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良い税理士と悪い税理士はすぐわかる?見極めるポイントや探し方を解説

最終更新日: 2024年08月19日

新しい税理士を探すとき、悪い税理士に当たらないか不安な方もいるのではないでしょうか。

この記事では、税務に不安を感じている経営者や、事業が拡大し税務処理が複雑になってきた方、以前税理士選びで失敗した方などに向け、良い税理士と悪い税理士の見分け方を徹底解説し、成功する税理士選びのコツをお伝えします。

この記事を監修した税理士

風間公認会計士事務所 - 東京都品川区南品川

風間優作(かざまゆうさく) 1985年千葉県銚子市出身。兵庫県立大学大学院卒業。 上場会社経理部にて経理実務を経験した後、Big4監査法人及び税理士法人にて、公認会計士・税理士としての実務を経験し独立開業。現在は会計監査やIPO支援だけではなく、個人・法人の税務から売上アップ・資金繰りコンサルなど幅広く対応している。

悪い税理士の特徴

税理士の中には、高圧的であったりミスが多い方など、悪い税理士が一定数います。しかし、必ずしも「相性の合わない税理士=悪い税理士」というわけではありません。悪い税理士の特徴の例として、以下の7点が挙げられます。

  • 態度が高圧的
  • レスポンスが遅い
  • やり方がアナログ
  • 報酬が不明瞭
  • 経営のアドバイスをしてくれない
  • 専門用語が多い
  • 強引に保険をおすすめしてくる

それぞれについて詳しくみていきましょう。

1.態度が高圧的

態度が高圧的だと悪い税理士だといえます

残念ながら税理士の中には、顧客に対して圧力を感じさせるような態度で一方的に自分の意見や提案を押し付けたり、顧客の意見に耳を傾けないような人もいます。

強引な口調や一方通行のコミュニケーションを取るような相手であれば、気軽に相談できません。面談を通してそのような特徴が感じられた場合、契約しない方がいいでしょう。

また、上記のような特徴がなくても、なんとなくストレスを感じる場合は、悪い税理士ではなくても相性の悪い税理士として避けることを検討してもいいかもしれません。

【税理士のワンポイントアドバイス】

自分の望んでいる依頼内容を予算内で対応してもらえること、また感覚的にコミュニケーションでの違和感を感じることがなければ問題なはいかと思います。
なお、報酬が安すぎる場合には、後々対応面での問題にもつながるため、金額だけで判断しないことが結果として節税や対応のストレスが減ることになるかと思います。

2.レスポンスが遅い

2つ目は、レスポンスが遅いことです。税理士とのトラブル事例において、「すぐに相談したいのに税理士からの返事が遅い」「問い合わせているのに返答を忘れられている」といったケースが一定数見受けられます。

会社を経営している場合、税務関連でレスポンスが遅いと税務関連で問題が発生する可能性があるため、レスポンスが遅い税理士との契約は避けることが重要です。

連絡がとれない税理士は信頼性が大きく欠けるため、対応が早い税理士を契約するようにしましょう。

【税理士のワンポイントアドバイス】

見積や面談依頼等をしてからその日中に返答があるようであれば、契約後のレスポンスにもストレスない程度に対応してもらえる可能性は高いと思います。

3.やり方がアナログ

特に高齢な税理士の中には、昔のアナログなやり方を続けている人もいます。

現在では会計ソフトや確定申告の電子化などをつかったやり方が主流になってきている中、アナログな税理士は、確定申告に無駄に時間がかかったり、最新の情報がアップデートされていないなど、不手際や不備が生じる可能性があります

これらの観点についても契約前に確認しておくのがおすすめです。

【税理士のワンポイントアドバイス】

現在はクラウド会計の存在により、地方の会社でも都市部の比較的リーズナブルな税理士に依頼されるケースは多くなっています。地域性にこだわらず、ご自身のニーズに対応してくれる税理士をインターネットにて検索してみるのも良いかと思います。

4.報酬が不明瞭

悪い税理士の特徴の4つ目は、報酬が不明瞭であることです。税理士費用は通常であれば、契約時に明確に教えてもらうことができ、どの作業にいくらかかるかを知った上で契約を結べます。

しかし、税理士の中には仕事をした後に金額を提示してくる方もおり、そういった場合は安心して仕事を依頼できません。料金が明確でない場合、依頼完了後に多額の費用を請求してくる可能性もあります

請求でのトラブルを避けるために、報酬が不明瞭な税理士とは契約を結ばないようにしましょう。

【税理士のワンポイントアドバイス】

税理士は通常、会社規模や業種、サービス内容に応じた報酬表を持たれているかとおもいます。システム利用料や決算料などを月額報酬とは別に設定している事務所もありますので、年間総額でいくらかかるかを確認し、事務所ごとの料金比較をしてみるのが良いかと思います。

