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格安税理士に頼んでも大丈夫?デメリットや依頼時の注意点を解説

最終更新日: 2024年09月04日

格安税理士という言葉を耳にすることが増えてきましたが、中には「格安税理士に頼んでも大丈夫?」と不安に思っている方もいるのではないでしょうか。

この記事では、格安税理士に依頼することのデメリットや注意すべき点について詳しく解説します。格安税理士はコストを抑えたいと考える中小企業や個人事業主にとって心強い味方である一方、信頼できる税理士に依頼することも重要です。

本記事を参考に、自社にぴったりな税理士を選ぶための参考にしてください。

格安税理士とは?

握手

格安税理士とは、一般的な税理士報酬よりも大幅に低い料金でサービスを提供している税理士や税理士事務所を指します。

一般的には、月額の顧問料が相場よりも2~3万円ほど安い場合に「格安」という言葉が使われます。中には、月額1万円以下で依頼できる税理士も少なくありません。

格安税理士は相場よりも2~3万円安い

かつては税理士報酬が一律に決まっていましたが、現在では各税理士事務所が自由に設定できるようになっています。その結果料金競争が激化し「格安税理士」と呼ばれる事務所が増えてきました。

格安といわれる税理士の場合、通常の相場よりも2~3万円ほど安いことが多いです。

税理士の相場は売上や依頼内容によって異なる

一口に格安税理士といっても、実際にかかる税理士費用は依頼する内容や自社の規模の大きさによって異なります

例えば、決算料金を含んだ月額顧問料の相場は、中小企業と大企業では大きく異なります。

中小企業の場合、月額数万円から十数万円が相場とされていますが、売上が大きくなるほど作業量に比例して顧問料が増加することが一般的です。

以下に参考となる相場を表にまとめたので、参考にしてみてください。

会社の売上規模 税理士費用の相場
1,000万円未満 月額1万円~+決算申告料
1,000万円~3,000万円未満 月額2万円~+決算申告料
3,000万円~5,000万円未満 月額2万5千円~+決算申告料
5,000万円~1億円未満 月額3万円~+決算申告料
1億円~3億円未満 月額3万円~+決算申告料
3億円~5億円未満 月額3万5千円~+決算申告料
5億円~10億円未満 月額4万5千円~+決算申告料
10億円~ 月額5万円~+決算申告料

税理士に格安で依頼できる理由

スーツの男性

「格安税理士は、なぜ安い料金でサービスを提供できるの?」と疑問に思う方もいるかもしれません。税理士事務所が格安でサービスを提供できる背景には、以下のような理由があります。

  • 対応レベルが低いため
  • 集客を優先しているため
  • 人件費を抑えているため
  • 提供しているサービス内容に制限があるため
  • 期間限定・条件付きのキャンペーンを実施しているため
  • 経営努力によりコストダウンできているため

対応レベルが低いため

格安税理士事務所の中には、税理士やスタッフのスキルが十分でなかったり、対応が遅かったりすることで、安価でサービスを提供せざるを得ないところもあります。

質の悪いサービスを提供している事務所は顧客に敬遠されやすいため、結果的に低料金での提供が常態化してしまっているというケースです。

集客を優先しているため

一部の税理士事務所では、集客を最優先に考え、採算を度外視した料金設定を行っているところも見受けられます

このような事務所は低価格で顧客を集め、量で勝負する戦略を取っています。しかし多くの顧客を抱えているため、サービスの質を維持することが難しい場合があります。

人件費を抑えているため

格安税理士事務所の中には、経営努力により人件費を抑えている事務所も存在します

顧客にとっては一見ありがたいことに思えるかもしれません。しかし、事務所で働いている税理士にとっては報酬の割に合わない過大業務を課されている可能性が高く、担当者のモチベーションが低下している可能性があります。

