために訓練を積んでいきましょう。

関連記事:ハロー効果とは?具体例や人事評価での対策方法をわかりやすく解説|ミツモア

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定性評価を適切に取り入れてモチベーションの向上を

部下との面談を進める女性上司

定性評価は数字で表せないことを評価する方法で、社員の働きぶりや仕事に対する姿勢を評価するのに効果的です。

一方、数値化されたものを評価する定量評価も人事評価において必要で、両者を適切に使い分けることが重要なポイントです。

定性評価では評価者の思い込みで一方的に評価し、社員に不公平感が生まれてモチベーションを下げてしまう可能性もあります。

そのため、多面評価や考課者評価を取り入れながら、評価者の主観をできるだけ排除して公正な評価ができる体制を整えることが大切なのです。

定性評価をうまく取り入れて公正な人事評価を実現させ、社員のモチベーションアップと会社全体の生産性向上につなげていきましょう。

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