「オオモミジを育ててみたいけど、どんなことに気を付ければ良いのだろう」
「公園で見かけたモミジが、オオモミジなのかイロハモミジなのか分からない」
オオモミジという植物について、そんな疑問を持っている方がいらっしゃるかもしれません。
この記事では、オオモミジの特徴や似た植物との見分け方のほか、家の庭に植える場合の育て方のポイントを解説します。
オオモミジの生態や特徴!葉や花の魅力を解説
オオモミジの成長速度は1年に約40cmと植物の中でも普通ですが、高木なのでどんどん伸び幹も太くなっていきます。最終的には15m程度まで育つことも。そんなオオモミジの葉や花などの特徴を詳しく見ていきましょう。
基本情報
植物名 | オオモミジ |
学名 | Acer palmatum |
科名 / 属名 | ムクロジ科 / カエデ属 |
原産地 | 日本、朝鮮半島 |
開花期 | 4~5月 |
紅葉時期 | 10~11月 |
樹高 | 3~12m |
特性 | 落葉高木 |
オオモミジは日本に古くから自生する高木で、イロハモミジ・ヤマモミジと並んで最も有名なモミジの1つです。山にも生えていますが、園芸品種も多く、公園などの街中でもよく見かけます。
別名としてホロナイカエデ(幌内楓)やヒロハモミジ(広葉紅葉)、エゾオオモミジ(蝦夷大紅葉)などがあります。
余談ですがオオモミジの葉は、大阪のお土産でも有名なお菓子「もみじの天ぷら」に使われています。選ばれたのはオオモミジの一種である「一行寺」という品種。一行寺の葉を1年以上付け込んで天ぷらにしており、サクサクの甘いお菓子として人気ですよ。
葉の特徴
オオモミジの葉は大きく少々厚みがあり、手のひら状の形をしています。裂け目は7~9つあります。葉先は鋭く尖っており一重の鋸(のこぎり)葉です。秋には黄色から赤色に変化し、冬には落葉します。
花の特徴
オオモミジの花は春、若葉と共に出てきます。暗い紅色でバラバラと散ったように咲き、花弁は5つ。雄花と両性花が同じ木に咲くのが特徴で、その大きな葉とは対照的に目立ちません。
実や種子の特徴
葉と同じく実・種子も大きめです。それぞれ2cm~2.5cm程度の羽がついており、風に乗ってくるくると舞いながら落ちていきます。若い時の実は羽部分がぼんやりと赤く、大変可愛らしいと人気ですよ。
幹や枝の特徴
幹ははじめ青色をしていますが、日光が当たる場所から順番に灰色へと変化。青色の樹皮は光合成をします。成長するに従って幹には徐々に縦線が入っていきます。
イロハモミジ・ヤマモミジとの違い、見分け方
オオモミジとよく似た植物に、イロハモミジとヤマモミジがあります。
3種類の植物は一見とてもよく似ているので、ぱっと見ではどれがどれか分からないという方も多いでしょう。
いくつかの観点から、オオモミジとイロハモミジ、ヤマモミジの見分け方を解説します。
日本国内の分布の違い
3種類のモミジはいずれも日本国内に自生する植物ですが、エリア分布が少し異なります。
種類 | 分布 |
オオモミジ | 太平洋側(北海道、本州、四国、九州) |
イロハモミジ | 太平洋側(本州の福島県より西、四国、九州) |
ヤマモミジ | 日本海側(本州の青森県から島根県) |
葉の違い(大きさ、鋸歯、紅葉の様子)
3種類のモミジは葉の様子が少しずつ異なります。
大きさは個体による違いもあり見分けづらいことが多く、園芸関連の業者でも間違えるほどですが、大まかな特徴をおさえておけば見分けるヒントになるでしょう。
それぞれのモミジについて、大きさ、鋸歯、紅葉の様子という3つの特徴を紹介します。
※鋸歯・・・葉のふちにあるノコギリの歯のようなギザギザの切れ込みのこと
オオモミジ
葉の大きさ: 鋸歯:ギザギザが一重 紅葉の様子:赤、黄色、橙色が混ざる 比較的切れ込みが浅い。 |
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イロハモミジ
葉の大きさ:5cm前後 鋸歯:ギザギザが二重、不揃い 紅葉の様子:真っ赤に染まる |
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ヤマモミジ
葉の大きさ:8cm前後 鋸歯:ギザギザが二重、不揃い 紅葉の様子:赤、黄色、橙色が混ざる |
オオモミジの栽培に適した環境
オオモミジは丈夫な植物で、潮風の吹く場所や、湿気の多い場所、寒い場所でも育ちます。
鉢植えや盆栽などでも育てられますが、地植えにすれば、しっかり根を張ってからはあまり世話をする必要がありません。
オオモミジを育てるには、適度に湿気がある半日陰か日向が適しています。オオモミジの位置が完全に日陰になっていると、紅葉したときの色づきが悪くなってしまうので注意しましょう。
とはいえ西日に当たると葉が焼けて枯れてしまうので、西日が直接当たらない場所に植えてください。
鉢植えで育てていて移動が可能であれば、日差しの動きに応じて場所を調整するのもよいでしょう。盆栽を楽しむ方の中には、季節によって置き場所を変える方も多いですよ。
オオモミジの育て方と栽培スケジュール
オオモミジの栽培カレンダー
オオモミジを育てるときのスケジュールは、大まかに以下の通りです。
植え付け
植え付けは12~3月に行いましょう。オオモミジを育てたい位置の土を掘り、腐葉土や堆肥などの有機物を3割程度混ぜて苗を植え付けます。このとき、腐った根は取り除き、軽くほぐしてから植えましょう。
肥料
基本的に肥料は必要ありません。生育があまりよくないときは、落葉後に寒肥として有機肥料または緩効性化成肥料を与えましょう。