そのような事務所では離職率が高くなりやすく、対応の質も低下しがちです。月額のコストは抑えられても、納得できるサービスを受けられない可能性もあるでしょう。

提供しているサービス内容に制限があるため

格安税理士の多くは、「決算業務のみを担当する」「基本的な税務申告のみを提供する」といったように、対応範囲を限定していることがあります。

こういったケースでは見積もり料金は安く見えても、必要に応じて追加料金を払わなければなりません。もちろん必要最低限の業務を依頼したい場合は便利ですが、最終的なトータルコストが高くならないように注意しましょう。

期間限定・条件付きのキャンペーンを実施しているため

創業支援における集客の一環として、創業初年度の料金を大幅に割引している事務所もあります。もちろん条件に合えばお得な場合もありますが、こうしたキャンペーンには期間や条件が付いていることが多い点には注意が必要です。

通常料金やサービス内容の詳細ついて、契約時にしっかり確認しておく必要があります。

経営努力によりコストダウンできているため

格安税理士事務所の中には、しっかりとした経営努力によってコストダウンができているところもあります。特に昨今では、会計ソフトを駆使したり、業務の効率化を図ったりすることで、税理士報酬を抑える事務所も増えてきました。

特に、申告業務をオンラインで完結させることによりコスト削減を実現する取り組みが進んでいます。一方で顧客側もITに対応する必要があるため、丸投げではなく協力する姿勢が大切です。

格安税理士に依頼するデメリットと注意点

一指し指

格安税理士に依頼する際には、いくつかのリスクが伴います。とはいえ、活用次第で効果的に費用を抑えられることもあります。

以下のデメリットと注意点を理解した上で、依頼するかどうかを慎重に検討するようにしましょう。

  • 面談回数が少ない
  • 節税のアドバイスを受けにくい
  • 経理の知識がないと厳しい
  • 経験の浅い担当者にあたる可能性がある
  • オプション料金が発生しやすい
  • 無資格者である可能性もある

面談回数が少ない

格安税理士との契約では、面談回数が限られていることが多いです。契約時にしっかりと確認しておかないと、必要な時にアドバイスを受けられなかったり、依頼側が事務所に出向かなければいけなかったりする可能性があります。

最近はオンラインでの対応が可能なケースも多いですが、面談回数や頻度についてはしっかり確認しておきましょう。

節税のアドバイスを受けにくい

訪問や面談回数の少ない格安税理士に依頼すると、積極的な節税アドバイスを受ける機会が少なくなります

通常、訪問時に節税策を提案してもらえることが多いですが、そもそも訪問の機会がなければ、税理士に依頼するメリットを最大限得られない可能性があります。

経理の知識がないと厳しい

格安税理士に依頼する場合、日々の記帳は自社で行う必要がある場合が多いです。また、記帳に対応している場合でも、オプション料金が発生することがあります。

コストを抑えるために格安税理士に依頼するなら、経理に関する知識がある程度ないと厳しいです。

経験の浅い担当者にあたる可能性がある

格安料金の税理士事務所では、人件費を抑えるために経験の浅い新人スタッフが担当することが多くあります。こうした担当者は税務の知識が十分でない場合があり、対応が遅れる可能性があります。

特に経営相談を行う際には経験豊富な税理士のサポートが必要になることが多いため、その点にも注意が必要です。

オプション料金が発生しやすい

一般的な格安税理士事務所では、基本サービスに含まれない業務に対してオプション料金が発生します

例えば、記帳代行や経営分析などのサービスは別料金となり、結果的に費用が高くなってしまうこともあります。契約前に、どのサービスが基本料に含まれるかをしっかり確認することが大切です。

無資格者である可能性もある

格安税理士に依頼するときにもっとも気を付けたいのは、無資格者が税理士として業務を行っている可能性があることです。

税理士の資格を持たない人物に依頼すると、適切な税務処理が行われず、申告漏れや節税失敗などのリスクが高まります。税理士に依頼する際は、日本税理士会連合会の「税理士証票」や「税理士バッジ」を確認することが重要です。

