オキシクリーンを洗濯槽掃除に使える?どんな人にオススメ?
オキシクリーンを使って洗濯槽を掃除する場合、「オキシ漬け」と呼ばれるつけ置き掃除が可能です。落とせる汚れの種類や、掃除の手順に特徴があるので、まずはどんな時にオキシクリーンがオススメなのかを紹介します。
オキシクリーンで落とせる洗濯槽の汚れは?
オキシクリーンは「酸素系漂白剤」と呼ばれる種類で、化学成分を使っていないのが人気の要因のひとつです。それにもかかわらず、同じ酸素系漂白剤のなかでも洗浄力の高さに定評があります。
また液性は「弱アルカリ性」なので、酸性の汚れを落とすのにピッタリ。洗濯槽に溜まりやすいおもな酸性の汚れは以下です。
- 食品や調味料などの食べこぼし
- 皮脂・汗・手垢などの汚れ
- 血液
- 油汚れ
- 泥汚れ
衣類からはがれて洗濯槽に溜まったこれらの汚れを、発泡する力によって浮かせることができます。
また酸性の汚れが溜まる場所であればオキシ漬けが有効なので、「皮脂汚れが溜まったバスタブ」「サボったリング(黒ずみ)のあるトイレ」「食器の油汚れ・茶渋」などにも使用可能。
逆にアルカリ性の汚れは苦手なので、お風呂や鏡についた水垢・石鹸カス、トイレの黄ばみ(尿石)などには向いていません。その場合はクエン酸などの酸性洗剤を使うのがオススメです。
カビにはどれくらい有効?
洗濯槽を掃除するときのキッカケとして「衣類に黒いカス(カビ)が付いている」など悩みを抱える方も多いと思いますが、カビを徹底洗浄したいならオキシクリーンだけでは効果が薄いでしょう。
オキシクリーンの仕組みは発泡して汚れを浮かすことなので、カビの表面はボロボロと落ちていきますが、根っこは残ってしまうことがあります。
洗濯槽のカビが消えなくて困っている方は、「塩素系漂白剤」を使って、カビを根っこから徹底分解するのがオススメ。丁寧に掃除したい場合は、「オキシクリーンで1回目、塩素系漂白剤で2回目」の槽洗浄をするとよいでしょう。
オキシクリーンで洗濯槽掃除するのがオススメな人は?
オキシクリーンで洗濯槽を掃除するのがオススメな場合と、逆に控えたほうがいい場合は、以下の表を参考にしてみてください。
オキシクリーンがオススメ | 塩素系漂白剤がオススメ |
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オキシクリーンをはじめとする酸素系漂白剤を使うと、自分で洗濯槽の汚れを集めて捨てる必要があるので、とても手間と時間がかかります。そのため半日~1日ほどの時間をかけられる人にオススメです。
また「分量を多くしすぎると発泡した水があふれる」「排水口が詰まる」という懸念があるので、実は多くの家電メーカーは酸素系漂白剤の使用を非推奨としています。もしメーカーの推奨する方法で掃除したい場合には、塩素系漂白剤のほうがオススメです。
オキシ漬けで失敗しないための注意点!洗濯機が壊れると言われる理由は?
