バージニアストックは明るい色合いの小花がたくさん咲くかわいらしい植物です。寄せ植えにもぴったりでガーデニングにおいて重宝しますが、育てるときはどんなことに気をつければよいのでしょうか?
バージニアストックの基本情報や環境、育て方のコツを紹介するのでぜひ参考にしてください。
バージニアストックとはどんな植物?
バージニアストックとはどのような植物なのでしょうか。バージニアストックの基本情報やストックとの違いについて解説します。
バージニアストックの基本情報
植物名 | バージニアストック |
学名 | Malcolmia maritima |
科名 / 属名 | アブラナ科 / マルコルミア属 |
原産地 | 地中海沿岸部(ギリシャ、アルバニア) |
開花期 | 4~5月 |
花の色 | 紫、ピンク、白 |
草丈 | 20~40cm |
特性 | 一年草、草丈が低い、高温多湿に弱い |
バージニアストックは、アブラナ科マルコルミア属の一年草です。
花の色は紫や薄いピンク、白とバリエーションがあります。種類によって咲き進むと青紫や濃いピンク色に変化するので、1つの株でさまざまな色合いが楽しめます。
バージニアストックは種まきで増やす植物です。秋に種をまいて冬越しすれば開花期は4~5月ですが、春に種をまけば9月中旬~10月にかけて花を咲かせます。
ストックの仲間ではない
バージニアストックは、ストックの仲間ではありません。バージニアストックは「マルコルミア属」ですが、ストックは「アラセイトウ属」です。
バージニアストックは、ストックの花を小さくしたような外見をしているので、名前に「ストック」と付いたといわれています。
しかしストックは花が穂のように縦に付くのに対して、バージニアストックは分かれた花枝の先に花が付くので、あまり全体の印象は似ていません。
ちなみにストックもバージニアストック同様、育てやすい植物です。バージニアストックより高さが出るため、寄せ植えで一緒に育ててみるのもよいでしょう。
花言葉は「優美」「繊細」
バージニアストックの花言葉は「優美」と「繊細」です。時間の経過とともに花の色が変わる様子から、このような花言葉がつけられました。
白や薄ピンクなど淡い色から、青紫やピンクなど濃い色に移り変わるバージニアストックには、「優美」や「繊細」という言葉が似合いますね。
バージニアストックの種はどこで買える?
バージニアストックの種を購入できる場所やおすすめの品種について紹介します。
種を入手できる場所
バージニアストックの種を購入できる場所は以下の通りです。
- ホームセンター
- amazonや楽天(総合ネット通販)
- タキイ(種苗の専門ネット通販)
ホームセンターやamazon、楽天で手に入れられますが、おすすめは「タキイ」という種苗の専門ネット通販です。種類豊富なバージニアストックの種苗を販売していますよ。バージニアストックの値段はおおよそ300円です。
おすすめの品種は「スプリングスパークル」
バージニアストックにはいくつか種類がありますが、おすすめの品種は「スプリングスパークル」です。
他のバージニアストックと比べて花が小ぶりで、草丈は20cmと低いのが特徴です。花壇やコンテナ、鉢の寄せ植えで楽しむのがよいでしょう。
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バージニアストックの栽培環境と植え方
自宅の庭でバージニアストックを育てるときは、どんなことに気をつけたら良いのでしょうか?栽培に適した環境と、苗の植え方を確認しましょう。
日当たりが重要
バージニアストックは海岸沿いの砂地や岩場に自生する、日光を好む植物です。ガーデニングで育てるときも日当たりのよい場所に植えましょう。
日照が少ないと茎が通常よりも長く伸びる「徒長」を起こしてしまい、成長や花付きが悪くなるので注意が必要です。
またバージニアストックは、高温多湿に弱い植物でもあります。夏場の暑さ対策として、風通しと水はけをよくしましょう。
種の「春まき」「秋まき」の時期
バージニアストックを種から育てるとき、種を5~6月にまく「春まき」と9~10月にまく「秋まき」の2パターンがあります。
秋まきが一般的ですが、寒い地域に住んでいる方は春まきがおすすめです。秋まきだと開花時期は4~5月、春まきだと9~10月です。
種を植えるときのコツは2つあります。1つ目は土を湿らせること。2つ目は、1つの穴につき種を2~3粒ずつまくことです。
苗の植え方
