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賃貸物件にウォシュレットを後付けできる?取り付け方法や注意点を解説

最終更新日: 2023年10月05日

トイレの清潔さを保ち、寒い時期に便座を温めてくれるウォシュレットは、生活に欠かせないという人もいるでしょう。引越し先の賃貸住宅にウォシュレットがなかったら、どうすればよいのでしょうか?取り付け方や自分に合った製品の選び方を解説します。

賃貸にウォシュレットを付けられる条件

ウォシュレットを設置したいなら、自宅トイレのコンセントの有無や、十分なスペースがあるかを確認しなければなりません。賃貸住宅の場合には、大家からの取り付け許可も必要です。賃貸にウォシュレットを付けるための、具体的な条件を見ていきましょう。

トイレの広さやコンセントの有無

ウォシュレットを付ける前に、トイレ内にコンセントと感電防止のアースがあるかを確認します。便器に向かって左側の約1mの範囲に電源がなければ、コンセントを増設する必要があります。

延長コードを使ってトイレの外にあるコンセントを使うと、扉の開閉でコードが痛みやすいので、避けた方がよいでしょう。

ウォシュレットを付けたときに、壁やドアにぶつからないか、便器のふたがスムーズに開閉できるかもチェックします。タンクが壁の角に設置されている洋式トイレは、特別な分岐金具が必要です。

トイレの大きさやタイプ、便器から壁・ドアまでの距離を測ってメモしておくと、店舗で製品を選ぶときや、業者に頼むときに相談しやすくなります。

大家の許可を取る

ウォシュレットを取り付ける前に忘れてはいけないのが、大家の許可を得ることです。DIYできることが売りの住宅でも、念のため許可を取った方がトラブルを防げます。

許可を取るときには、退去するときに原状回復が必要かどうかの確認が重要です。大家に直接連絡できなければ、管理会社を通して確認できます。

賃貸用の家屋は大家の所有物なので、改変するときは大家の同意が必要です。製品の購入や、取り付け業者への依頼前に了解を得ましょう。

大家と交渉するときに確認したいこと

賃貸住宅でウォシュレットを設置する前に、大家の許可を取らなければなりません。コミュニケーションのすれ違いでトラブルが起きないように、交渉の際に押さえておきたいポイントを確認します。

設置費用は自己負担と伝える

ウォシュレットの取り付け許可を得るときに大切なポイントの1つ目は、「設置費用は自己負担にする」と伝えることです。ウォシュレットは人気のある家電ですが、出費を増やしたくないために、大家が設置を許可してくれないケースもあります。

最初は大家にウォシュレットの取り付けを依頼するのもよいでしょう。もし断られても、設置費用を自分で負担すると伝えれば、同意を得られる可能性が高くなります。

工事の穴は原状回復費の対象か

大家との交渉で押さえておきたい項目の2つ目は、取り付け工事で壁に穴を開ける場合、原状回復費の対象になるかどうかです

原状回復とは「普通の生活をしていたら必ず付く」とはいえない、住宅の傷や汚れを修復することです。年月による劣化や生活の中で起こる自然な傷は、原状回復の対象には含まれません。

ウォシュレットは操作用リモコンを取り付けるため、壁に固定用の穴を開けることになります。さらにコンセントを増設する場合も、壁に穴を開けます。この変更が原状回復にカウントされ、退去のときに修理費用を求められるのか、事前に確認しましょう。

ウォシュレットの保有者は誰か

ウォシュレットの保有者が誰なのかも、前もって確認したい事項の1つです。保有者が大家なら物件の設備扱いで、ウォシュレットを置いたまま退去することになります。入居者なら退去時にウォシュレットを撤去するのが基本です。

ただし保有者が入居者の場合でも、退去時に付けたままでよいという大家もいます。ウォシュレットを取り外すには手間や費用がかかるので、大家に置いていく許可を取れると面倒が減ります。

壊れた場合の修理費を負担するのも保有者です。ウォシュレットが壊れたときや退去時にもめないよう、保有者をはっきりさせておきましょう。

賃貸に付けるウォシュレットの種類

ウォシュレットはお湯を用意する方式から、大まかに2種類に分けられます。貯湯式と瞬間式の説明と、コストや使いやすさにおけるメリット、どんな人に適しているかを紹介します。