5.経営のアドバイスをしてくれない

悪い税理士の特徴の5点目は、経営のアドバイスをしてくれないことです。税理士は顧問契約を結んだ場合、経営者とコミュニケーションをとって経営状況に基づいて税関連のアドバイスをくれることが一般的です。

しかし、税理士の中には契約後に会社にほとんど訪問せず、経営アドバイスをおこなわない方も一定数います。会社訪問や経営アドバイスをおこなわない税理士は顧客の利益に関心が無いとも言えるため、そういった税理士を雇うことはおすすめしません。

【税理士のワンポイントアドバイス】

経営面でのサポートは事務所によってはコンサル報酬として月額顧問料とは別に設定しているケースもあるかと思います。月額顧問料の内容を税理士側と依頼者側の双方で不一致のないように契約を結ぶことが大切です。

6.専門用語が多い

悪い税理士の特徴の6点目は、専門用語が多いことです。税務関連は専門用語が多く、一般的に税理士を雇うのはそういった知識を身につけることや、税務処理をおこなう時間が無いパターンが多い傾向にあります。

そのため、税理士は税金のプロフェッショナルとして、納税者である顧客にわかりやすい言葉で伝えられなければなりません。専門用語ばかりだと顧客の理解が追いつかず、税務処理に時間がかかるため、専門用語を多様する税理士は避けるようにしましょう

7.強引に保険をおすすめしてくる

悪い税理士の特徴の7点目は、強引に保険をおすすめしてくることです。税理士の中には、不要にも関わらず強引に保険をすすめてくる方がいます。

強引に保険をすすめてくるのは、顧客が保険を契約することで、紹介する側である税理士が紹介手数料で利益を得られるからです。そういった場合は顧客の利益でなく、自分の利益を中心に考えている可能性があります。

ただし、実際に保険が必要になる可能性もあるため、保険を勧めてくるのが一概に悪い税理士であるとは言えません。保険をすすめられた際は、自身で本当に必要な保険かどうかを見極めるようにしましょう。

【税理士のワンポイントアドバイス】

保険を利益の柱とする税理士事務所もあればそうでない場合もあります。保険収入を利益の柱とする事務所の場合には、勧誘が強くなることが想定されるので、保険については、依頼者側でも事前に知識を得たうえで、保険の契約をするか否かは判断できるようになるのが大切です。

良い税理士の特徴

良い税理士の特徴の例として、以下の5点が挙げられます。

  • 質問したらすぐに返信してくれる
  • 報酬が明確
  • 積極的に提案してくれる
  • 業界に精通しトレンドを把握している

それぞれについて詳しくみていきましょう。

1.質問したらすぐに返信してくれる

良い税理士の特徴の1点目は、質問したらすぐに返信してくれることです。経営者は税務について質問する場合、すぐに返信が欲しいことがほとんどだと考えられます。

質問へのレスポンスが遅いと税務に遅れが出たりする可能性があるため、返信の速さは税理士を雇う上で非常に重要なポイントだと言えるでしょう。

2.報酬が明確

良い税理士の特徴の2点目は、報酬が明確であることです。

顧問契約する際、詳細な報酬設定を提示せずに、依頼完了後に多額の報酬を要求してくる税理士も一定数おり、トラブルにつながりかねません。報酬体系を提示してくれることで信頼関係を構築できる他、予算を組みやすいなど顧客にとって大きなメリットがあります。

請求でのトラブルを避けるためにも、事前に明確に報酬の体系について教えてくれる税理士と顧問契約を結ぶことがおすすめです。

ミツモアでは、事前に依頼内容や要望をメッセージで相談することで多くの税理士が明確な金額を提示してくれます。依頼内容が明確でなくてもおおよその金額を提示してくれることも多いので、気軽に相談してみましょう。

3.積極的に提案してくれる

良い税理士の特徴の3点目は、積極的に提案してくれることです。例えば、経理作業において無駄な伝票作成を無くして会計ソフトの導入を支援するといった提案が例として挙げられます。税理士は税務をおこなうだけでなく、経営状況を鑑みて適切に税金に関するアドバイスをおこなうことも業務の1つだと言えるでしょう。

また、積極的に経営アドバイスや節税対策を提案してくれる税理士は信頼できるため、良好な人間関係を構築しやすいでしょう。経営面でも税理士の方から意見をもらいたい方は、しっかりと会社の状況を見てくれて、アドバイスをくれる税理士を選ぶことがおすすめです。