格安税理士に依頼するメリット

ミーティング

ここまで格安税理士に依頼するデメリットと注意点を重点的に解説してきましたが、ニーズに合った格安税理士を選ぶことにはもちろんメリットもあります。

  • コストを抑えられる
  • 必要最低限のサービスを受けられる

コストを抑えられる

格安税理士の最大のメリットは、やはりその料金の安さにあります。

特に売上金額が少ない個人や法人の場合は効率よくコストを抑えられることが多く、税務にかかる費用を削減しやすくなります。

必要最低限のサービスを受けられる

格安税理士のもう一つのメリットとして、必要最低限のサービスだけを選べることが挙げられます。例えば「頻繁な面談は不要」といった場合、必要なサービスだけをピンポイントで依頼できる格安税理士は大きなメリットです。また、「決算書の作成だけお願いしたい」といったように、必要な業務のみを依頼することもできます。

格安税理士のこのようなスタンスは、無駄なコストをかけたくない企業にとっては大きな魅力でしょう。 

格安税理士がおすすめなケースは?

では、格安税理士に依頼がおすすめなケースにはどのようなものがあるのでしょうか。一般的に、以下のような場合は格安税理士のメリットを享受しやすいといわれます。

  • 創業直後である場合
  • 取引量や売上が少ない場合

その理由について、詳しく解説します。

創業直後である場合

創業間もない法人や個人事業主の場合、売上がまだ安定していないことも多いでしょう。そのため、できるだけコストを抑えたいと考えるものです。格安税理士なら必要最低限の業務を安く依頼できるため、心強い存在です

資金繰りに余裕のない最初の数年間は、格安税理士に依頼して、売上が安定したタイミングで契約プランや依頼先の見直しをするのも一つです。

取引量や売上が少ない場合

創業直後以外でも、事業の規模が小さく、取引量が極端に少ない場合などは、格安税理士への依頼がおすすめです。取引量が少ないと会計処理も比較的シンプルになり、税理士に支払う報酬が高額である必要はないからです。また、自社での経理業務もさほど負担は大きくないでしょう。

また、税理士のスキルや経験が異なっても、少ない取引量では税務処理の差が結果に大きな影響を与えることは少なく、その意味でも格安税理士がおすすめであるといえます。

格安税理士に関するよくある質問

最後に、格安税理士に関するよくある質問をご紹介します。

  • 料金の安い税理士は頼りにならない?
  • 確定申告のみの場合依頼料を抑えられる?

それぞれについて見ていきましょう。

料金の安い税理士は頼りにならない?

「料金が安い税理士に任せて本当に大丈夫なの?」と心配する方も少なくないでしょう。しかし税理士報酬の金額は、その税理士の実力や信頼性を直接反映するものではありません。税理士報酬は、提供されるサービスの範囲や内容によって決まるため、料金が安いからといって必ずしも質が劣るとは限りません。

一方であまりにも相場より安い場合、対応が遅い、スキル不足であるといったデメリットが隠れていることもあります。契約を結ぶ前にその税理士と話してみて、相性や対応力を確認することが重要です。

確定申告のみの場合依頼料を抑えられる?

確定申告だけを依頼したい場合、年間契約よりもスポット契約の方が費用を抑えられることが多いです。確定申告は年に一度の作業であり、スポットでの依頼により、通常の顧問契約に比べてコストが大幅に軽減される場合がほとんどです。

また、確定申告を依頼する際は、どの部分を税理士に任せるかを明確にすることも重要です。

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格安税理士のデメリットや注意点について解説しました。格安税理士がすべていい加減な対応をしているとは限らず、真摯に向き合ってくれる税理士ももちろんいます。一方であまりにも相場とかけ離れている場合、対応が遅かったり、担当者のスキルが不足していたりといったデメリットが隠れていることも。

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