貯湯式は本体価格が安め

貯湯式はタンクの中に温水を貯めて利用する方式です。すぐにお湯が出るため、使い勝手がよいといえます。本体価格は1万5,000円~3万円が相場で、ウォシュレットの中では低価格帯の製品が豊富です。

お湯を温め続ける構造であるため電気代がかかり、タンクのお湯が切れると水道水に切り替わります。連続でウォシュレットを利用しない一人暮らしの人や、シャワーの水は多めが好きな人、初期費用を抑えたい人に向いています。

瞬間式は湯切れの心配がない

瞬間式はトイレを使うたびに水道水を加熱して使う方式です。お湯を温める待機電力が不要な分電気代を安く抑えられるほか、連続で使用しても安定的にお湯が出るのがうれしいところでしょう。

ただしお湯を作るときの瞬間的な電力は高いのが注意点です。電力容量を低めに設定している家は、電力会社に連絡して電力容量を上げることになるかもしれません。

貯湯式と比べると本体価格は高めですが、自動開閉・オート節電などの便利機能の付いた製品が多い傾向です。家族の人数が多い家庭や、ランニングコストを低くしたい人におすすめです。

賃貸に付けるウォシュレットの選び方

賃貸に付けるウォシュレットを選ぶには、いくつかのチェックしておきたい項目があります。便器のサイズや、温水供給方法・操作パネルの種類などが代表例です。後で後悔しないように知っておきたい、ウォシュレットの選び方を説明します。

便器のサイズに合っているか

便器にはレギュラーサイズと、大型のエロンゲートサイズがあります。便器のサイズとメーカーを知るには、便器の品番からネットで調べるのが簡単です。

もし検索して分からなければ、便器の穴の1番長い直径を測ります。レギュラーサイズは約320~350mm、エロンゲートサイズは約355~380mmが目安です。測るのは便座ではなく、便器の穴である点に気を付けましょう。

ウォシュレットは自宅の便座に対応したサイズか、どちらにも設置できる併用型を選びます。一般的なウォシュレットは他社の便器にも使えますが、同じメーカーの方がサイズや形を合わせやすく、見た目の一体感も出ます。

温水供給と操作パネルの種類

ウォシュレットはお湯の供給方法で貯湯式と瞬間式の違いがあります。貯湯式は本体価格が安めですぐにお湯が使え、瞬間式は電気代が安めで湯切れしないのがメリットです。

また操作パネルの位置によって、便座一体タイプ(袖リモコン)と、壁リモコンタイプに分けられます。袖リモコンは便座の横に操作パネルが付いており、電池交換の手間がかかりません。低価格で貯湯式の製品が多く、リモコン分の横幅が広いのが特徴です。

壁リモコンタイプはリモコンを壁に付けるので汚れにくく、瞬間式の製品が多めです。ビスで取り付けるため、大家から壁に穴を開ける許可をもらう必要があります。自分にとって使いやすい種類を選びましょう。

便利機能をどこまで付けるか

ウォシュレットによっては手入れの手間を省いたり、心地よく使ったりするのに役立つ機能が付属しています。代表的な便利機能は次の通りです。

  • 脱臭:トイレを使った後の嫌な臭いをウォシュレットが吸収する
  • ノズル洗浄:汚れやすいノズルを自動洗浄し、掃除を楽にする
  • 自動洗浄:使った後に水が自動で流れる
  • 便座の自動開閉:人の動きに反応して、便座のふたが自動開閉する
  • 便座暖房(ウォームレット):電気で便座を温める

多機能なほど本体価格や使用中の電気代が高くなります。便利さと費用をどれくらい重視するか、ちょうどよいバランスを考えましょう。

本体価格の目安

ウォシュレットの本体価格は、1万9,000~8万円程度の幅があります。機能性と座り心地に関わる材質が値段に関係しています。

袖リモコンタイプの費用は低価格な傾向にあり、本体価格は1万9,000~4万円程度、業者に頼んだときの取り付け価格は7,000~1万円程度が相場です。

壁リモコンタイプは袖リモコンに比べると高めで、本体価格が3万8,000~8万円、取り付け価格は1万~1万4,000円程度になります。

本体の値段と工事費用を合わせた初期費用は、袖リモコンタイプがお得です。ただしランニングコストや掃除のしやすさも考慮すると、判断が変わるかもしれません。長い目で見たときの総合的な費用や手間を計算して決めましょう。