4.業界に精通しトレンドを把握している

良い税理士の特徴の4点目は、業界に精通しトレンドを把握していることです。税務処理は業界が異なると処理方法が大きく変わることがあります。

例えば、IT業界では申告・納付のデジタル化や電子申告の活用など、税務の自動化・効率化が求められています。トレンドを把握した税理士を雇うことは、税務のデジタル化にも対応でき、事業の税務処理の効率化が測れるため、大きなメリットをもたらすでしょう。

税理士によって得意分野は変わるため、自社の業界における税務経験が豊富であるかどうかは契約前に確認しておくことが大切です。

また、IT技術を導入する企業も多く増えていると考えられます。例えば、税務に必要なファイルの送付などでGoogle Drive等のWebサービスが利用できるか、オンライン会議が可能であるかなど、IT技術に見識のある税理士でないとやり取りがスムーズにおこなえない可能性があります。そのため、IT技術などのトレンドを把握しているかどうかも重要だと言えるでしょう。

悪い税理士に依頼した失敗談

悪い税理士に依頼してしまった失敗談として、以下の3つを紹介します。

  • 不十分な説明
  • 打ち合わせ内容の失念
  • 申告内容の誤り

税理士選びで失敗しないために、これらの失敗談を見て学んでみましょう。

1.不十分な説明

エピソード

こちらからの指摘がなければ、全く異なる申告結果が上がってきていました。その後の説明も最低限であり、分かりやすかったとは言いづらいと思います。 

2.打ち合わせ内容の失念

エピソード

自慢話の時間が長く、打ち合わせ内容を忘れていたり…。もう頼むことはないと思いますが、申告はしていただいたので、それに関して評価します。 

3.申告内容の誤り

エピソード

確定申告の書類誤りがありました。税務署に申告後にたまたま不動産会社に見せて発覚しました。プロとしてあるまじきことです。二度と依頼しません。

良い税理士はすぐわかる?見極める4つのポイント

良い税理士を見極めるポイントとして、以下の4点を解説します。

  • コミュニケーション力
  • 業界経験
  • 過去の実績
  • 口コミや評判

それぞれについて詳しくみていきましょう。

1.コミュニケーション力

良い税理士を見極めるポイントの1点目は、コミュニケーション力です。雰囲気にゆとりがあって話しやすく、顧客のわかる言葉で税務の説明ができるコミュニケーション力の高い税理士は良い税理士だと言えます。

税理士の中には利益重視で寄り添った対応をしてくれない方もいるため、ニーズを拾い上げて適切な対応をとってくれる税理士であることは重要なポイントです。また、こちらの意図を汲み取ってくれないと税務処理のミスにも繋がるため、やり取りのしやすい税理士の方と契約すると、仕事がしやすくなるだけでなく、ミスが発生する可能性も減らせます。

2.業界経験

良い税理士を見極めるポイントの2点目は、業界経験です。税理士によって経験してきた業界はそれぞれです。業界によって適用される税制や、税務処理のやり方は異なることが多くあります

そのため、契約前には自分が仕事をしている業界での税務経験が豊富であるかを確認するようにしましょう。ミツモアでは契約前に税理士とメッセージや通話でコンタクトを取れるため、コミュニケーションをとってから契約を進めたいという方におすすめのサービスです。

3.過去の実績

良い税理士を見極めるポイントの3点目は、過去の実績です。税理士をしっかりと調査せずに契約してしまうと、実績がほとんどなく、経験が浅い税理士に当たる可能性も低くありません。

経験が浅いと税務処理に時間がかかったり、専門的な知識が欠けている可能性があります。安心して税務を任せたい場合は、事前にしっかりと調査をおこなって、実績豊富な税理士に依頼することが重要です。

4.口コミや評判

良い税理士を見極めるポイントの4点目は、口コミや評判です。実際に契約前にコンタクトをとって良い税理士だと思っても、税務を依頼するとミスが多かったり、経営アドバイスなどが無く親切な対応をとってくれないケースもあります。そのため、後から「思っていた税理士と違った」とならないように、税理士と契約する際は必ず口コミや評判を確認するようにしましょう。