追肥をしなくても十分育ちますが、4~5月、9~10月にも同様に肥料を与えると大きく育てることができます。
水やり
地植えの場合は基本的に水やりは必要なく、地面に含まれる水分と自然に降る雨で事足ります。
ただし暑さが厳しい夏場や、日照りの日が連続するときは、シャワーなどで葉や幹にも水をかけてあげてください。目安として、2週間以上雨が降っていないときは水をやったほうが良いです。
鉢植えの場合、水切れを起こさないように朝夕の1日2回、水をやりましょう。夏はとくに土の乾燥が早いので要注意です。
水分が切れると、葉がしぼんでカサカサになってしまいます。乾燥した葉はもとには戻らないので、取り除いておきましょう。
オオモミジの剪定方法と適した時期
オオモミジはぐんぐん育って大きくなりますが、剪定には弱い植物。基本的には剪定は不要です。
ただし初夏に重なり過ぎた枝を間引く程度ならOKです。その際は、はさみを使わずに手で不要な枝を折るように取りましょう。
また庭木やシンボルツリーであれば「これ以上大きくなると困る」というケースもありますよね。そんな時には形を整える切り戻し(強剪定)を行っても構いません。適期は落葉後の12月。全体のバランスを見て、育ちすぎた太い枝を切り落とします。
モミジ類は休眠期が短いので、落葉期であっても12月以外は強剪定をしないでください。2月になるとすでに目覚めて成長を始めており、切ったところから樹液がしたたってくることがあります。そうなると枯れる可能性もあるため、注意が必要です。
難しい場合は剪定業者に依頼がおすすめ
オオモミジは剪定に強くなく、切る時期を間違えてしまったり、切りすぎてしまったりすることで木が枯れてしまう可能性があります。
「枯らさずにうまく剪定できるか不安・・・」という方は、思い切って剪定のプロに依頼するのがおすすめです。
オオモミジの増やし方
オオモミジは挿し木で増やすことができます。挿し木とは若い枝を切り落とし、葉をとって挿し木用の土に挿して発根を促す方法です。
ただし手順の通りにおこなっても必ず根が生えるわけではないので、成功させたいときは1度に10本程度を同時に試してみてください。
やり方は以下の通りです。
挿し木の手順
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挿し木は一般的に6月頃が適期です。風通しを良くするために間引いた初夏の枝を使って挿し木を行い、秋まで待って植え替えしましょう。
植え替える場合は、半日陰で肥えた土壌がおすすめ。育てている最中は特に肥料を必要としませんが、植え替え前にはしっかりと土作りをしてくださいね。
オオモミジが枯れる理由【日当たり・水やり・剪定・病害虫】
オオモミジは育てやすく、ガーデニング初心者にもおすすめの丈夫な植物。しかしまれに枯れてしまうことがあります。その理由は以下の4つです。
- 日陰で育てている
- 水やりが足りない
- 剪定の時期ややり方が悪い
- 病害虫による被害を受けている
それぞれの原因について詳しく説明します。
原因①日当たりが悪い
オオモミジに適した環境は半日陰から日向です。日光が全く当たらないところで育てると、きれいに葉がつかず色づきも悪くなります。
特に成長途中のオオモミジは、株が大きくならず枯れたようになってしまうこともあります。
地植えの場合は苗を植える位置、鉢植えの場合は鉢を置く場所に気を付けましょう。
原因②水分不足
水切れを起こすと、オオモミジの葉はカサカサに乾いて丸まってしまいます。一度しぼんだ葉はいくら水をやっても元に戻すことができません。
根付いたあとのオオモミジは基本的に水やりを必要としませんが、葉を乾燥させないよう、日照りが続くときには根元の土に水をやり、葉にも水をかけてあげましょう。
原因③誤った剪定
オオモミジは剪定にあまり強くない植物です。特に夏場に太い枝を切るような強い剪定を行うと、株が弱って枯れやすくなります。
一度枯れてしまうと元に戻すことは難しいので、なるべく強剪定は避け、混みあった枝や枯れた枝を軽く切り落とす程度に留めましょう。
原因④病害虫被害
病害虫が原因で枯れることもあります。オオモミジは病気にはなりにくい品種です。しかし以下の4種類の害虫には気を付けましょう。
【トビモンオオエダシャク】
ガの仲間で、幼虫でも大きなものは9cm程度になります。4月から5月の春に発生して葉を食べるため、見つけ次第捕殺しましょう。
【モンクロシャチホコ】
ガの幼虫で、赤から黒のような色をした毛虫。幼虫でも5㎝程度のものが存在します。発生は8月~10月の夏場で、葉を食べるため見つけ次第捕殺しましょう。
【ゴマダラカミキリ】
カミキリムシの仲間です。幹や枝に穴を開けて幼虫を産み付けます。その卵が孵化(ふか)すると、生まれた幼虫が木を内側から食べていくためかなり厄介。成虫を見つけ次第捕殺、もしくは穴を見つけたら穴に向かって殺虫剤を噴射するようにしましょう。早期発見が大切です。
【モミジニタイケアブラムシ】
2mm程度の大きさで、赤褐色をしているアブラムシです。4月頃に発生し、新芽から吸汁加害をする上、糞からすす病という病気を誘発します。軽い剪定をして風通しを良くし、見つけ次第捕殺しましょう。
害虫は放置すれば樹木を枯らしてしまうこともありますが、いずれも早期発見できれば対処が可能です。水やりの時などに注意して観察するようにしてください。特に4月以降の新芽の時期には、いろんな虫が発生する可能性が高くなります。
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