「洗濯槽をオキシクリーンで掃除したら失敗した」という声をSNSなどで見かけた方もいるのではないでしょうか。そこでオキシクリーンを使って失敗しないための注意点を紹介します。
オキシクリーンで洗濯機が壊れると言われる理由
オキシクリーンを使って洗濯槽を掃除すると、洗濯機が壊れると言われることがあります。実際メーカーが推奨していないのも、故障のリスクがあるためです。その理由はおもに以下の4つ。
- ドラム式洗濯機の場合は泡立ちに弱い
- ゴミが多すぎて排水口に詰まる
- 分量や水温を守らないとオキシクリーンが溶け残る
- つけ置き時間を守らないとステンレスが腐食する
ドラム式洗濯機の場合は、泡立ちが多すぎるとセンサーが誤作動を起こし、すすぎが止まらなくなるなどの不具合が起こることがあります。基本的にはドラム式洗濯機でオキシクリーンを使うのは避けるのが無難です。
通常の縦型洗濯機でも、汚れが多すぎたりゴミが固まったりすると、排水口に詰まってしまうことがあります。作業手順を守って、きちんとゴミをすくい取っていれば問題ありません。
また分量や水温、つけ置き時間にかんしても、正しい方法を守らないと故障する可能性があります。オキシクリーンを使うときは、正しい分量・使い方にそって掃除しましょう。
オキシ漬けができない場合もある!洗濯槽は6時間まで
オキシ漬けは様々な場所の掃除に有効なので、洗濯槽の掃除でオキシクリーンが余っても、使いまわしできるのがうれしいポイントです。
しかし素材などの相性によっては使えない場所もあります。洗濯槽の場合は、プラスチック槽ならとくに問題ありませんが、ステンレス槽の場合はつけ置き時間が6時間を超えると黒ずみやサビの原因になるので注意してください。ひと晩中つけ置きすると傷んでしまいます。
そのほか、オキシクリーンが使えない場所は以下。
オキシクリーンが使えない場所 |
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とくに高級絨毯やウール製品、革製品の漂白はできないので注意しましょう。
ゴミをすくうネット、ぬるま湯などの準備が必要
洗濯槽をオキシ漬けすると、槽の裏側から汚れが剥がれ落ちてきます。浮いた汚れは自分ですくい取らなくてはいけないので、ネットを用意しておきましょう。お風呂で使っているゴミ取りネットがあれば、それを使っても問題ありません。
またオキシクリーンが高い洗浄効果を発揮するのは、40~60℃のぬるま湯を使ったときです。洗濯槽の満杯までぬるま湯をためて使用する必要があります。
冷水だと洗浄力が不十分になってしまうので、ガス代の節約などのために水を使ってしまうと本末転倒です。
また60℃以上の熱湯を使う場合も、素材を傷めてしまうことがあるので注意しましょう。洗濯機の機種によっては、耐熱温度が40℃以下の場合もあるので、その場合は塩素系漂白剤を使って冷水で掃除するのがオススメです。
オキシクリーンの種類を確認しておく
オキシクリーンにはアメリカ製と日本製があり、成分に違いがあります。
アメリカ製のオキシクリーンには、界面活性剤と柔軟剤が入っています。界面活性剤によって泡立ちがよくなっています。オキシクリーンで洗濯槽を掃除すると「泡立ちすぎて水があふれる」という失敗例がありますが、その場合は日本製を適量で使っているか確認してみましょう。
日本製のオキシクリーンには、界面活性剤が入っていないのでより肌に優しい作りです。泡立ちはゆるやかですが、洗浄力は高いまま変わらないので安心してください。
ただし日本製の場合も、「オキシクリーンEX」という製品には界面活性剤や香料が入っているので、目的に合った製品を選ぶよう注意してください。
ほかの洗剤と一緒に使わない
お掃除メディアなどを見ると、よく「重曹とクエン酸を混ぜて使うと効果的」など紹介されていることがありますが、あれは間違いです。オキシクリーンの場合もほかの洗剤と混ぜてしまうと洗浄効果が落ちてしまいます。
たとえば重曹とクエン酸の場合、アルカリ性と酸性が混ざってしまうので汚れを中和する前に、洗剤同士で中和してしまいます。
オキシクリーンの場合も似たような現象が起こり、たとえば塩素系漂白剤(ハイター系)と混ぜてしまうと、オキシクリーンの漂白成分が分解されてしまうのです。(ちなみに酸素ガスというガスも発生しますが、人体には無害です)
オキシクリーンとほかの洗剤を両方使う場合は、別々のタイミングで掃除するようにしましょう。
オキシクリーンを使った洗濯槽掃除のやり方と、適切な分量
オキシクリーンを使って洗濯槽を掃除する方法をざっくりまとめると、以下の手順になります。
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こちらは縦型洗濯機の場合を想定した手順です。ドラム式洗濯機の場合は「ドラム式洗濯機でオキシクリーンを使いたい場合は?」の見出しを参考にしてみてください。
手順1.洗濯槽の糸くずフィルターを外し、ぬるま湯を満杯までそそぐ
洗濯槽の糸くずフィルター(またはゴミ取りネット)を取り外しておきましょう。オキシクリーンで洗浄した後に出てくる汚れやカビがネットに絡みついて汚れるからです。