バージニアストックは苗から育てることもできます。日当たりを確保するために、苗は15cm間隔で植えていきましょう。苗植えの適期は3~4月、または10〜11月です。
苗を植えるときに大切なポイントは、水はけのよい土を用意することです。バージニアストックは多湿を嫌います。庭植えする場合は、腐葉土を混ぜ込み水はけのよい土を作りましょう。
鉢植えの場合は、以下の土がおすすめです。
- 市販の草花用培養土
- 赤玉土の小粒と腐葉土を7:3でブレンドした土
秋に種まきや苗植えをする場合は、冬を越す必要があります。バージニアストックは耐寒性に優れていますが、-5℃を下回る場合は注意が必要です。
霜よけ対策として、鉢植えの場合は冬の間は軒下で育てたり、庭植えであれば不織布を掛けたりするとよいでしょう。
また庭植えする際は、ポットで育ててから春に苗植えをすると、問題なく冬を越せます。
バージニアストックの育て方
バージニアストックはやせた土壌でも育つ強さを持っているので、基本的に過保護になる必要はありません。植え方と栽培環境を守れば、毎年楽しめる植物です。
ここでは、さらにきれいな状態を楽しめるよう、育て方のコツを紹介します。
水やりと追肥
庭植えの場合、適度に雨が降っていれば水やりの必要はほとんどありません。バージニアストックは湿度の高い環境が苦手なので、水を与え過ぎないよう気をつけます。
鉢植えの場合は、土の表面が乾いたらその都度水を与えるのがポイントです。水やりをする時は、鉢の底から水が出るほどたくさん水やりをしましょう。
肥料に関しては、追肥をする必要はありません。栄養がありすぎると、茎が柔らかくなり倒れる恐れがあります。
注意する病気と害虫
バージニアストックは、多湿が原因で病気が発生することがあります。
かかりやすい病気として「灰色かび病」や「根腐れ」が挙げられます。水はけの悪い土を使用したり、風通しの悪い場所で育てたりすると発生しやすいです。
病気になったら、被害拡大を抑えるために傷んだ花を摘み取ったり、枝を切り戻したりしてください。
予防方法は、栽培環境の水はけや風通しに気を配るほか、水のやり過ぎにも注意することです。必要以上に水分の多い環境にしないことが重要です。
気をつけるべき害虫は「アブラムシ」です。数が少なければ粘着テープなどで直接取り除けます。
しかし大量に発生した場合は、アブラムシが嫌うローズマリーの虫よけスプレーや、アブラナ科の植物に使える市販の薬剤を使って駆除しましょう。
バージニアストックの種を取る方法/種まきの方法
バージニアストックの種の取り方について紹介します。種を取ることで、来年以降も育てることができますよ。
種を取る方法
バージニアストックは花が咲いた後、細長いさやができます。さやの中に複数の種が詰まっているのです。
種を取る方法は、根元からもぎ取ったさやを開くだけです。さやが完全に枯れてからもぎ取るようにしましょう。
増やす場合は種まきで
バージニアストックは一年草なので、基本は種まきで増やします。
採取した種は、9月中旬~10月にまきます。冬越しが難しい寒冷地では、5月ごろにまくのがおすすめです。
霜が降りにくい地域であれば、庭や花壇などに直まきし、覆土は2mmほど掛けましょう。
寒冷地の場合は、冬越しする際に注意が必要です。寒冷地は霜が降りやすく、バージニアストックがうまく成長できない恐れがあります。ポットで育ててから春に苗を定植するとよいでしょう。
こぼれ種でも育てることができる
バージニアストックは、こぼれ種でも育てることができます。こぼれ種は、花が咲いた後にできた種が地面に落ち、芽を出すことをいいます。
種まきと比べると発芽する量が少なく、育てる位置を調整することができません。しかし放置するだけで育つので、ガーデニングにあまり時間を割けない方におすすめです。
バージニアストックでお庭に彩りを!
小花が群れ咲くバージニアストックは、庭に愛らしい印象を与えます。紫や薄いピンク、白など花色が豊富で色も変わるため、他の植物との相性を見ながら植えることができます。草丈は低めなので、チューリップやコスモスなど丈の長い花と組み合わせるのもおすすめです。
今回紹介した植え方や育て方のコツを参考にして、初心者でも育てやすいバージニアストックの育成にチャレンジしてみてください。庭の彩りや寄せ植えにもぴったりなので、アクセントとして取り入れてみましょう。
バージニアストックは一年サイクルで種まきから枯れるまでを繰り返す一年草ですが、同じ株から毎年花を咲かせる宿根草もガーデニングにはおすすめです。ぜひ以下の記事も参考にしてみてくださいね。