良い税理士の探し方

良い税理士は以下の方法で探せます。

  • 料金だけでなく人柄や実績も確認する
  • 近所にこだわらない
  • 紹介や知り合いでも安易に契約しない
  • 複数社から見積もりを取り比較する

それぞれの方法について詳しくみていきましょう。

1.料金だけでなく人柄や実績も確認する

良い税理士の探し方の1点目は、料金だけでなく人柄や実績も確認することです。税理士を選ぶ際には、料金の安さだけを見て決めるのは賢明ではありません。

顧問料やその他の報酬が低いのは一見魅力的に思えるかもしれませんが、顧問料は毎月支払うものであり、たとえ数万円の違いでも年間では数十万円の差になります。

また、安さだけを基準に税理士を選ぶと、サービスの品質が低下するリスクがあります。低価格を売りにする税理士は、利益を確保するために多くの顧客を抱えざるを得ず、業務量が限界を超える傾向にあるからです。

したがって、税理士を選ぶ際には料金だけでなく、サービスの品質や信頼性も考慮することが重要だと言えます。適正な料金で高品質なサービスを提供する税理士を選ぶことで、長期的には安心して任せることができるでしょう。

2.近所にこだわらない

良い税理士の探し方の2点目は、近所にこだわらないことです。確かに近くにいる税理士であれば、直接会社に来てもらえることから、相談しやすいメリットがあります。また、書類のやり取りも簡単に行えるため、申請手続きもスムーズに進めることが可能です。

しかし、近さを重視するだけでは不十分です。優秀な税理士を選ぶためには、その人柄や実績をしっかり確認する必要があります。単に自宅や会社に近いという理由だけで税理士を選ぶのは避けましょう

最近ではオンライン会議やオンラインでのファイルのやり取りに対応している税理士も増えており、遠方の税理士でも問題なく業務を進めることができます。

オンラインでの対応ができる場合は近所だけで税理士を探す必要が無いため、より多くの選択肢の中から最適な税理士を見つけることが可能です。税理士を探す際は、会社からの距離よりも実績を重視しましょう。

3.紹介や知り合いでも安易に契約しない

良い税理士の探し方の3点目は、紹介や知り合いでも安易に契約しないことです。知人からの紹介である場合、実際の第三者としての意見が聞けたり、知り合いがいることによる安心感があるため、依頼しやすい場合もあるでしょう。

しかし、税理士の中には知り合いづての紹介であるが故に仕事の優先度を下げたり、逆に共通の知人がいるからこそ指摘をしづらいなどのデメリットもあります。紹介であっても安易には契約せず、本当に自分の求める税務をおこなってくれるかを見極めることが大切です。

4.複数社から見積もりを取り比較する

良い税理士の探し方の4点目は、複数社から見積もりを取り比較することです。税理士を一人一人探していると時間がかかり、料金や得意分野などの比較が難しくなります。

複数社からの見積もりを一気に取ることで、比較検討の手間が大きく削減されることに加えて、安い業者を選ぶことが可能です。ミツモアでは以下のような簡単な質問に答えることで、複数社の相見積もりを取って比較ができます。

  • 希望地域
  • 事業形態
  • 申告の依頼有無
  • 使用する会計ソフト

ミツモアを利用することでニーズに合った税理士を簡単に比較検討できるため、良い税理士を探したい方は活用することがおすすめです。

悪い税理士から良い税理士に変更できる?

結論として、悪い税理士から良い税理士に変更することは可能ですが、以下のような注意点があります。

  • 書面の確認が必要
  • 変更しない方が良い時期がある

まずはじめに、今の税理士との契約書を確認しましょう。契約書には契約期間や解約する条件などが記載されており、中身をしっかりと確認しないと多額の契約解除金がかかる可能性があります。また、税理士によっては横暴な対応を取られる場合もあるため、適切な時期に解約するように気をつけましょう。

また、決算前後の解約は避けることがおすすめです。決算前後の時期は経営者および税理士ともに非常に忙しい時期であり、この時期に税理士を変更してしまうと双方に多大な負担がかかることが予想されます。多忙になり申告内容にミスが出ると、申告修正が必要になったり、追徴課税が発生するリスクが高まるため、税務処理が落ち着いた時期に契約変更するとよいでしょう。

まとめ:良い税理士と悪い税理士を見極めるなら一括比較のミツモア

今回の記事では良い税理士と悪い税理士を見極める方法を解説しました。悪い税理士と契約してしまうと、コミュニケーションが取りづらかったり、税務処理のミスや追徴課税などにつながるリスクが高まってしまいます。契約前にしっかりと調査して良い税理士と契約することで、契約後のトラブルを避けることができるため、口コミの調査や実績の有無などを確認することが重要です。

ミツモアでは簡単なヒアリングに回答することで、一気に複数社の見積もりを取ることができるため、税理士の比較検討が手軽におこなえます。また、税理士とはメッセージや通話などでコンタクトを取れるため、事前にコミュニケーションを取ることも可能です。良い税理士を見つけたい方は、ミツモアを利用して一括比較するとよいでしょう。