次に、40~60℃のぬるま湯を満杯までそそぎましょう。バケツで少しずつ汲んでいくか、もしくは洗濯ホースを使います。温度がはかれない場合は、「熱いけど10秒から20秒は手で触れる」くらいが目安です。
追い焚き機能が付いているお風呂の場合、残り湯を50℃以上に設定することもできますが、雑菌や汚れが気になる場合は新しい水を温めましょう。
ちなみに取り外した糸くずフィルターにゴミが溜まっている場合は、洗濯槽をつけ置きしている間に歯ブラシなどで水洗いしましょう。
手順2.適切な分量のオキシクリーンを投入する
オキシクリーンは少なすぎず多く過ぎず、適切な分量を守ることが大切です。日本製の場合はぬるま湯4Lに対して付属スプーンまたはキャップ1杯(28g)が適切なので、以下を目安にしてみてください。
ぬるま湯の量 | オキシクリーンの量 |
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48L | 12杯 |
52L | 13杯 |
62L | 15~16杯 |
72L | 18杯 |
上記の表では、よくある家庭用の洗濯機の最大水量を紹介しています。もしこれ以外の水量の場合は、たとえば「最大水量48L÷4L=12杯」というふうに計算できるので、こちらで計算してみましょう。
ちなみにアメリカ製のオキシクリーンは付属スプーンの大きさが違うので注意してください。日本製のスプーン1杯分は、アメリカ製だとスプーンの1~2メモリほどに相当します。
手順3.槽洗浄コースまたは標準コースで5分ほど運転
ぬるま湯をためた洗濯槽にオキシクリーンを適量だけ入れたら、「槽洗浄コース」または「標準コース」で運転しましょう。
排水されてしまうとつけ置きできなくなるので、5分ほどで運転を止めるのを忘れないようにしてください。
この段階ですでに汚れが浮いてくることも多いので、ネットを使ってゴミをすくい取りましょう。
手順4.ゴミが出なくなるまで放置してつけ置き
5分ほど洗濯機を運転させた後は、ゴミが出なくなるまでネットですくい取りましょう。最初のうちはこまめに様子を見て、ほとんどゴミが出なくなったらあとは時間が経つのを待ちます。
つけ置き時間の目安は、最短20分~最長6時間ほど。どのくらい放置すればいいか分からない方や、しばらく洗濯機を掃除していなかった方は、4~5時間ほど放置するのがオススメです。
浮かんできた汚れをそのまま流してしまうと、再び洗濯槽に付着して排水口が詰まる原因になるので、しっかり取り切るように注意してください。
手順5.つけ置きのあとは最後まで洗濯機を運転して完了
最長6時間のつけ置きが終わったら、「槽洗浄コース」または「標準コース」のままで最後まで運転させましょう。
これらの洗濯コースを選んでいれば通常2回以上のすすぎがあるので心配ありませんが、すすぎの回数を減らしていると洗い残りの可能性があるので注意してください。
また、すすぎの際にはお湯を用意する必要はありません。通常通りに、洗濯ホースから給水される冷水で大丈夫です。
何回やっても汚れが出てくる場合は?
洗濯槽にたまっている汚れが多いと、何回オキシクリーンで掃除しても、洗濯のときに汚れが浮いてしまって困るケースがあります。そんなときの対処法を解説します。
すすぎのタイミングで糸くずフィルターを付ける
オキシクリーンを使うと、糸くずフィルター部分に溜まった汚れまで浮いてきてしまうので、通常は取り外した状態で掃除します。
しかしフィルターを外したまま最後の工程まで進めていると、自力ではすくい取れなかった細かい汚れがずっと出続けるので、キリがありません。
何回やっても汚れが出てきてしまう場合は、つけ置きが終わったタイミングで糸くずフィルターを付けなおしてから、洗濯機を運転させてみましょう。
脱水したあとの汚れはティッシュなどで拭き取る
オキシクリーンの洗浄効果によって浮いた汚れが流されきれず、洗濯槽の中やフチに残ってしまうことがあります。オキシ漬けの掃除が終わったあとは洗濯機の中を確認して、布やティッシュなどでしっかり拭き取りましょう。
もう一度オキシクリーンで掃除する
洗濯槽に溜まった汚れが多すぎると、1回の掃除だけでは除去しきれないことがあります。つけ置きすればするほど剥がれた汚れが浮いてきてしまい、キリがなくなってしまうことに。
もし1回の掃除だけでは汚れが止まらない場合、もう1回最初からオキシクリーンで掃除してみるのがよいでしょう。
こびり付いた頑固な汚れを掃除するときには、「まずある程度の汚れを落として、もう1度掃除する」というのはよくあるテクニックです。
塩素系漂白剤を使う
オキシクリーンはいくら洗浄力が高いといっても、酸素系漂白剤の製品に変わりありません。どうしても塩素系漂白剤のほうが汚れの分解・除菌の効果は高いのです。オキシクリーンでは対処しきれなかった場合、次は塩素系漂白剤を試してみるのがひとつの手です。
ただし前述のとおり、オキシクリーンと塩素系漂白剤を一緒に使うのは避けましょう。お互いの洗浄効果を打ち消し合ってしまいます。
ドラム式洗濯機でオキシクリーンを使いたい場合は?