賃貸にウォシュレットを付ける際の注意点

賃貸住宅にウォシュレットを付けるときには、見落としてはいけない注意点があります。取り外した便座の扱い方や退去時の対応、メーカー保証と業者の工事保証の違いなど、自分のケースではどうすればよいのかチェックしましょう。

取り外した便座は大切に保管する

賃貸住宅を退去するときには、原状回復するのが原則です。もともと設置されていた便座や取り付け部品は、なくさないようにビニール袋に入れて保管しましょう

ウォシュレットの保有者が入居者の場合は、退去時にウォシュレットを取り外して元の便座に戻すのが基本です。外したウォシュレットは廃棄するか、引越し先に持って行くことになります。

引越し先に持って行きたいなら、引越し先のトイレが取り付け可能か、ウォシュレットと合ったタイプかを調べ、新居の大家に取り付け許可をもらいましょう。

メーカー保証・業者の工事保証を確認

ウォシュレット本体を購入するときや工事依頼する場合は、メーカー保証・業者の工事保証を確認しましょう

メーカー保証は製品に対する保証で、通常の使い方をしていて不具合が出たときに、保証期間内であれば無償で修理してもらえます。保証期間は製品購入日から数えて1年間が一般的ですが、追加料金を払うと延長できることもあります。

一方で取り付けによる水漏れやトラブルがあっても、メーカー保証は対応していません。工事に関わる保証を受けたければ、工事保証を発行する業者に取り付けを頼む必要があります。保証期間内は工事によって起きた問題に、無償で対応してくれるので安心です。

ユニットバスの場合は湿気対策が必要

浴室・トイレ・洗面台がセットになったユニットバスは、ウォシュレットを取り付けにくい環境です。浴室の湯気などで湿度が高くなりやすく、ウォシュレットを付けると漏電・感電の危険性があるからです。

ユニットバスにウォシュレットを設置したいなら、防湿タイプか電池タイプを検討しましょう。防湿用はトイレの外に電源を確保するため、壁に穴を空けなければならず、大家から工事の許可が必要です。

コンセントがいらない電池式洗浄便座は、防湿タイプよりも価格を抑えられ、手軽に利用できます。

賃貸にウォシュレットを取り付ける方法

賃貸にウォシュレットを取り付けたいときは、自分で付けるやり方と業者に頼む方法があります。どちらが適切なのか、それぞれのメリットや詳しい取り付け方を見て選びましょう。

自分で行う場合

ウォシュレットを自分で取り付けるメリットは、工事費用がかからないことです。ウォシュレットの取り付け手順を紹介します。

  1. 便座を便器に留めているナットを工具で緩め、付いている便座を外す
  2. トイレのタンクを開け、「止水栓」を閉めて「ウォシュレット分岐栓」を付ける
  3. 便器の下からナットでウォシュレットを取り付ける
  4. 分岐栓と便器をホースでつなぐ
  5. ウォシュレットの電源コードをコンセントに挿す
  6. すべての動作に問題がないか試運転する

取り付け方法はシンプルですが、DIYに慣れていない人や、アフターフォローが欲しい人は業者に頼むのが賢明です。

業者に頼む場合

個人で取り付けるときは、作業中に壁を傷付けるなどのトラブルが発生した場合も、自分で対処しなければなりません。設置直後に問題がなくても、取り付け方が甘くて水漏れが起こるリスクもあります。

取り付け業者は水回りの専門知識があり、工事に伴って起こりやすい問題を防ぐ技術を持っています。またコンセントを増設するには、電気工事士の資格が必要です。

手間をかけずに安心して取り付けたいなら、業者比較サービスを利用して業者に依頼するのがおすすめです

賃貸のウォシュレット取り付けは業者に依頼しよう

ウォシュレットを取り付けるには、コンセントやアース、余裕を持って動作できるスペースが必要です。賃貸住宅の場合には、大家からの取り付け許可も忘れてはいけません。

製品を選ぶときには、家族構成に合った温水供給方式や便利機能を踏まえ、本体価格・電気代・取り付け費用を総合的に検討しましょう。

ウォシュレットをDIYで取り付けるよりも、専門知識のある業者に取り付け工事を依頼する方が、トラブルを防ぎ、アフターフォローが充実しているのでおすすめです

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