注意点を紹介する見出しでも、ドラム式洗濯機にオキシクリーンを使うのは避けるのが無難だと説明しました。泡が立ちすぎてセンサーが誤作動を起こしたり、排水口の詰まりの原因になりやすいからです。
しかしどうしても塩素系漂白剤に抵抗がある方や、オキシクリーンを試してみたい方もいるのではないでしょうか。そんなときは、「オキシクリーン洗濯槽クリーナー」を使ってみましょう。
オキシクリーン洗濯槽クリーナーの使い方
上記の製品が「オキシクリーン洗濯槽クリーナー」です。通常のオキシクリーンとは違って、「ドラム式洗濯機にも使える」と明言されています。
画像をクリックするとAmazonの販売ページへ移動できるので、気になる方はチェックしてみてください。
ドラム式洗濯機の掃除方法 |
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ドラム式洗濯機の場合は、上記の手順でオキシクリーンを使うことができます。
縦型洗濯機と違って、途中でフタを開けられないので、運転が終了したあとで汚れをキレイに拭き取りましょう。
余ったオキシクリーンの保存方法と注意点
オキシクリーンを次の洗濯機掃除まで保存したり、別の掃除場所に使うために保存したりする方もいるのではないでしょうか。その場合は以下の点に注意してください。
- 密閉しない(詰め替えしない)
- お湯や水に溶かした状態で保存しない
オキシクリーンは、粉末状の状態でも酸素を出し続けています。そのため密閉した容器に移し替えて保存してしまうと、容器が爆発してしまうので注意してください。市販の容器は密閉されていないので、詰め替えずにそのまま保存するのはOKです。
また作り置きもNGです。上記と同じく容器が爆発してしまう可能性があるので、お湯や水に溶かした状態での保存も控えましょう。
オキシクリーンの保存方法
- 市販のパッケージのまま保存する
- 詰め替えしたい場合は、密閉せずに保存できる容器に入れる
- 保存場所はどこでもよいので、使いやすい場所に置く
オキシクリーンの保存方法は上記のとおり。こだわりがなければ、基本的には市販のパッケージのまま保存するのがオススメ。
別の容器に詰め替えたいなら、フタに通気口が付いている容器や、通気性のよい容器を選びましょう。
保存する場所はどこでもOKです。使いやすい場所にしまっておきましょう。
洗濯槽をキレイに保つためのコツや掃除頻度
洗濯槽を掃除する頻度は家族の人数や洗濯機を使う回数によっても大きく異なってきます。以下では具体的な頻度を紹介しますので、ぜひ参考にしてみましょう。
洗濯槽の掃除頻度は1〜2ヵ月に1回程度
結論から言えば、洗濯機の掃除は1〜2ヵ月に1回を目安にするのが理想です。家族が多く、洗い物が多い家庭では洗濯槽がすぐに汚れてしまうため、回数を増やしてもよいでしょう。
洗濯した衣類に茶色いカスが付くようになったときも、掃除する目安にできます。茶色いカスは洗濯槽から剥がれ落ちたカビで、洗濯槽が汚れてきた証拠だからです。
また、梅雨どきの湿度が高くなる頃に洗濯物の臭いが気になるようになったら、掃除したばかりだとしても、回数を増やすことをおすすめします。
洗濯機の正しい使い方を心がける
洗濯機の使い方を改善することで、汚れが溜まるのを遅らせることにつながります。
- 適量以上の洗剤・柔軟剤を入れない
- 洗濯カゴのように使わない
- 洗濯したあとの衣類はすぐに取り出す
- 使っていないときは洗濯機のフタを開けて乾燥させる
- 毎回の使用後に、糸くずフィルターのゴミを捨てる
必要以上に洗剤や水分、糸くずなどが洗濯機のなかに残っている状態が続くと、それだけ雑菌やカビが生えやすくなってしまいます。上記のポイントを押さえて、なるべく清潔に洗濯機を使いましょう。
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洗濯機の汚れを自分では落としきれなかった場合や、掃除の時間がなかなか取れない場合は、プロの業者にクリーニングを依頼するのがおすすめです。
クリーニングの料金相場は、縦型洗濯機であれば15,000~20,000円、ドラム式洗濯機なら20,000円~30,000円が目安です。
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